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2010/03/09

Book:トヨタも直面するであろうeディスカバリ

最新のNBLに、トヨタが提起されているアメリカの集団訴訟が紹介されている。
この多数の訴訟においては、すべて、日本でいうところの証拠開示手続、すなわちディスカバリが行われる。そして最近は、電子情報を開示しなければならないので、eディスカバリとして特別ルールも制定された。
この特別ルールを中心に、今のディスカバリ手続を明らかにしたのが町村泰貴・小向太郎共編実践的eディスカバリ―米国民事訴訟に備える
(NTT出版)である。

NBLの記事によれば、少なくとも50件もの訴訟が提起され、その中には10億ドル以上の補償を求める訴えも多いという。損害が証明できない訴えもかなりありそうだが、審理に入るものは当然出てくるだろう。
その場合、トライアル前に行われるディスカバリ手続は、訴訟に関連する広範な情報に及び、会社役員の証言録取も幅広く行われる。
そしてeディスカバリは、数限りなく交換されているであろう電子メール、社内での各種通達文書、企画書・報告書等々、膨大な量に及ぶ。
その手順や、秘密保護の可能性、履行しなかったりごまかしたりしてばれた場合の不利益・制裁について、上記の本ではかなり立ち入って紹介している。
法的な側面のみならず、技術的な面も、コンピュータデータの保全・解析・レポートの作業を行うデジタルフォレンジックについても、その専門家による論考を収録している。

(目次)
第1章 eディスカバリの何が問題か
第2章 アメリカの民事訴訟とディスカバリ
第3章 ディスカバリとeディスカバリ
第4章 フォレンジック技術は何ができるか
第5章 eディスカバリの実際
第6章 日本における電子情報と証拠開示
第7章 eディスカバリと内部統制
資 料 関連する連邦民訴規則・連邦証拠規則の仮訳

少々欲張りな内容となっているが、なるべく法律の専門家ではない一般の読者向けに記述するよう心がけたものである。

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