jury:弁護人のための模擬評議
「弁護士の説明わかりにくい」返上へ 「評議」を再現、技術向上を狙う 裁判員裁判で活用
裁判員裁判のための研修は、いかにわかりやすく伝えるかということで、裁判用語をわかりやすいように言い換えたり、画像・アニメーションなどを使ったりという面が強調されてきた。
それに対して上記で報じられている研修は、極めて王道を行っている感がある。
模擬裁判と模擬評議を1日半の日程で行い、一般から選ばれた裁判員役が刑の重さを議論した。東京地裁の裁判官3人のほか、東京地検の検察官も参加。被告役は男性弁護士が務めた。中略
なぜ、弁護人の説明が伝わらないのか。ベテラン刑事裁判官は「弁護人の法廷での主張・立証が裁判員裁判での刑の決め方とマッチしていない」と話す。中略
「一般情状ばかり主張し、犯情の主張をしない弁護人も多い」と、評議とのずれを指摘。「結論を出す過程を見てもらうことで、どう主張すればどういうふうに評議で話題になるかが分かる」と研修の効果に期待する。
とかく裁判員裁判の伝え方というと服装がどう、プレゼン技術がどうといった面に注目が集まりがちだが、上記のような研修は、自白事件に限らず否認事件でも、系統的に研究されていくべきだ。
こうしたことは、ロースクールで実務家教員を中心とする研究プロジェクトにすると良いと思うのだ。
ロースクールの本来の学生のための教育に役立つかどうかは別であるが。
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