election municipale:フランスの選挙サンデー
フランスでは、今日23日が統一地方議会選挙の第一回投票日ということで、メディアはそれなりに賑やかである。
しかし、町中での選挙カーによる候補者名連呼は禁止されているのか、バカバカしいから誰もやらないのか、全然見かけない。アメリカみたいにテレビコマーシャルでこれでもかこれでもかというのも、少なくとも地方議会選挙ではない。ポスターはあちこちに貼られているが、訴求力は乏しいような感じがある。
ということで、単に滞在しているだけでは選挙と気が付かないくらいの静けさの中、選挙サンデーを迎えた。
今回の選挙は6年任期の地方議会選挙なので、2008年以来の選挙となる。
議員定数は、各市町村(コミューン)の人口により機械的に定められており、最小のコミューンは100人以下の人口で7人を選出する。私のいるVienne県では、Lauthiers村が68人の人口で7人の議員を選出しなければならない。実に10人に1人は議員だ。
他方、Vienne県最大の都市Poitiersは人口が87,906人なので、53人の議員を選ぶ。
今回の変更点の一つは、従来3500人以下の人口の市町村で認められていた候補者リストへの有権者による追加変更が、1000人以下の市町村に限られ、言い換えると1000人以上の市町村の議会選挙では有権者がリストにない名前を書いて投票することが出来なくなったということだ。
これにより、開票作業が大幅に短縮され、徹夜の必要はもうないとされている。
1000人以下の市町村では従来通り、候補者リストにない名前を書けるが、しかし今回からは、立候補宣言をした人に限るという事になったので、全く立候補の意思を示していない人に勝手に投票することは、小規模市町村でもなくなったというわけである。
その1000人以下の小規模市町村では第一回投票で各候補者が獲得した票により過半数(かつ有権者数の4分の1以上)を取ると当選、それ以下なら第二回投票が行われる。ここでは比較多数で当選が決まり、同数なら年長者が優先される。
1000人以上の市町村では、いわゆる拘束比例式名簿による比例代表+最大多数党への半数の議席配分の組み合わせにより選出される。すなわち、第一回投票で過半数を取った政党には、総議席の半分が配分され、残りの半分を、その最大多数党から5%以上得票した党までの間で比例配分される。
第一回投票でどの党も過半数をとれなければ、10%以上の得票率を得た党の間で、第二回投票が行われ、ここでは相対多数を取った党が半数の議席を得て、残りは全部の党の間で比例配分される。
市町村連合体の評議員conseillers communautairesについても、1000人以上の人口の市町村では有権者が直接投票によって選ぶことになった。これまでは市町村議会の中で選んでいたのが、直接投票となり、議会議員と合わせて2つのリストから投票する必要がある。
それぞれのリストについて、1000人以上の市町村はパリテが義務付けられている。すなわち、候補者リストは交互に男女を並べなくてはならない。
ということで、今晩のテレビは選挙速報である。
参考サイト:
Élections municipales 2014, mode d'emploi
Quel est le mode de scrutin pour les élections municipales dans les communes de 1 000 habitants et plus ?
Les conseillers communautaires
フランス市町村議会・県議会選挙
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