吾輩はSuper-region、名前はまだない、が選挙は明日
いかにもア・ラ・フランセーズと思わせるのが、レジオンと呼ばれるフランスの州の再編である。
フランスの地方自治は、基礎自治体がコミューンで、日本の市町村に当たる。この上に県(Département)があり、さらにその上にRégionがある。これは道州とでも訳すべきものだが、県知事préfetが戦前の日本と同じ官選知事であって、départementはいわば国の出先機関みたいなのだが、 Régionは議会を持ち、議会で長も選出するから、文字通り自治体である。
このRégionが従来フランス本土に22あったところ、来年1月1日をもって13に再編統合される。
22の道州は、例えばアルザスとか、アキテーヌ(ボルドー)とか、いかにも歴史的にまとまりのあるそうな地域をまとめていた。歴史は実は浅いのだが、それなりに上手く行っていた。
ところがこれが13に集約されると、歴史も伝統も文化も異質なところが一つになるということで、日本の選挙区再編と似たような抵抗が生じる。なにしろ「最後の授業」で有名なアルザス・ロレーヌ、ここは法律すらかなり特殊な地方法がある地域であり言語的にも独自性が強いが、そことシャンパンで有名なシャンパーニュ地方が一緒になる。
一緒になることは決まって、あと3週間後には新しいレジオンがスタートするのだが、その名前はまだ決まっていない。
今は暫定的に、いっしょになる道州名を併記したり、勝手に代表的なところの名前で代表させたり、あるいは頭文字で略号にしたりと、日本の銀行統合の後みたいなことになっている。
その名前がまだないレジオンの議会選挙が、この13日に第一回投票を迎え、テレビでも街角でもそれなりの選挙運動が繰り広げられているが、例えばここポワチエで、かなり遠いボルドーと一緒の地方議会議員を選ぶというのは違和感がないわけではないらしい。
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