Bankruptcy:札幌グランドホテルが再生機構入り
札幌グランドホテルや札幌パークタワーの経営母体が企業再生支援機構の支援を受けることが報じられている。
全国ニュースと地方ニュースとで、まるで別々の企業が対象となったかのように見えるので面白い。
朝日の全国ニュースでは「鴨川シーワールドなど運営の会社を支援へ 再生支援機構」
北海道新聞では「グランビスタ機構入り 札幌グランド、パークホテル運営母体」
千葉版の読売新聞では「「シーワールド」支援決定 再生機構」
ともあれ、北海道的にはグランドホテルとパークホテルという札幌の代表的な老舗ホテルの経営母体が、倒産手続の一翼を担う企業再生支援機構の支援を受けるということで、明るいニュースではない。
企業再生支援機構のプレスリリースPDFを読むとなかなか面白い。
厚労大臣は主務大臣として雇用を守るようにと意見をいい、事業所管大臣としての国交大臣は地域の重要なホテル等だから観光立国の推進に資するように努められたいと意見を言っている。
この企業再生支援機構とは、株式会社企業再生支援機構法という法律により設立された特殊株式会社であり、以下のような業務を行う。
支援決定の対象企業は「過大な債務を負っている中堅事業者、中小企業者その他の事業者であって、債権者その他の者と協力してその事業の再生を図ろうとするもの」(25条1項)であり、具体的な支援基準は主務官庁連名で告示(pdf)されている。
金融機関からの債権買取等(26条・28条〜)
金融機関への回収等停止要請(27条)
対象企業への出資(31条)
ちなみに、この企業再生支援機構のとりあった案件でもっとも有名なのが日本航空であることは言うまでもない。JALのケースでは、会社更生手続との併用で倒産処理手続が行われている。
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