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2014/06/14

ADR:調停委員の国籍

<調停委員>外国籍認めず 最高裁、10年間に31人拒否
この記事によると、調停委員であるために、国籍は要件となっていないが、裁判所は一貫して日本国籍を要求しているとのことである。

民事調停委員及び家事調停委員規則には、以下の様な規定が資格要件を定めている。

(任命) 第一条 民事調停委員及び家事調停委員は、弁護士となる資格を有する者、民事若しくは家事の紛争の解決に有用な専門的知識経験を有する者又は社会生活の上で豊富な知識経験を有する者で、人格識見の高い年齢四十年以上七十年未満のものの中から、最高裁判所が任命する。ただし、特に必要がある場合においては、年齢四十年以上七十年未満の者であることを要しない。

(欠格事由)
第二条 次の各号のいずれかに該当する者は、民事調停委員又は家事調停委員に任命する ことができない。

一 禁錮以上の刑に処せられた者

二 公務員として免職の懲戒処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者

三 裁判官として裁判官弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者

四 弁護士、公認会計士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、弁理士、建築士、不動産 鑑定士若しくは不動産鑑定士補又は社会保険労務士として除名、登録の抹消、業務の禁止、 免許の取消し、登録の消除又は失格処分の懲戒処分を受け、当該処分に係る欠格事由に該 当する者

五 医師として医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第七条第二項の規定により免許を 取り消され、又は歯科医師として歯科医師法(昭和二十三年法律第二百二号)第七条第二 項の規定により免許を取り消され、再免許を受けていない者

このように明示的には外国籍の者を資格なしとはしていないが、公権力の行使に当たる公務員には日本国籍が必要だという「当然の法理」による外国籍排除ということであろう。

調停という概念からは公権力の行使といえないとの主張に理があるが、民事調停法の規定は民間ADRと異なる強制的な契機が含まれていることも事実だ。
例えば民調12条の調停前の措置、12条の3の期日呼び出し、これらは調停委員会としての行為であり、過料の制裁をもって強制される。

公権力の行使に当たるかどうかということよりも、調停の当事者が多様であることを踏まえて外国人調停委員がいなくて良いのかという点と、日本に生まれ育ったが国籍だけは外国籍という場合に日本国籍保有者と区別する意味があるのかどうかという観点から考えてみると、裁判所の頑なな態度は、マナーの悪い外国人を排除するお風呂屋さん程度の合理性もなく外国人を排除しているように思う。

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