Bar-exam:法曹養成制度研究会の資料
8月12日、総務省サイトに「法科大学院(法曹養成制度の)の評価に関する研究会(第3回)」の配付資料が掲載されていた。
その中には法科大学院別の入学者数と競争率、新司法試験合格率の一覧表pdfなど生々しいものもあるが、興味があるのは法曹人口の推移pdfで、下記のようなデータがある。
平成16年から平成21年までに、法曹人口の全体の増加率は約30%
弁護士の増加率は33.2%
裁判官の増加率は15.2%
検察官の増加率は11.3%
法曹人口の増加により2割司法の解消、司法制度の機能拡大が求められたが、弁護士人口の増加に偏り、裁判所・裁判官の処理容量の増加にはあまり結びついていないということがいえる。
ただし、一部の弁護士の言う「弁護士だけが増えて裁判官は増えていない」というのはアンフェアな言い方だ。
裁判所の処理容量は、裁判官だけでなく、書記官の定員や法廷の数にも依存するが、そちらがどれくらい増えているのか、せめて15%程度は増えているのか、そのあたりの情報は総務省の研究会で検討対象にしないようだが、司法の機能拡大を論じるには参照されるべきポイントのはずだ。
検察官の増加が一番低いことについては、一方で裁判員裁判の開始による業務の増大に追いついていないということがいえそうだが、他方では犯罪自体が減っているという事実があり、評価は難しいところである。
なお、この研究会では司法修習の給費制から貸与制への変更までを検討対象としているが、その先の法律事務所への就職状況、企業法務への就職状況、公務員としての就職状況のそれぞれの推移なども検討対象とすべきである。
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