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2007/12/27

trial:映像証拠の危険性の例証

asahi.com:裁判長が「取り調べ録画DVD」の有用性指摘 東京地裁

例によって部分的録画の取り調べ画面だが、裁判長は次のように述べたと報じられている。
「まさに自らの口で供述している様子が記録され、視聴する者に強烈な印象を与え、影響力が大きい」

 そのうえで、従来の公判では、取り調べた捜査官を証人尋問するなどして供述の信用性を判断してきたことと比較。
「DVDの映像自体から供述が任意に行われたかが感じ取れ、信用性も調書などの裏付け証拠から認められる」

まさに映像証拠が見ているものに強烈な印象を与え、影響力が大きく、誤った内容であってもそれが真実であると信じてしまうような力を持っていることが証明されたわけである。

テレビに映っていることは本当にあったことと素朴に信じてしまう人ほど、「DVDの映像自体から供述が任意に行われたかが感じ取れ(る)」と素朴に思いこんでしまうのだろう。
恣意的に切り取った証拠がいかに危険か、取り調べの可視化にとっては全くの逆効果しかないということが如実に現れたといっても過言ではない。

ちなみにこの事件は共犯者とされた被告の供述シーンが録画されているものであり、自白の任意性や信用性を立証するためのものではない。
被告以外の者であれば、証人尋問をするべきであって、映像証拠では反対尋問権が奪われるのではないかと思うのだが・・・。

(追記)
今朝の日経朝刊紙版では、サイトのニュースに抜粋された部分の続きに、上記の信用性に関わる部分が記載されており、ニュアンスは正反対であった。つまり強烈な印象を与えるので危険であり、取り扱いは慎重にすべしという趣旨で裁判長が発言したことになっている。
どちらが本当なのか、間接的にしか知る権利を持たない我々一般人にはわからない。

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