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2012/07/17

nuk:活断層も、調べなければ危険な存在とはいえない

原子力ムラの常套手段というか、得意技となっているのが、この態度だ。
言い換えると、「危険の可能性は見なかったことにしよう」とか、もっとお馴染みの言い方でいうと「臭いものに蓋」ということだ。

それがまた発揮されようとしているのではないかと思わせるのが、毎日jpの次のニュースだ。

志賀原発:直下に活断層か、廃炉可能性も

 北陸電力志賀原発1号機の直下を走る断層が、13万〜12万年前以降に動いた活断層である可能性が高いことが16日、経済産業省原子力安全・保安院の調査で分かった。国の原発耐震指針では、こうした新しい断層を原発の耐震設計上、考慮するよう定めている。

 国は活断層の真上に原子炉など重要な施設を設置してはならないとしており、活断層と確認されれば志賀原発は「立地不適格」となる可能性もある。保安院は17日に専門家会議を開き、現地での再調査の必要性について検討する方針。

 活断層の可能性が指摘されたのは敷地内で南東−北西方向に走る「S−1断層」。


(「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道」とみなして転載)

この件についての対応が今後どうなるか、分からないところだが、留意しておく必要がある。
なにしろ、大飯原発の例では、既に原発建設の時点から活断層の存在が疑われるスケッチがあったのに「専門家」はスルーして建設を認め、その後再稼働の是非が問われた時の評価過程でも「F−6」と呼ばれる断層などが指摘されていながら、掘って調べようともせず、関連資料もなんと紛失したといって再検討に提出もせず、そんな舐めきった態度の関電に規制官庁であるはずの保安院と専門家たちは再びスルーして再稼働を認めたのだ。

「どうせ地震なんてめったに起きないし、そんなごくわずかな危険に備えて超高価な設備である原発を捨ててしまうなんてもったいない。第一、原発による電力は必要なのだから、とにかく動かそう。それに万一事故が起こったって、一人として死人はでなかったのだから、大した問題じゃないだろ。」

 こんな本音は、色々なところで漏れ伝わってきている。
 「ごくわずかな危険に備えるのはもったいない」というのは、東日本大震災のときと同程度の津波が予想されたのに、防潮堤一つ作ろうとせず、経済性から正当化しようとしていた東電の態度だ。
 「原発による電力は必要なのだから、とにかく動かそう。」は大飯原発再稼働の論理そのもの。
 ここ最近の報道に登場した電力会社社員が、「個人の見解」として、意見聴取会で表明したのが「万一事故が起こったって、一人として死人はでなかった」という趣旨の発言である。

 こういう基本的な態度の電力業界と、それを是認してきた「規制官庁」であるはずの保安院が、上記の活断層の存在が疑われるという指摘にどう動くかといえば、ろくな調査もすることなく、活断層かどうかは不明だから立地は法的に問題ないと強弁することではなかろうか?

 ちなみに、泊原発の下にも活断層が走っている、地震のリスクに晒されていると言われながら、しかもすぐに再稼働すべしという切迫した状況にもないのに、一向に調査しようとしている気配がない。原発は安全第一という姿勢の高橋はるみ知事さん、放っておいていいの?

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