原子力PRセンターとまりん館
とまりん館に入ると、円筒形の水槽に熱帯魚が飾られ、シンボルキャラクター「とまりん」が鎮座するホールがあった。
総合受付でガイドツアーを申し込むと、予約もなしに直ちに応じてもらえた。やってきた職員さんが後志地方の地形から説明を始めた。
原子力展示のいり口には、福島第一発電所の爆発事故を踏まえて、今回の安全審査の申請のために実施している安全対策が取りまとめて展示されている。
急ごしらえだったので、このパネルしか今回の安全対策を取りまとめたパネルはないということである。
3号機の再稼働のために、1号機と2号機に緊急対策室を用意すること、猶予期間中に免震重要棟を建設することなどである。
このパネルの先に、タイムトンネルのような廊下を通って原子力展示に行く。
通路を通って最初に泊原発の全景を写した写真が飾られている。
ここでは、想定される津波を7.5m程として、泊原発の建屋やタービン建屋は海抜10mのところにあり、さらに31mの高さに免震重要棟を配置する予定であることなど、津波対策は万全であることを説明された。
右の写真は燃料棒の実物大模型。
原子力展示では、圧力容器内の模様や核分裂の連鎖反応を映像で示す模型、蒸気発生器などがある。
ところで原子力建屋の構造は、分厚いコンクリートで覆われており、頑丈堅牢そのものである。これが水蒸気爆発で吹っ飛んだのだと思うと、人間の能力の限界を思い知らされる思いだ。安全さを強調すればするだけ、原発事故の恐ろしさがより一層際立つ。現実の前には何も言えない。
なお、右の写真は使用済み核燃料の貯蔵プールの模型である。水位は十分に余裕があるというのだが、冷却システムが働かなくなった時には、水位が下がるのである。
もっとも、福島第一発電所のように原子力建屋内にプールを設けているわけではなく、山側の別棟に貯蔵プールが有り、しかも冷却水を高台に貯蔵しているので、電力がなくともしばらくは冷却のための水を補給できるということである。
しかし、いずれにしても未来永劫ともいうべき使用済み核燃料の保管、最終処分という名の保管について未確定であることは変わりなく、核燃料サイクルが破綻している以上、いずれは騙し騙しで置かせてもらっている六ケ所村での仮置きもできなくなり、泊原発サイトで本格的な貯蔵をせざるを得なくなる。そうした事態を想定した対策は、全くなかった。
岩内町に戻ると、ご当地ゆるきゃらのたら丸が地味に迎えてくれた。
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