政府の放射線測定は「信頼できない」、グリーンピースが福島市など調査
AFP BBNews 2012年10月23日 19:52 発信地:東京
【10月23日 AFP】
国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)は23日、
東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所事故の被災地である
福島県の福島市内と飯舘村で放射線調査を実施した結果として、
日本政府による放射線測定は信頼できないと結論づけた。
グリーンピースは前週、4日間かけて福島市内と飯舘村で放射線調査を実施。
その結果、福島市の一部の公園や学校では
放射線量が毎時3マイクロシーベルトを超えている場所もあったという。
日本政府による被ばく線量の上限は毎時0.23マイクロシーベルト。
「政府が設置したモニタリングポストでは放射線量が一貫して過小評価されていた」と、
グリーンピースの放射線専門家、リアナ・トゥール(Rianne Teule)氏は述べ、
一部の放射線測定器については周囲の金属やコンクリートの構造物が放射線を遮断していたと付け加えた。
また、
「政府のモニタリングポストの設置場所は当局が除染している。
しかしモニタリングポストから数歩離れた場所をわれわれが測定したところ、放射線量が大幅に上昇した」
とトゥーレ氏は指摘した。
さらに
「除染作業は大幅に遅れており、
グリーンピースがこれまで何度も特定してきたホットスポットも依然として残っていた」と述べ、
「特に遊具周辺にホットスポットが多くあり、
放射線リスクに最もぜい弱な子どもたちが放射線にさらされている点を憂慮している」と語った。
(c)AFP/Kyoko Hasegawa
国際環境保護団体グリーンピース
第13回目放射線調査
福島県の福島市と飯舘村で行った空間放射線量調査
東京電力福島第一原発事故からおよそ1年半が経ちました。
「政府の発表する情報を信頼していいのでしょうか…」
「説明が不十分で、矛盾を感じる」といった声を被災者の方からお聞きします。
そこでグリーンピースは放射能汚染の状況に関して、
福島県の福島市と飯舘村で独立性の高い調査を実施して透明性の高い情報を届けるとともに、
住民の方々の状況をお伺いしました。
今回の調査は10月16日から19日までの4日間、
福島県の福島市内 315カ所、飯舘村 95カ所、合計410カ所で実施しました。
福島市内
【調査内容】
通算6回の調査を行ってきた福島市では、以下の点を重点的に調査しました。
現在の空間放射線量を測定し、過去の調査結果と比較することにより、経過・傾向を把握する。
公的機関の「モニタリングポスト」の測定値が周辺の放射線量をどれほど的確に反映しているか検証する。
これまでの調査で見つかったホットスポットが除染されたか、対策の効果を検証する。
【調査結果】
多くのモニタリングポストで周辺より低い放射線表示
調査した40カ所のモニタリングポストのうち、
75%に該当する30カ所が周辺の放射線量より低く表示されていました。
モニタリングポストから半径25m以内の放射線量を計測した結果、
モニタリングポストの表示より4.5倍も高い放射線量を計測した場所もあります。
これは、モニタリングポストの付近だけが集中的に除染されていることなどが原因です。
政府による除染は不十分
福島市では、多くのホットスポットが残されたままで、効果的な除染が進んでいないことが分かりました。
児童公園さえ、除染が終わっておらず、
放射線の影響を受けやすい子どもたちが安心して遊ぶことのできる環境ではありませんでした。
飯舘村
【調査内容】
2012年7月に避難区域が再編され、除染計画がたてられた飯舘村では、
複数の環境における空間放射線量を測定しました。
また、村民の方たちへ聞き取りを行って現状を把握するとともに、
避難区域の再編が適切かどうかを検討しました。
※2012年7月17日、全域が「計画的避難区域」に指定されていた飯館村は、
放射線量の高さに応じて、三つの避難区域に再編されました。
「帰還困難区域」:
年間積算線量50ミリシーベルト超の地域。原則的に5年間立ち入り禁止とされる。
「避難指示解除準備区域」:
同20ミリシーベルト超~50ミリシーベルト以下の地域。
立ち入りはできるが、住民の帰宅まで数年かかるとされる。
「居住制限区域」:
同20ミリシーベルト以下の地域。立ち入りはでき、住民の早期帰宅を目指すとされる。
※グリーンピースの調査は「避難指示解除準備区域」と「居住制限区域」内で実施いたしました。
【調査結果】
飯舘村での除染には限界がある
避難している村民の帰還を目指し、飯舘村では政府主導による除染作業が多く行われていました。
草野地区では、試験的除染後でも、
毎時5マイクロシーベルト(地上から1mの高さ)を計測した地点がありました。
操業を再開した工場では、
毎時13マイクロシーベルト(地上から1mの高さ)の地点があり、
近隣の住居では毎時9マイクロシーベルト(地上から1mの高さ)のホットスポットが見つかりました。
さらに、森林に広く覆われた飯舘村の地理的な環境を考えると、
除染の効果は相当限定的になると考えられます。
結論
今回の調査を通して、政府は以下の取り組みを強化する必要があるとグリーンピースは考えます。
人口が密集している地域、子どもの生活環境を優先しての除染
モニタリングポストの再評価
除染の効果の評価
(避難区域再編時などに)コミュニティを破壊しないアプローチ・意思決定への住民参画
適切な放射線防護の情報提供
Greenpeace in Fukushima グリーンピース放射線量調査報告 2012年10月16日~19日(PDF)
6ページ
市民団体が計測した結果の記者会見↓
モニタリングポストに人為的操作!?「郡山・相馬・南相馬30~65%も少なく表示」
10/5矢ヶ崎克馬氏(会見内容書き出し・資料)
<質疑応答>モニタリングポストに人為的操作!?
10/5市民と科学者の内部被曝問題研究会(会見内容書き出し)
ーーー
違う団体が計測した結果が同じようだという事は、
モニタリングポストの数字は信用できないという事が実証されました。
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コメント
もう言い訳できないですね。秘密会議の問題と同様、メデイアはきっちり取り上げるべきです。
年間20mSv以下なら避難の必要なしと、原子力規制委員会の田中委員長言ってました。
今 福島のモニタリング結果を公表する機能は原子力規制委員会に移っています。
ということで、こういう偽装工作を改善すべく同委員会HPのメールコーナーで意見出しました。
このところ断層や避難の規準見直しで立て続けに提言している規制委員会なら、この問題も放っておけないはずです。
年間20mSv以下なら避難の必要なしと、原子力規制委員会の田中委員長言ってました。
今 福島のモニタリング結果を公表する機能は原子力規制委員会に移っています。
ということで、こういう偽装工作を改善すべく同委員会HPのメールコーナーで意見出しました。
このところ断層や避難の規準見直しで立て続けに提言している規制委員会なら、この問題も放っておけないはずです。
ktpage | 2012.10.26 19:58 | 編集