arret:落合洋司先生の上告事件
落合先生が上告した事件の最高裁判決が、裁判所サイトに掲載されていた。
事案はよく分からないが、遠隔監視装置を備えた自動販売機でエロ本を売った行為が青少年健全育成条例に反するとして処罰されたのが、憲法に反しないという判断のようである。
判決のポイントは以下。
・有害図書類は、「一般に思慮分別の未熟な青少年の性に関する価値観に悪い影響を及ぼすなどして,青少年の健全な育成に有害であることは社会共通の認識であり,これを青少年に販売することには弊害がある」
・自動販売機による販売は対面販売よりも弊害が大きい。
・遠隔監視装置を備えた自販でも、本件事案における「監視及び販売の態勢等からすれば,青少年に有害図書類等が販売されないことが担保されているとはいえない。」
・以上の点から、本件自販を含む自販による有害図書類販売禁止は必要性が高く、憲法21条22条に違反しない。
ということで、遠隔監視装置を備えた自動販売機も自動販売機の一種として禁止規定を受けるとされたわけだが、判決の射程は監視および販売の態勢から「青少年に有害図書類等が販売されないことが担保されている」事案には及ばないというべきであろう。
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コメント
落合洋司って、エロ本買う人だったの?幻滅!!
投稿: 佐々木実之 | 2010/08/16 14:50