arret:北海道の高速では動物をよけて走るべし
北海道内の高速道路で自動車の運転者がキツネとの衝突を避けようとして自損事故を起こした場合において,小動物の侵入防止対策が講じられていなかったからといって上記道路に設置又は管理の瑕疵があったとはいえないとされた事例
いわゆる道央道の苫小牧付近で、キツネを避けようとして自損事故を起こし、止まっていたら他車に追突され死亡したという事件である。
キツネくらいはいくらでも入ってくるだろうし、場合によってはエゾシカも入ってくることがあり得る。
ちょうど上記の苫小牧近辺の高速下で、水辺にたくさんのエゾシカが集まっているのを目撃したことがある。斜面などから道路に侵入することは当然ありうべきである。
そういうわけで、人間が動物の領分に道を敷いているのだから、その道を通る方が気をつけるべきだという判断に共感する。
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コメント
キタキツネなら,かわいそうですが跳ね飛ばせば車も人も安全です。合掌。
でも,ヒグマヤエゾジカが道路に侵入してきたら,避けるしかないです。すごい重量なので正面衝突したら,小型車なら容易に大破しますから。
結論。北海道で道路に侵入する動物は,高速に限らず避けましょう。
以上,北海道動物愛護協会勝手応援団のCMでした。
投稿: キメイラ | 2010/03/07 01:38
「キツネくらいはいくらでも入ってくるだろうし、場合によってはエゾシカも入ってくることがあり得る。」と、北海道民なら思うでしょう。
が、本件について、たまたま、東京の弁護士との雑談で話題になったとき、その弁護士は「本当にキツネが高速道路に入ってくることなんてあるんですか?」と真顔で言ってました。特に、先例的意味、事実認定における特徴もないのに(100%は掲載しないと公言している)最高裁判例速報に掲載されたのは、最高裁判事のカルチャーショックのため?
(ではないですね)
投稿: はる | 2010/03/09 09:21
まあ、破棄差し戻しされましたから、札幌高裁よりは最高裁判事の方が、キツネくらい気をつけて運転しろよという意識だったのでしょう。
でもキツネくらい日本のどこにもいるのだから、高速に侵入する可能性があるのは北海道には限らないと思いますが。
投稿: 町村 | 2010/03/09 10:08
判決につていは、先生のおっしゃる通りだと思います。最高裁が、私が思っているような理由で判決するわけがないですね(笑)。が、「キツネはいないはず」との意識が首都高ばかり利用している弁護士にはあったようです。ちなみに私も、首都圏出身ですが、首都高や横浜・横須賀道路では、「キツネ」は、運転中、思い浮かびません。
投稿: はる | 2010/03/09 11:04