jugement:権利能力なき社団の当事者能力が認められた事例
事案は、書写や書道の検定などを行ってきた企業の内紛で、従来企業内で検定事業をやっていた部門を承継して独立したという中野書写検が、元の会社に不正競争行為の差し止めを求め、他方で会社側が中野書写検にも不正競争行為の差し止め等を求めたというものだ。
表記の点は、中野書写検という法人格のない団体が民訴法29条に基づいて当事者能力があるかどうか、また中野書写検が事業を承継したという旧書写検が被告会社の一部門だったのか独立した存在であったのかで、後者についてもまた旧書写検が法人格なき社団と認められるかという点が問題となった。
結論は、中野書写検について法人格なき社団としての実質が備わっているとしつつ、旧書写検には備わっていないというものである。
学生の皆さんは、どういう資料で法人格なき社団として当事者能力を認めるのか、ぜひ原文をあたってみてほしい。法人格なき社団かどうかの判断は23頁から示されている。
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コメント
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 株主の権利 | 2012/01/19 15:28