jugement:一部請求全部棄却後の残部請求
不法行為に基づく10億円の損害賠償請求権のうち5万円を請求したが全部棄却され、控訴も棄却されて確定した後、同一不法行為による10万円の賠償を求めた事例である。
「本件訴訟における原告の請求は,被告が,原告より送付された50枚の原告部品図から無作為に1枚を選び,その部品図から原告の署名部分を切除した上,原告設計図に貼り付けて本件設計図を作成したという行為が,私文書偽造に当たり,不法行為が成立するから,原告が放電焼結機を製造販売して得た利益の一部10万円を損害賠償として支払うことを求める,というものである。したがって,原告が提起した本件訴えは,上記1で認定した前訴における損害賠償請求と同一の不法行為に基づく損害賠償請求の残部を請求するものであり,前訴で認められなかった請求及び主張を蒸し返すものにほかならず,前訴の確定判決によって紛争が解決されたとの被告の合理的期待に反し,被告に更なる応訴の負担を強いるものということができる。
そうすると,原告の被告に対する本件訴えは,信義則に照らして許されないものと解するのが相当である。」
従来の判例に照らし、当然の結論だが、こういうのが合議体で裁判されるのには何か事情があったのだろうか?
左の判決起案訓練とか?
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コメント
そりゃ、知財部だからです。>合議体審理
知財部は東京も大阪も何にも考えずに全件合議、だから欠席判決も合議体で出ていたりしますし、合議での調書判決すらあります。(^^);
ちなみに、知財部だと左といっても特例判事補だったりすることもあります(私も8年目で末席だったことがあったり。(^^)v)。
投稿: えだ | 2008/02/25 21:32
なるほど、そうなんですか。
情報有り難うございます。
投稿: 町村 | 2008/02/25 21:37