FRANCE地方議会選挙の第二回投票は明日に迫る
FNが過半数の州でトップとなって衝撃を与えた第一回投票からはや一週間、明日はいよいよ決戦の第二回投票である。
INFOGRAPHIE. Régionales : qui va gagner au deuxième tour dans votre région ?に最新の世論調査データが出ていたので、これを紹介しよう。
驚いたことに、第二回投票では第一回ですっかり見限られた感のあった社会党中心の左翼が過半数の州でトップを取る予想がされている。
この中では、北部からピカルディにかけての州で社会党左翼連合がリストを引っ込めたので、マリーヌ・ルペンをトップとするFNよりも右翼がかろうじて多数を執る予想となっている。しかし、同じく社会党左翼連合がリストを引っ込めた CAPAでは、一時逆転されていたFNが結局トップを取る予想になっており、FNの勢いはなお局地的に侮れない。
この右側の表は、上記のサイトに行くと、極右、右翼、左翼がそれぞれ最善・普通・最悪の三ケースに分けてシミュレーションすることができ、左翼が最悪で他の2つが最善という選択肢をとってもイル・ド・フランスとロワールとを落とすだけで、ノルマンディーとラングドックは左翼連合が逆転勝利するという予想になっている。
なお、ポワチエ大学の先生の解説を聞くことができたが、彼女によれば、フランス人がサルコジ、オランドの二代続いた既存政権にすっかり失望し、彼らへの怒りをぶつけたのが第一回であったこと、そして第一回投票は最終結果とならないので、安心して怒りを投票にぶつけることができるということである。
そして第一回で行き過ぎた結果が出ると、フランス人も冷静になり、投票行動が穏当なものとなるそうである。その結果、伝統的に左翼が強いところでは巻き返すだろうとのことであった。
しかしその彼女も、北部については伝統的に左翼が強いところなのにFNがトップになったということで、これは衝撃だと驚きを隠さないでいた。
ということで、明日は、左翼巻き返し、でもFNが幾つかのトップ州を維持するというのが大方の予想のようである。
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