jugement:告訴状の放置について、口頭の告訴があったと認めた事例
刑事訴訟に関することだが、告訴・告発、あるいは被害届すらも、警察・検察が受理をしないという実務がまかり通っているようで、これに一石を投じるかもしれない事例があった。
記事によれば、自動車を蹴って傷つけたとして、運転手が告訴したのに対し、警官が放置したまま告訴の法定期間を徒過したというのである。
刑事訴訟法 第二百三十五条 親告罪の告訴は、犯人を知つた日から六箇月を経過したときは、これをすることができない。(以下略)
告訴を意図的に受理しないことと、告訴状を受け取っておきながらこれを放置することとは、かなり違いがあるような感じがするが、記事によれば「同署によると、捜査を進める一方で、署員が手続きを忘れたため受理が今年1月にずれ込んだ」とのことであり、「放置」ともいい難い微妙な状況だったようである。
結局、告訴期限の徒過については、東京簡裁が「口頭で告訴が成立した」と判断することですり抜けた。
口頭での告訴はもちろん法文上も認められており、調書を取ることになっているが、事実上受理していた状況を法律上も受理したものと認めたということである。
告訴を受理しないという門前払い手法に対する反論材料としては、事案が異なりそうだが、一石ということでご紹介。
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