News:非嫡出子の相続差別、違憲判断の可能性も出てきた
◆非嫡出子の相続格差、「合憲」見直しも 最高裁大法廷が判断へ
法律に基づかない夫婦の子(非嫡出子)の相続分を、嫡出子の2分の1とする民法の規定が、法の下の平等を定めた憲法に違反するかが争われた遺産分割審判の特別抗告審で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は9日までに、審理を大法廷(裁判長・竹崎博允長官)に回付した。大法廷は1995年に合憲と判断しているが、判例を変更する場合に必要な大法廷で審理されることになったため、合憲判断が見直される可能 性が出てきた。 http://mx.nikkei.com/?4_9640_2900_2
訴えられると怖いのでリンクははらないが、上記のようなニュースが流れてきた。
しかし、大法廷回付という意味は、第三小法廷の五人の裁判官の中では3人以上が違憲と判断した、または判例変更の必要があると判断したことを意味するだけで、他の小法廷所属の裁判官の意見まで推測できるわけではない。
その意味では、口頭弁論が開かれるという場合にほとんど原判決を何らかの形で変更することが判明するというのとはずいぶん違う。
ただ、大法廷を開かなければ違憲判決は出せないわけだから、まさに上記の記事の言い方が正確で、「合憲判断が見直される可能性が出てきた」というところである。
事案は「和歌山県の女性が父親の異なる弟に対し、民法に基づく遺産分割を和歌山家裁に申し立てた」というものである。
| 固定リンク
「法律・裁判」カテゴリの記事
- Arret:欧州人権裁判所がフランスに対し、破毀院判事3名の利益相反で公正な裁判を受ける権利を侵害したと有責判決(2024.01.17)
- 民事裁判IT化:“ウェブ上でやり取り” 民事裁判デジタル化への取り組み公開(2023.11.09)
- BOOK:弁論の世紀〜古代ギリシアのもう一つの戦場(2023.02.11)
- court:裁判官弾劾裁判の傍聴(2023.02.10)
- Book:平成司法制度改革の研究:理論なき改革はいかに挫折したのか(2023.02.02)
コメント
見ました。
違憲、期待。
投稿: 603 | 2010/07/09 20:30
まあ、合理的とは思えない規定ですからねぇ。
投稿: 酔うぞ | 2010/07/09 21:22
国籍法違憲判決の影響でしょうかね?
投稿: pass | 2010/07/10 04:03
系統として近いですね。
投稿: 町村 | 2010/07/10 09:05
民法900条四号を法改正するだけでいいのに、何をやっているんですかね。
昔は刑法200条尊属殺問題がありましたが、立法の不作為には苛々させられます。
一票の格差問題もそうですが、本来立法政策で判断されるべき事項が司法府に押し付けられている印象があります。
投稿: messiahtam | 2010/07/14 10:43
年寄りと若者に、既に存在しないイエ制度イデオロギーへの
郷愁がいまだに根強く存在していますからね。
哀しいかな、司法のきっかけ作りが必要な面はあると思います。
ネット上の自称若者になぜイエ制度の残滓があれほど支持
されているのかよく分かりませんが。
投稿: passenger | 2010/07/14 18:44