trial:最高裁の弁論
メイプルソープ写真集のわいせつ図画該当性をめぐる裁判で、最高裁は弁論を22日に開催した。
毎日.jpの記事によれば、2審で敗訴した原告の会社社長側は「当時既に国内で芸術的書籍として販売されており禁止は違法」と主張、国側は「同じ写真が載った別の写真集を最高裁は『わいせつ書籍』と判断している」と反論したということである。
判決は2月19日。弁論が開かれたことで社長側が逆転勝訴する見通し。
しかし、最高裁の弁論をめぐる習慣は、緊張感がなく、あまりよくない。
弁論を開いた事件の上告棄却と原判決破棄との割合を、3:7くらいにするようにしてはどうか?
例えば上告を受理した事件について全部弁論を開いたとしても、棄却判決32件が増えるくらいで、破棄判決98件に3分の1ほど増えるだけである。
全上告受理申立件数が2876件のうち、わずかに1-2%くらいのものである。
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コメント
弁論期日が開かれたけれども、論理構成が変わっただけで、結論は変わらないということもあるので(ex.ときめきメモリアル事件)、緊張感をいしなうのは時期尚早ではないかという気はします。
投稿: 小倉秀夫 | 2008/01/23 01:25
弁論が開かれても、結論がどう変わるかは分からないということですよね。
上記エントリは少々書きすぎてしまったようです。
そのご意見、毎日新聞の編集者に伝えてください。
投稿: 町村 | 2008/01/23 09:04