6/16 松井英介氏(内容書き出し)の続き
ということで、もうひとつの選択肢としてわたし達が今提唱しているのは「脱ひばく・集団移住」
「集団で移り住む権利を補償せよ」
これは国が補償する、国会でちゃんと議論してですね。
そして「補償しろ」という事を実現していきたい。
「移住する権利」これはなかなか大変な事ですけれども、
自主的にというか、仕方なく
お母さんと子どもだけが全国各地に移り住んでいらっしゃるのはみなさんよくご存じの通り。
その数が今でも増え続けているというのもご存じの通りだと思いますけれども、
これは中手さんたちが出されたデータですけれども、
子どもたちに、事故前に比べてこういう格好で心疾患が、
水色が(2010年)事故前、
赤い色が事故後(2011年)で子どもの死因です。
どういう訳か死んだ。
この左から2番目のところをご覧いただくと、
この心臓で亡くなっている子どもが倍ぐらいに増えている。
これは政府統計からグラフにしたものです。
という事で私たちが今求めているのは
やっぱりその他にもいろいろと病気がるという事でですね、
「この病気から何とか子供たちを守りたい」
という事で今
心臓の中隔欠損と心房の中隔欠損が認められた子どもさんの事で私も相談を受けてきた訳ですけれども、
それ以外にもそういう子どもたちが結構沢山いらっしゃる。
でもやっぱり、そのお父さんお母さんは
なかなかそれが言い辛いという状況が方一方ではあるんではないかということです。
という事でこれがその一つの例ですけれども、
時間が限られていますので、
臓器形成期、ちょうどこの6週のあたりに被ばくをなさったわけですけれども、
5週から8週の間に心房あるいは心室のが大体閉じるんですね。
これが非常に重要な臓器形成なんですけれども、
その時期に被ばくをするとまた影響が大きい。
という事でですね、どういうふうにして子どもの内部被ばくを評価していくかという事で、
特に子どもの歯に取り込まれたストロンチウム90。
これはカルシウムと非常によく似た動きをするので、
骨とか歯に集積する訳ですけれども、
特に胎児とか小さい子どもの場合にはその集積のスピードが非常に速い。ということでもって
「抜けた乳歯を調べる」ということで、先ほど土井さんが報告しましたけれども、
これはやっぱりやるように。
国がやるんです、これは。
原因をつくった政府がやるんだという事を求めていかなければいけないんですが、
これは先程から出てます甲状腺がん
細胞診で90%癌であろうと診断された母集団
2011年にやったのは双葉郡のところを中心にした高濃度に汚染された地域。
2012年にやられたのはもう少し離れた、福島市も入っているというふうに考えていますが、
さっきこれについては非常に詳細な報告がありましたので省きますけれども、
こういうデータが出てきて、これを疫学者の津田さんはですね、
科学の5月号ってご覧になった方も多いと思いますが、
この中で「アウトブレイクだ」と言ってるんですね。
それこそ本当にペストだとかチフスだとか、
そういう感染症がわぁ~っと広がった時と同じような「アウトブレイク」
「アウトブレイク疫学」という言葉があるんですね。
これはアメリカでは非常に人気の高い疫学の分野だそうですけれども、
それを日本でもちゃんとやっていかなければいけない。
ところが日本ではほとんどそれがかえり見られなかったという現状がある。
90
ということで、これはWHOですけれども、
チェルノブイリの事故について死んだ人は56人だけだった。
で、癌で亡くなった人は4000人程度だったという事を言い続けている訳ですね。
アンスケア(UNSCEAR)も同じです。IAEAもICRPも同じです。
実際はですね、これはもう時間もあまりありませんけれども、
ドイツの学者がまとめた、小さい子どもが赤い線です。
86年のチェルノブイリの事故から少しずつ増えてきていて、
3年経ったところで急速に増えてくるというデータがあります。
で、もうちょっと年かさの子どもっていうのは、黄色で示してあるので、少し遅れて、
成人はさらに遅れてくる。
というようなレポートがこれはニューヨーク科学アカデミーの論文集にも出ていますし、
さまざまな形での先天性障害
これはドイツの研究者が出したものですけれども、
すぐ翌年の性器に異常を持った子どもたちのデータ。
それからこれはダウン症の子どもたちのデータで、
上がベラルーシ、下がベルリンですけれども、こういうデータも出してきています。
すぐ翌年にこういうピークが出てくる。
フィンランドの住民の死産の率が線量に依存してやっぱり高くなっている。
という事がありまして、これは先天的な心臓の異常ですね。
これについても線量への依存性が高い。
これはドイツのバイエルンのデータです。
そしてこれはベラルーシ。バンダジェフスキーの有名なデータです。
6年位で出生数と死亡数がクロスしている。
心臓病が非常に多いんだという事で、
セシウムが非常に心臓に入りますので問題なんですが、
先ほども話がありましたけれども、甲状腺にも結構(セシウムが)入っていると、データが示しています。
子どもの白内障、これも増えてきている。
という事で、仙台高裁もある意味で画期的な判決をしたんですが、
「1ミリシーベルト/年であるべきだ」と、上限。
そして、先天障害とか様々な悪性以外の病気についても
Ⅰ型糖尿病、水晶体の混濁、白内障、心臓病などなどが多発するという意見があるんだ」と。
これは4月24日に出た郡山のいわゆる集団疎開の裁判の仙台高裁判決ですね、
そこで、ま、結果的には原告は敗訴しましたけれども、
こういう事が事実認定のところでちゃんと記録されているところが非常に大事。
これは1ミリシーベルトに対してですね。
そして、もうひとつはこの一番後ろに立っている人がアナンドグローバー
国連人権理事会から委託された特別報告者。
報告したんですけれども、彼も同じ事を言っています。
1ミリシーベルト以下であるという事と、
それから低線量のリスクについては学校でちゃんと教えるべきだと。
特に妊婦や子どもについては特別に目をかけないといけない。
低線量被ばくを過小評価してはいけない。
という事をグローバー報告は出しました。
これも非常に重要なデータであると思う。
そして1ミリシーベルト以上のところに住んでいる人たちについては、
きちんとやっぱりやらないといけない。
全ての集団についてストロンチウム90もちゃんと調べる。
という事をちゃんと書いております。
ところがちょうどこの時にアンスケア(UNSCEAR)のレポートが出て
それをワッと日本の新聞が大きく報道してですね、
このグローバー報告というのは毎日が少し書いたみたいですけど、
その他のマスメディアはほとんど報道しなかった。
現在に至っているという事です。
アンスケア(UNSCEAR)の報告について↓
<FFTV速報 前半>委員会新メンバーと甲状腺検査
6/5 第11回福島県「県民健康管理調査」検討委員会を傍聴して(内容書き出し)
で、チェルノブイリの住民保護政策から見ても、日本の現状というのは著しく劣悪であると。
という事をグローバー報告ははっきりと書いております。
100年の計
これからやっぱり、大変急がれるんだけれども、
同時にこの問題はむこう100年200年先を見越して、
我々が手をつないで、
新しい法律をちゃんと作ってですね、胸を張って生きていけるように。
汚染の少ない所に、家族、地域の人間関係を壊さずに、
そこで今までやってきた仕事もできるように、
そういう事を実現していかない限り、この子どもの命もなかなか守るのは難しいという事であろうと。
「脱ひばく」集団移住権利法というのは常に私が1年以上前から提唱してきたんですけれども、
是非これについてもこの会でもお力とお知恵をお借りしたいというふうに思っております。
以上でございます。どうもご清聴ありがとうございました。
2:10:40
質問:
福島県の健康調査なんですけれど、
事故当時胎児だったお子さんたちは今回の調査の中には入ってなくて、
事故当時胎児だったお子さんというのは、
生まれている乳幼児よりもリスクが高いということもあるんですけれども、
この非常にリスクが高い事を予想される集団というのが、どこにも問題をあげていなくて、
今後起こり得る被害として、子どもたちの数からも外れているということがあるんですけれども、
その事についてはどのようにお考えでしょうか?
松井:
とても大事なご指摘だと思います。
私もその通りだと思うんですが、
甲状腺検査についてもですね、ちょっと言いませんでしたけれど、
福島県最大の街である、市であるいわき市が外されている訳ですね。
そこが対象になっていない。
そして今おっしゃった、そういういわゆる対象をどうするかという事と、
甲状腺検査についても、2年以上のインターバルで次をフォローアップするんだと。
そんなことはあり得ないんで、少なくても半年ごとにやるべきだというのがあるので、
今おっしゃったことについても、当然政府にやらせないといけない。
で、政府が本来、
今は福島県に投げている訳ですけれども、丸投げしてるんですけれども、
政府がやるべき課題の一つだと思いますし、
特に母乳の中のストロンチウム90についてもきちっと調べる。
セシウムと違って非常にこれの調査というのは、手間暇かかって厄介なんですね。
非常に大きなシステムがいるし、機械と技術がいる。
でもやる気があればできる。
ベラルーシでもウクライナでもやってきたし、
あるいはドイツでもスイスでもやってきてるんですね。
そこの人達とどう連携をして、私たちはこれを実現するか。
我々の手でもそれはやって行かないといけないと思うんですが、
やっぱりその民間の…、今の段階では非常に難しい。
だから、日本にはいろいろとそれをやるところはあるんですね。
たとえば、福島の原発をつくった東芝は、
一つプラントを神奈川県の川崎の浮島に持ってるんですね。
そういう所には技術がある。
で、東電の株主の半部以上が今は日本政府だそうですから、
日本政府がその気になれば、「そこのプラントでちゃんと調べなさい」と、
「やりなさい」ということが母乳についても出来るだろうと
え、プルトニウムについてもそうですけれども、
特にストロンチウム90については、これはやっぱり母乳の中に出てくる。
あるいは、赤ちゃんに飲ませる粉ミルクについてもきちっと調べる。
きちんと全部調べないといけないんですよね。
それをやっぱりやらないといけない。
セシウムだけじゃなくて、ストロンチウム90もやらなければいけない。
という事だと思います。
ーーー
「福島県最大の街である、市であるいわき市が外されている訳ですね。そこが対象になっていない」
という話についてですが、
「今までの検査において対象外である」という意味だと思います。
第11回 県民健康管理調査資料より
前倒しで24年度に341人ほど検査していますが、
実際はいわき市はこれから(平成25年度)の検査予定のようです。
前倒し検査の分のいわき市
【市民と科学者の内部被曝問題研究会】2013年6月16日の文字起こし
全編動画はここにあります↓
今現在、福島第一原発各号機放出量と関東に降っている放射性下降物の量
6/16川根眞也氏(内容書き出し)
「乳頭がんが放射性物質誘発癌だ」ベラルーシと福島の甲状腺がん・小学校に降ったヨウ素の量
6/16川根眞也氏(内容書き出し)
(前半)もうひとつの選択肢=「脱ひばく」集団移住権利法実現の課題と展望
6/16 松井英介氏(内容書き出し)
(後半)もうひとつの選択肢=「脱ひばく」集団移住権利法実現の課題と展望
6/16 松井英介氏(内容書き出し)
2013年6月16日
http://youtu.be/ZfwJb5fYzEY?t=1h52m28s
1:52:28 もうひとつの選択肢=「脱ひばく」集団移住権利法実現の課題と展望 松井英介氏
「20ミリシーベルト以下に下げる事が出来ればここに住み続けて良い」
というたった一つの選択肢を福島の人達は強いられているという事で、
「もうひとつの選択肢」という、これはひとつの提言なんですけれども、
限られた時間ですけれどもよろしくお願いいたします。
で、今言った事ですけれども、一つはですね、
「事故はすでに収束して健康障害はなかった」というふうに日本政府、
原因をつくった連中は言っているんですね。
「これが唯一の選択肢なんだ」と。
それに対して、もうひとつの課題というのは、
地域を放射線量によって分断して、3つや2つに分断してですね、
さらに補償額や期間に差を付けて、
そして人々の間に別のもうひとつのくさびを打ち込むと。
で、チェルノブイリ法は「移住の権利」という、
これはソビエトの時代に始まった住民運動あるいは科学者医者たちも一緒になってやった運動ですけれども、
その結果、91年にソビエトが崩壊した後にですね、「移住の権利を保障する」
特に、1ミリシーベルト/年以上のところからは「移住の権利」があるんだという事で、
きめ細かくいろんな政策をやりました。
これがその一つで、元になっているのは土のデータです。
1平方m当たり185kベクレル以上というところから出している訳ですね。
日本でもこの土の調査というのを具体的に細かくやらなければならないという事があります。
ではどうか?という事で福島県内を見てみますと、
私は今年の3月14日に双葉町を訪問する機会を与えられました。
そこで見たんですけれども、一番高いところは
ここにご覧いただけるように年間にすると、920ミリシーベルト/年
ヘルスケアふたば。
ほぼ1シーベルト。
それから、福島の双葉の方達が避難なさっているところをいくつか尋ねました。
6か所訪問したんですけれども、
そこでもいろいろと交流を深めたんですが、
福島市の仮設。室内の空間線量ですが、1.75ミリシーベルト/年。
白河市でも1.66ミリシーベルト/年。
高いですね。
子どもたちの姿はほとんどありません。
これは82歳と86歳のご夫婦ですけれども、
彼らが住んでいた仮設のところでも1.7ミリシーベルト/年
もともとこの方達は双葉町、原発から4kmぐらいのところにありますけれども、
先祖代々お百姓をやってきた。
で、稲作2町歩。じゅん農家ですね。
こういう先祖代々の家がありまして、ここに秋になると渋柿をずーっと潰すんですけれども
1年10個、千年並ぶと1万個の柿がここに並ぶという、
そういう、まあ、近所にもそういう家が沢山あったそうです。
すべてこれらを奪われたという事になります。
ここのところでも年間771ミリシーベルトという
これは今年の3月のデータです。
マンクーゾという人が、いわゆるハンフォードの労働者の調査をやりました。
1943年からずーーっと29年間追跡してですね、
そして労働者、二万数千人の労働者を調べた結果、
癌で亡くなる人が非常に多かったという事をもってですね、
1ミリシーベルト以上/年間のところで働かせてはいけないという事を彼は発表したわけ。
発表した途端に研究費はカットされるし、
アメリカ疫学の第一人者だったんですけれども、その職を追われる様な事になったんですが、
これが有名なマンクーゾ報告
トーマス・マンクーゾ (英語: Thomas F Mancuso、1912年2月19日 - 2004年7月4日)
アメリカ合衆国の医師、医学者。
1964年、アメリカ原子力委員会の依頼により、ワシントン州にある原子力施設ハンフォード・サイトの労働者について、被曝が誘発する病気の調査を開始。放射線と健康被害とくにがんの発生率に関係するデータを集めて検証し、1977年末、原子力産業に従事する人は他の人々よりもがん発生率が高いとの報告(「マンクーゾ報告」)を発表した。
子どもの基準値として、年間20ミリシーベルトとはどういう事だ。
という事で
「子ども・被災者支援法」というものが去年の6月に衆議院全会一致で可決された訳ですけれども、
その後、市民会議というのが発足しまして、
弁護士、国会議員連盟、関係省庁等の間で連携を取りながら運動を展開してきたのですが、
これは非常に重要な運動だったと思います。
ところがですね、
間もなく1年になりますけど、復興庁をはじめとして、日本政府からは何ら具体的な施策を提示してない。
で、この間の水野参事官の言葉の中で私が非常に印象に残ったのは、
「線量は政府が決めます」
何回も繰り返して言っている。
そしてもうひとつ大きい問題としては、
がれきとかですね、
がれきの処理を大分県外でやらせてきたわけですけれども、
福島県については福島県でこれを進める。
「これに何兆という単位の税金をつぎ込むんだ」ということですね。
それからもうひとつは、こういう事によって自然環境汚染も広がるんですけれど、
内部被曝のリスクが破壊していく。
で、ここでちょっと考えてみたいのは
「健康を害されない権利」ということなんですが、
これは京都に福島から避難された若いお母さんのことばです。
私たちは自分たちをあるいは自分を支援してほしいのではありません。
弱者として支援・被支援の関係は私たちは求めていない。
わたしたちは、子どもたちの当然の権利である基本的な人権。
人間の尊厳というのをやっぱりきちんと保障すると、権利を保障することが大事だと思っています。
と言っている訳ですね。
ところが今、最初にも申しましたように日本政府・東電、あるいは国際的なIAEAもそうですけれども、
「除染して汚染地域に住み続けさせるんだ」と、
「福島では何も起こっていない」
「甲状腺がんが出たと言ってもそれは今度の事故とは関係ない」という事をずっと言い続けてですね、
20ミリシーベルト/年を押し付けるというのが彼らのいまの状態です。
では除染はなんだというのはこれはちょっと繰り返しになりますけれども、
井戸川双葉町前町長がおっしゃってた、
「福島県全域の土を仮に10cm剥いだとした時、どれだけの容積になるのか。
その資産すら国はやっていないのです!」
で、この処理方法というのは全く決まってない訳ですね。
これはもう昨日も出ていたと思いますけれども、
すでに汚染物質は土の深い所にまで入っていって
だからそこから出てくるガンマ線を測ってみれば、
当然それが表層にとどまっていた時期に比べれば低くなっている訳ですけれども、
それをもって事故が収束したと言いながら、
この、どんどん、どんどん深いところへ放射性物質が入って行っているという事を
ま、無視しているという。
除染もやっぱりこの様子。
という事になっていると思います。
そして問題はこれ、
ひとつ大きい問題は福島県内の焼却物の実験施設を鮫川村という所で始めようとしていると。
しかもそこに配備される焼却炉というのはですね、
199kg/時という、非常に小さなものを何十個も並べてですね、
これは要するに排出法の網にかからない奴。
鮫川村というのはこういう位置にあります。
いわきのすぐ隣。
あるいは、茨城県のすぐ北側にある。
で、汚染がどういうふうに広がって行くかという事について、
非常に細かい、山とか谷にどういうふうに広がるであろうかという事を示した、
こういう地図も作られております。これは運動の側が作ったみたいです。
それからもう一つ重大な問題は塙町発電計画
塙町はこの場所にあります。
これは非常に今の鮫川にも近いですし、いわき、ここがいわきですが、あるいは茨城県にも近い。
この場所でですよ、バイオマス発電をやる。
ここにある汚染された木材をですね、そういうものを使って発電をやるんだという事を進めている訳ですね。
これも非常に重要な問題だと思います。
で、どれぐらいの汚染が出るのか?というのはここに試算の数字がございます。
鮫川と塙町
「除染・鮫川村・バイオマス発電」武藤類子さん4/21郡山(内容書き出し)
<なぜ燃やすの?環境省>
8000ベクレルを超える指定廃棄物を燃やす焼却施設建設着工・中断“鮫川村”
&森林除染木材でバイオマス発電“塙町”326政府交渉ネット2/12(文字起こし)
それでですね、もうひとつの大きい問題は
福島県の双葉町を始め大熊町、富岡町、あるいは浪江町というようなところにですね、
中間処理施設を押し付けてくると。
除染の結果出た汚染土というのは、いまのところいろんなところに野積みにされているんですけれども、
すでに袋が破れてきている。あるいはこれは郡山の北の方ですけれども、
ここのところはいわゆる中通りの部分の下水の汚泥ですね、これを集めて積み上げているすぐ横に、
双葉町の方々が住んでいらっしゃる仮設住宅がある。
ここの汚染もすごく高い。
3.8マイクロシーベルト/時だった。
高い訳ですが、こういうものが数年持たない、この袋がですね。
という事でもって、双葉町のサッカー場ですね、中間処理施設を押し付けてくる。
それに対して、これまで井戸川前町長も、
町には古くから先人が築いてきた歴史や資産がある。
そこは故郷だ。
それを分かっていない人に中間貯蔵施設をつくれとは言われたくない。
それは人間の尊厳という事を深く考えさせる言葉だ。
で、若い人に、
これからそこで生きていく、あるいは生きていけないかもしれない若い人たちに決めてもらいたいんだ。
という事を言っているんですね。
で、汚染地の分断はさっきもちょっと言いましたけれども、
二つないし三つに分けて、
あたかもですね、ここに戻ってこれるがごとき事をいま言い始める。
で、ひとりひと月約10万円というお金が
この双葉郡の人達のところにはきているのですけれども、
それをですね、5年間前倒しして、600万円というのを一時金として渡して、
どうもそれで「チョン」にしようというようなニュアンスがあって、
5年後の事は何にも知らないというのがいまの現状です。
つづくーー
全編動画はここにあります↓
今現在、福島第一原発各号機放出量と関東に降っている放射性下降物の量
6/16川根眞也氏(内容書き出し)
「乳頭がんが放射性物質誘発癌だ」ベラルーシと福島の甲状腺がん・小学校に降ったヨウ素の量
6/16川根眞也氏(内容書き出し)
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原発安全神話は何故作られたか。 内橋克人氏(内容書き出しました)
「原発への警鐘」の中でマンクーゾ報告を書きましたが
当時アメリカのピッツバーグ大学の教授トーマスFマンクーゾ博士
1977年末の事です・・・・
東京都千代田区参議院議員会館
「震災がれき広域処理最終決着に向けた全国交流集会」
■主催 326政府交渉ネット
■詳細 http://gareki326.jimdo.com/
動画↓
http://youtu.be/TLQpKBvQgyo?t=1h9m18s
1:09:30~
松井英介:
みなさんこんにちは。松井英介と申します。
呼吸器の病気の、特に肺がんの患者さんとのお付き合いの長い医者です。
この間、福島各地をずーっと回ってですね、
先週、先々週も、特に双葉町の方々が避難なさっているところを6か所。
茨城のつくばも含めて、それから埼玉の加須を含めてずっと回ってきました。
そしていろいろな実態をこの間ひしひしと感じているところなんですけれども、
3日前に京都で聞いた話は、
京都に避難した若いお母さんたちが、医者達と連絡を取ってネットワークを作っているんですが、
そこで出た話はですね、
「大阪がどんどんがれきを受け入れて燃やしている」と、
そこで「再避難を考えないといけない」という事が真剣に議論をされている。
福島の人が本当に困ってですね、汚染の少ないところへ移り住んだのに、
そこが新たな汚染源にに汚染されるという問題になっているという、これは全国各地そうだと思うんです。
岐阜市はかなり早い時期に私たちが運動して(がれきの)受け入れを止めたんですけれども、
そういう止めたところは沢山あると思いますが、まだ続けているところがあると。
それからもう1点は、
福島県内のお話が今出ましたけれども、
これは大変な問題が今起こっていて、
IAEA、ご存じだと思いますが、原発推進の国際組織。国際機関ですけれども、
JAEAという、IAEAの日本版がですね、福島県で今大活躍をして、
彼らのところに来た、いわゆる汚染物の処理に関しては、
鹿島、大林組、そして大成建設というところに丸投げをしているという話を聞いております。
で、鹿島はどういうゼネコンか?と言うと、原発24基を手掛けた。
大林組は11基。大成は10基というふうにして、
もともと原因を作った人たちのもとへ、また何兆という金が、税金が流れ込んでいくという構図が、
福島県では今進んでいきつつあると。
ここもやっぱり忘れてはならない。
これはおそらく環境省ではなくて、別のルートでそこに行っているという事だと思うんですね。
これも非常に重大な問題だと思うんです。
もうひとつは、
この汚染の程度はどの程度か?と言う事で、いろいろとベクレル・シーベルトが出てまいりますが、
今問題にしているのはほとんどセシウムなんですけれども、
これに関してはストロンチウム、これは国のデータとしても関東圏にもかなり出ている。
ストロンチウム90ですね。
これはセシウムと半減期、物理半減期はよく似ていて、近い、30年位のものなんですが、
身体の中に入ると出ていかない。
特に骨と歯ですね。
で、子どもたち、成長の早い子どもたちの受ける影響というのは非常に強い。
20年、30年、50年出ていかないという、どんどん蓄積をするという核種。
これについてやはりきちっと我々も要求して、「データを出せ」と、
「捜査をしているのかしていないのか?」
「どの程度細かいメッシュでやっているのか?」
「土の調査、あるいは大気、水、どうなっているのか?」というところはやっぱりやらせる必要がある。
プルトニウム239という、こいつは人類がつくりだした最強の毒物と言われていますが、
これについても関東圏に広く来ております。
関東圏にも来ております。
これの実態も正確に出させると、
「データをもっているのか持っていないのか?」
環境省はおそらく「持っていない」というんですが、
じゃあ、「どこが持っているのか?文部科学省なのか?」ということも問題だと思います。
それらのデータを全部ひっくるめて健康影響を考える。
特に内部に入ってきた、それらの小さな粒が内部に入ってきた時に、
至近距離、殆ど距離のないところから周りの細胞を、
特にDNA、核内DNAに傷を付けていくと。
で、水の分子の切断の問題もあります。
いわゆるバイスタンダー効果というものをもって、我々の身体は7割が水ですから、
水が切断された時に様々な有害なラジカルが出てくる。
このラジカルがDNAを攻撃すると。いう事で、
特にアルファ核種、ベータ核種は問題なんですが、
今問題な、皆さんが関心があるのがいわゆる岐阜の核融合研究所だと思います。
これが、一番問題になるのが、時間がありませんからはしょりますけれども、
中性子線とトリチウム、三重水素。
三重水素というのはなにか?と言うと、水素ですから水の分子の一角を占める事がある。
飲み水の中にも入ってくる訳ですね。
これはベータ線を出します。
β核種、高速で飛ぶ電子。
身体の中に入ってきた時に周りの細胞にかなり強力な影響を与える。
半減期、物理半減期は12.6年と言われておりますが、結構長い間環境中に存在する。
これは気体です。
他にもゼノンとかキセノンとかアクロンとかクリプトンとかという格好の、
ウラン235が分裂した時に出来てくる核種の中に気体になるものがあります。
この気体になるものというのは普通の原発でもですね、常に外に出している。
通常の時点でも周囲の環境に汚染をもたらしている。
ここもやっぱり考えておかなければいけないので、
これは単なる核融合、次のステップ。
次に彼らが考えている次の発電システムとはまたその前の問題としてもですね、
気体になったウランの核分裂生成物。
これには絶対に目を光らせておかないといけないという事だと思うんですね。
特にその中でトリチウム、三重水素。
これは非常に重要な位置にある。
ですから最後になりますけれども、時間がありませんので、
今一番の問題はそういう点で、土壌中、あるいは空気中、水の中のさまざまな核種について、
あるいは食べ物についてもね、セシウムの基準値しか日本の政府は定めておりませんが、
「それはダメなんだ」とベラルーシの大使もこの間言っておりました。
「全ての核種について調べる、と何回も日本の政府に申し上げてきました」
という事を言っておられましたけれども、
ベラルーシ、あるいはウクライナ、旧ソビエトではそれが調査されて
食べ物についても非常に丹念な調査がなされているというところが問題だろうと思います。
そして最後一言だけ申しておきたいんですけれども、
福島の人達がこれからコミニティーを壊さず家庭の中の人間関係も壊さずに生きていくかという時に、
一番大事なのは、汚染の少ないところにその地域で移り住む。
そこへ移り住んで仕事が出来る。
東雲(しののめ)でもこの間すでに孤独死の方が見つかりました。
1400人ぐらいが避難なさっている。
その中の男の方ですけれども、見つかって、
1ヶ月ぐらい経ってから家族が「おかしい」と言って調べて初めて分かった。
それ以外にもいろいろな、本当に辛い辛い話しがいっぱいあるんですね。
ですから火がついているから、火がついたところのところをまず考えてほしいと福島の人は言っている訳です。
そこのところを、この場でもぜひ議論して、これからのいろいろな方向性を作って頂きたい。
一緒につくっていきたいと思っています。ちょっと長くなりましたが、どうもありがとうございます。
ーーー
バイスタンダー効果(Bystander Effect)
「直接電離放射線(以下において放射線と表記)を照射された細胞だけでなく、
それが周りの細胞にも伝わり、放射線照射の影響が出る」という現象である。
バイスタンダーとは、傍観者(bystander)の意味である。
ラジカル(radical)
不対電子をもつ原子や分子、あるいはイオンのことを指す。
フリーラジカルまたは遊離基(ゆうりき)とも呼ばれる。
原発避難の男性孤独死 東雲住宅、死後1カ月
東京新聞 2013年1月31日 夕刊
東京電力福島第一原発事故で、
東京都江東区の国家公務員宿舎「東雲(しののめ)住宅」に自主避難した福島県郡山市の無職男性(49)が
孤独死していたことが三十一日、都などへの取材で分かった。
死後一カ月程度たっていたとみられ、
区社会福祉協議会は単身で避難してきた約三百世帯を対象に戸別訪問の強化を始めた。
都都営住宅経営部によると、男性は
「居住地の放射線量が高い」として2011年11月に東雲住宅に単身で自主避難した。
昨年12月初旬に郵便物を預かった管理人が、男性と連絡が取れないため、
同月末、都住宅供給公社を通じ、福島県に住む男性の両親に通報した。
今年1月5日に両親や警察官が鍵を壊して部屋に入り、倒れている男性を確認した。
死因は心疾患とみられる。
東雲住宅は都内で最も多い東日本大震災の被災者が避難しており、
昨年末で585世帯1169人が入居している。
区社協や住民の自治組織が見守り活動を重ねてきたが、
「一回の訪問で会えるのは二割程度。戸別訪問を重ねないとなかなか面会できない」と
区社協の磯村茂ボランティアセンター所長は話す。
男性の孤独死を受け、東雲住宅の避難世帯の約半数に当たる単身の三百世帯を中心に、
巡回チームの人数を増やすなどして月一回程度訪問し、安否確認できるようにする。
東雲住宅では、11年5月に40代半ばの男性が死亡し、二日間発見されなかった。
ーーー
「がれきの広域化はもう、破たんした」2/12青木泰氏(文字起こし)
<なぜ燃やすの?環境省>
8000ベクレルを超える指定廃棄物を燃やす焼却施設建設着工・中断“鮫川村”
&森林除染木材でバイオマス発電“塙町”326政府交渉ネット2/12(文字起こし)
松井英介医師の講演
1.「低レベル」放射線 内部被ばくによる健康障害・松井英介氏(医師)
栃木県宇都宮市8/28(講演内容書き出し)
2.「低レベル」放射線 内部被ばくによる健康障害・松井英介氏(医師)
栃木県宇都宮市8/28(講演内容書き出し)
3.「低レベル」放射線 内部被ばくによる健康障害・松井英介氏(医師)
栃木県宇都宮市8/28(講演内容書き出し)
4完.「低レベル」放射線 内部被ばくによる健康障害・松井英介氏(医師)
栃木県宇都宮市8/28(講演内容書き出し)
松井英介氏(医師)「内部被ばくの問題」
市民と科学者の内部被曝問題研究会・第一回総会シンポジウム4/22(動画・内容書き出し)
2011年8月の講演なのに、
日本の国はこの時から全く進歩していないような気がします。
いま、ニュースの多くは自民党と民主党の代表選挙と
尖閣諸島に対する中国、竹島に対する韓国の事で大騒ぎです。
メディアは放射能汚染や補償から目をそらしているように感じます。
中国や韓国に対してなんだかんだ言うよりも前に、
日本国内の事を、まず、きちんと片づけて欲しい。
わたしはそう思います。
ーーー
2011年8月28日 栃木県宇都宮市
低線量被ばくを考える講座「50年後の安全」
さて、もう時間もなくなってきました。1時間になりますけれども、
原爆と原発の開発の歴史というのは、今までのお話しの中でも少しご理解いただけたかとも思うんですが、
一体化しているんですよね。
原爆をつくるためには天然のウラン鉱から掘り出したウラン235を濃縮してやらないといけない。
100%まで濃縮すると、広島型の原爆になる。
濃縮というのは原子力産業の一番重要な仕事なんですよね、
原子炉を回すと今度はプルトニウムが、
プルトニウムはもともと地球上にないもので、人間が作り出した。
原子炉でウランを燃やすと作られる訳です、プルトニウム129ですけど。
こいつは最強の毒物といわれています。
人間が作りだしたものです。
これを使った爆弾が一番効率がいいので、長崎型爆弾。
これも欲しいというので、同盟国、友好国に原子炉を運転させて濃縮ウランをそこへ持ち込む。
輸出する訳です、アメリカから。
ハードもソフトも日本に売り込んでいく。
で、その時、1953年です。
アイゼンハワー大統領が国連で演説したのが、この「Atoms for Peace」という、有名な演説ですね。
それを受けて「原子力の平和利用」という事で、一大キャンペーンをやる。
杉並のお母さん達が始めたといわれる、いわゆる第5福竜丸の事故が起こった時にですね、
やっぱり「原爆は止めよう」と、日本列島全体に「原爆を止めよう」という署名が広がるんですね。
そういうので、「このまま行くとちょっと危ない」というふうに考えたんでしょう。
「原子力を平和利用に、それが日本の経済発展につながるんだ」
「経済発展のためには原発は必要だ」という論を展開したのが正力松太郎。
当時読売新聞のトップで、これは有名な話です。
そして政治家としては中曽根康弘。
議員立法で二億数千万、
当時のお金で二億数千万、今で言うとどれだけになるか知りませんけれども数百億を
国会に贈呈してそれが通る
初代の原子力委員長の椅子に正力松太郎が坐る、というのが日本の原発開発の歴史ですよね。
最初はだからアメリカからゼネラルエレクトリックGEの機械を持ってきたんだから、
福島第一の1号機はGEです。
そのあと、同じものを東芝が後を受けるわけですけど。
という事でオバマ大統領になってからもプラハで、チェコで演説をしましたけれどもね、
ちゃっかりと最後に「核抑止論」を入れているんですね。
「原爆を持って平和を維持する」という
53年のアイゼンハワーと同じ考え方が思いきり出ている。
それでもって世界を支配しようと、空から戦争を仕掛けるという事で、
100機、
無人機を100機世界に配備してそれに原爆を乗せるという計画が進んでいる。
さて、どうにもしようのない核廃棄物ですけど、
トイレのないマンションと言いましたけれども、
「モンゴルにこいつをやらせたらどうだ?」とアメリカが言いだして、
東芝が一つのビジネスとしてね、進んでいるのがこれといわれています。
(2011年8月29日現在)
人の命はみな同じ。
一人一人みなかけがえがない。という事だと思うんですが、
広島で被爆した朝鮮人労働者、朝鮮人の方が当時7万人ぐらいいたんですね。
2万人ぐらいが一瞬にして命を奪われているんですけれども、
この辺たちのブントでしたか、共催連合に近い方が多かったと思うんですが、
長崎もそうです。
その朝鮮人被爆者の方達の碑を在日朝鮮人、韓国人の人たちがつくったんですね。
ところが当初、平和公園の中にこれを建てさせなかった。
やっと99年になって、現在のところにある。
で、去年、国連の事務総長が韓国の方ですから、ここに花をささげたりしたわけですけれども、
こういう差別意識というものが、今もやはりあると考えなければいけない。
それに対してドイツはやっぱり、それにどう向き合うか?という事をやってきた。
「人の命はみんなおんなじなんだ」という事で、自分たちがやった非人間的な過去と向き合うという、
それが原発を止めたドイツの力だというのが、この日のン人の写真家の意見なんですね。
「過去の克服」と言いますけれども
日本には、これがまだ足りなくはないかと。
さて、これも最後の方ですけれども、胎盤バリアです。
小さな小さな粒は、どれくらい小さな粒が通るか?
どれくらい小さかったら通るかというと、
100nm(ナノメーター)、0.1マイクロメーター以下のものは、
胎盤を通って胎児のところまで行ってしまうと。
これも一つ頭見入れておいていただくといいと思うんですね。
だから、おなかに赤ちゃんがいるお母さんにしてみれば、
やはりこの子を守るためにはどうしたらいいかという事はそこから結論が導き出されるだろうと、
つれあいも、周りの家族も、あるいはもっと言えば日本中の人がですね、
「この子を守るためにはどうすればいいのか?」という事が今問われているだろう。
常磐線。
南相馬市の原ノ町駅です。
もう半年近く止まってしまっていて、線路は錆びている。
いくつ特急列車が、各駅停車も停まっていますけれども、停まっているのか。
で、あの現場ではまだ、まだまだとっても収束には程遠い状況ですから、
向こう50年100年、おそらくここの常磐線が今の路線を走ることはなかろうと私は見ました。
非常に胸が痛む。
で、これからどうする?という事ですけれども、
一つ目は、ま、すぐに移住というのは無理な訳ですから、
何とか新たに取り込まない努力をしないといけないし、
免疫力を高めて、がん細胞が出てきてもそれをやっつける力をどういうふうに身体につくるか。
バランスのいい食事をする。
スポーツを積極的にやる、仕事もやる。
いろんな社会的活動に参加して仲間との連帯の気持ちというものを育てていく。
そして何と言っても、やっぱり、この法的な整備が出来ていないので、
法律をちゃんとさせるという事、財政措置もさせる。
で、たまたま甲状腺がんが見つかった時、
早く見つけてやっぱり早く手当てをしないと。
子宮がんも乳がんもそうですけれども、
これをどう早く見つけるかというプロジェクトというものを組むというか組ませる。
ということで、
IAEAというのは原子炉を運転させることが本来の目的で、
もうひとつは核を持っていない国が核兵器を持たないようにさせるというのが、
もうひとつの目的なんですよね。
で、主な目的は原子炉を運転させること。
原子力産業の代表的みたいなもので、
ICRPは、これは頭があがらないんです。
WHOもそうだと言われています。
こういうところから独立したチェック機関をつくらなければいけない。
※参考 IAEAとWHOの関係
「放射能被害はなぜ隠蔽されるのか」ミッシェル・フェルネクス博士OurPlanetTV(内容書き出し)
日本で言うと経産省から独立した安全委員会をきちんとつくらなければいけない。
経産省というのは原子力産業の、
要するに国策として原発を推進してきたわけですから、
そういう事をやるためにやっぱり法律とか財政的な措置を国会で決めるという、
それはやっぱりそれだけの声が出てこないと、国会議員も動かないですね。
それで今は大変な時期なので、何とか一次産業をここで、
そうでなくてもだんだん、だんだんに食料の自給率が下がってきているわけですが、
そいつをヨーロッパみたいに自給率を100%さらに100数10%ぐらいに持ち上げるにはどうするか。
それから、いろんな廃棄物を
低線量であれば、一般の産業廃棄物と一緒に処理してもいいという、クリアランスレベル。
ヨーロッパはECRRがこれを止めるためにつくられた組織と言ってもいいんですが、
日本は国会を通ってしまっているので、「裾切り」とも言っています。
これをやっぱり押し戻さないといけないだろう。
食の安全という事で、子どもの基準値もちゃんと定めさせる。
こういう事が緊急の課題としてあると思います。
南相馬の方達は「自分らだけではどうにもならないんです」って。
で、桜井市長の考え方もあって、戻ってくる方もいるんですけれども、
7万人ぐらいの人口がですね、一時1万人ぐらいにまで減ったんですけれども、
今は3万人位の人が戻ってこられているそうです。
よそでは食っていけないんですよね。
で、「南相馬だけではどうにもなりません」と、
口ぐちに悲鳴を上げておられました。
「全日本の力が欲しい」と。
日本中の人がこれの関心を持って、これを何とかしようじゃないか。
で、南相馬の子どもたちのために、自分もなんか一肌脱ごうじゃないかという事にならないと、
どうにもならない。
何と言っても原因をつくった東電の責任と、
国策としてこれをやってしまった、
とんでもないことをしでかしてしまった日本政府の責任ですよね。
「それをどう問うのか?」という、この声が、
日本列島どこに行ってもその声が聞かれるようになった時に初めて、
解決の明かりが見えてくるんじゃないかなというふうに思っております。
時間がちょっとはみ出しましたけれども、ご税調ありがとうございました。
★「見えない恐怖放射線内部被曝」松井英介(送料無料)★
【内容情報】
なぜ「内部被曝」は危険なのでしょうか。
からだの中に入り込んだ放射性物質が引き起こすがんや白血病。
被曝のしくみや健康への影響を正しく知って適切な対応を。
【目次】
第1章 福島原発事故による健康障害
第2章 内部被曝とはどのようなものか
第3章 原子力発電と内部被曝
第4章 広島・長崎被爆者の内部被曝
第5章 ビキニ水爆実験による内部被曝
第6章 「劣化」ウランと内部被曝
第7章 トロトラストによる内部被曝
第8章 放射性物質を掘り出すことの意味
基礎知識/資料
【著者情報】
松井英介(マツイエイスケ)
1964年岐阜県立医科大学卒業。
2001年3月まで岐阜大学医学部附属病院勤務。放射線医学講座助教授。
退任後、岐阜環境医学研究所を開設。
日本呼吸器学会専門医、日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡指導医、
日本肺癌学会および日本呼吸器内視鏡学会特別会員。
1997年から東京都予防医学協会学術委員、保健会館クリニック呼吸器外来担当、
「東京都から肺がんをなくす会」指導・総括。
2009年から癌研究会有明病院顧問
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
松井英介氏(医師)「内部被ばくの問題」市民と科学者の内部被曝問題研究会・
第一回総会シンポジウム4/22(動画・内容書き出し)
ーここまでの講演内容
1「低レベル」放射線 内部被ばくによる健康障害・松井英介氏(医師)
栃木県宇都宮市8/28(講演内容書き出し)
2.「低レベル」放射線 内部被ばくによる健康障害・松井英介氏(医師)
栃木県宇都宮市8/28(講演内容書き出し)
3.「低レベル」放射線 内部被ばくによる健康障害・松井英介氏(医師)
栃木県宇都宮市8/28(講演内容書き出し)
松井医師の声はとても温かいです。
お待たせしました。No3です。
2011年8月28日 栃木県宇都宮市
低線量被ばくを考える講座「50年後の安全」
ということで、煙草なんかに含まれているいろんな発がん物質、
ベンツパイレン?とかあるいはダイオキシンだとか
40種類もあるといわれている発がん物質がなかにありますが、
それによる猛攻暴露もあるし、食品添加物、それから農薬ですよね、
さまざまな、アスベストも入っています。
こういうものが癌をつくる。
癌っていうのは大体9割以上が環境に原因があるという事については、
国立がんセンターの医者たちにも異論はありません。
そこに、放射性物質が加わり、今度の事故でさらに大量の放射性物質が加わってきたと
それらが複合的に作用する。
あるいはアスベストの疫学調査で言いますとね、
アスベストだけを吸った、たばこは吸わない
アスベストだけを吸った人と全くどっちも吸わなかった人とを比べるとですね、
5倍ぐらい肺がんの発症が多い。
煙草だけを吸った、10倍ぐらい多いと。
両方吸った人、53.2。
50倍以上そのリスクが高いという、そういう、これを相乗効果と言いますけれども
これも分かっています。
アメリカの非常に大きな疫学調査の結果です。
この複合汚染、
有吉佐和子の小説というか、まあ、ドキュメンタリー的なものも生まれたこともあるんですがね。
こういうものとして見なければいけないんではないかと私は思っています。
で、公害だと言いましたらね、
「おまえなんでそんな曖昧な事を言うんだ」と私を叱る人もいましたけど、
私は今回の事故は人類最大の「公害」だといってもいいと思います。
そこでたまたま働いていたからなったわけではないので労災ではないですね。
そういう意味で「公害」
で、今までの事例で言うと
水俣病。
熊本だけじゃなくて新潟にもあります。
それからアマゾンの流域にもある。ブラジルです。
中国にもある。
世界的にあちこちにあります。
イタイイタイ病。
これは
岐阜県に原因があって三井金属の神岡鉱山が流したカドミウム。
神通川ですね、富山の。
そこの稲です。その稲が取り込んだカドミウムによってイタイイタイ病になった。
これらが有名です。イタイイタイ病が一番初めといってもいい。
これらと比べてもですね、やはり今度のやつはもう、
比較にならない位大きな規模の「公害」といっていいだろうということですが、
「産業廃棄物の不法投棄事件」って言いましたけど、そういう言い方もできると思いますが、
さて、福島県は200万人対象で健康調査を30年って言っています。
これはこの間も国立がんセンターでちょっと議論をしたんですが、
がんセンターの理事長、脳外科医の嘉山理事長も30年じゃ短いと言っていましたけれど、
最低でも50年。
それと、この健康調査の中身ですよね。
何をやるのか?これが問題だと思います。
すでにはじまっていますけれども、たとえばホールボディカウンターをつかう。
そうするとですね、カウンターでわかるのはガンマー線だけなんですよ。
そうすると、ベータ線しか出さないような、
たとえばストロンチウム90は身体の中にあっても分からない。
あるいはプルトニウム239。アルファ線しか出さない。
だから分からない。
分かるのはセシウム137とかベータ線とガンマー線を出すやつ。
ガンマー線の量からベータ線の量を計算、あるいは推定してすると、こうやるわけです。
ホールボディカウンターで調べても、
調べて「ああよかったですね、何にもありませんでした」っていうのは実は・・・・内部被ばくを見ていない。
ストロンチウム90あるいはプルトニウム239を見ていないという事になる事を、
是非、頭に入れておいていただきたいと思います。
さて食品の、
これはさっきもお話しの中に出ていましたんで、簡単に言いましたけれどもウクライナの検証です。
ここで注目していただきたいのが、
セシウムだけではなくてストロンチウムの基準値もきちっと定めているという事です。
こっちの方が厳しい。
これはやっぱりね、生物学的な半減期がこっち(ストロンチウム)の方が長い。
簡単に言うと、身体の中にながーくとどまって、骨に入ったやつがなかなか出ていかないということですね。
これはミルクの中、牛乳の中にも、お乳の中にも盛んに出てきますからやっかいな
カルシウムと非常によく似た動きをします。
セシウムの方はカリウムと非常に似ているので、
この間も豚の解剖を野村先生とやりましたが、心臓に一番多かった。
心臓が一番活発に動いているのでそこのところに集中して取り込まれていくという事が分かっていますが、
問題は、こいつは、セシウム137は、ベータ線と同時にガンマー線を出すと。
それに比べてストロンチウムはベータ線だけしか出さない。
だからホールボディカウンターなんかではストロンチウムは捕まらないんですね。
両方きちっと睨んでおかなければいけない。
で、この場合水(赤ライン)にちょっと注目をしていただくと、
日本の今の暫定基準値はどれだけかご存知ですか?
200ですね。(2011年8月28日現在)
水、200に設定されている。これはセシウムです。
日本はストロンチウムの基準は今全く提示していないんですね、無視しています。
やたら500ベクレル/kg(2011年8月28日現在)です。
こちらを見ていただくと、ベラルーシの場合は、野菜が40、くだもの70になっていますよね。
で、それだけじゃなくて、ストロンチウムの基準もちゃんと定めているという事が大事になります。
これはオーストリアの気象庁の、インターネットでいち早くアップしたものです。
私はこれを見た時に衝撃を受けたんですけれども、
事故現場から風に乗ってどっちに放射性物質が流れるか
これはヨウ素131のやつです。セシウムの物もあります、その他の物もある。
日本の気象庁はこいつを4月の半ば過ぎまでずっと出さなかった。
だから、風下に汚染された空気と一緒に逃げた家族もあるわけですよね。
これが海を越えてアメリカ合衆国、カナダでもかなり降り積もっている訳ですが、
それを越えてヨーロッパまで地球をずーっと回っているわけです。
この間南相馬に行きました。
そこで見た津波の痕ですが、
爪痕ですけれども、この白いところが見えますかね?
海岸がありますが、
この電柱が折れてしまって、この辺いっぱい家があったのに基礎だけで、こうして全部洗いながされて、
ひっくり返っているトラクターもあると、
霧です。
ちょうど冷たい親潮が来たからずーっと下ってくる、
その水温が低いのと陸上は温度が高いので、こうやって霧が出る。
霧に乗って、あるいはその霧の粒にですね、
放射性物質の小さな粒がくっついて、流れていったんだろうと想像して、
これは本当に衝撃的でしたけれども。
最初は北西に流れて行って、
このデータは群馬大学の早川さんが作られた図ですけれども、
最初SPEEDIのデータが公表されていなかったので、こっち(北西)に逃げたんですね、
もし分かっていればこの辺(色のないところ南)に行くとかできたんですが、
そういうふうにして被害の拡大をしてしまった。
あるいは稲藁の汚染が、所々にホットスポットがあってですね、
白川のあたりにもあるんですけれども、ちょうど80km圏内位でしょうかね。
それからこちらの宮城から岩手にかけて、
150kmのところの稲藁もかなり汚染されているというのが後になって分かりました。
それを牛に食べさせる。
積算、積み重なっていくと、身体の中で積み重なっていくという考え方が大事で、
郡山も結構高いですね。
福島はもっと高いことが分かります。
そして名古屋とか、
ここは岐阜県の各務原(かかみがはら)というなかなか読みづらいんですけれど、
ここらへんも結構高いですね。
こういう積算量という事も大事ですね。
1時間値がどのくらいという事だけじゃなくて、どれだけ積み重なってきているかという事が大事です。
という事で、上の曲線がECRR。
欧州放射線リスク委員会が、内部被ばくをちゃんと考慮しないとダメですと、
低い線量、ここはゼロです。
だんだん、だんだん右に行く方が放射線量が多いんですが
縦軸が健康障害のリスク
このゼロに近いようなところでも影響があると、内部被ばくの場合は。
ゼロにしなければいけない。
ICRPも、基本的には内部被ばくを無視していますから、ずっと低いところにありますけれども閾値はない。
日本の政府というか、ある学者さん達だけが、
100ミリシーベルト以下は大丈夫。
「大丈夫、大丈夫、大丈夫」って言ってきたわけです。
この間(緑の四角内)、
赤い部分とオレンジの部分の障害のリスクを無視しているのが日本政府。
この辺もちょっと頭の中に入れておいて下さい。
プルトニウムを分離するために大きな工場が作られたんですけれども、
1943年ぐらいですね。
そこで働いてた2万数千人の労働者、それからを29年間ずーーっと追跡調査した碩学調査。
これをやったのが、このトーマス・マンクーゾという超一流の疫学者の方、アメリカの方です。
日本の原発、どこで間違えたのか
内橋克人 朝日新聞出版
1972年まで追跡して、報告書をまとめたんですね。
彼は、「ゆるやかなる死(Slow death)」という言葉を使っています。
非常に沢山の人が癌で亡くなっている。
当時はレム(rem)という単位が使われていましたけれど、シーベルトに直してみるとこうなります。
「1年間に1見えいシーベルト以上を被曝させてはいけない」と
原発の現場でも燃料棒の入れ替えだとか、いろんな修理の時に、
どうしても放射線、内部被ばくを、吸い込むし、
特に吸い込む方が多いんですけれど、
という事で「年間1ミリシーベルト」を提唱したんです。
そのことをもって、この人(トーマス・マンクーゾ)には研究費を出さないと
原子力産業もアメリカ政府も出さないと言って「葬られた報告書」として、これは有名なやつです。
これは内橋克人さんがトーマス・マンクーゾさんを取材して書いたものが今はこういう格好で
昔は「原発への警鐘」という名前で出ていた本が復刻盤で出ました。
どなたにも手に入る形で、今本屋に並んでいます。
これは郡山の集団疎開の裁判の証人で証言をするために来日したECRRの中心クリスバズビー。
物理学者でイギリス人です。
「ぎりぎり我慢できるのは年間0.1ミリシーベルト」と彼は言っています。空間線量です。
子どもの場合はもっと、もっと私は厳しくあるべきだろうと思うんですが、これはこのように言っています。
ーーー講演の中で出てきた本
日本の原発、どこで間違えたのか
内橋克人 朝日新聞出版
未曾有の惨事となった東京電力福島第一原発の事故を、日本の原子力政策の出発点に戻って考える。
原発建設を急いだ正力松太郎、福島第一原発の誕生秘話、運転3年半で起こった最初のトラブル、「応力腐食割れ」……。
しかし、「万が一」を恐れる住民たちを前に、「安全」は最初から脇に追いやられていた!?
日本を代表するジャーナリストの渾身のルポルタージュが今、甦る。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
未曾有の惨事となった東京電力福島第一原発の事故。いったい根本原因は、どこにあったのか。
時計の針を逆に回して「原発誕生」からを振り返ると、鮮やかに「真相」が浮かび上がる。
「万が一」を恐れる住民たちを前に、「安全」への配慮は万全だったか。
日本を代表するジャーナリストの渾身のルポルタージュが今、甦る。
【目次】(「BOOK」データベースより)
序 つくられた「原発安全神話」-なぜ、いま『原発への警鐘』を復刻するのか
第1章 福島第一原発の風景-「万が一」を恐れた住民たち
第2章 東京電力と原発-福島第一原発はこうしてできた
第3章 人工放射能の恐怖-「放射線はスロー・デスを招く」
第4章 「安全」は無視され続けた-「公開ヒアリング」という名の儀式
第5章 なぜ原発を作り続けるのか-電力会社の「利益」と「体質」
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
内橋克人(ウチハシカツト)
1932年、神戸市生まれ。57年、神戸商科大学卒業。
神戸新聞記者を経て67年から経済評論家。
2006年宮沢賢治・イーハトーブ賞、08年度NHK放送文化賞
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1.「低レベル」放射線 内部被ばくによる健康障害・松井英介氏(医師)
栃木県宇都宮市8/28(講演内容書き出し)
2.「低レベル」放射線 内部被ばくによる健康障害・松井英介氏(医師)
栃木県宇都宮市8/28(講演内容書き出し)
4完.「低レベル」放射線 内部被ばくによる健康障害・松井英介氏(医師)
栃木県宇都宮市8/28(講演内容書き出し)
松井英介氏(医師)「内部被ばくの問題」市民と科学者の内部被曝問題研究会・
第一回総会シンポジウム4/22(動画・内容書き出し)
栃木県宇都宮市8/28(講演内容書き出し)
上記のブログの続きです。
2011年8月28日 栃木県宇都宮市
低線量被ばくを考える講座「50年後の安全」
ガンマー線は体を貫いて反対側にすぐ出てしまうんで、
遺伝子に、染色体に傷を付けるわけですが、それはまばらなんですね。
治りやすい。
わたしたちにはものを治す修復機能がありますので治りやすい。
それに比べてアルファ線はあちこちに傷がついて、治そうと思ってもまた次が来るという事で異常再結合がおこると。
これがいわゆる悪性腫瘍、癌とか白血病、あるいは先天性障害の原因。
あるいは免疫異常の原因になる。
あるいは様々な心臓欠陥障害の原因、同様の病理の原因にもなる。
細胞には放射線に強い細胞と弱い細胞がある。
代表的なのはこれは強いのが赤血球。
これは酸素の運び屋ですね。
こちらは免疫の担い手リンパ球。
この大きさが大体8ミクロンぐらい。
で、リンパ球は弱いんですね。
そして血液の中では細胞がこういうふうに社会を作っています。
隣り合わせで、情報のやり取りもあるし、物のやりとりもある。
真ん中に核があります。
ここに染色体遺伝子があるんですね。
ここに直接放射線が貫かなくても、このあたり(A)を貫いてもですね、
あるいは隣の細胞(B)を貫いても影響が出るという事が最近分かってきました。
これをバイスタンダー効果っていうんです。
「脇にある」というような意味だと思うんですけれどね、
これは最近の生物学的な研究で分かってきたことです。
たとえば、水の分子。
放射線っていのは分子を切断するんですけれども、
H2O。みなさんよく覚えていらっしゃると思うんですけれども、
水はH2O。酸素が1個に水素が2個と。
それが放射線によってイオン化されると、水素Hと水酸基OHに分かれる。
今度くっつく時に酸素が1個余分につく。H2O2過酸化水素。
これが厄介なんです。
細胞の中にこういうものが作られる。
これは大変強い毒性を持っています。
オキシフルとかオキシドール、消毒薬として使っていたものですね。
こういうものが放射線そのものと同時に細胞の中に形成されて、そして染色体に影響を与える。
その結果、こういうふうに目に見える形で
これはベラルーシ、チェルノブイリです。
こういう子どもが沢山生まれてくることになったと。
ウクライナでもそうですね。
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市民と科学者の内部被曝問題研究会・第一回総会シンポジウム4/22(動画・内容書き出し)
この日は司会進行をされていた松井医師の短い時間内での的確なお話に感銘を受け、
松井英介氏が講演をしている動画がないかと探してみました。
2011年8月28日 栃木県宇都宮市
低線量被ばくを考える講座「50年後の安全」
声がかれていらして、時々苦しそうな日の講演ですが、
私は初めの内容にいきなり心を打たれたのです。
「海」
命は海で生まれた
人は身体の中に海を持っている
そして、私たちは今福島原発の事故でその海を汚してしまった
取り返しのつかない事をしてしまったのだと、
先生の言葉を書き出しながら、私はそう思いました。
内部被ばくに関して、身体の細かい構造から、それぞれの種類の放射線が及ぼす力など、
とても丁寧に分かりやすく、しかも深い内容だと思いました。
「低レベル」放射線
内部被ばくによる健康障害
岐阜県環境医学研究所 松井英介
どうもみなさんこんにちは。
こんな声になっておりまして、大変お聞き苦しいと思いますが、
午前中はまだ良かったんですけど、午後に入って・・・聞こえますかね?
何とかちょっとお付き合いを頂きたいと思いますが、
内部被ばく、低レベルにカッコをつけたのは
身体の中に入ってきた小さな放射性物質の粒。
そこから出てくる放射線は、すぐそばにある細胞にとっては、決して低レベルではない
という意味でカッコを付けたんですけれども、
何に比べて「低レベル」かというと、
広島・長崎、ピカが光った時のあの放射線、主にガンマー線と中性子線ですね、
それに比べてずっと、こう、エネルギーが低いというか、
あるいはその量が少ないというか、
そういう意味での低レベル、低線量なんですが、
それが身体の中に入ってきて、
繰り返し繰り返し長い間にわたって、アルファ線とベータ線を主に出しますが、
ガンマー線も出しますけれども、アルファ線とベータ線も出すと。
その事がどういう健康障害をもたらすかっていう事について1時間ほどお話しをしたいと思います。
それで、これは皆さんご存じの
「命は海で生まれた」
最初はたった1個の細胞だったと言われていますが、
これがいくつか集まって、多細胞の生きものがでてくる。
それがそのうち動く。
移動することができる、動物が出てくる訳ですが、
そうこうしていて、背骨というか、脊髄が出てくる訳ですね。
それが海から今度は陸に上がっていく。
そうすると環境がガラッと変わってですね、
非常に温度、海の中の環境というのは割に安定している訳ですけれども、
陸上に上がってくるともう、ものすごく過酷な
非常に高い、摂氏40度にも50度にもなるし、マイナス30度40度になる事もあると。
そこで生きていかなければならないという事で、
海の水の成分というか、海の水を自分の体の中に取り込んだ。
それが私たちだというふうに考えられています。
外側は皮膚で内側は粘膜。
海の水というのはいろんな塩分を含んでいますけれども、
ナトリウムとかカリウム。
その比率がですね、わたしたちの身体の中に海の水と非常によく似た比率があるわけです。
その身体の中の環境。
「環境」という時に私たちは、
ふつう身体の外の環境、自然環境とか人間環境とかをいいますけれども、
身体の中の環境の事を「内部環境」と言います。
この「内部環境」をいい状態に保つために、
免疫システム。
それから内分泌、ホルモンですね、このシステム。
あとは神経、自律神経ですね。
この3つが非常にうまく協力しながらわたしたちの「内部環境」を非常にいい状態に保っている訳ですね。
そういう状態を「健康」という。
肉体的な健康ですか、
ただ肉体的な健康と言っても、これは心と密接な関係があって、
心がいい状態でなければいけないし、
他に私たちは社会的にいろんな人とかかわり合いを持ちながら暮らしていると。
一番身近なところでは、親とか兄弟、家族。
それから隣近所の方、一緒にいろいろと文化的な活動をする仲間、あるいは社会的な活動をするとか、
そういういわゆる社会的なかかわりの中で、
本当の意味での健康は保たれると、こういう考え方ですね。
これを一つちょっと頭に置いておいていただいて、
さて、これはね、お母さんの体の中で芽生えてまだ2カ月しか経っていない赤ちゃんです。
ご覧いただくように、こういう目も出来ていますし、耳がある。
それからこういう手の指があれば足もきちんとそろってきている。
肋骨が見えます。
ここのところ、これが胎盤。
強力なバリアであります。
外から悪いものが入ってこないようにここで守っている訳ですね。
で、お母さんの体の中から、いろんな栄養素を、酸素などを取り込んで、
そして、その排泄物をお母さんの身体の中へ、今度は出すというような働きも、この胎盤のところにあります。
電子顕微鏡ですが、手です。
この手のところにチョッチョッチョッってふくらみが出来て、
そしてはっきりと指の形になるのに、僅か数日ですね。
だから赤ん坊の時間という、胎児の時間というのはものすごいスピードで流れていくという。
わたしたちの感じている時間とは全く違った時間がそこにはあるという事を考えないといかん。
その間にどんどん、どんどん体の仕組みが出来て、
そしていろんな働きを身につけていく訳ですね。
外からいろんなものを取り込む、いろんな栄養素を取り込む、
そのスピードが速い、代謝が速い、細胞分裂も速いわけです。
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第一回総会記念講演シンポジウム
2012年4月22日 江戸川総合文化会館
1)記念講演 14:00~14:30 肥田舜太郎
2)記念シンポ 14:35~18:30 司会・松井英介・西尾正道
シンポジストからの発言 14:35~17:00
沢田昭二(物理学者) 「放射線内部被曝研究の現状と課題」
矢ヶ崎 克馬(物理学者) 「内部被曝の基礎」
大沼 淳一(市民放射能測定センター) 「食の安全、データの正しい評価」
岩田 渉 (市民放射能測定所) 「フクシマの第一線から」
山田 真(小児科医) 「子どものいのちを守るために」
堀口 信(内科医) 「遠隔地で福島からの避難者に寄りそって」
柳沢 裕子(内科医) 「相談現場から」
板井 八重子(内科医) 「ミナマタからフクシマへ」
石田 伸子(子ども全国ネット) 「フクシマからの声」
西尾正道氏(国立病院機構北海道がんセンター院長(放射線治療科)):
まず、松井さんの方から今の内部被ばくの問題をですね、ちょっと整理していただくために、
2~3分説明させていただきます。
松井英介氏(岐阜環境医学研究所所長):
政府と申しますか、原子力ムラはですね、
もう事故は収束に向かっているんだと、冷温停止状態だからというのが
基本的な原子力ムラの考え方だと思うんですが、
実態はちょっとここに並べてみましたけれども、
1・東電事故現場から今も続く各種核物質の大量流出
2・杜撰(ずさん)な除染作業
3・全国の自治体でのがれき処理による自然環境負荷
4・汚染食品の甘い許容線量限度値
皆さんご存じのように現場はまるで収束してない!
海の方にもどんどん垂れ流しになっていて
新聞報道でもストロンチウム90が大量に出てる
地下水の汚染、土の汚染、そして大気の汚染。
現場がまだ止まっていない訳です。
それから2番目に除染作業
これはもう、1兆円ビジネスとも言われていますが、
大手のゼネコン、
原因を作った原子力ムラの一角を占めているゼネコンがここでまた、懐に金を入れようと、
税金を自分の方へ流入させようと、
これが除染に乗り出してきて、実際に作業をやるのはここにもいらっしゃると思うんですが、
汚染された地の片が実際は仕事をやらされる。
非常にずさんな防護のやり方でやらされている。
子どもを抱えたお母さんまで仕方なく出ていかざるを得ない。
そしてもう一つの問題は、大きいのはがれきですね
瓦礫の処理の問題。
これは東京都は真っ先に声を上げて、いろいろやっている訳ですけれども、
大気中にどんどん放射性物質が出てくる。
あるいは非常に高濃度の焼却灰が溜まってくる。
これの処理の方法は決まっていない。
だから、たとえば秋田に持って行って、(かみがた?)の処分場に埋めさせるということがやられている。
この問題は非常に大きい。
汚染を全国に広げている。
だから、福島の方々の声を聞いてもですね、
「日本列島全体を汚染させてほしくないんだ」と。
それから4番目。
これは食品の許容線量限度値と書きましたが、
限度値を少し厳しくしました、4月から。
ところが、コメと牛肉は9月まで据え置き、大豆は年内据え置き、500ベクレル/kgという状態です。
こういう、非常に甘いセシウム137の基準ですけれども、
その他にストロンチウム90については全く基準値を定めていない。
いうような事で、基準値そのものに一つは問題がある
その、いろんな食の流通を介してですね、さまざまな形で汚染が広がっていくというのが危惧される現状です。
問題が、皆さんがかなり議論になっていました「子どもをどう守るか」という事で、
1・胎児、子どもの内部被ばくリスク
2・汚染地域ですでに観察されている健康障害の実際
3・汚染された地域コミュニティーの移住を実現するために
特にこの、胎児ですね。
それから小さな乳児、さらに小さな子どもたち。
この子どもたちの背負ったリスクをどういうふうに、病気が出てくる、
どうやって早く見付けて命を助けるかという事も非常に大きな課題になっていますし、
現に様々な形で、汚染された地ではですね、
子どもたちの病気が出てきているんじゃないかという事を実感されているわけですね。
この問題をどういうふうにしていくのか。
この内部被ばく研究会に突き付けられた非常に重要な課題の一つだと思います。
それから、じゃあどうやって守るのか?って言った時に、
北アルプスと中央アルプスのところで、二桁ぐらいガタッっと線量が下がるんです。
積算線量が下がる。
比較的汚染の少ないところがあるんです。
北海道もそうで、沖縄もそうだ。
ということで、現に今朝も話が出ていましたが、そういうところに自主的に移り住んでいる方もいらっしゃるんですが、
圧倒的多数はやはり汚染したところに住み続けている。
子どもたちもそこにいる。
じゃあ、どうするのか?という事が非常に大きな課題になっているので、
ここのところも「どうするんだ」という事を総合討論のところで、
どんどん積極的なご意見を出していただきたいと思っております。
シンポジウムの方々もいろいろと問題提起をなさると思いますが、
最初にちょっと言い過ぎた事もあるかもしれませんけれど、
そういう問題意識で、私は司会に臨みたいと、進行係をやらせていただきたいと思っております。
よろしくおねがいいたします。
肥田舜太郎氏「市民と科学者の内部被曝問題研究会」第一回総会記念講演4/22(動画・内容書き出し)
沢田昭二氏「放射線内部被曝研究の現状と課題」
市民と科学者の内部被曝問題研究会・第一回総会シンポジウム4/22(動画・内容書き出し)
矢ヶ崎克馬氏「内部被曝の基礎」
市民と科学者の内部被曝問題研究会・第一回総会シンポジウム4/22(動画・内容書き出し)
山田 真氏(小児科医)「子どもたちの命を守るために」
市民と科学者の内部被曝問題研究会・第一回総会シンポジウム4/22(動画・内容書き出し)
松井英介医師の講演
1.「低レベル」放射線 内部被ばくによる健康障害・松井英介氏(医師)
栃木県宇都宮市8/28(講演内容書き出し)
2.「低レベル」放射線 内部被ばくによる健康障害・松井英介氏(医師)
栃木県宇都宮市8/28(講演内容書き出し)
3.「低レベル」放射線 内部被ばくによる健康障害・松井英介氏(医師)
栃木県宇都宮市8/28(講演内容書き出し)
4完.「低レベル」放射線 内部被ばくによる健康障害・松井英介氏(医師)
栃木県宇都宮市8/28(講演内容書き出し)