白い恋人vs.面白い恋人が和解
白い恋人を発売する石屋製菓と面白い恋人を発売する吉本興業は、商標権侵害差止訴訟について裁判上の和解に達したようだ。
→Yahoo!ニュース「「白い恋人」と吉本興業が和解成立…「面白い恋人」パッケージ変更で継続販売」
→石屋製菓のプレスリリースpdf
→吉本興業のプレスリリースpdf
上記のリリースによれは、和解は以下のような内容とのことである。
(1) 被告らは、「面白い恋人」のパッケージデザインを、「白い恋人」との誤認混同の恐れが無い内容に変更する。(2) 被告らは、「面白い恋人」の常設小売販売を、近畿6府県(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県及び和歌山県)に限定する。 但し、北海道及び青森県を除く地域において、年間 36回を上限とした期間 1 ケ月以内の催事での販売は例外とする。
このように常設小売販売と催事販売を限定することで、誤認混同されないようにしたというのが和解の趣旨だ。
もっとも、面白い恋人はこの訴訟によって極めて高い知名度を、それも「よしもと」というブランドとともに獲得したので、既に石屋製菓の白い恋人と間違えたり、同系統のものと勘違いしたりすることはなかったであろう。その意味で、誤認混同されないというのはあまり意味のあることではない。
また、上記の和解はあくまで店舗販売の地域限定であり、ネット販売については全く触れられていない。リリースに載っていない条項があるということも考えられるが、仮にないとすれば、ネット販売は限定されないので、自由に行える。現にアマゾンにも以下のようなラインナップがある。
黒い恋人はオマケだが、面白い恋人は品切れとのことで、ヤフオクでは買えるそうだ。
というわけで、地域限定販売というのは実に古臭い手法に思える。
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