sumo:法学教材またまた提供
以前は、正直に申し出れば不問に付すと言って事情聴取をして、賭博やりましたと正直に言ったら処分されたというのが日本相撲協会的良心だった。
今回は・・・
ほとんどそのままプリントアウトして、ローでも学部でも、というよりむしろ中高の法教育でも、教材に使えそうな話である。
午後6時30分から約3時間にわたった会合では、メールで名前が挙がった疑惑の14人への調査方法について議論。中でも協会が師匠を通じて任意での提出を求めている携帯電話について、3人が未提出(他に1人が紛失)である状況を打開する方策が話し合われた。調査委は14人全員の携帯電話のメールを解析して八百長の認定を進める方針だが、提出を拒否している力士がいる以上、調査は前進しない。しかも要請に従って提出した者のメールだけが解析されれば、調査は著しく公平性を欠くことになる。法大教授の山本浩委員は、未提出者が提出しない理由を「黙秘している者もいる」と明かす。こうした状況に伊藤座長は「正直者がバカを見るのはやめる方策を考えた」と、22日の協会の理事会では、未提出者に対し何らかの罰則などを求める提案を調査委としてすることをほのめかした。
差し当たり、事後処罰の禁止という言葉が思い浮かぶ。
大体、「任意の」といいながら、それに応じないことが「著しく公平性を欠く」などという評価になること自体、どこか日本語を間違えている。「任意」ではないのか、「公平」を履き違えているかだ。
では、「今後は強制で行きます、今までは不提出も許されたけど、今後の提出命令には罰則を設けて、改めて提出を求めます」とすればよいか?
これがまた大問題で、日本相撲協会が雇用関係にある力士に対してどこまで「強制」が出来るかという問題となる。
これは例えば一般の会社で秘密漏洩などの調査のため私物の検査を出来るか、懲戒処分付きで強制できるかという問題なら、そう簡単ではない。被調査者のプライバシーだって、無視して良いということにはならない。
ましてや、通信機器であれば、通信の秘密を尊重する必要というのもある。
われわれ外野からすれば、大相撲の八百長問題をある意味浄化するために、大鉈を振るうべきで、それをしない調査委員会はお茶を濁しているのではないかとか、やはり内部での調査は無理だとか、身びいきだとか、そんな感じを受ける。
しかし、手続的正義とか手続保障という言葉を多少なりとも理解した上で調査委員会のできることを考えると、やはり限界があることは否めない。
ということで、せめてまともな法律家の関与が必要ではないかと、そんな感想だ。
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