arret:厚生省官僚が薬事行政で業過致死
薬害エイズについて、厚生省の松村元課長が有罪確定判決を受けた。
重大な危険があることが分かっていたのに手をこまねいたことが、刑法上の過失に当たるとされた事例である。
この決定について厚生労働省の幹部が以下のように述べていると伝えられている。(毎日jpより)
「厚生省はエイズ事件で大きく変わった。当時の役所とは違う」。松村明仁被告の有罪確定の一報を受けた厚生労働省幹部は、力を込めて語った。
薬害エイズ事件後、厚生省は大幅な組織改革をし、薬事行政だけでなく省内全体で審議過程の情報公開を進めた。「敷地内に薬害根絶の誓いの碑も建て、反省を心に刻んだ」と幹部は言う。
しかし、薬害肝炎訴訟のどたばたぶりを見ると、なんら変わっていないのではないか、相変わらず薬害被害者を置き去りにして、製薬会社の利益を損なわないように行政を進めているのではないか、投薬記録の公開、投薬実施病院の公開を長年求め続けてきたのに、そのときは四の五の言って公開しなかったくせに、最近になって公開しはじめたのはなんなのか?と疑問百出である。
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コメント
あそこは緊急事態の認識と対処ができないのです。
予定外のことが発生すると、情報が意思決定のできない担当者のところでストップします。
例外はO−157事件の時にカイワレ大根対策ぐらいでしょう。…あれが正しかったかどうかは、今でも分かりませんが、蔓延がストップしたという意味では何らかの効果があったのでしょう。
今ではあの手の決断のできる官僚が払底しています。
投稿: rijin | 2008/03/05 11:39