labor:残業代不払いを訴えた社員を窃盗で刑事告訴する会社
asahi.com:すき家ゼンショー、告発した店員を告訴「飯5杯盗んだ」
世の中にはずいぶんな会社があるものだが、就職先にはくれぐれも気をつけるようにしないといけない。
店員側の弁護士らによると、ゼンショーは、商品用のご飯どんぶり5杯分を無断で食べたとする窃盗などの疑いで、店員を告訴した。店の監視カメラの映像が証拠だとしている。 店員は「ご飯に洗浄用ブラシの毛が入ったため商品に使わず、まかない用のおにぎりにした」などと反論。地検は今年3月、嫌疑不十分で店員を不起訴とした。 (中略) 店員は昨年4月、仲間2人と、残業代の割増賃金が不払いだとして労働基準法違反の疑いで同社を刑事告訴した。仙台地検は今年1月、同社を不起訴としたが、店員側が不払い分の支払いを同社に求めた民事訴訟が続いている。
ゼンショーのウェブページによれば、
「すき家」では、学生から主婦の方まで、いろいろなアルバイトスタッフ=「クルー」が働いています。
忙しい時も笑顔で元気よく、てきぱきと働いているクルーはすき家の誇りです。多くのお客様からもお褒めの言葉をいただいてます。
ということである。
時間外でも笑顔で元気よく、てきぱきと働いて残業代ももらわないクルーは誇りだが、残業代をよこせというクルーには、上記の記事を信じる限り、商品の衛生管理行為を窃盗だと因縁を付けて刑事告訴するということのようだ。安さを実現するためには当然の労務管理というところであろうか。
もちろん、この店員側が問題ある存在という可能性もあるので、ゼンショーという会社が酷い会社だと断定するものではないが、就職先選びにあたっては十分気をつけなければならない。
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コメント
可罰的違法性とか起訴猶予基準とかを知らないかな。「セコイ告訴で従業員を威嚇する会社」という悪評の流布を考えなかったのでしょうか。対抗手段が目的化した計算合理性の貧困が一番の問題だと思いますが。割増賃金の不払いを横に置いても。
投稿: キメイラ | 2009/04/17 02:13
どうも可罰的違法性というのは、ATOKも知らないらしいけど、世の中的にも通用しないみたいですね。
コンセントで勝手に充電すると、数円分の電気を盗んだといって通報されたり捕まったりする時代ですから。
投稿: 町村 | 2009/04/17 09:20
昭和40年代の労働争議では,もっとエゲツナイ告訴告発合戦や不利益処分があったみたいです。管理職がトイレまでついていってトイレに往復する時間を分単位で賃金カットしたとか。
投稿: キメイラ | 2009/04/18 11:50