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2010/04/23

FUJITSU:コンプライアンスとガバナンスのあり方参考事例

富士通の社長辞任強要疑惑について、辞任を迫った場面の録音が公表されたようである。

asahi.com:富士通元社長、録音公開し反論 新社長「法廷で争う」(1/3ページ)

通常、こういうお家騒動的な会社の紛争は、小規模閉鎖会社ならではで、上場企業ではおよそ考えられず、というのが従来の常識であった。
そういうところでは、概して会社法上の必置機関も形骸化し、議事録だけの総会・取締役会があるだけというのが通例で、いざ紛争となると招集がなかったとか、総会不存在確認とか、会社法・会社訴訟法上の好例を提供してくれた。

それらとはずいぶんレベルが違うが、曲がりなりにも天下の富士通で、こんなことが明るみに出るようになったこと自体、人々の意識や行動様式が変わったということだ。

上記記事によれば、辞任を迫った時のやりとりは次のようなものだったらしい。

音声によると、まず富士通の監査役が野副氏に投資会社との関係を質問。「警視庁情報では、暴力団と関係がある。どう思うか」などと聞いている。途中から別の取締役も加わり、「反社会的勢力とのつながりが濃厚。金融業界の判定では完全なブラック」と指摘。「司法機関の調べが入るおそれがある」「東証が上場廃止の措置をとる」などとし、最後は「反社会的勢力とかかわりをもっただけで、企業は倒産してしまう。愛社精神があるなら辞任してもらいたい」と迫っている。

 野副氏は「一線を越えてつきあったことはない」などと抵抗したが、最後は「皆さんの決定なら、私はそれに逆らうつもりはない」と辞任を受け入れた。この際、現経営陣から「敵対的な行動をとらないこと」を条件に、相談役の地位と10年間で計2億7千万円の報酬を提示されている。

年2700万円×10年というのが野副氏側によれば口止め料だということ。

でも、この報道を元に考えるなら、取引先のある企業が反社会的勢力に関係していると疑う会社側に対し、野副社長(当時)はそれを否定するだけの材料を持ち合わせておらず、このままでは会社がヤバイということに同意し、その問題を闇に葬ることに同意したわけだ。
後から考えれば、仮にも社長なんだから、当該企業が本当にブラックなのかどうか、富士通として調査するというのが筋だし、調査した結果がクロなら責任をとって辞任もありだが、調査結果がシロなら上記の脅しをはねつけられるということになったはずだ。

それをその場の雰囲気で、ついつい妥協してしまったというのだから、SF商法に引っかかった消費者みたいなことを大会社の社長さんがいうのはどうかと、この会社大丈夫かと思わざるをえない。
別に22日間監禁されて辞任を強要されたというわけでもないのに。

また富士通側も、よくガバナンスがきちんと働いたと胸をはれたもので、不確かな噂を元に行動したということが判明したのではないか。会社としては、きちんとした調査を行い、必要な場合は透明性のある辞任をさせればよかった。病気とかいうウソでごまかそうとしたのが富士通流のガバナンスなのかと、不信感は募る。

それにしても不思議なのは、この録音が「富士通側が録音した音声」だとされている点で、なぜそれを野副氏が持っているのか? 

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コメント

あたしも遠めがねに、サンケイ新聞の「録音」を全文引っぱってしまいました。

で、感じた事は「なんだ?これ」ですね。

当時、野副氏と反野副氏のやったことは「どっちもしょうがねぇことを」と思うのですが、その後の
両者の動きも、またわけが分かりません。

こんな事、法的に決着を付けても、会社全体の信用を大きく傷つけことについては、「全員が株主代表訴訟の対象であり、解任 & 損害賠償」しか無いでしょう。

全てが「コップの中の争い」でしかない。
彼らは「社会に対してどういう顔をするつもりなのか?」です。

投稿: 酔うぞ | 2010/04/23 11:12

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