首都圏にも原子炉が…放射能リスクのある街ワースト3
2015.12.24 ニュース 日刊SPA
ヤバい何かがある街」を、首都圏を中心にジャンル別にランキング! 識者や住民の声、現地での取材結果からその火種に極限まで接近してみた。あなたの住む街は大丈夫か?
◆首都圏にも原子炉が!核燃料製造企業、榛名湖は農家が廃業【放射能】
災害が多いだけに、放射能リスクとも無縁でいられない。そんななか、原子炉だけならすでに首都圏にも存在する。神奈川県川崎市浮島にある東芝原子力技術研究所である。震災後、多くの実験炉は解体されたが一部は動いている。内閣府によるとM7クラスの地震が今後30年以内に発生する確率は70%程度だが、浮島はハザードマップでは水没地域。埋め立て地のため液状化現象を起こす可能性もある。
首都圏にも存在する原子炉 また横須賀市には立教大学原子炉「RUR」があり、現在解体中。同地域の民間企業「グローバルニュークリアフューエルジャパン」(以下、GNF-J)は、アメリカから輸入したウランから発電用の燃料棒を作っている。各地の原子炉事情に詳しい、サイエンスライターの川口友万氏は、
「むろん各所とも高度かつ万全な安全対策を行っていますが、技術発展には失敗も伴う。GNF-Jは’08年7月と、’11年4月には放射性物質が漏れ出す事故が発生しました。今年8月には、東芝原子力技術研究所と隣接する日鉄住金鋼管川崎製造所の敷地内で火災が起きています」と話す。
また、群馬県の榛名湖周辺は震災以降からいまだ高い放射線が検出されており、農家の多くが廃業しているという。近隣の旅館経営者は「ウチも、野菜の調達に不自由するようになりました」と話す。
<放射能リスクのある街/ワースト3>
1位:川崎、横須賀市(神奈川県)【施設集中】
放射能関連企業、研究所が集中
2位:榛名湖周辺(群馬県)【高水準放射線】
いまだ高い放射線が観測
3位:成田町(茨城県)【実験炉あり】
高速実験炉「常陽」が設置
取材・文/SPA!ヤバい街取材班
群馬県 榛名湖
【速報】もんじゅでナトリウム漏れ警報、誤作動か
2015年12月26日 00時47分 共同通信
日本原子力研究開発機構によると高速増殖炉もんじゅでナトリウム漏れを示す警報が作動。機構は誤作動と説明。
この件について、
日本原子力研究開発機構 発表・お知らせ
事故・トラブル関連(2015年度)
を見にいってもどこにも何も書いていない。
日本原子力研究開発機構というところが私は信用できない。
8完 もんじゅ 日本原子力研究開発機構「約束したことが実行できていない。長年染み付いた悪さ処を解消すべく…」11/10おしどりマコさん講演・南相馬(文字起こし)
高浜原発、核燃料倉庫で非常事態
AFP 2015/ Kazuhiro Nogi日本
2015年12月26日 22:06(アップデート 2015年12月26日 22:07)
日本で原発の原子炉への核燃料の運び入れの際に非常事態が起こった。核燃料の扉が運び入れのためのコンテナーにひっかかり、非常用ブザーが作動した。事件が起きたのは使用済み燃料保管庫内部で、この結果、問題解決までにすべての作業が6時間にわたって停止された。
非常事態の起きた高浜原発第3、第4原子炉は今年4月すでに県の地方裁判所の決定で災害時に住民に危害を与える恐れあがるとして停止されている。原子力規制委員会側は同原子炉は福島第一原発事故以来導入された新安全基準に照らしても脅威をもたらしていないと判断したにもかかわらず、停止の決定が取られていた。
ところがその後、福井地裁は第3第4原子炉の再稼動を禁ずるこれまでの決定を取り除いた。これにより2016年1月ないしは2月にも原子炉は全出力での稼動にいたるものと考えられている。国、および県知事から取得せねばならない必要な許可書はすでに受け取っている。
関電のホームページを見に行ってみました(普通に見たら、気がつかないような載せ方です↓)
関西電力
関西電力 プレスリリース
高浜発電所3号機の燃料装荷状況について
2015年12月26日 関西電力株式会社
高浜発電所3号機の燃料装荷状況について、以下のとおりお知らせします。
1.燃料装荷状況 (16時現在)
・高浜発電所 3号機
燃料装荷作業 44体/157体
(平成27年12月25日16時~平成27年12月26日16時)
2.その他
・燃料移送作業の一時中断について
昨日23時15分頃、使用済燃料ピットにおいて、20体目の燃料集合体を燃料移送コンテナに吊り降ろす際、燃料集合体下部ノズルと燃料移送コンテナの接触により、クレーンにかかる荷重が一時的に低下したため、「燃料取扱室内燃料落下」の警報が発信しましたが、直ちに燃料集合体の保持状況に異常のないことを確認しました。
また当該燃料集合体について、外観点検を行い、本日5時47分に装荷作業を再開しています。
なお、工程への影響はありません。
以 上
高浜原発の燃料装填、警報鳴り一時中断 異常なし、再開
2015年12月26日 22時17分 中日新聞
核燃料の装填が始まった福井県高浜町の関西電力高浜原発3号機で、25日午後11時15分ごろ、警報が鳴るトラブルがあった。関電は「燃料や工程への影響はない」としている。
関電によると、使用済み核燃料ピットから20体目の燃料を取り出し、移送管につり下ろす際、燃料の下部が移送管上部に接触。クレーンの荷重が一時的に低下したため警報が鳴った。燃料に異常がないことを確認し、26日午前5時50分ごろ作業を再開した。同日午後4時時点で、燃料157体のうち44体を装填した。
高浜原発3号機 きょう核燃料入れる作業開始
2015年12月25日 4時20分 NHK
福井県にある高浜原子力発電所の3号機と4号機について、裁判所が再稼働を認める判断を示したことを受けて、関西電力は、まず3号機の来月下旬の再稼働を目指して、25日午後から原子炉に核燃料を入れる作業を始めます。
高浜原発3号機と4号機を巡っては、ことし4月に福井地方裁判所が出した再稼働を認めない仮処分の決定に関西電力が異議を申し立て、別の裁判長が審理した結果、24日に福井地裁は再稼働を認める判断を示しました。
再稼働にはすでに地元の高浜町と福井県が同意していて、裁判所の判断を受けて関西電力は、検査が先行している3号機で、25日午後4時ごろから原子炉に核燃料を入れる作業を始めます。
原子炉建屋の隣の建物の燃料プールから、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料24体を含む157体の燃料を、クレーンなどを使って1体ずつ原子炉に入れ、今月29日までに終える予定です。
高浜原発3号機の原子炉に燃料を入れるのはおよそ3年9か月ぶりで、関西電力は慎重に作業を進めるとしています。原子炉に燃料が入れられると、再稼働に向けた準備は最終段階に入り、関西電力は、安全上重要な設備の検査などをへて、来月下旬に3号機を再稼働させる計画です。
新しい規制基準の下では、ことし8月から順次再稼働した川内原発の2基に次いで3基目となる見通しで、関西電力は4号機も2月下旬に再稼働させるとしています。
核燃料入れる計画概要 一部はMOX燃料
関西電力は25日から今月29日までに高浜原発3号機の原子炉に157体の核燃料を入れる計画です。燃料は、原子炉建屋の隣の建物の燃料プールに保管されていて、クレーンなどを使い水中を移動させて原子炉に入れていきます。
燃料1体を移動させるのに30分ほどかかります。初日の25日は13体、2日目から4日目までは44体ずつ、最終日は12体を入れる予定だとしていますが、13人ずつ3つの班を組んで24時間体制で作業に当たり、早めに終わる可能性もあるということです。
燃料のうち24体は、使用済み燃料から取り出したプルトニウムを混ぜたMOX燃料が使われ、25日は1体入れられます。MOX燃料は、通常のウラン燃料と比べて発熱量が多いほか、仮に冷却できなくなると、より低い温度で溶け始めるという特性がありますが、原子力規制委員会は、MOX燃料を含め、燃料が溶けるなどの重大事故を防ぐための対策を審査を通じて確認したとしています。
新しい規制基準の審査に合格した原発で、MOX燃料が入れられるのはこれが初めてで、関西電力は「MOX燃料と通常の燃料とで、作業に違いはない」としたうえで、「安全最優先で慎重に作業を行う」としています。
高浜原発の再稼働認める 福井地裁、仮処分取り消し
2015/12/24 14:06 (2015/12/24 15:07更新) 日本経済新聞
関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)をめぐり、福井地裁(林潤裁判長)は24日、再稼働の差し止めを命じた同地裁の4月の仮処分決定を取り消した。関電が差し止めを命じた仮処分決定に対し、異議を申し立てていた。同原発は原子力規制委員会の安全審査に合格し、地元の知事や町長らの同意も得ており、関電は早ければ来年1月中の再稼働を目指す。
高浜原発再稼働を認める判断が出され、垂れ幕を掲げる弁護士ら(24日午後、福井地裁前)
また、同地裁(林潤裁判長)は同日、関電大飯原発3、4号機(同県おおい町)に対し、周辺住民らが求めていた再稼働差し止めの仮処分の申し立ても却下する決定をした。
林裁判長は決定理由で、原子力規制委員会の新規制基準に基づく判断は「不合理な点はなく、高浜原発3、4号機の安全性に欠ける点はない」と判断。「(周辺住民らの)人格権を侵害する具体的危険は認められない」と結論付けた。
同裁判長は大飯原発については「規制委の審査が継続中で、再稼働が差し迫っているとはいえない」として仮処分の必要性がないとした。
住民側の弁護団は同日、決定を不服とし、高浜原発については名古屋高裁に抗告する方針を示した。
福井地裁の樋口英明裁判長(当時)は4月、高浜原発3、4号機について、関電が想定する基準地震動を超える地震で過酷事故に陥る危険性があるとして、新規制基準を事実上否定し、再稼働差し止めを命じた。このため関電が同地裁に異議を申し立てていた。
規制委は高浜原発3、4号機について、再稼働に向けた合格証にあたる「審査書」を決定している。福井県の西川一誠知事も22日、再稼働に同意を表明した。
規制委の新規制基準の審査に合格した原発では九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)が再稼働している。
<高浜原発3、4号機>NOからYESへ…8カ月で大転換
毎日新聞 12月24日(木)21時29分配信
関西電力高浜原発3、4号機の再稼働を認めた24日の福井地裁の判断は、運転差し止めを命じた4月の仮処分決定とは180度、異なる結論となった。わずか8カ月で判断を変えたのは、国や電力会社が事故リスクを「ゼロ」にするよう目指すべきなのか、「起こりうる」前提で安全対策を講じる姿勢を評価するのかといった、リスクの解釈の違いだった。一方、事故時の住民避難などについては「重層的な対策を講じるべきだ」とし、国に注文を付けた。
【関西電力が想定する高浜原発再稼働のスケジュール】
関電は来年1月以降、高浜3、4号機を再稼働させる方針だが、原発の安全性をめぐる争いは今後、名古屋高裁金沢支部に舞台を移して継続される。
「事故に向き合う姿勢の違いが、司法判断の違いになった」。九州大の吉岡斉教授はこう話し、今回の地裁決定を批判。原発の新規制基準を作った原子力規制庁の担当者は「当事者ではなくコメントできない」と話した。
今回の決定はA4判で225ページで、46ページの仮処分決定(4月14日)の約5倍に及んだ。争点の一つは、将来、原発に到来する揺れの大きさを示す「基準地震動」だ。仮処分決定は「楽観的見通しに過ぎない」と批判したが、今回の異議審決定は、争点の中でも最も多い44ページを費やして異なる見解を示した。
異議審決定は、基準地震動を超える地震が起きる確率を「1万~10万年に1回程度という極めて低い数値」とし、想定の合理性を認定。「最新の科学的、技術的知見に照らして算定された基準地震動であり、原発の耐震安全性を確保するための基準として信頼に足る」と評価した。
新規制基準については、仮処分決定が「緩やかに過ぎ、適合しても原発の安全性は確保されていない」と指摘したのに対し、▽最新の科学的・技術的知見に基づく安全性確保▽原子力規制委が中立公正な立場で審査--の枠組みが機能していることを条件に合理性が認められるとした。
事故リスクのとらえ方も大きく変わった。今回は「社会通念上、無視し得る程度にまで管理されているか」との観点で判断し、「深刻な災害の恐れが万が一にもないといえるような厳格な内容」を新規制基準に求めた仮処分決定を覆した。【堀江拓哉】
林潤裁判長
福井地裁の林潤裁判長経歴は 関電異議、5月審尋から担当
2015年12月25日 09:16 福井新聞
林潤裁判長
関西電力高浜原発3、4号機の再稼働を認める決定を出した林潤裁判長(46)は4月、福井地裁に着任した。同地裁で初めて裁判長として審理できる部総括判事を務めている。
宮城県出身。1997年に東京地裁で判事補に任官。福岡高裁宮崎支部、大阪地裁などを経た。高浜原発の2基の運転差し止め仮処分決定を不服とし、関電が申し立てた異議の審理では、5月の第1回審尋から担当した。
また、福井県内の原発事故を想定し、滋賀県が作った放射性物質拡散予測図の一部の開示を市民団体が求めた訴訟も指揮。9月の判決で請求を棄却した。
高浜原発 「再稼働認めない」仮処分決定
決定分要旨
2015年12月26日 東京新聞朝刊 (↓クリックすると大きく見ることができます)
政権批判がテレビから消える日
報ステ、クロ現…相次ぎ介入
「圧力」で反対意見封じ
テレビ朝日系の報道番組「報道ステーション」のメーンキャスター古舘伊知郎さんが来年3月末で降板する。番組では、コメンテエーターとして出演した元経済産業相の古賀茂明さんが安倍政権を批判したところ、局幹部が自民党に呼びつけられ、事情聴取を受ける一幕があった。TBS系の報道番組「NEWS23 」でも安全保障関連法の廃案を訴えたアンカーの岸井成格さんが、安倍晋三首相を支持する右派勢力から狙い撃ちされた。メディア支配を強める安倍政権と、自粛・萎縮する各局。テレビから「政権批判」が消える日も近い?
古舘さんは24日の記者会見で古賀さんの問題の影響を問われると、「全くない。ただ番組の中でいざこざが起きたことは大変残念だった」と語った。
古賀さんは古賀さんは3月27日の放送中、テレ朝会長らの意向で「今日が最後(の出演)」と発言・「官房長官をはじめ官邸のみなさんからバッシングを受けてきた」と続けたところ、古舘さんが「降ろされたというのは違う」と反論した。
当の菅義偉官房長官は即座に「事実無根」と否定。
自民党の情報通信戦略調査会が4月、テレ朝の専務を党本部に呼びつける騒動に発展した。
古賀氏は「こちら特報部」の取材に「私が1月の放送で『I am not ABE』と言った直後、官邸から番組に抗議のメールがきた。私の降板が正式に決まったのは、その1、2週間後」と明かす。
古館さんの降板との関連性はどうか。
古賀さんは「官邸の意向を受けた局幹部が昨年来、古館さんを含め番組全体に、政権批判や反原発を抑えるように圧力をかけたと聞く。古舘さんは降板発表の際、「不自由だった」と言ったが、あまりの窮屈さに嫌気がさしたのだろう」と推察する。
報道ステーションとともに安倍シンパから目をつけられているのが「NEWS23」である。
アンカーの岸井さんは、安保法案の参院採決をめぐる与野党の攻防が佳境を迎えていた9月16日の放送で「メディアとしても(安保法案の)廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ」と踏み込んだ。
すると任意団体」放送法順守を求める視聴者の会」が産経新聞の11月14日付朝刊に「一方的な意見を断定的に視聴者に押し付けることは放送法に明らかに抵触する」と指弾する意見広告を掲載した。
同会の呼びかけ人には、右派論客らが名を連ねる。
事務局長で文芸評論家の小川栄太郎さんは安倍政権発足直前の2012年9月、「約束の日 安倍晋三試論」を出版。
小川さんは自らを「安倍の応援団」と認めた上で「NEWS23は大半の時間を「安保法案反対」の報道に使った上、岸井さんはアンカーの立場を逸脱した発言をした。テレビは多角的な観点で報じるべきだ」と主張した。
しかし、岸井さんと長年の親交がある経済評論家の佐高信さんは「言論人が意見広告を金で買って、異論を封じ込めようとするのはおかしい」とけん制する。
「現政権は批判を受け入れて、より良い政治につなげるという視点に欠ける。批判は許さないという度量の狭さが、テレビ報道の窮屈さにつながっている」
実際、岸井さんをめぐっては、来年3月末の降板説が一部で報道された。
TBS広報部は「番組の制作過程についてはお答えしていません」と否定も肯定もしていない。
出演者降板、幹部は首相と会食も
自粛、萎縮目立つ各局
「国民の代弁者たり得ない」
もう一つ忘れてはならないのが、NHKの報道番組「クローズアップ現代」の去就である。
安倍政権との因縁は昨年7月の放送にさかのぼる。
菅官房長官をスタジオに読んだ際、キャスターの国谷裕子さんが「(集団的自衛権の行使容認という)憲法解釈変更の違和感をどう払拭するのか」と問うと、菅氏が「どの国でも一国で平和を守れる時代じゃない」と気色ばんだ。
同番組のやらせ問題では、国谷さんが4月の放送で謝罪。その後、自民党の情報通信戦略調査会は、テレ朝の専務と同じ日にNHK副会長を事情聴取した。
現在、国谷さんの降板説や放送時間変更説が飛び交う。
NHK広報部は「来年4月の番組改定はまだ決まっていない。検討中だ」とコメントした。
テレビ界を見渡せば、姉政権に批判的な人物はまれだ。
ジャーナリストの青木理さんは、日本テレビ系の情報番組「ミヤネ屋」で政権批判を口にしていたが、10月に降ろされた。
青木さんは「10年前なら普通の体制や政権に対する批判が、あたかも極端な主張であるように受け取られている」と嘆く。
「以前はニュースステーション(報道ステーションの前身)に久米宏さん、ニュース23に筑紫哲也さんがいて、辛辣に政権を批判していた。それと比べれば古舘さん、岸井さんの論調は穏やか。こんな人まで標的にされるのかと驚く」
政治からメディアへの「圧力」は今も昔も存在するが、安倍政権のやり方は露骨だ。
昨年の衆議院選前、自民党は在京キー各局に「公平中立な報道」を求める文書を突きつけた。
安保法案反対の声が高まると、6月の自民党若手議員の勉強会で「マスコミを懲らしめるには広告収入をなくせばいい」との圧力発言が飛び出した。
放送業界の第三者機関「放送倫理・番組工場機構(BPO)」は11月、「クローズアップ現代」のやらせ問題を批判する一方で、自民党の圧力発言や、NHK、テレ朝への事情聴取を「政権党による圧力そのもの」と批判した。だが、安倍首相は「事実を曲げているか議論するのは至極当然だ。全く問題ない」と聴取を正当化し、反省する気などさらさらない。
BPOはテレビ局に対しても「干渉や圧力に対する毅然とした態度を堅持できなければ、放送の自由も自立も侵食され、やがては失われる」と発奮を促した。
ところが、テレビ局はむしろ安倍政権に取り入ることに熱心だ。
2013年1月7日付から今年25日付けまでの本紙「首相の1日」を調べたところ、安倍首相と会食やゴルフを共にした回数は、フジテレビの日枝久氏会長が12回、日テレの大久保好男社長が4回、NHKの島田敏夫解説副委員長が5回などだった。
このままではテレビから「政権批判」が消えてしまわないか。
服部孝章・立教大学名誉教授(メディア法)派、衆議院選時の文書配布が「テレビ局が毅然とした態度を示すチャンスだった。一局ずつ呼びつけられて文書を渡されたのに、どこもその事実を報じなかった」と残念がる。「政権の顔色を伺う『忖度ジャーナリズム』は、もはや国民の代弁者たり得ていない」
大石泰彦・青山学院大教授(メディア法)は「今の政権には会見という大目標がある。この高いハードルを越えるには、まず来年の参院選で勝たなければならない。そのために安倍政権は障害となるメディアを本気で殺しにきているとみたほうがいい。日テレとフジは手なずけたので、次の標的はNHK、テレ朝、TBSだ」と警鐘を鳴らす。
元NHKプロデューサーの永田浩三・武蔵大教授(メディア社会学)も行く末を心配する。
「報道番組のキャスターはフリーな立場で自分の意見をもべることが持ち味。そんなキャスターに政権批判を許さないのは異常なことだ。古舘さんの後任として曲穴のなが挙がっているが、果たして曲の方針から外れたコメントができるのか。いずれテレビから政権批判が消えれば、日本はもう民主主義国家ではない」
デスクメモ
今年の「こちら特報部」の通常紙面は今日が最後です。明日からは回顧などが続きます。振り返ればこの1年間、ジャーナリズムの危機を再三訴えました。そして最後の最後もメディアの問題です。来年は多分もっと厳しい局面に立たされるのではないか。現場で奮闘する同業者にエールを送り続けます。
<最後の報道ステーション>「世界によって自分が変えられないようにするため」3/27古賀茂明氏のコメントの部分全てそのまま文字起こし
<集団的自衛権>菅官房長官生出演 「クローズアップ現代」2014年7月3日放送(文字起こし)
古舘伊知郎「報ステ」降板全真相と官邸大ハシャギの内幕
2015年12月26日 日刊ゲンダイ
降板について語った古舘伊知郎(左)と中央から時計回りに古賀茂明、青木理、岸井成格の3氏(C)日刊ゲンダイ
またひとり安倍政権に批判の論陣を張るメディア人が消えた。24日、テレビ朝日の報道番組「報道ステーション」のメーンキャスター・古舘伊知郎が会見し、来年3月いっぱいで降板することを明らかにしたのだ。官邸は“してやったり”ではないか。早速、テレ朝の報道局員のもとには、霞が関の官僚たちから“お祝い”の連絡が続々と届いているらしい。
■政府に批判的なコメンテーター次々と“首切り”
サバサバした表情で会見に現れた古舘は、「2年前から考えていた。急に心境が変わったことではない」と“円満降板”を強調。もっとも真相は不明で、古舘はつい最近まで、「オレ、絶対頑張るからな」と周囲に語り、“続投”に意欲を見せていたという。実際、後任について質問が飛ぶと、「ボクのようにあまり問題発言をしない人がいいんじゃないでしょうか」と自虐的に語り、「権力を監視し、警鐘を鳴らすのが報道番組。全く中立公正はあり得ないと思っている」とも語った。
「古舘さんは原発報道をめぐって『圧力がかかって番組を打ち切られても本望』と発言したり、原発再稼働に向けて突っ走る政府に批判的な姿勢を強めていた。そんな最中の突然の降板劇です。むしろ何かあったと考える方が自然でしょう」(テレビ朝日関係者)
報ステでは今年3月、元経産官僚の古賀茂明氏が番組内で「I am not Abe」と発言し、官邸からの“圧力”でコメンテーターを降板させられた。その古賀氏は古舘の降板をこう見ている。
「古舘さんは『しゃべるのが命』という人だから、自分から降板するなんてありえないと思います。トークライブで原発の話をしようとしたら、台本を書き換えさせられたりと、報ステの番組はおろか、番組の外でも自由にモノを言うことができなくなっていたそうです。もう疲れちゃったんでしょう。古舘さんの方から辞めると言わせるように、テレ朝側が持っていったのでしょう」
もはや、官邸にタテついて煙たがられているジャーナリスト、コメンテーターのクビ切り降板は珍しいことではない。
■「NEWS23」岸井成格氏も降板
安保法制をめぐる安倍政権の乱暴なやり方を批判していたジャーナリストの青木理氏も、今秋、「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)のコメンテーターを突然降板した。TBSでも、安保法案に批判的なコメントをしていた報道番組「NEWS23」のメーンキャスター・岸井成格氏が来年3月いっぱいで降板すると報じられた。
これでは、言論の自由もへったくれもないのだが、番組を降ろされた本人たちは更迭劇をどう思っているのか。青木氏に聞いてみた。
「『ミヤネ屋』をクビになったのは事実ですが、説明があったわけではないので、詳しい事情は分かりません。私は社員じゃないので、方針に合わなかったり、必要がなくなったら切られるのは仕方がないと思う」
そのうえで、政府に批判的な発言が目立つジャーナリストやコメンテーターが相次いで降板している現状についてこう語った。
「テレビ局側の自粛なのか圧力なのか、それぞれの事情は知りません。だけど、結果を見れば政権側の思うツボだし、官邸にとっては好都合の状況が醸成されつつあると思う。このままいくとマジメに取材する報道番組が次々と消え、毒にも薬にもならないエンタメ番組ばかりになるでしょう。すなわちテレビ局が報道機関から娯楽機関に成り下がるということです。それでいいのか。重大な問題をはらんでいると思います」
前出の古賀氏は古舘について、「もう辞めると決まったのだから、残り3月まで思い切ってやりたいことをやって欲しいですね。そして4月になったら、『テレビというのは実はこういうことになっているんですよ』と、本当のことを話したらどうですか。そうすれば視聴者のリテラシーも高まると思います」と話す。
ぜひ期待したいものだ。
古舘伊知郎さん
報道ステーションの12年…綱渡りだった
毎日新聞 2015年12月24日 17時32分(最終更新 12月24日 21時16分)
テレビ朝日は24日、ニュース番組「報道ステーション」のメインキャスター、古舘伊知郎さん(61)が、契約が終了する来年3月末で降板すると発表した。古舘さんは同日夕、記者団に対し、「不自由な12年間だった。言っていいこととダメなことの綱渡りだった」と振り返った。テレ朝は、番組は継続するが後任キャスターは未定としている。
古舘さんは、久米宏さん司会の「ニュースステーション」の後継番組として「報道ステーション」が始まった2004年4月から、メインキャスターを務めてきた。古舘さんによると、2年前に「10年を区切りとして、別の挑戦をしたい」と、早河洋テレ朝会長に降板を申し出たが、「契約があと2年残っている」と慰留され、今夏に改めて降板の意向を伝えたという。
番組では今年3月、コメンテーターが自身の降板を巡って、古舘さんと激しく応酬。この問題を巡って自民党がテレビ朝日幹部を事情聴取し、政治による圧力が問題になった。古舘さんは「番組の中でいざこざが起きたことは大変残念だったが、それで今回の決意に至ったわけではない」と説明した。
さらに「ニュースキャスターは反権力、反暴力で、表現の自由を守る側面もある。キャスターが意見を言ってはいけないことはない。偏っていると言われれば私は偏っている」とも語った。今後については「娯楽の方で思いっきりしゃべり倒したい」と述べた。【丸山進、須藤唯哉】
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『ミヤネ屋』が安倍政権に批判的なコメンテーター・青木理をクビ切り降板!
政権への配慮、読売新聞の圧力説も
2015.12.24 リテラ
TBS『NEWS23』の岸井成格、膳場貴子両キャスターが安倍政権と右派勢力の圧力で降板させられそうになっていることを本サイトがスクープしてから2カ月。この間、『NEWS23』問題はさまざまなメディアで取り上げられ、論議をよんだが、ここにきて、2人の更迭は回避される可能性が出てきたらしい。
「二人の降板問題については、複数のメディアが後追い報道。視聴者からも批判の声が巻き起こり、岸井さんや膳場さんら当事者、(TBSの)報道、制作現場も激しい抵抗を見せた。そのため、上層部も動けなくなってしまったみたいですね。ただ、おさまらないのは岸井さんの後任に星浩特別編集委員を出すことを了承し、それを前提に人事計画を組んでいた朝日新聞。TBSの煮え切らない態度にカンカンらしいですよ」(TBS関係者)
これが事実なら喜ばしい展開だが、しかし、一方で、報道圧力に屈し、自主規制を続けるテレビ局の空気はまったく変わっていない。つい最近も、あるワイドショーのコメンテーターが、安倍政権に批判的なスタンスが原因で、首を切られていたことが明らかになった。
そのワイドショーとは『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)。首を切られたのはジャーナリストの青木理だ。
青木は共同通信社の公安担当やソウル支局記者などを経てフリーになったジャーナリスト。著書や雑誌連載では安倍政権を真っ向批判するなど、リベラルなスタンスで知られるが、テレビでは、政治から犯罪、メディア批評など様々なジャンルに目配りできる安定感のある解説で重宝されており、現在は『モーニングショー』(テレビ朝日系)のレギュラー・コメンテーターなど、複数の番組で活躍している。
その青木が、2年ほど前から『ミヤネ屋』にも月2回ほどコメンテーターとして出演していたのだが、10月くらいから、まったくその姿を見なくなってしまったのだ。
調べてみると、やはり青木は番組を降ろされていた。しかも、原因はそのリベラルな政治スタンス、安倍政権批判にあったようだ。
「建前は通常の改編期の交代ですが、実際は上層部から『青木を切れ』というお達しがあったようです。事実、この時に切られたのは、青木さん1人だけでしたからね。『うちの局にも番組にも合わない』ということだったみたいですが」(読売テレビ関係者)
たしかに青木は『ミヤネ屋』の中では、異色の存在だった。『ミヤネ屋』は局自体が政権べったりの読売テレビの制作というだけでなく、安倍首相の“腹話術人形”ともいわれる日本テレビの青山和弘政治部副部長がレギュラー出演し、9月には安倍首相の単独無批判インタビューを放映するなど、露骨に安倍政権に擦り寄りを見せている番組だ。
その中で、青木はただ1人、政権への批判を口にし続けていた。安保法制については一貫して安倍政権の乱暴なやり方を批判していたし、朝日新聞の慰安婦問題でも一方的なバッシングに異を唱え、イスラム国の日本人人質殺害事件でも、安倍首相の演説の問題にはっきり言及していた。つまり、こうしたスタンスが上層部に嫌がられたということらしい。
しかし、青木のリベラルなスタンスは今に始まったことではない。なぜ最近になって急に降板ということになったのか。
「青木さんを起用した『ミヤネ屋』のチーフプロデューサーとその部下の2人のプロデューサーが今年6月に異動してしまったんです。局内では事実上の更迭といわれています。このチーフプロデューサーは『番組に左巻きが1人くらいいたほうが面白い』というような骨のあるタイプで、彼がいたおかげで『ミヤネ屋』はぎりぎりバランスを保ってきた。青木氏についても、上層部に対して防波堤になってきた。そのチーフプロデューサーがいなくなって、番組ががらりと変わってしまったんです。報道姿勢も露骨に政権べったりになって、青木氏のような政権に批判的なコメンテーターも上層部にいわれるがまま排除することになった」(前出・読売テレビ関係者)
なんとなく古賀茂明の『報道ステーション』(テレビ朝日系)更迭劇を彷彿とさせるが、実際、チーフプロデューサーの異動や青木降板の背後には、官邸の圧力と政権の意向を忖度した自主規制があったのではないか、ともささやかれている。
「『報ステ』や『NEWS23』のケースでもそうでしたが、圧力といっても直接、官邸が番組に抗議をしてくるということはでない。政治部の番記者などを通じて、チクチクと文句をつけてくるんですよ。で、そういう声は現場を飛び越えて局の上層部に届けられ、上層部は人事で政権に批判的な人間を現場から外してしまう。実はこれがテレビ局の自主規制の一番多いパターンなんです」(テレビ局関係者)
しかも、今回の青木降板劇には、もうひとつ、大きな要因があったようだ。それは読売テレビの親会社である読売新聞の介入だ。
「チーフプロデューサーが番組を降ろされるすこし前、東京の読売新聞本社のメディア戦略室の幹部がわざわざ大阪の読売テレビに出向いてきたことがあった。その用件はズバリ青木氏降ろしだったようです」(前出・読売テレビ関係者)
実は青木は昨年の朝日新聞慰安婦問題に関し、「サンデー毎日」(毎日新聞出版)の連載で読売新聞の報道姿勢と、独裁的な社内体制を批判する記事を掲載したのだが、これに対し、読売新聞が激怒。内容証明を送りつけてくるという事態に発展していた。そういう経緯もあって、読売新聞が青木をどうにかしろとクレームをつけてきたようなのだ。
「幹部は相当な剣幕で、直々に読売テレビ上層部に圧力をかけたといわれます。読売テレビは読売新聞のグループ会社ですし、社長は代々読売新聞の経済部OBが“天下る”。その意向は絶対でしょう」(前出・読売テレビ関係者)
まさに、報道の自由もへったくれもない、あからさまな現場介入だが、この更迭劇について青木はどう考えているのか。直接、本人に聞いてみた。
「クビになったのは事実ですが、説明があったわけではないんで、事情はわからないね。いろいろ噂はとびかってるけど、まあ、僕らは社員じゃないんで、方針に合わなかったり、必要がなくなったら切られるというのはしようがない。むしろ、あの番組が僕のような人間を起用していたのが奇跡でしょう」
てっきり『ミヤネ屋』の悪口を聞かせてくれるものと期待していたのだが、青木は淡々とこう語るのみで、批判はまったく出てこなかった。
実は、青木は古賀茂明の『報道ステーション』降板騒動の際も冷ややかな反応を示しており、どうも、切られた時は四の五の言わないという、フリーとしての矜持のようなものがあるらしい。
だが、青木の個人的な信条はどうあれ、今回の降板が、安倍政権による一連の報道機関への圧力、テレビ局の過剰な政権批判自粛の延長線上にあるのは間違いない。本サイトとしては、テレビ局のこうした体質を見逃すことなく、これからも徹底追及していくつもりだ。
(伊勢崎馨)
放射線と健康 議論後退 福島事故 県有識者会議中間報告案
(2015年12月22日) 【中日新聞】【朝刊】
先月末の福島県の県民健康調査検討委員会で示された中間とりまとめ案
福島県の有識者会議、県民健康調査検討委員会は、来年3月の原発事故発生5年に合わせ、中間とりまとめの報告書を出そうとしている。甲状腺がんについては専門部会が先行的に報告書をつくり、放射線の影響に関する結論こそ先送りしたものの、がんが極めて多く見つかる状況については認めていた。ただ、この「異常事態」の認識が上部の検討委員会でも共有されると思いきや、議論後退を印象づける展開を見せている。(榊原崇仁)
「検討委の中間とりまとめ案は、甲状腺がんの多発について触れていない。なぜ書くのを避けたのか」
先月30日の検討委終了後の会見で、国際環境NGO「FoE Japan」の満田夏花(みつたかんな)理事はそう質問した。過去の経緯を考えれば、当然の質問だった。
県は事故当時18歳以下の県民約40万人を対象に甲状腺検査を実施。検討委員会の下部組織「甲状腺検査評価部会」が発症状況などについて検討を重ねてきた。昨年11月の部会では、国立がん研究センターの津金昌一郎(つがねしょういちろう)氏が地域がん登録データなどから「事故前(2010年)にがんがあった県内の18歳以下は2人」という試算結果を示した。
一方、今年3月までに判明した甲状腺検査の一巡目の結果では、がんの診断例は約100人。5月公表の部会の中間報告では「一巡目で見つかったがんは(原発事故前の)推定数の数十倍」と認めた。
ただ、原因については被ばくによる過剰発生と、深刻化していないがんまで細かく見つける「過剰診断」の可能性を提示。「現時点では結論を出せない」としたうえ、チェルノブイリ事故より被ばく線量が少ないなどとして「放射線の影響は考えにくい」とした。
■タブー
甲状腺がんの多発を訴えてきた岡山大の津田敏秀教授。福島県側は「拒否反応」を示している=ことし10月、東京都千代田区で
ところが、先月末の検討委で示された中間とりまとめ案では、甲状腺がんの多発や原因に関する記述を大幅に省き「放射線の影響は考えにくい」という部分ばかりを強調した。
会見で冒頭の質問を受けた検討委座長の星北斗(ほしほくと)・県医師会副会長は「(部会の報告は)一般的な統計より多いというだけ」と述べ、現状を重く受け止める姿勢を示さなかった。
満田さんは「がんの多発を部会が認めたなら、次の論点を議論すべきだ。本当に放射線の影響がないか検証すべきだし、がんの原因がどうであっても、多発するがんへの対応を進めていくべきだ」と主張した。
しかし、「がんの多発」については県側がタブー視している空気すらある。
検討委の委員で、部会員でもある日本学術会議前副会長の春日文子氏は過去の部会で、甲状腺がんの多発を学術論文などで指摘してきた岡山大の津田敏秀教授(疫学)を招き、見解を聞きたいと求めてきた。この要望は実現していない。
福島県の小林弘幸・県民健康調査課長は「もう津田氏を呼ばないのか」という本紙の質問に対し、「座長の判断というか、委員会としては特に必要ないという判断」と返答。その一方で、福島県立医大は津田氏が論文を投稿する学会誌に対して反論文を送るなど、「多発論者」に強い拒否感を示している。
■教え子
会見で質問に答える星北斗座長(右)。福島県立医科大の大学院生として安村誠司教授(左)がいる講座に在籍している=福島市で
福島県や県医大は、これまで放射線被害を過小評価しているのではないかと疑われてきた。12年10月には県が非公開の準備会合を開き、検討委の委員らと裏で打ち合わせていた問題が発覚した。
この後、検討委の座長が県医大の山下俊一副学長から星氏に代わり、新たな外部有識者を交えた甲状腺検査評価部会が設けられたため、多少は公正な議論が進むのではと期待された。
しかし、部会はどこか軽んじられている。そして刷新の象徴だったはずの新座長についても、ある事実が判明した。県医大の大学院生でもあったのだ。
先月末の会見で、その点を指摘された星氏は「大学院の博士課程の4年目。公衆衛生学が専門なので、その勉強をしている。たまたま(大学が)近くにあった」と話す一方、自らの研究テーマが県民健康調査ではないなどとして「問題とは思ってない」と述べた。
だが、星氏が在籍する公衆衛生学講座の安村誠司教授は、この調査で放射線とがん発症の因果関係を分析する中心的役割を担う。先の指摘をしたジャーナリストの木野龍逸氏は「院生が指導教官に『あなたのやっていることは間違い』と言い切れるものか。公平、公正な会議運営ができるとは思えない」と疑問視する。
■「教訓」
首をかしげたくなる問題は他にもある。中間とりまとめ案には、非公開の準備会合問題について「今後の委員会運営で教訓とする」と記されている。ところが、先月末の検討委で事前に委員から募った意見が一覧として公表されたのだが、国立研究開発法人・放射線医学総合研究所理事の明石真言氏は「ここは削除すべきだ」と求めていた。
「準備会合はなかった」と言わんばかりの同氏に取材を申し込んだところ、「舌足らずだった。検討委は準備会合に関して議論をしていないので、それをここに書くことに違和感があった」と釈明した。
甲状腺の位置
しかし、逆に「準備会合に関して議論していない」とはどういうことか。委員の間で、何が問題だったか議論を尽くさなければ、教訓として生かされない。
福島県在住のジャーナリストで地元紙「福島民友」の記者だった藍原寛子氏はこう訴える。「県民健康調査は、県民のために行うもの。拙速な判断の前に『県民のためとは何か』をきちんと議論してもらいたい。検討委の議論を単なる通過儀礼にしてはいけない」
会見では質問制限
議論の後退を思わせる検討委だが、閉会後に毎回開かれる会見も、本来あるべき姿を失いつつある。
星座長や他の委員、県側の関係者が出席するこの会見では、「放射線の影響は考えにくいのか」「がんの多発の有無は」といった重要な論点を多角的に検証すべく、がんの発症数や大きさの意味、年齢別や地域別の発症分布、他国の事故例との比較、被ばく線量データの不足、県医大内部での検討状況など、多岐にわたる質問が投げかけられる。検討委では難解な専門用語を交えた発言も多いため、その確認にも追われる。
ただ、会見には独特のルールが存在する。「限られた時間で、多くの人の質問に答えるため」(県の担当者)、質問は記者一人につき1問で、再質問も一度のみ。星座長が最初に答え、必要に応じて他の出席者に回答を求めている。
中継するインターネットテレビ局「OurPlanet−TV」の白石草(はじめ)代表は「質問制限のために踏み込んだやりとりにならず、座長が長々と持論を述べ、核心部分の回答がぼやかされることも多い。視聴者から『フラストレーションがたまる』という意見をいただいている」と嘆いた。
デスクメモ(東京新聞)
福島県いわき市。「原発賠償御殿!仲良くしない」新築の家の壁にスプレー缶のペンキで書き殴られている。ある人がフェイスブックにあった写真を送ってくれた。そねみ、やっかみ。無言の同調圧力。原発事故はこの社会の深層を可視化させた。絆大合唱の正体でもある。何が「お・も・て・な・し」だ。
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(PC翻訳 英語→日本語)
事故はレニングラード原子力発電所で発生しました
事故の目撃者とロシアの北の首都の住民は怖がっています。第二ユニットは、stationで停止しました。
2015年12月19日9時00分
モスクワ(QHA) -
蒸気でパイプが昨日タービンホールで割れたときに事故が第2の電源ユニットで発生しました。蒸気は、部屋を満たし、発電所を超えて漏れました。レニングラード原子力発電所(LNPP)の従業員が家に行かなければなりませんでした。第二ユニットを手動で停止した、Ekho Moskvyが報じています。
廃棄物の蒸気は、いわゆるループ原子炉冷却材を入力したため、専門家によると、リリースには、放射性でした。しかし、人口がパニックしないように奨励されました。
東の風は、エストニア、フィンランドの方向に雲を実施しました。
LNPPはフィンランド湾に、サンクトペテルブルクから80キロに位置しています。これは、ロシア北西部の電力の最大の生産国の一つと考えられています。
(PC翻訳 ロシア語→日本語)
レニングラード原子力発電所の第二ユニットの緊急停止
2015年12月19日ソスノヴイ・ボール レニングラード原子力発電所 バルトヘラルド
レニングラード原子力発電所の第2の電源ユニットの緊急停止は、12月18日金曜日13時間50分に行われた。停止の理由と原子炉の緊急冷却は、タービン店の部屋のいずれかで障害のあるパイプから放射性蒸気の急激な摂取量でした。
原子炉を提供する両方のタービンは。停止した中にチューブを介して排出される原子炉の蒸気で生成した冷却ダウン時の環境。ゼレノゴルスク- (この地域の典型的ではない)、毎秒5メートルの周りの南、南東の風は、ヴィボルグの方向に、フィンランド湾に向かって放射性蒸気を指します。
松の木の途中で放射線の背景には、17時位置に緊急ユニットから5キロはグリーンワールドを測定していた20mR / hrでした。
(アンダーラインの部分の原文)
Радиационный фон в центре Соснового Бора, в 5 км от аварийного энергоблока в 17 часов был по результатам измерения Зеленым Миром был 20 мкР/час.
このように、SELAの40キロ東に位置するサンクトペテルブルクの第五百万市は、今回ラッキーでした。いくつかの情報源によると、駅の近くでバックグラウンド放射線数回だけ増加していた。 写真の放射性蒸気でヴィボルグの方向の単位移動を減衰させます
参考:
レニングラード原子力発電所の第2の電源ユニットは、プロジェクトリソースの30年で、40年に動作します。寿命延長は、法的に必要な公聴会と州の環境専門知識なしに行われています。
現在までに、すべての4 LNPPは長寿命で動作します。ソスノヴイ・ボールでのチェルノブイリ原子炉シリーズの最も古い操作の45年後の2018年のみを停止する予定です。
フィンランド湾の東部には、原子力施設での事故のリスク増加の10年間の連勝に入ります。一方で2026年までの期間で長寿命を生産し、レニングラード原子力発電所のRBMK-1000原子炉の事故の確率が高くなります。同じ期間に、レニングラードNPP-2(VVER-1200)の新しい電源ユニットの試運転を予定し、また原因デザイナー、建築業者、さらには経験の浅い職員のエラーのために事故のリスクの増加を持っています。
だから先に「共鳴」のソスノヴイ・ボール核クラスタ内の事故の確率を高めます。
13時50分に緊急停止後、17時に原発から5kmの場所で、20mR / hr(20мкР/час)測定されている。
December 18, 2015 accident at Russia's Leningradskoe power station
レニングラード原子力発電所
レニングラード原子力発電所(ロシア語: Ленинградская атомная электростанция; Ленинградская АЭС)はロシア北西部レニングラード州のフィンランド湾沿いのソスノヴイ・ボールに存在する原子力発電所。サンクトペテルブルクから西に70kmの位置に存在する。チェルノブイリ原発と同型の4基のRBMK-1000が設置されており、老朽化の進む原発に代えて近隣にレニングラード第二原子力発電所が建設中である。
事故
1975年、1号機で部分的な炉心融解が発生し、1.5メガキュリーの放射線が放出された。
1992年、放射性のガスと要素を破裂した燃料管から空気中に放出した。これは最初に報道されたレニングラード原発の事故であった。
2005年12月、この発電所の金属くずを再処理する民間企業が非核金属精錬を行っていたところ予定を超えて加熱され、広い範囲に溶融金属を噴出し火災の原因となった。爆発で3人が亡くなり、2人が体の90%近くをやけどした。
2009年8月27日、3号機がポンプの吐出ヘッダーに穴が見つかったため停止した。
自動化された放射線管理システムによってモニタリングされた発電所内部含む30km範囲では放射線の値に変化はなかった 。この発電所の管理者は事故のうわさに反論し、3号機は「短期的な予定外のメンテナンス」で止められ、2009年の8月31日に再稼動を行うと発表した。スウェーデンの新聞紙ダーゲンス・ニュヘテルは8月29日に冷却水漏れが起きたとする短い通知を発行した。この問題は重大とされたが、即時の環境への放射線漏洩のリスクはなかった。この記事はフィンランドの放射能・原子力安全機関であるSäteilyturvakeskus(英語版)の声明を参照していた。
2号機
送電開始が1975年7月11日ということは、すでに30年経っている。
ほぼ1年後の2017年 (計画)には、停止する予定であった。
追記
PC翻訳 (リトアニア語→日本語)
ロシアの原子力発電所は- 事故:広がる放射性蒸気が22:32を更新しました。
www.DELFI.lt; ELTA、2015年12月19日。8時27分
近くに原子力発電所サンクトペテルブルク、事故が発生し、彼は、「書き込みエコーMoskvyを」。これは、放射性元素の風が運転したリークしたことが報告されているフィンランドとエストニアに向かって。
二次災害での反応器ユニットは金曜日13時50現地時間に発生しました。タービンがありました、放射性蒸気漏れが発生しました。ホームを実行していた電気の労働者は、唯一の事故影響の世話をするために委託スタッフにより電源に残りました。専門家によると、放電が放射性でした。東風放射性元素をリークした発表は、フィンランドとエストニアに向かって行きました。事故のため第二の反応器を停止しました。
事件の際newsru.com報告が1従業員を襲ったとして、彼は現在、病院で治療を受けています。
生態:発電用原子炉 - ソ連、すべての放射性蒸気
事件はすぐに懸念の環境保護を引き起こしました。これはいわゆるループ反応器区分を含み、上記サンクトペテルブルグソ連の原子力発電所原子炉の使用が強調されます。どの反応器の活性ゾーンの上を通過蒸気は、凝縮し、凝縮は再加熱されているシステムに戻り、最終的にタービンを実行していることを意味します。「すべての蒸気が、放射性であることを意味し、この植物1つのループ図は、「 - 組織が公表された「47ニュース」newsru.com引用エコロジストグリーンワールド会長オレグBodrovは、言いました。
事故が発生した場所サンクトペテルブルク、原子力発電所では、と、スポークスマンは、このような不安を拒否し、放射線レベルが限界を超えていないことを指摘しています。
パワー与えられた情報の代表者によると、他の電源ユニットは、現時点では3つありますが、いつものように働いています。
「懸念ロスエネルゴアトム情報とアンドレイTimanovasラジオバルチカの広報部門長は、危険はありませんことを確認しました。「フォンタンカは「許可制限内サンクトペテルブルク、現在の放射線の背景天然資源委員会の代表者言ったように。
蒸気はエストニアとフィンランドの間に達する可能性があります
サンクトペテルブルク水文気象センターの担当者は市と郡東の風の中で事故が吹いたことを確認しました。
これは、潜在的な放射線汚染された蒸気の風がエストニアとフィンランド側に持って来ることができることを意味します。
エストニア当局は、ロシアとの国境沿いの地域などの自然バックグラウンド放射線の、許容レベルを超えていないことを言います。同じ特許請求の範囲および責任フィンランド当局。Fontanka.fiによって公開 - 「何が変更された場合は、自動監視システムが変更を記録します」。
都市住民がパニックにないためSosnovyjボロ市の行政ウラジミールSadovskisを呼び出します。それにもかかわらず、グループ「Sosnovyjボル "ソーシャルネットワーク" VKontakte "の人が危険区域から逃れるために、できるだけ早くお互いに放射線漏れやコールに関する噂を共有しました。
フィンランド湾の海岸に、約80キロ西のサンクトペテルブルクのBorのSosnovyjの街に位置し、その原子力発電所、。工場は千まで可能それぞれが4 RBMKの電源ユニットを、eksploatuojasi。メガワット。この工場は、ロシア北西部で最大の電気のプロデューサーの一人として名前。
ソーシャルネットワークのTwitterユーザーがロックされたボイルオフと共有写真を言いました:
PC翻訳 (ドイツ語→日本語)
「レニングラード原子力発電所」での事件
ソスノヴイ・ボールでのホット蒸気
パイプが破裂した後、発電所のブロックをシャットダウンする必要がありました。これは、放射性は、蒸気であるかは不明です。
防護服の男はeinerm AKWで機械室の種類を通過
ここで無傷のまま:レニングラード原子力発電所に表示します。写真:成虫/ロシアルック
キエフTAZ | ソスノヴイ・ボールの「原子力発電所レニングラード」の第二のブロックでは、80キロ西のサンクトペテルブルクの、事件は金曜日の午後に行われました。
パイプを運ぶ蒸気は、バーストタービンホールに浸透し、環境でこのから撤退した後に熱い蒸気がありました。
すぐに手動及び第2電源ブロックnotgekühltシャットダウンする必要がありました。
数時間後に集団に、発電所、ウラジミールPeregudaのディレクターになりました。
原子マネージャは、アラームのための原因は、ありませんでしたので。
放射線照射は、通常の許容範囲内にある、理由、発電所のスタッフと避難する都市ソスノヴイ・ボールの人口はありません。
それにもかかわらず、植物の管理は金曜日に原因を見て、直接生産に関与していない発電所のユニットのすべての従業員が、途中で自宅に送信します。
漏れた蒸気の潜在的危険性はごくわずかに、別の声明によると発電所のラインを押されました。蒸気は放射性ではなかったので、発電所の敷地内に、外部限界以下の日の放射線暴露。
オレグBodrov、環境グループのアクティブソスノヴイ・ボールのためのスポークスマンは、「グリーン・ワールド」は矛盾します。「私はSosnovijボルに放射線被曝を持っている今日では、それ自体を測定しました。
市では、実際には許容範囲を下回っています。しかし、風はフィンランド湾に向かって蒸気雲を牽引してきました。が存在することになる測定する場合はTrue。 "
発電所でのみ水回路
パワープラントオペレータのステートメントは、漏れた蒸気は、バック、原子力業界で何年も働いていたエンジニアと物理学者放射性ではなかったです。
ソスノヴイ・ボールの反応器は、一つだけの水回路を持っています。それは蒸気になっていた前に、水は放射能との接触に入って来ました。「漏れた蒸気は放射性だっただからこそ、「TAZに比べオレグBodrov電話は言います。
多くは公式声明を提案するよりも、そのことは、おそらく悪いことを恐れています。ディレクターからのビデオメッセージレニングラード原子力発電所の、ウラジミールPeregudaは、非常に熱い針でよく編まれていました。モスクワに登場する説明」そして彼は、明らかに緊張しました」コムソモールスカヤプラウダに核マネージャのオンラインプレゼンスを。
原子力発電所のために水蒸気に増加します。
間違って何かがあります:蒸気のショットが。写真:緑の世界が
サンクトペテルブルクインターネットポータルはfontanka.ruは、 2008年に似たような状況でソーシャルネットワークの最近のパニックを比較し、「黙示録は、一度だけ移動させ、「皮肉匿名ネチズンを指摘しています。「私たちは今、家の外に行かなかったし、窓を開けないようにしてください2日です。しかし、そうでなければ心配する理由はない、「別のユーザーを作成しました。本当に何が起こったとき、あなたはおそらくフィンランドからほとんどを学びます。
レニングラード原子力発電所を1000メガワットの容量を持つ4つの原子炉のRBMKで構成されています。ソスノヴイ・ボールの第2の電源ブロックは、40年間実行されています。実際には、その期間は、十年前に終わっていただろう。しかし、その後、彼らは彼をアップグレードし、さらに15年の期間延長を持つことにしました。「そして、すべてこの法律によって要求公聴会と環境アセスメントのない、「オレグBodrov氏は述べています。
Sosnovijホウ素原子炉のRBMKのすべての4つの原子炉。RBMK反応器の特徴は、その連鎖反応は、冷却水が失われた場合にも継続されることです。他の原子力発電所では、連鎖反応が、自動的に停止する冷却水の損失が来ます。それは第千九百八十六、4月26日にチェルノブイリで最大の原子力災害を誘発したRBMK型原子炉でした
再処理工場で火災=IAEA機器原因か-日本原燃
2015年12月17日 時事ドットコム
日本原燃は17日、原発から出る使用済み核燃料の再利用を目指して建設中の六ケ所再処理工場(青森県)で、火災が発生していたと発表した。使用済み燃料を一時的に貯蔵する建屋に設置された国際原子力機関(IAEA)の機器が原因とみられる。
原燃によると、IAEA職員らが16日、工場内の建屋で停電時も監視カメラなどの機器が動くようにするため、バッテリーの交換に訪れたところ、黒い粉などを確認した。地元消防が17日に現場を確認した結果、火災と判断。負傷者はなく、火災がいつ発生したかは不明という。(2015/12/17-21:21)
日本原燃
再処理工場 使用済燃料受入れ・貯蔵建屋(管理区域内)における火災について
平成27年12月17日 日本原燃株式会社
12月16日、再処理工場使用済燃料受入れ・貯蔵建屋の燃料受入れエリア(管理区域内)において、(公財)核物質管理センター職員および当社社員立会いのもと、IAEA査察官が、IAEAの査察機器※の部品(ハードディスク・無停電電源装置バッテリー)の交換のため、査察機器が収納されているキャビネットを開けたところ、10時47分、同キャビネット内に黒い粉および黒い異物を確認しました。
この段階で、IAEA査察官・(公財)核物質管理センター職員・当社社員は、火災の可能性があるという認識はなく、本日、現場の状況を公設消防に説明し、その後、公設消防が現場を確認した結果、14時16分に火災と判断され、同時刻に鎮火が確認されました。
本事象による周辺環境への影響はなく、負傷者もおりません。
※査察機器:使用済燃料の受入れを監視するカメラなど
再処理事業所 構内配置図
青森県の放射線量を見てみた
青森県の放射線量統合グラフ
青森県(週間)↓クリックすると大きく見ることができます
青森県(月間)↓クリックすると大きく見ることができます
日本原燃の報告によると、12月16日10時47分に黒い粉と黒い異物を確認
17日(時事ドットコム)14時16分(日本原燃)には地元消防が現場を確認しているという。
週間と月間の線量のグラフによると、原燃の報告している時間よりも遅い12月17日に週間、月間共に急激に放射線量が上がっていた。
12月17日21時
12月17日20時
中部電、さびの圧力容器は使用可
浜岡5号機
2015年12月15日 19時21分 共同通信
中部電力は15日、東日本大震災に伴い運転停止した後、原子炉に海水が流入した浜岡原発5号機(静岡県御前崎市)について、さびが生じた原子炉圧力容器などの機器は継続使用が可能とする評価結果を発表した。
圧力容器には、直径最大9ミリ程度のさびが分布している。超音波試験などでさびの大きさや深さを調べた結果、圧力容器は十分な厚みがあるため機能に影響はないと判断した。
ただ、評価対象となった約8700点の機器のうち、制御棒など約700点は交換や手入れが必要という。具体的な対応は今後決める。
中部電は同日、評価結果を原子力規制委員会に報告した。
浜岡原子力発電所5号機海水混入事象に係る機器レベルの健全性評価結果について
2015年12月15日 中部電力株式会社
当社は、2011年5月14日に発生した浜岡原子力発電所5号機の主復水器細管損傷により系統内に海水が混入したため、海水が混入した設備や燃料について健全性の評価をおこなっています。
これまで、原子炉圧力容器および炉内構造物等を除く設備の健全性評価のうち機器レベルの健全性評価の結果ならびに燃料の健全性評価の結果について原子力規制委員会へ報告しました。(2015年5月12日お知らせ済み)
このたび、原子炉圧力容器および炉内構造物等の機器レベルの健全性評価として、制御棒および中性子検出器を除いて継続使用は可能との結果をとりまとめたため、お知らせします。
これをもって、健全性評価のうち機器レベルのものがすべて終了しました。また、本日、評価結果について原子力規制委員会へ報告しました。
1 点検の結果
海水混入環境を模擬した再現試験により懸念される腐食の性状を把握した上で、各機器の機能を踏まえて点検箇所を選定し、抜き取りで点検を実施しました。
(1)原子炉圧力容器
原子炉圧力容器内張り材の一部に確認された腐食を研磨した結果、腐食は内張り材と母材の境界の溶接溶け込み部に到達していることを確認しました。
原子炉圧力容器外側からの超音波探傷試験による測定の結果、母材部の必要厚さを満足していることを確認しました。
(2)炉内構造物
炉心支持板および高圧炉心注水系配管等の一部機器に腐食があることを確認しました。
(3)その他
制御棒および中性子検出器は、腐食や中性子検出器指示値の異常があることを確認しました。
2 健全性評価の結果
確認した腐食のうち一部の腐食に対する研磨等の詳細点検、およびその結果を踏まえた機能への影響の評価をおこないました。
その結果、部材厚さの設計・製造上の余裕や機器の形状から、海水混入により発生した腐食はいずれも原子炉圧力容器および炉内構造物(制御棒および中性子検出器を除く)の機能に影響はないものと評価しました。
以上から、原子炉圧力容器および炉内構造物(制御棒および中性子検出器を除く)について、継続使用は可能と評価しました。
なお、制御棒は確認した腐食が機能に影響を及ぼす可能性があること、中性子検出器は指示値に異常があり機能を有していないことが確認されましたが、これらは定期的に取り替えをおこなう機器であり、プラントの健全性に影響を与えるものでありません。
3 今後の対応
これまでの機器レベルの健全性評価において補修等の措置が必要と評価した機器、および上記の制御棒および中性子検出器に対する具体的な措置の検討や、系統レベルでの健全性評価方法などの検討を計画的に進めていきます。
また、継続使用可能と評価した機器を含め、腐食等を確認した機器については、今後の継続的な点検の要否を考慮して予防保全の実施を含めた検討を進めていきます。
原子炉水の浄化については、現在の原子炉水の塩化物イオン濃度は十分低いものの、すきま内部に残留する塩化物イオンによる原子炉運転時のすきま腐食の発生・進展の抑制のため引き続き実施します。
別紙
浜岡原子力発電所5号機 海水混入事象に係る機器レベルの健全性評価の結果について
中部電力
2015年12月15日5号機
第10回「浜岡原子力発電所5号機海水流入事象に係る設備健全性評価検討委員会」の議事内容について
2015年11月26日(木)
4.委員からの主なご意見・ご質問
⑴主なご意見
・局部腐食の影響による機器レベルの健全性評価は、原子炉圧力容器及び炉内構造物に要求される安全上重要な機能について整理することで、健全性評価の内容が理解しやすくなる。
・原子炉の運転環境において、海水混入により発生した腐食が進展しないことは理解できるが、これらの腐食を残したまま運転する場合には、応力腐食割れへの影響がないことについての考察を加えるべきである。
・原子炉起動時(高温高圧環境)に残留塩分の溶出が考えられるので、原子炉起動前にどのような措置(試運転や浄化、継続点検等)を実施するかを注意深く検討する必要がある。
⑵主なご質問
ご質問:
健全性評価における類似機器の定義は何か。
また、スパージャの内面のような点検困難部位についてはどのように評価したのか。
回答:
炉内環境はほぼ一様であると推定しており、材料・構造の観点から類似箇所を整理し、類似機器としている。
また、点検困難部位の評価にあたっては、当該機器の類似箇所(材料・構造)の点検結果から評価し、また、他機器の類似箇所(材料・構造)の点検結果で確認した局部腐食深さを想定し、機能への影響を評価している。
ご質問:研磨、補修、交換等の今後の手当についてはどのように考えているのか?
回答:
今後の手当については、今後の継続的な健全性評価における継続点検の点検計画や予防保全の実施等を含めて検討していく。
2015年12月15日公表資料があったので見ようと思いました。
主復水器細管損傷の影響の調査について(原子力規制委員会への中間報告)2015年12月15日
クリックすると、⇩なぜかNot Found(2015年12月17日現在)
中間報告を見ることができなくなっているので、仕方がないので2015年5月12日の報告を見てみた。
主復水器細管損傷の影響の調査について(原子力規制委員会への中間報告)2015年5月12日
海水に浸かった燃料については使用可能という報告が書いてありました。
⑵燃料の健全性評価
海水混入時に原子炉圧力容器内に装荷していた燃料の調査及び材料試験をおこなった結果、海水混入による燃料の健全性への影響は確認されず、これらの燃料の継続使用は可能であると評価しました。
(燃料の健全性評価結果については2014年10月3日お知らせ済み)
「海水混入時に炉内に装着していた燃料」というのは、その燃料棒を手に取って検査することができるの?
原子炉に入っていた燃料なんだから、使用済みの燃料でしょ?
そしたら、人が近よったら死んじゃう位の強烈な放射線が発せられているんじゃないのかなぁ??
じゃあ、どうやって試験したんだろう?
原子炉圧力容器みたいにサンプルで実験?
ちょびっとでも海水が付いていたら、塩ってNaClでしょ?
放射性物質と化学反応起こらないのかな?
原子炉内で塩が付いた燃料燃やしてバチバチ化学反応が起きて、しかも、原子炉の部分に腐食があったら…どんなことが起こるんだろう?
なんで大丈夫なのか、よくわからなぁ〜い ┓(⊙.☉)┏
資料:原子力規制委員会定時降下物モニタリングより
福島県双葉郡の定時降下物セシウム合計の数値(2015年) 単位 MBq/km 2 ・月
9月→ 89
8月→ 90
7月→ 201
6月→ 950
5月→ 610
4月→ 115
3月→ 850
2月→10700
2月にとても多いことがわかった。
この時、全国の都道府県ではどうなっていたのか?
やはり2月に一番多くセシウム合計が計測されていた地域がある。
埼玉県はダントツで2月が高い MBq/km 2 ・月
栃木県は数値も6.5と、とても高い MBq/km 2 ・月
東京は2月が一番高いが、3月と5月も同じくらい観測されている。 MBq/km 2 ・月
神奈川県2月が高い MBq/km 2 ・月
新潟県は過去1年間で3回だけセシウム降下物が観測されている。その中で、2月の数値が一番高かった。
MBq/km 2 ・月
風向きはどうだったのか?
東京電力は2月16日の報告で「※2月16日午前11時15分頃、発電所構内北側にある瓦礫一時保管エリアA1のAテントにおいて、屋根の一部が破損していることを当社社員が確認。同日午前11時24分、昨日(2月15日)朝以降のモニタリングポストおよび構内ダストモニタの指示値に有意な変動がないことを確認。昨日の強風の影響と思われ、今後の処置については現在検討中」
ということなので、2月15日の風向きを見てみた。
http://www.tenki.jp/past/2015/02/15/amedas/3/wind.html
22時
23時
2月16日
http://www.tenki.jp/past/2015/02/16/amedas/3/wind.html
1時
2時
4時
2月の全国都道府県への降下物はどうだったのか?
グラフにしてみました。(↓クリックすると大きく見ることができます) MBq/km 2 ・月
福島県は大きく突き抜けています。
数字はセシウム134→1900
137→6800
合計→8700MBq/km 2 ・月です。
そしてこの月は、新潟だけでなく秋田県、山梨県、長野県、静岡県でもセシウムが降っていました。
(月間降下物の表を過去を辿ってみていくと、秋田県は新潟県や山梨などと同じくらいNDが多いのに気付いた)
福島から大量に放射性物質が舞い上がった2015年2月の降下物セシウム合計ランキングです。
MBq/km 2 ・月
一つ、この月間降下物の数値を見る上で大切なのが単位です。
1ヶ月間で降った総量で、単位はMBq/㎢
MBq/㎢=100万Bq/㎢
1km四方の面積に原子力規制委員会の出している数値に100万ベクレルをかけた量のセシウムが降ってきているということになります。
例えば、東京新宿では2.63MBq/㎢なので、1平方kmに263万Bqが1ヶ月で降ってきた。
でも、1km四方というのは自分の中で想像しにくいので1m四方にしてみると、
1000m×1000m=1km×1kmなので、
263万Bq/㎢=2.63Bq/㎡になる。
なんか、遠回りしたけれど、計算してみると結局
2.63MBq/㎢=2.63Bq/㎡
同じことみたいだけど、この方がずっと想像しやすい。
1m四方ということは、立って片手を広げた長さぐらいの距離の正方形。
その中に1ヶ月で2.63Bqのセシウムが降ってきているということになる。
毎月毎月(地表から舞い上がっているものもあるけど)これだけ降ってきて、溜まっていくんだな、と、思ったら、やっぱり東京に住んでいるのが怖くなってきた。
2位の茨城県と4位の群馬県は2月以上に高い月がありました。
そして、2015年5月に最高値を出している地域がたくさんあることがわかった。
つづく
伊方原発1号機 冷却用海水9万リットル余漏れる
2015年12月15日 21時17分 NHK
愛媛県にある運転を停止している伊方原子力発電所1号機で15日午前、機器を冷やすための海水、およそ9万4000リットルが漏れ出すトラブルがありました。このトラブルによる環境への影響はないということですが、四国電力が詳しい原因を調べています。
四国電力によりますと、15日午前11時すぎ、運転を停止している伊方原発1号機のタービン建屋で排水槽の水位が上昇していることを示す警報が鳴り、調べたところ、くみ上げた海水を機器の冷却のために送る配管から、およそ9万4000リットルの海水が漏れ出したことが分かりました。
四国電力によりますと、漏れた海水に放射性物質は含まれておらず、環境への影響はないということです。
また、現在1号機の原子炉に核燃料はなく、使用済み燃料プールにありますが、プールの冷却は通常どおり行われているということです。
四国電力によりますと、海水は点検のため、外しておいた配管と配管の継ぎ目から漏れ出していて、点検中の配管に流れて行かないよう閉めていたはずの電動の弁が開いた状態になっていたということです。
また、この弁の状態は中央制御室で監視することができますが、閉まっていることを示す表示になっていたということです。
四国電力はなぜ閉まっていると表示されていた弁が開いていたのかなど詳しい原因を調べています。
伊方原発はことし7月3号機が原子力規制委員会の審査に合格し、再稼働に必要な検査を受けていますが、1号機は審査の申請は行われていません。
ーーー
高線量の被爆をする作業環境の東京電力福島第一原発と違って、四国電力伊方原発は事故ってないのだから、キチンとした仕事ができるんだと思っていたけど、原因不明で閉めていた弁が開いていたなんて…
電力会社って、どこも同じようにこのような不適格な仕事しかできないんだろうか。
こんな電力会社に原子力発電所の稼働を任せても大丈夫なんだろうか…?
とても不安になった。
芸人のわたしが、
舞台よりも「東電本店」に
通った理由
――おしどりマコちゃん×広瀬隆対談【パート1】
『原子炉時限爆弾』で、福島第一原発事故を半年前に予言した、ノンフィクション作家の広瀬隆氏。
壮大な史実とデータで暴かれる戦後70年の不都合な真実を描いた『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』が増刷を重ね、第6刷となった。
本連載シリーズ記事も累計295万ページビュー(サイトの閲覧数)を突破し、大きな話題となっている。
このたび、新著で「タイムリミットはあと1年しかない」とおそるべき予言をした著者と、吉本興業所属の芸人・おしどりマコちゃんが初対談!
おしどりマコちゃんは、フクシマ原発事故以降、マスコミ記者顔負けの「ロジカルな質問力」で東電幹部も答えに窮する場面も多数あったという。
芸人ながら、タブーといわれる原発事故の真実に、詳細なデータベースで迫る稀有な女性だ。聞けば、以前、鳥取大学医学部生命科学科に所属していたという。
そんな折、8月11日の川内原発1号機に端を発し、10月15日の川内原発2号機が再稼働。そして、愛媛県の中村時広知事も伊方原発の再稼働にGOサインを出した。
本誌でもこれまで、39回に分けて安倍晋三首相や各県知事、および各電力会社社長の固有名詞をあげて徹底追及してきた。
スベトラーナ・アレクシエービッチ著『チェルノブイリの祈り』がノーベル文学賞を受賞した今、精神論やきれいごとでなく、真の科学的データで迫る姿勢が日本でも問われている。
なにごともなかったかのように、次々再稼働される日本の原発。
本当にこれでいいのか?
安倍政権により、真実の声が消される中での対談1回目をお届けする。
(構成:橋本淳司)
原発事故後、
すぐに東京脱出を図った芸能人たち
広瀬 マコさんは月刊誌『DAYS JAPAN』(2015年7月号)で、
「福島県『県民健康調査』検討委員会『甲状腺検査評価部会』小児甲状腺がん『多発』認める。」
という力強い記事を書かれています。
マコさんの文章を読んでいると、いつも「この人は、どうしてこんなに才能豊かなんだろう」と思ってきました。取材が的確で、記憶力が抜群です。
30年以上この問題に関わってきた私が、ずっと驚き続けています。相棒のケンちゃんに言ったことがあるけれど、この人は天才ですね。でも、吉本興業所属の人気の「おしどり」という芸人さんなんですよね?
マコ ここにいる相方のケンちゃんと、「夫婦漫才」をやっています!私はフクシマ原発事故が起きてから取材を始めました。それまでは取材することなんて、考えたこともありませんでした。
広瀬 漫才師がジャーナリストも始めた、きっかけは、何でしたか?
マコ 2011年に東京に出てきて、すごく張り切っていたんです。私たちは元々西日本の人間でしたから。春休みに、品川よしもとプリンスシアター(4年前に営業終了)の看板キャラクターにしてもらい、楽しみにしていました。その矢先に、東日本大震災と福島第一原発事故が起こったんです。
広瀬 事故が起こったときに、芸能人としては、どうしていたのですか?
マコ 劇場の楽屋で仲間と話していると、東京のタレントが西へ逃げているのがわかりました。芸人も逃げますし、芸人の子どもも、みんな逃げていたの。
楽屋では、先輩が真顔で、
「車じゃ東京から逃げられないから、みんな、オフロードバイクを買おう」
と言ったことがありました。
自分と奥さんの分は買ったけれど、この楽屋にいる人数分だったら手配できるから、「ほしい人は手を上げてくれ」と。
広瀬 オフロードバイクって、山道でも走れるマウンテンバイクのようなものですね。それほどみなさんが必死で逃げようとしていたのですか。知りませんでした。
マコ 東京の楽屋では、毎日そんな話ばかりでした。あるタレントさんが、TBSの冠番組の収録を大阪のMBS(毎日放送)で始めたとか、ミュージシャンが番組で「東日本、がんばろう」って言っているけど、実は全員大阪にいるとか、ね。そういうのを「ツイッターでバラしてやろうか」と言う人もいて……楽屋で崩れ落ちて泣く人もいました。
広瀬 自分たちが、取り残されたような気持ちになったのかもしれませんね。
マコ 私も複雑な思いでした。私たちは春休み子どもキャンペーン(2011年3月19日~31日)だったので、劇場に遊びにきた小学生以下の子どもたちに、ケンちゃんが「天使の羽」を針金でつくってプレゼントしていました。
でも、タレントは東京から次々逃げている! 劇場に出ている先輩の子たちも東京にいない。それなのに、東京の劇場にファンの子どもたちを集めている! こんなこと、ものすごい矛盾じゃないですか。
本当は舞台上で、「東京は危ない。逃げられる人は逃げたほうがいい」としゃべりたい! そのことを支配人に相談したら、「何を考えているんだ!」と怒られました。
広瀬 会社としては、原発のことにふれたくなかったのですね。
舞台よりも東電へ! の理由
マコ それで、子どもたちにプレゼントを渡すとき、私が書いた記事も一緒に読んでもらうことにしました。
記事を書くならば、しっかりした一次情報を取ろうと思って、インターネットで東京電力のライブ中継をつけっぱなしにして、一字一句書き起こしていました。
すると、会見で出てきた情報が、肝心のテレビに全然流されないことがわかりました。
広瀬 都合の悪い話は、あのころ、テレビ局が表に出さなかったのです。
マコ 会見場の様子を見ていると、質問したくて手を挙げ続けながら、まったく当ててもらえない記者がいました。司会者がその人を露骨に避けているんです(笑)。たまに司会が変わって、そういう人に「間違って」当ててしまうと、ほかの記者が、
「おまえの質問なんか誰も聞きたくない!」
「そんな質問は後にしろ!」
と野次るんです。
ニュースが信用できないから、記者会見をライブで見始めたのに、突っ込んだ質問をする記者は黙殺されて、あたりさわりのない質問をする記者だけがよく当たるのよ。あまりにもひどいので、腹が立ってケンちゃんに、
「記者会見に行って、『私たちが聞きたいんです』と言い返してやろう」と。
広瀬 上杉隆さんも、あの時の記者会見の異常さを言っていましたね。
ところで、マコさんが取材している東京電力の記者会見は、いつ、どこでやっているのですか?
マコ 原発事故が起こった2011年3月は、時間に関係なく記者会見がありましたけど、その後、少しずつ回数が減ってきました。いまは、毎週月曜と木曜の午後5時半から東京電力の本店でやっています。
広瀬 それに、ずっと出ているのですね?
マコ 行けるときはほぼ全部出ています。舞台よりも東電に行くほうが多いですからね。
広瀬 偉いなあ。驚きます。でも、事務所(吉本興業)からは止められなかった?
マコ すぐに怒られました。当時のマネージャーに「原発にふれる限り、おしどりの仕事は取らない」と言われました。「傷がつくからダメだ」って。
広瀬 誰が傷つくの?
マコ そう、変よ。だから「私たちの人生だから、仕事がゼロになってもいい! 傷がついてもいいんです」って言ったら、「違う、傷がつくのは会社だ!」と(笑)。
広瀬 へえ、これは驚いたね。
芸人を辞めないと、
発言できないなんておかしい!
マコ だから、原発事故の取材を始めるときに、ケンちゃんに言ったんです。
「吉本を辞めることになるかもしれない。ヘタしたら芸人も続けられない。ごめんね、ケンちゃん、でも私、いま取材したいの」って。
するとケンちゃんが、
「いいよ。芸人を辞めることになっても、ついていくから」
と言ってくれて(涙)。
次の瞬間、ケンちゃんが本屋さんに行って、農業を始める本と、ネットショップを立ち上げる本を買ってきたのです。早い、早い。早すぎるわ!(笑)
広瀬 農業をやっても、ジャーナリストをしてもいいけど、おしどりマコちゃん・ケンちゃんは、芸人を辞めたら絶対ダメだよ! 芸人を続けるからこそ、二人の才能が生き続けるんだ。
マコ そうですね。自分たちは劇場の楽屋で、あの状況がおかしいと思っている先輩たちがたくさんいることを知っていたので、吉本を辞める前例になりたくなかったの。だから、仕事がゼロになっても、吉本に居続けてやろうと思いました。辞めないと、社会のことや原発のことを考えられないというのが、私は一番イヤだと思ってたの。
広瀬 しかし、尋ねにくいけれど、会社との関係は、その後大丈夫ですか?
マコ あるとき「AERA」の記者が、吉本を通して、私が取材している人を紹介してほしいと言ってきたのです。
私は、「その記者さんと一度お話をさせてもらえますか」とマネージャーに言ったのですが、「とにかく教えろ、調べるぞ」みたいな話になってきたので、これはちょっと面倒くさいことになったなと思って。吉本に「辞めさせてください」と伝えました。
するとマネージメントのトップが、
「いま、その理由でおしどりが辞めると、全面的にうちが悪いことになるから、保留にしてくれ」
ということになり、そのあと体制を変えてくれて、マネージャーも変わって、すごく動きやすくなりました。
誰も私たちのマネージャーはやりたがらないと思っていたら、たまたま大学院で「戦前のジャーナリズム」という修士論文を書いた変わり種の人がいて、引き受けてくれました。それからは、取材についてはマネージャーに報告すれば黙認です。
広瀬 でも普通の舞台では、原発の話はしないというか、できないでしょうね。
マコ 劇場ではあまりしないのですが、相方のケンちゃんは、お客さんのリクエストに答えて針金細工をつくる芸人なので、ときどき「原発つくって」と言われます。
広瀬 原発の何をつくるのですか?
マコ 原子力のマークとか、沸騰水型軽水炉をリアルにつくったりとか。ほら、このイヤリングも。
広瀬 ほうっ、ケンちゃんは、芸術家だけれど、細工の名人だね。
しかし、芸人さんは、テレビでは原発の話はタブーでしょう?
『笑点』で三遊亭円楽が、ときどきポロッと「再稼働やめろ」というようなことを言ってくれるので、うれしいけれど。
マコ たまたまかもしれませんけど、2012年の秋に、その円楽師匠の事務所のツアーで北海道を回らせてもらって、ありがたかったです。ケーシー高峰先生と、おしどりで。
ケーシー先生はいま、福島県のいわきにお住まいで、2011年にテレビに出演されたとき、白衣をバッサバッサして、「放射能の産地からきました。みなさんに放射能をプレゼントします」と言って、それがテレビで流れました。
広瀬 それはすごいね。ケーシー高峰はもう80歳を超えているけれど、うまいですね。私は大ファンです。
マコ はい。今年81歳です。「ケーシー先生には誰も注意できなかった」ということらしいですけど、テレビだから衝撃でしたよ。
広瀬 芸能界の大変な、そして貴重な裏話を聞かせていただきました。芸能界にも希望がありますね。
次回は、「福島県「県民健康調査検討委員会」を牛耳る“二枚舌座長”星北斗の罪」についてお話ししましょう。
(つづく)
福島県「県民健康調査検討委員会」を
牛耳る“二枚舌座長”
星北斗の罪
――おしどりマコちゃん×広瀬隆対談【パート2】
福島県の小児甲状腺検査の判定区分
広瀬 マコさんは、医学部出身で、医学の知識が豊富で、被曝問題をずっと追及してくれているので、被曝の現状について、調べたことを話してください。福島県に、よく行っているのでしょう?
マコ 福島県はもちろんですが、被曝に関して気になっているのは周辺の県です。
千葉県の柏市や、松戸市など、福島以外で甲状腺検査をしている自治体を取材していますが、自治体ごとに判定基準が違います。
広瀬 どのように違うのですか?
マコ 福島県の小児甲状腺検査の判定区分は、下記の4つです。
A1:「結節やのう胞を認めなかったもの」(次回の検査まで経過観察)
A2:「5.0ミリ以下の結節や20.0ミリ以下ののう胞を認めたもの」(次回の検査まで経過観察)
B:「5.1ミリ以上の結節や20.1ミリ以上ののう胞を認めたもの」(A2の判定内容であっても、甲状腺の状態等から二次検査を要すると判断した方については、B判定)
C:「甲状腺の状態等から判断して直ちに二次検査を要するもの」
福島県では甲状腺ガンの悪性ないし悪性疑いが138人と言われていますが、二次検査を必要とするC判定は1人です。
柏市では、Bが7人、Cが11人(最新10月末の公表で増)ですが、福島県のように「ただちに二次検査」ではなくて、「専門医に回す」となっています。
広瀬 どうして、そうなったのですか?
マコ 福島県では専門医が診て、サイズが小さくても怪しいものは「B判定」、急を要するものは「C判定」としています。
ところが、福島県以外の自治体で検査をしているのは、必ずしも専門医ではない場合もありました。触診して、結節や、のう胞のサイズはわかりますが、それ以上のことは専門医に診てもらってほしい、ということで、BやCの判定結果をつけています。
いい検査をしているのが、北茨城市です。
茨城県の一番北にあって、福島県いわき市に隣接しているところです。ここでは、福島県と同様の考え方で、2011年の東日本大震災が起きたときに、北茨城市に住んでいた18歳以下の市民すべてを対象に検査しています。
それも希望者だけではなく、全員に通知して、日立メディカルセンターで検査しています。
3593人を調査し、甲状腺ガンと診断された人が3人いました。これはとても高い比率だと思います。
広瀬 もともと100万人に1人か2人しか発症しない、稀なガンが甲状腺ガンですからね。
北茨城市を見習え
マコ 北茨城市は、来年度から2巡目の検査もする、としています。
そういうことを決めているのは北茨城市だけです。
そのほかの自治体では、検査をしている担当部署が、福島県の検査内容を理解していないこともあります。
たとえば、A1、A2は「経過観察不要」と発表している自治体がありますが、福島県ではA1、A2でも2年後、20歳を超えると5年後に経過観察としています。
1回目は、いままで甲状腺ガンの検査をしていない人たちが一斉に検査をするので、事故前に元々あったガンを見つけるケースもあり得ます。
でも、2回目の検査で、小児甲状腺ガンの悪性ないし悪性疑いと診断された25名のうち、13名は1回目の検査ではA1判定です。つまり、甲状腺に何もなかった状態だったのに、2~3年後には手術するサイズの腫瘍ができているのです。稀少なガン、進行が遅いガンという説明でしたのに、これは大問題だと思います。
広瀬 このダイヤモンド書籍オンラインで、前回に対談してくれたOurPlanet-TVの白石草(しらいし・はじめ)さんも、そのことが重大事なのだと言っています。
茨城県は全市町村で検査するべきだと思います。県の全域が汚染されたのだから。
マコ そうです。医師に取材すると、日立市、高萩市など、福島県に近い茨城県の北部で甲状腺ガンが出ています。親子二代、三代続けてきた開業医が、自分の診療圏では数十年にわたって子どもの甲状腺ガンなんて一人も出なかったのに、原発事故のあとに発症してきているので、この事態に大きな疑問を持っています。
ダイヤモンド書籍オンライン第39回で紹介されているように、岡山大学の津田敏秀先生が2015年10月8日に、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見をして、
「1986年に起きたチェルノブイリ原発事故のあとに甲状腺がんの発症が多発したケースが、福島に重なる事態は避けがたい」
と警告されていますが、その津田先生が、
「福島県より人口密度が高い茨城県で、患者数が増える可能性がある」
とおっしゃっています。放射性ヨウ素の汚染プルーム(放射能雲)は、福島第一原発から南の方向に濃いものが流れ、沈着せず、関東地方の全域に、東京まで広がりました。そして、汚染プルームが流れた時間帯が、福島県では早朝ですが、茨城県では昼すぎだったので、人が外に出ている時間帯だったとのことです。
中絶してもデータに残らない!?
広瀬 そうです。私は、原発事故が起こった当時、茨城の人たちが送ってくる放射能の線量データをずっと見ていました。時々刻々と線量の高い地域が南に広がって、東京に向かってきました。怖かったです。
マコ さて、医学的にどうすればいいかと考えていたとき、チェルノブイリのベルラド放射能安全研究所のヤブロコフ博士から、
「できるだけ公的な調査結果を集めなさい。公的なものでしか勝負できないから」
と言われ、私も集め始めました。
「わかりました。でも、念のため言っておきますけど、私、芸人ですからね」
と答えましたけど……(笑)。
広瀬 医学者としてのマコさんが集めた公的なデータは、どのようなものですか?
マコ 医学者として集めているわけではなく、お医者さまに協力していただいています。1つは心電図です。学校保健法で、小1と中1と高1の心電図検査をすることが決まっているので、自治体に情報を開示請求して、それを集めています。
心電図で異常がわかるのは稀ですが、生活クラブ生協取手支部などの調査では、原発事故の前と後で異常が増えているのではないかという結果もあります。
学校の保健室と、養護室の記録も重要です。
先生によって書き方は違いますが、注意深い先生の記録は「鼻血○人、腹痛○人、頭痛○人」に加えて、「腹痛の部位や、頭痛の症状」も書かれています。同じ先生が数年にわたってこのようなデータを取っていれば、比較できると思います。
広瀬 そうでしたか。私が個人的に聞いている話では、人口流産を推奨するケースが福島県内で多いようですが、堕胎について、何か資料はありますか?
マコ 私も取材するうち、医師から堕胎を勧められた人に何人も会いました。
「被曝しているから、堕ろしたほうがいい」と。旦那さんにも、家族にも言っていない、というケースもあります。
広瀬 すると、そういう数字は、データとして出てこないですね。
マコ 出てきません。福島県の妊産婦調査では、母子健康手帳を発行する前の中絶はカウントされません。だから、福島県の妊産婦調査での、中絶、流産は、明らかに実際より数字が少ないのです。
私が取材して知った中絶数より妊産婦調査の数字が明らかに少ないため、県民健康調査検討委員会を取材すると、母子健康手帳発行後の中絶・流産のみの数字ということでした。
二枚舌座長・星北斗の罪
広瀬 マコさんは、その福島県「県民健康調査検討委員会」が開かれるたびに足を運んで、福島県の医師にも取材していますね。
マコ 毎回ではないですが、2011年に公開になってから、ほとんど取材しております。
福島県「県民健康調査検討委員会」の星北斗座長は、県の検討委員会で言っていることと、東京の規制庁や、環境省の検討会に呼ばれて言っていることが、異なります。
私は何度も、福島県の検討委員会に、
「甲状腺だけでなく血液検査の情報を出してほしい」
と言ってきました。職員の方から「次回に出ます」と言われたことがありましたが、結局出ませんでした。理由を担当者に聞くと、「星先生が出さない」と言われたので、と。
記者会見で質問すると、星座長が、
「世間が興味があるのは甲状腺の結果だけだから、その他の検査結果は出さなくていい」
と指示したとのことでした。ところが、その数日後の環境省の検討会では、
「世間の興味が甲状腺にばかり向いてしまっている。他の健康調査もやっているので、それらも問題として議論していただきたい」
と発言していました。
広瀬 自分がデータを出さないと決めておきながら、一方で、逆のことを言っている。あの男は、政治的で、信用ならない。
「県民健康調査検討委員会」は、副座長も「福島県民の被曝量はきわめて小さい」というような、実測値の根拠のないことを言うし、実に怪しげな集団だ。
マコ 福島第一原発の事故現場で働いてきた作業員の被曝線量もおかしいのです。作業中の線量は、電離放射線障害防止規則に基づいて測定されています。
その一方で、普通に生活しているときの内部被曝線量は、2011年3月11日~7月11日までの4ヵ月間の行動記録から計算されています。
でも、これを合算していない! 私は、「生活時の被曝線量と作業時の被曝線量を合算すれば、線量限度を超えるのに、どうして合算しないのか」
と毎回質問してきました。
そうしたら、その3日後に、星座長が環境省の検討会で、
「作業員の方々の被曝線量も、県民として仕事中のものと、生活圏のものと、一括して評価してくれる部署をぜひつくってほしい」
と言いました。
広瀬 自分が「合算しないように」しておいて、環境省では逆を言う。のちのち追及されないように、アリバイをつくっているわけだ。けしからん男だ。
福島の検討会では「安全安心」を強調して、被曝の影響がないかのように宣伝する。こういう人間が検討委員会を取り仕切っているので、このままでは本当に心配です。
次回は、「半径2メートルに公安が立っている『異常な日常』」について、マコさんのおそろしい話を聞きましょう。
(つづく)
半径2メートルに
公安が立っている「異常な日常」
――おしどりマコちゃん×広瀬隆対談【パート3】
報道関係者は
なぜ、自死したのか?
広瀬 今年の11月1日に、おしどりマコちゃん・ケンちゃんの司会で「STOP伊方原発再稼働! 11・1全国集会in松山―福島をくり返さない―」があり、私も行ってきました。
愛媛県知事の中村時広が伊方3号機の再稼働に同意した直後の集会で、全国から4000名が参加し、「再稼働を許さない」と訴える人たちの熱のこもった集会でしたね。
そのときのステージで、マコさんが「原発事故が起こってから、知り合いの人が6人亡くなった」と言っていたことが気になりました。
くわしい話を聞かせてください。
マコ 病死が2人、自死が4人です。報道関係が4人で、研究者が2人です(今は、病死が3人、自死が4人です。報道関係4人で研究者が3人。『見捨てられた初期被曝』を岩波書店から出版されたstudy2007さんも、2015年11月13日にお亡くなりになりました)。
広瀬 報道関係というのは『報道ステーション』のディレクターの方ですか?
マコ そう、お一人は去年亡くなった『報道ステーション』のディレクターです。
あの方には、亡くなる前日にも会っていました。プライベートでも仲がよかったので、なぜ自死したんだろうと疑問に思っていました。いろいろ調べて、最終的にはご遺族にもお会いできました。遺書や保険の話も教えてもらって、相当長く自死の計画を立てていたことがわかりました。
広瀬 自死の計画というのは?
マコ 彼とのメールのやり取りを振り返ってみると、2012年頃は、
「被曝の取材は何十年も続けなくてはならない。被災地の人との信頼関係が重要だから、お互いに連携してやっていこう」
という感じでいました。
それが2013年末になると、「次の3月11日の『報道ステーション』がラストチャンスだから全力でやる」という言い方に変わったのです。
私は「別にラストじゃないでしょ。5年後も10年後もずっとやりましょう」とメールしたのですが、その頃から決めていた、ということが、いろいろ調べて後でわかりました。
彼の場合、局からの圧力があったことは事実だし、そのほか冤罪事件も追いかけていて、自死する原因は1つではなく、いろいろなことが重なっていたと思いますが……。
広瀬 原発に関して調べていると、いろいろな圧力がかかってきます。それが負担だったのでしょうね。
研究者への
大学からのすさまじい圧力
マコ 「ラストチャンスだから」と言ってつくった彼のニュースは、環境省から名指しで異議を唱えられました。でも、彼はその直後に「平気だよ」と言っていました。一般的に、メディアの方は比較的バッシングに慣れていると思うのですが、大学の研究者の方は違います。
ネットで研究内容がバッシングされて、匿名の電話が大学にかかることもあります。学内での圧力は、相当なものですね。
広瀬 研究費がゼロになったり、研究が黙殺されたり、存在を無視されたりと、いろいろあります。一番卑劣なのは、人格否定の噂を広めるやり方です。
マコ 広瀬さんが先ほどおっしゃった松山の集会の2日前に、琉球大学の研究者、野原千代さんが病死しました。千代さんは、福島原発事故による被曝とヤマトシジミ(蝶)の関係について命がけで研究していました。この研究はすばらしく、山本太郎議員が国会での質問にも使っていました。
広瀬 私も読みました。琉球大学でも、彼女は圧力を受けていたのですか? 沖縄ですよ。
マコ 初めて彼女に会いにいったとき、論文の解説はするけれど、いろいろあって取材は受けられないから、私(マコ)が独自に論文を理解して記事にしたことにしてほしい、と言われました。
亡くなった方々とのメールのやり取りを振り返って思うのですけれど、自死すると決めている人、余命が数ヵ月と知っている人が、本当に命がけで原発事故の被曝の問題を報道したり研究したりしていたんだなと、改めて思いました。
広瀬 短い命と知っての活動ですか。言葉もない。つらい話ですね。
マコ 野原千代さんの最後のフェイスブック投稿は、岡山大学の津田敏秀先生の会見のことでした。
広瀬 ダイヤモンド書籍オンライン連載第39回で紹介しましたが、岡山大学の津田敏秀先生が、2015年10月8日に東京都内にある日本外国特派員協会で記者会見して、
「1986年に起きたチェルノブイリ原発事故のあとに甲状腺がんの発症が多発したケースが、福島に重なる事態は避けがたい」
と警告したことですか?
マコ そうです。「津田先生は、本当に率直、真っ正直な方です」と、フェイスブックに書いていました。フリーランスの記者で、東電の記者会見に通っていて亡くなった友人は、昨年12月31日に大阪のラジオで私たちが原発事故のことを話したことを、ツイッターで最後につぶやいてくれました。
みなさん最期まで、原発事故のことを考えて亡くなられたんだなと思います。
半径2メートルに
公安が立っている「異常な日常」
広瀬 亡くなった人たちに共通していたのは、バッシングされたことですね。
最近では、右翼からたたかれるケースも増えているようですが。
マコ 一昨年くらいから、直接的な圧力がきたという感じがします。
今年6月には、知り合いや公安OBの人から、「逮捕されるから気をつけろ」と言われました。公安や警察が、
「今日、おしどりはどこにいますか」
「おしどりと、最近いつ会いましたか」
「おしどりは今日、誰と何をしゃべっていますか」
などと、内偵が入ってくるそうです。
「2週間に14回は異様だから、近々逮捕されるよ。弁護士さんの準備をしておいたほうがいい」
と言われました。
2013年秋には2、3週間、常に公安調査庁にマークされていた時期がありました。
広瀬 公安は顔を見ればわかる。目つきが違うから。
私は以前に、知人の新聞記者から「あなたは、いま尾行されている」と教えてもらったことがありました。そういうときは、店に入るんです。
すると尾行している公安が困って立ち止まる。そこで、いきなり目の前に出て、顔をにらむと逃げていきます。マコさんの場合はどんな感じでしたか。
マコ 公園で取材していたら、1メートルくらいの場所に男の人が立っているんです。
取材相手の人が不思議に思って、「マネージャーさんですか?」と聞かれたので、「たぶん、追っかけです」と答えたけれど、実は尾行だったのね。
北茨城市役所に福島のママたちと一緒に取材に行ったときは、2メートルくらいの距離にずっと立っている男性がいました。
「市役所の人ですか?」
「このあたりの人ですか?」
と聞いても、終始無言でした。帰りに福島のママの車に乗せてもらったら、いきなり車のナンバーと顔写真を撮るのです。明らかに「威嚇」です。
広瀬 マコちゃんや私たちはいいけど、一緒にいる人はイヤだよね。その威嚇で、しゃべらせないようにするんだ。
私が浜岡で講演したときは、駐車場に止まっている車のナンバーを、中部電力が全部記録していました。
講演会の参加者にとっては、それが町内で、ものすごい圧力になります。
それから私の経験でいうと、福井と青森は気をつけたほうがいい。時々、殺気を感じます。
敦賀は本当にこわくて、電車の中で取り囲まれたことがありました。講演会が終わって夜遅く一人で列車移動していたら、ジリジリと取り囲まれたから1つ前の駅で飛び降りた。とにかく福井と青森は気をつけたほうがいい。考えると、両方とも核燃料サイクルに関係しています。プルトニウムに、ね。
マコ 東京電力にも、私たちについて公安調査庁から内偵がきたそうです。私たちが何のために取材しているか、どこかの政党がついているのか、どこからかお金がついているのか、と調べていた。東電が公安調査庁に返事したのは、
「おしどりは、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属しています」
ということだけだった、そうです。
でも、実際それしかないのよ! 税金のムダ遣い!
広瀬 そうですね。彼らアホは、一体何を考えているんだろう。
公安の予算は大きいから、失業対策だと、私は思ってきましたがね。ただし、いまは公安の裏で、電力会社が、つまり電事連が糸を引いていることは間違いない。
次回は、「まったく報じられない『排気筒問題』と2号機『大惨事』の危険性」について議論しましょう。
(つづく)
【第43回】 2015年12月12日 広瀬 隆 [ノンフィクション作家]
まったく報じられない
「排気筒問題」と
2号機「大惨事」の危険性
――おしどりマコちゃん×広瀬隆対談【パート4】
排気筒が倒壊すると、
どんな惨事になる?
広瀬 原発事故のあと、福島現地の問題を一番くわしく、しかも継続的に取材しているのはおしどりマコちゃんだと思います。そこで福島第一原発の事故現場の現状について聞きたいのですが、いま私が気になっているのは排気筒が壊れないかどうかです。その危険性を読者に説明してください。
マコ 「排気筒」とは、原子炉の圧力が高くなったときなどに、気体をフィルターを通してベントするための煙突です。
つまり、原発で、原子炉圧力容器や格納容器の圧力が異常に上昇した場合に、破壊しないよう、内部の気体を排出して、圧力を降下させる装置です。炉内の換気のときにも使います。
1号機と2号機の共用の排気筒の高さは120メートル(左下写真)ですが、高さ約66メートル付近の接合部で、破断が5ヵ所、変形が3ヵ所も見つかっています。
東電は「切れ目があっても、震度6強の地震までは倒れない」と言っていますが、東電に「その耐震評価を計算したのは施工当時の数字をそのまま使ってですよね」と確認したら、なんと「そうです」と言っていました! 30年の経年劣化はまったく考えられていません。しかも東日本大震災の大地震の揺れを受けたあとなのに、ですよ。
広瀬 東海村にある日本原子力研究所・東海研究所の原子炉JRR-2は、東日本大震災が起こったときに解体中でしたが、2011年3月23日の余震で40メートルある原子炉排気筒の先端15メートルがポッキリと折れましたよ。これが、そのときの写真(下)です。
ところが、福島第一原発では、それを修理しようにも、排気筒の下は線量が高い。毎時25シーベルトもの地点があります。7シーベルト浴びると人は死ぬと言われていますから、短時間近づくこともできません。
マコ そう、それが2013年12月に毎時25シーベルトだった地点が、今年10月の測定で毎時2シーベルトになった、と発表されました。だから補修計画を立てられるかもしれないというのですが、放射能がこんな短期間に、こんなに減衰するわけがありません! 東京電力は「測り方の違いのせい」と言いますが、何か高線量のものがどこかにいった可能性もあるし。「測り方が違うから」だけで説明しようとするなんて、とても荒い対応だと思います!
広瀬 ない。ありえない。なぜそういうウソをつくのだろう。だから東電は信用できないんだ。
マコ 1号機と排気筒をつなぐSGTS(Stand-by Gas Treatment System:非常用ガス処理系)配管に、毎時25シーベルトと毎時15シーベルトの部分があると、2013年12月に発表されたのです。
広瀬 もしそこが壊れたら、敷地全体に誰も入れなくなって、復旧作業ができなくなる。大変なことになります。
マコ 排気筒の亀裂は2013年9月にわかって、原子力規制庁は「倒壊した場合、環境にどのような影響を与えるか示せ」と東電に指示していますが、現時点でも回答されていません。ですが、東京電力社員は「この排気筒は東京電力としてもラスボスの一つと考えています」と言っていました。わざと環境影響評価を出していないとしか考えられません。
広瀬 原子力規制庁の官僚たちも、東電とグルになって放置しているわけだ。
もし、排気筒が倒壊すれば、排気筒の下部に蓄積された放射性物質がどっと舞い上がります。原発作業者は作業を投げ出して逃げるしかない。
マコ 原発作業員の人たちが一番こわがっているのは、倒壊して2号機の建屋が破損することです。じつは、2号機は爆発していないので、建屋内に大量の放射性物質のダストが溜まっています。2号機の建屋が少しでも破損すると、近隣に大量の放射性物質のプルームが流れます。
メルトダウンが最も進んだのは
2号機だった!
広瀬 2号機の内部の実態については、誰にもわかっていないし。
マコ ですから、いま、2号機に近づくために周辺を片づけ始めています。
実態は全然わかっていないのですが、2号機は一番大規模なメルトダウンが進んだと考えられています。
広瀬 そこを読者にわかりやすく解説してください。
マコ 2号機は爆発こそしていませんが、環境中に最も大量の放射性物質を出したと見られています。去年8月、「未確認・未解明事項の調査・検討結果のご報告~第2回進捗報告~」から「事故時に観測された中性子と燃料溶融との関連について」という資料が出てきました。 その解析によると、まず地震と津波で冷却装置が失われ、1、2、3号機ともに水位が低下して、水から顔を出した燃料棒が過熱状態になりました。それで慌てて消防車で水を入れようとしました。
でも、燃料棒が過熱状態になっていたので、水を入れ続けると、水蒸気が発生して内部の圧力が高くなってしまい、消防車のポンプ能力では注水できなくなりました。そこで、水がすべて蒸発し、内部の圧力が下がって、消防車のポンプで水が入れられるようになるまで待ちました。図の(5)から(1)に戻り、また同じことを繰り返します。爆発があった1号機と3号機では、これを1回行いました。なぜなら、爆発したので、水蒸気の圧力が逃げるルートができたからではと言われています。ところが一方、2号機は、これを3回繰り返しました。
この経過の何が問題かというと、過熱した燃料棒に水をかけたので、燃料棒を包んでいる被覆管のジルコニウムが反応し、「水―ジルコニウム反応」が起こりました。そのときに大量のエネルギーが放出され、燃料の温度が急激に上昇し、燃料が熔融して、2号機で大規模なメルトダウンが進行したと考えられています。
広瀬 ということは、排気筒が倒壊して、2号機を少しでも傷つけたら大変な事態になります。
「中性子が出てきたタイミング」と
「2号機メルトダウンのタイミング」が同じ!?
マコ それから2011年3月14~15日の福島第一原発正門の中性子線のデータがあります。 これを見ると、「中性子が出てきたタイミング」と「2号機のメルトダウンの進行したタイミング」が同じなのです。
広瀬 そう、最初は2号機が最大の危機だったはずです。この数字は、東電が測ったデータ?
マコ はい、福島第一原発正門で測定していたのです。正門にしか中性子線のモニターがなかったのです。原子炉建屋内にも中性子線の測定器があったのですが、燃料棒が溶け落ちたときに全部ダメになったからです。
広瀬 その中性子線のモニタリングポストは、いまからでも、設置すればいいのに、なぜ設置しないんだろう。私は「再臨界をあれこれ憶測する前に、中性子線を測れ!」と叫んでいたんです。
マコ 研究者に、原発作業員の人で5円玉を持っている人を探してほしいと頼まれたことがあります。5円玉は銅と亜鉛でできているので、それで中性子線の痕跡がわかるそうです。
結局、シビアアクシデント(重大事故)のとき、バッテリーを近くのホームセンターに買い出しに行ったりするために現金が必要で、お財布を提出していたために、5円玉が1個も残っていなかったのです。
広瀬 同位体を調べてわかるのかな。知らなかった。
マコ わかると聞きました。それから中性子線も測れるAPD(=ポケット線量計)とかガラスバッジをつけた作業員はいなかったのかと、日立や東芝の人たちにも聞きましたが、見つかっていません。
それから、防衛省の自衛隊員が上空から1、2、3号機の原子炉の温度を測ったりしていました。
そのときのメンバーがどれくらい被曝したかというデータがこれです。
広瀬 上空のかなり高いところでも、中性子線が出ていることになっていますね。
マコ 中性子線が青ですが、人によってかなり数値が大きい。
東大の専門家に見てもらいましたが、よくわからないということでした。「3000フィート(900メートル)程度で宇宙線由来の中性子被曝はまず考えられない。なので出所は直下か。だとすれば、地上のモニタが反応しそうなものだが…」とのことでした。この資料では、日時の表記がないため、原発との比較ができません。なので、ガラスバッジのエラーか、実際の測定値か、評価できないのです。
広瀬 中性子線は、電気的に中性だから、途中にある物質の抵抗を受けないので、1キロメートルぐらい簡単に飛びますよ。1999年に起こった東海村の臨界事故では、2キロメートル先まで中性子線が到達していたんですよ。
2011年5月11日に、福島大学が上空の放射線量の調査結果を公表しています。大学上空0.9~2.6キロメートルで高い放射線量が観測され、2011年5月時点でも原発から大量の放射性物質の漏洩が続いていることが確認されていますが、そのデータはベータ線と、ガンマ線でした。ガンマ線は2万メートル以上の高空でも測定されています。
余計なことを言ってすみません。話を戻しますと、先ほどのグラフでは、上空のかなり高いところでも、中性子線が出ていると判断して、「中性子が出てきたタイミング」と「2号機のメルトダウンの進行したタイミング」が同じと見ると、2号機の危険性はかなり大きいから、排気筒の倒壊がますます心配ですね。
なぜ、子どもに
放射能の掃除をさせるのか
広瀬 話は変わりますが、今年の10月10日に国道6号線を子どもたちに掃除させたでしょう。子どもたちを危険な被曝地帯に連れてゆくなんて、トンデモナイことですね。
マコ そうです。清掃活動は、特定非営利活動法人ハッピーロードネット(福島県広野町)などが企画して、福島第一原発がある双葉、大熊の両町を除く8市町の国道6号線、計約50キロで、中高生約200人を含む約1400人が参加しました。
一番線量の高い福島第一原発の近くは、大人がやるということでしたが、そもそも国道6号線は開通できないくらい線量が高かったところです。
広瀬 国道6号線が現在でもハッピーロードとは、よく言うね。空間線量より怖いのは、自動車が運んでいる放射性物質が飛びかっていることですよ。そんなところを、なぜ子どもたちに掃除させるのか。まったくもって許しがたい。
マコ 企画したNPO法人に様々な要望がよせられたそうです。それについて共同通信や産経新聞などは『「殺人行為」「狂気の沙汰」など誹謗中傷の電話やFAX、メールが多数寄せられ、子どもの被ばくを心配する人たちの過剰な反応』という記事を出しています。
しかし「子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト」などが6号線の線量の測定をし、近隣にホットスポットがあったり、土埃が舞い上がっている状況を確認し、神戸国際キリスト教会など70団体で、この6号線のボランティアを募っての清掃を撤回してほしいと要望書を出していました。それらも「誹謗中傷などの過剰な反応」にするのはおかしいと思います。
広瀬 過剰な反応だって? おかしいのは掃除をさせるほうだろう。
なぜ、粉塵などに付着した放射性物質のある道路を子どもたちに掃除させるのか!
おしどりマコちゃん・ケンちゃん、これからも、福島県内のことを取材して、現状を私たちに教えてください。なにしろ、新聞にニュースが出ないので、みんな忘れさせられているのですから。お願いします。
次回は、「SEALDs躍進のかげに、卓越した「後輩育成システム」あり!?」について、お話をうかがいましょう。
(つづく)
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2015.12.10 (木)
原子力政策を決めるのは政府です
規制委員会ではありません
我が国の原子力政策が大きな問題に直面している今、
政府は原子力政策を明確にし、原子力規制委員会の行き過ぎを正すべきです。
強い権限を持つ「3条機関」である規制委は11月、高速増殖炉「もんじゅ」の運営母体である日本原子力研究開発機構の能力を否定しました。その上で、半年で別の機関を決定できなければ、もんじゅを根本的に見直せと政府に勧告しました。
しかし、高速増殖炉を扱える専門家集団は研究開発機構以外にはありません。勧告は、もんじゅの廃炉にとどまらず、高速増殖炉を中核とする原子力政策根本を考えることにつながります。確かにもんじゅは国民の信頼を失っており、原子力施設の安全確保は当然としても、原子力政策の根本を独断で覆すこの勧告は問題点が多いのです。
政府は我が国のエネルギー政策をどうするのか。核燃料サイクルを完成させ、2500年以上にわたるエネルギー供給を目指すという基本計画を続けるのかどうか。この際、国民への明確な意思表示が必要です。
活断層問題に典型的に見られるように、規制委の審査には偏りがあり、科学技術的な根拠を十分に審査しているとは言えません。政府は、民主党政権の置き土産ともいうべきこの規制委のあり方をなぜ放置しているのでしょうか。
こういう人から見ると原子力規制委員会は「行き過ぎ」になるのね…
「活断層問題に典型的に見られるように、規制委の審査には偏りがあり…」なるほど。
偏りがあるということには同感だけど、真逆の意味でです。
すごいな、この人どうしてこういう思考になっているんだろうか?
「確かにもんじゅは国民の信頼を失っており、原子力施設の安全確保は当然としても、原子力政策の根本を独断で覆すこの勧告は問題点が多い」
この部分の文章、変じゃないですか?
参考
8もんじゅ 日本原子力研究開発機構「約束したことが実行できていない。長年染み付いた悪さ処を解消すべく…」11/10おしどりマコさん講演・南相馬(文字起こし)
2011年10月にも「選ぶべき道は脱原発ではありません」という意見広告を出している。
理事長 櫻井よしこ
副理事長 田久保忠衛
「選ぶべき道は脱原発ではありません」で名前が書いてあった人
荒木和博 石川弘修 井尻千男 伊藤隆 上田愛彦 梅澤昇平 遠藤浩一 大岩雄次郎
小倉義人 工藤美代子 五島幸雄 佐藤守 島田洋一 すぎやまこういち 高池勝彦
立林昭彦 塚本三郎 冨山泰 中條高徳 西修 西岡力 春山満 平川祐弘 平松茂夫
福田逸 渕辺美紀 屋山太郎 渡辺利夫
28名
「原子力政策を決めるのは政府です規制委員会ではありません」で名前が書いてある人
荒木和博 石川弘修 石原慎太郎 伊藤隆 井上和彦 上田愛彦 梅澤昇平 大岩雄次郎
太田文雄 大原康男 小倉義人 加藤浩康 金田秀昭 川村純彦 北村稔 黒沢聖二
五島幸雄 斎藤禎 佐藤守 島田洋一 すぎやまこういち 高池勝彦
立林昭彦 塚本三郎 冨山泰 奈良林直 西修 西岡力 花田紀凱 浜谷英博 火箱芳文
福田逸 渕辺美紀 古庄幸一 古田博司 堀義人 百地章 山田吉彦 屋山太郎 渡辺利夫
43名(赤文字:脱原発の時記載されていなかった人)
脱原発時に名前があって、今回無い人
井尻千男 膵臓癌 死去 77歳
井尻 千男(いじり かずお、1938年8月2日 - 2015年6月3日)
日本の評論家、コラムニスト。拓殖大学名誉教授、拓殖大学日本文化研究所顧問(前所長)
2015年6月3日、膵臓癌により山梨県の自宅で死去。満76歳
遠藤浩一 突然死? 死去 55歳
遠藤 浩一(えんどう こういち、1958年 - 2014年1月4日)
日本の評論家。拓殖大学大学院地方政治行政研究科教授、同大学日本文化研究所所長、国家基本問題研究所理事、日本国際フォーラム政策委員を務めた。
2014年1月4日午後に新年会に参加した後、体の不調を訴え、その後死去したことが拓殖大学関係者によって明らかにされた。享年55
工藤美代子 ご存命 (65歳)
工藤 美代子(くどう みよこ、1950年3月27日 - )日本のノンフィクション作家。
中條高徳 呼吸不全で死去 87歳
中條 高徳(なかじょう たかのり、1927年5月3日 - 2014年12月24日)
日本の実業家。アサヒビール株式会社名誉顧問。
春山満 死去 60歳
春山満(はるやま・みつる)
2014年2月23日午後0時37分、進行性筋ジストロフィーによる呼吸不全のため自宅で死去した。60歳だった。
平川祐弘 ご存命 (84歳)
平川 祐弘(ひらかわ すけひろ、1931年7月11日 - )
日本の比較文学者、評論家。東京大学名誉教授、国家基本問題研究所理事。
平松茂夫 ご存命 (79歳)
平松 茂雄(ひらまつ しげお、1936年(昭和11年)2月9日 - )
日本の政治学者、評論家。国家基本問題研究所評議員。
やっぱり亡くなられている方が多い。
遠藤浩一さんは55歳という若さで亡くなっています。
ご存命で今回のお名前が外されている3名の方はご意見が変わられたのか?
なにがあったのでしょうか??
この人の入れ替わりに興味が出てきたので、櫻井よしこ氏の他の意見広告も見てみることにしました。
2015.08.09 (日) 安保法制が「戦争法案」ですって?
37名
2014.09.21 (日) 「慰安婦」国際中傷を跳ね返せ
39名
2014.07.19 (土)「河野談話」の検証はまだ終わっていません
38名
2014.01.29 (水) あなたは原発問題だけで都知事を選びますか
34名
2013.05.09 (木) 内政干渉を押し返す気構えが国民の一人ひとりに求められています
30名
2012.12.13 (木) 平和に責任を持とう 今こそ改憲と国防軍の創設を
31名
なんか、過去に遡るの馬鹿らしくなってきた。
意見広告バンバン出している。
「金があるんだなぁ〜」
が、感想
参議院 東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会
山本太郎(生活の党と山本太郎となかまたち)
11月30日に開催されました、福島県県民健康調査の第21回検討委員回で公表されました資料によりますと、当時18歳以下だった子供を対象に行っている甲状腺検査の結果、2011年から今年9月30日までの間に153人の子供が、甲状腺がんの悪性または悪性疑いと診断されました。
これって、多いんですかね?少ないんですかね?みなさんはどう思われますか??
現在も官邸に対する助言を行う原子力災害対策グループの一員であり、県民健康調査検討委員回の初代座長でもあったミスター100mSv山下俊一さん、2009年、日本臨床内科医会会誌で、
「日本では思春期をこえた子供の甲状腺癌を稀に見るくらいです。その頻度は年間100万人に一人と言われています。これは欧米、日本、ほぼ変わりありません」とおっしゃっておりました。
東電原発事故後の2011年10月、日本原子力学会誌においても「100万人に一人という稀な小児甲状腺癌」とおっしゃっているわけですね。
あの山下俊一さんでさえそう仰るくらいに超レアケースだった小児甲状腺癌。
今回福島県県民健康調査では38万人中153人に甲状腺癌または疑いとのこと。
38万人のうち153人。
現在福島の県民健康調査で分かったこと。
甲状腺癌または疑いとされた子供の数、これ明らかに多発ですよね。
今年7月6日、行政監視委員会で小児甲状腺癌の私の問いに対しまして、環境省環境保健部長の北島さんは「多発とは言えない」という趣旨のお答えをされました。
現在の状況も、先日の答弁の通り「多発とは言えない」んでしょうか?
改めて北島さんにお聞きしたいんですよ。
「多発である」「多発でない」
2択でお答えください。
<子どもの甲状腺がん>山本太郎議員「127人が全て悪性だった場合は2010年時点の有病者数の75倍になる」7/6行政監視委員会
議長:北島部長
北島智子.環境省総合環境政策局環境保健部長)
えーぇー。2択でお答えするのは大変難しい問題でございます。
えー福島県の県民健康調査検討委員会甲状腺検査評価部会の中間とりまとめにおきましては、あ、甲状腺、ん、検査の結果、甲状腺が、がんの悪性ないし悪性疑いと評価されたものが、えーー、議員御指摘の通り、通常の有病率に比べて数十倍のオーダーで多いことは指摘されております。
ただこの評価につきましては「被曝による過剰発生か、過剰診断のいずれかが考えられる」とした上で、過剰発生を完全に否定しうるものではないが、過剰診断の可能性が高いといった意見があった胸が記載されているところでございます。
議長:山本くん
山本太郎:
ごめんなさい、えーっとですね、これは多発であるか多発でないかはお答えにくいという話じゃないんですよ。
「多発である」ということはもう認められているんです。
11月30日、福島県の県民健康調査検討委員会の後に行われた記者会見におきまして、日本甲状腺外科学会前理事長であり県民健康調査の甲状腺評価部会の部会長、清水一雄先生も「いずれにせよ、予想を超えるような多発が起こっていることは事実」とおっしゃっています。
同日の記者会見では、県民健康調査の星北斗座長も清水先生との意見に齟齬はないと認め、県民健康調査検討委員会の座長も甲状腺検査評価部会の部会長も、多発を認めています。
認めにくいとか、認めにくいの話じゃないんですよ。
最前線の人たちが「多発だ」って実際に記者会見で言ってしまっているんですから。
福島に行かれているんですよね、北島さん、毎回この集まりがあるときに。
1.放射線の影響か?臨床症状はあったのか?多発?11/30 第21回県民健康管理調査検討委員会 記者会見(文字起こし)
清水一雄(日本甲状腺外科学会前理事長):
あの何れにしても、えーっと、予想を超えるような、超えるといいますか。「多発」が起こっていることは事実であって、…
福島の小児甲状腺癌は多発です。
しかし、多発と認めない方々も存在している。
その中の主な理由は二つとされる。
まず、スクリーニング効果。
「数年後に臨床症状をもたらす癌を前倒しで見つけているんだから多発に見えるんだよ」という論調。
これ、フリップお願いしていいですか。
しかし、甲状腺評価部会に属し、国立がん研究センター癌予防検診研究センター長の津金昌一郎さんは多発との関係。
「スクリーニング効果だけで解釈することは困難だ」とおっしゃっている。
つまり確かにスクリーニング効果で大規模な検査をしたから、以前よりたくさんは見つかるけれども、それだけでは説明がつかないということをおっしゃっているということですよね。
そしてもう一つ、多発を認めないと言われるもう一つの理由は過剰診断。
「将来的に症状が現れたり、命を脅かしたりすることのないがんをわざわざ見つけたんだから多発になったんじゃないの」このような論調。
しかしこれは現場の医師に対して大変失礼な発言なんですよね。
多発の原因が過剰診断だったというなら、じゃあ今まで100人以上に行われた手術はなんなんだ?って。
不適切だったのか?
福島医科大学主任教授で前県民健康管理センター甲状腺検査部門部門長。
つまり福島県の小児甲状腺検査のトップである鈴木眞一さん。
「過剰診断ではない」という現場の事実。
これは甲状腺評価部会の第3回第4回で説明しておられる。
<過剰診断過剰治療>「取らなくてもいいものを、子どもだから心配させて取っているという事ではございません」6/10甲状腺評価部会(文字起こし)
フリップ変えていただいていいですか。
そのときに使われた資料がございます。
これは日本内分泌外科学会、日本甲状腺外科学会編集の甲状腺腫瘍ガイドラインの一部なんですけれども、現場の医師の判断はこれに沿ったものだったと。
基本に忠実なものだったということが示されていると思うんですね。
腫瘍の大きさやリンパ節転移などからハイリスク群に当てはまっている。
つまり危険性が高いという診断で通常の診療でも治療を進める範囲で、決して過剰にならないと説明をされています。
福島県の小児甲状腺癌の多発。
これを今でも否定しようとする人々は二つの理由を主にあげる。
スクリーニング効果と過剰診断。
これらはそれぞれ検討委員会や甲状腺評価部会に参加する最前線の専門家からも否定されている。
多発の原因が何かはわからない。
でも、多発であることは間違いない。
100万人に一人と言われていたものが、38万人中153人にも増えてきている。
明らかに多発であり以上事態じゃないですか!
このまま根拠のない「大丈夫だ」とか、「様子みる」とか、放置していいわけじゃないですよね。
現在福島県で多発している小児甲状腺癌が”もし”ですよ、もともと、潜在的に我が国の子供たちが持っていたものだとする楢葉、これは全国の子供達に福島県の子供たちと同様の検査、調査が必要じゃないですか?
健康調査は必要だと思いますよ、言うまでもないですけれどね。
決してこれは福島県内だけで終わっていい話じゃないんです。
これは「多発である」という専門家たちの最新の知見をもって、福島県以外の地域にも子供達の健康調査を広げる、フォローアップする必要性というのをもちろん考えないといけないと思うんですけれども。
井上副大臣いかがお考えですか?
北島智子:手を挙げる
議長:北島部長
山本太郎:
おかしいでしょ、聞いてないですよ。聞いてないです。
副大臣としての見解をお聞きしたいんです。
議長:井上副大臣
井上信治 (環境省副大臣)
福島県外で甲状腺検査を行うことについて環境省の見解ということでありますが、東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射線にかかる住民の健康管理については、医学等の専門家のご意見を十分に尊重した上でコンセンサスが得られた科学的治験医基づいて進めることが何よりも重要であると認識をしております。
詳細については事務方の方から答弁させます。
議長:山本君
山本太郎:事務方からの答弁は結構です。
要は、これは2014年12月のあり方会議、ここから内容を引いてきているんですよ環境省は、見解として。
でもそれは古いんですよ、もう。
見直してくださいよ。
最新の結果を反映させてください!
このあり方会議に参加されてきた方々の見解が変わってきているんですよ。
どう変わってきている?
「これは多発だな」って。
原因が何であるかははっきりしないけれども、多発であることは間違いがないというふうな見解になってきている。
だとするならば最新の知見を持って、この検討会であったりとか、そしてこれからフォローアップをどう広げていくかということを繋げていかないといけないと思うんです。
もう一度井上副大臣にお聞きしたいんです。
この2014年12月の考え方から引いてくるんではなくて、最新の知見を持ってフォローアップにしろ、検討会の話の内容というのを考えていかなければいけないと思うんですけれどもいかがお考えでしょうか。
議長:井上副大臣
井上信治 (環境省副大臣):
先ほど申し上げた通りですね、この問題につきましてはやはり化学的知見ということが非常に重要だと思っておりますので、引き続きそれに基づいた対応をしたいと思っております。
議長:山本君
山本太郎:化学的知見を用いるならば、最新の内容、そして最前線の医師の考えていること、危険というものを考えなければいけない。
逃げないでいただきたい環境省。
去年の12月の考え方を引きずらないでいただきたい。
現場の最新の知見を利用してこれに対処しないと大変なことになります。
よろしくお願いします。
ありがとうございました。
ーーー
山本太郎さん、心から、ありがとうございました。
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「ダクト」内の汚染水の放射性物質濃度、前年比およそ4,000倍(福島15/12/10)
2015年12月10日 FNNLocal
福島第1原発の「ダクト」と呼ばれる地下トンネルにたまった、汚染水の放射性物質の濃度が、2014年と比べ、およそ4,000倍になっていることがわかった。
東京電力は12月3日、福島第1原発の「ダクト」と呼ばれる地下トンネルの汚染水を採取して分析をした。
その結果、汚染水からは、1リットルあたり、48万2,000ベクレル(Bq)の放射性セシウムが検出された。
また、ベータ線を出す放射性物質の濃度は、50万ベクレルだった。
これは、2014年の調査と比べて、およそ4,000倍となっている。
地下トンネルには、津波によって入り込んだ汚染水が、400トンから500トンたまっていて、東京電力では、外部への流出はないとしているが、原因がわからず、今後、調査を進めることにしている。
福島第一原子力発電所の状況について(日報)【午後3時現在】
2015年12月9日 東京電力株式会社
※各建屋に接続しているトレンチ・ダクト内の滞留水状況調査の一環として、適宜滞留水の放射能濃度の確認を行っているが、12月3日に採取した廃棄物処理建屋間連絡ダクトの滞留水の分析結果が、以下の値であることを確認。
<12月3日採取分>
・セシウム-134:9.2×104 Bq/L
・セシウム-137:3.9×105 Bq/L
・全ベータ :5.0×105 Bq/L
・トリチウム :6.7×103 Bq/L
<参考(2014年12月11日採取分)>
・セシウム-134:2.7×101 Bq/L
・セシウム-137:9.4×101 Bq/L
・全ベータ :1.2×102 Bq/L
・トリチウム :3.1×102 Bq/L
当該ダクトの水位は、当該ダクト周辺のサブドレン水位より低い位置にあること、また、当該ダクト近傍のサブドレン水分析結果に有意な変動がないことから、当該ダクトの滞留水が外部へ流出することはないと考えている。
また、当該ダクトの水位は、プロセス主建屋の水位よりも高い位置にあることから、現時点においては、プロセス主建屋から当該ダクトへの流入はないと考えている。
なお、当該ダクトが接続している補助建屋には、床面に開口部があるため雨水が流入する可能性があるが、地下階がなく連通性はない。
定時降下物セシウム都道府県ランキング 2015年10月分では、福島県が「現在測定中」ということで10月分の数字がまだあがっていなかった。
資料:原子力規制委員会定時降下物モニタリングより
9月分を見ると
セシウム134→17
セシウム137→72
セシウム合計 →89
だいたいそんなものなのかな?と思って過去を辿ってみた。
2015年のセシウム合計 ()内は過去にさかのぼって数字を書き出しながらの私の感想
8月→ 90 (やっぱり福島は他県と比べて桁違いに多いな)
7月→ 201 (あ、倍以上になってる、なんで?)
6月→ 950 (え?なにかあった?)
5月→ 610 (多い。今年の5月は我が家でも線量が高い日があったような…)
4月→ 115 (やっぱり、5月、6月になにかがあったんだな)
3月→ 850 (えっ?)
2月→ 8700 (えぇっ??)
ということで、グラフにしてみました。
過去2年間分の福島県双葉町の定時降下物セシウムグラフ
↓クリックすると大きく見ることができます
(※数字の入力間違いをしてしまいました ><;グラフを差し替えました m(_ _)m12月11日)
現在から過去に向かって数値を取り出して行った時、今年に6月、5月に量が多いと思っていたが、もっと過去にさかのぼると、2015年2月にものすごい量のセシウムが降っていることがわかった。
2015年2月に何があったのか?
続きを読むに続く↓続きを読む
定時降下物モニタリング
都道府県別環境放射能水準調査(月間降下物)(平成27年10月分) 平成27年11月30日
1. 原子力規制委員会が各都道府県等からの報告に基づき作成
2. 1ヶ月間採取し続けた降下物を測定した結果
3. 検出下限値は試料及び測定の状況により、都道府県によって異なる
セシウムがNDではなかった都道府県 MBq/km 2 ・月
なんとなく、食品などに気をつければもう大丈夫なんじゃないかなんて…思っていませんでしたか?
もうすぐ5年になるのだから、福島から放射能が降ってきているなんてこと、もうないと思っていませんでしたか?
セシウム134も降ってきています。
福島県は「測定中」となっていますが、先月(9月)は
セシウム134→17 MBq/km 2 ・月
セシウム137→72 MBq/km 2 ・月
セシウム合計 →89 MBq/km 2 ・月
となっています。
桁が違います。
福島県を除いたグラフ ↓クリックすると大きく見ることができます
と、いうことで、福島県は桁が違うので省いて、
福島県以外日本全国都道府県セシウム降下物ランキングの発表です。
2015年10月 セシウム合計ランキング
1 茨城県ひたちなか市 3.860 MBq/km 2 ・月
2 宮城県仙台市 2.340
3 山形県山形市 1.500
4 栃木県宇都宮市 1.380
5 東京都新宿区 1.180
6 千葉県市原市 1.020
7 群馬県前橋市 0.690
8 神奈川県茅ヶ崎市 0.510
9 長野県長野市 0.442
10 埼玉県比企郡 0.300
11 岩手県盛岡市 0.230
(除く:福島県)
降っています
今でも
セシウムが大気中を舞っています
そのことを知っておきましょう
2015年11月30日
第21回県民健康管理調査検討委員会 記者会見
県立医大で手術を受けると切らなくてもいいものまで切られてしまう
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/gFeIdWvv38E?t=37m32s
フクロウの会 阪上:
過剰診断論について、今後の検討にゆだねるような流れになっていると思うんですけれども、
いま現在の問題として、県立医大の方でやられている手術の方の事例が出ていると思うんですけれども、
実際にやり取りを聞いていると、「県立医大では手術をやりすぎではないか」というような、そういうやり取りも聞こえまして。
その辺については県民の方の中にも「県立医大で手術を受けると切らなくてもいいものまで切られてしまう」というふうに感じていらっしゃる方もいて、受診率をどうあげるか?ということとも絡んでくると思うんですけれども、その辺について。
前回、鈴木眞一さんの名前でペーパーが出て、少し詳しい中身が議論されたと思うんですけど、その点についてここの検討委員会で手術の症例の内容について、もちろん個人情報でない範囲で出して、そこについてきちんと説明を求めるなり、議論するなり、あるいは県立医大さんの方でも積極的にそういうものを出して、「こういう状況でこういう形で手術をしているんです」というような説明をするような、そういう必要性があるんじゃないかと。
それからもう一つは判断基準ですね。
どういう判断基準で手術をするのか?
そしてそれについて説明をしているのか?
それ自体は当然個人情報ではありませんので、どういう根拠に基づいてどういう判断基準で手術をしているのか、判断しているのか、というのを公にしていただいて、専門家の方含めて議論するというのは必要だと思うんですけれども、その辺についてはいかがでしょうか?
星北斗座長:
えっと、ど、どなたですかね?
あの、私はあの、議論で、え、エーーー、部会の議論でもその説明を受けて、専門家である清水先生もそのことはちゃんと認められて、我々の一致した意見だと私は思っていまして、すでに議論はされていると思っています。
ただそれが「十分に知らされていないのではないか」ということについては、もしかしたらそうかもしれませんが、私はそのように聞いていますので、具体的に症例をもって過剰治療、過剰診療ではないというふうに私は理解していますが、何かコメントがあれば。(後ろを見る)
それはよろしいですか。
阪上:だから、いま行われている手術は適切に行われているというような見解でということですか。
星北斗座長:そのように
阪上:
県立医大さんは?
その辺はきちんと今後も出てきていると思うんですけれども、症例の具体的な中身についての解説も必要ではないかと思うんですけど、
それについては積極的に開示をしていくと、
星北斗座長:
我々も
検討委員会の範疇を超えていると思っています。
ですから我々は一つ一つの例について全部示せということは言えるとは思っていません。
ただ、こういう考え方に基づいてこういう説明をして、こういう治療をしているということを専門家の人たちに聞いていただいて、それについては「そういうことですね」「過剰診療ということではないですよね」ということを清水一雄先生もなんどもおっしゃって、部会長ですね。
そういうふうにまとめて報告を受けたというふうに認識しています。
阪上:判断基準のガイドラインについては、例えば清水先生はご覧になった上で何か意見を述べておられるんでしょうか?
星北斗座長:
今日の議論ではないんですけど、私はそのように、その、あの、部会の中で検討をされたと聞いていますし、そのように我々も参加した部分でそういうふうに思ってます。
司会:
それで十分だと思うんですが、もう時間位達してしまったんですが、
委員の方はこれから新幹線で帰られる方がいらしゃいますんで(この時の時間は午後5時ごろ)手短にお願いしますね!
ギリギリあと2分、ないし3分にします!
https://youtu.be/gFeIdWvv38E?t=41m39s
記者:
今日のご議論で、甲状腺癌との関係のことで、空間線量だけじゃなくて内部被曝その他のことも充分データを集めてご議論なさるということで大変期待しております。
是非、内部被曝といえば、放射能部門のダストサンプリングのデータ。
隠されたデータもありますので、その点を委員会としてご請求すれば、いろんなデータも出てくると思いますので、発掘されると思いますので、期待しております。
そしてですね、質問は丸2の6ページと丸1の8ページの二つのグラフの関連について質問させていただきます。
並べてご覧いただければと思います。
星北斗座長:どこ?(私すぐわかったけど…)
記者:
丸2の6ページと丸1の8ページです。
具体的な質問なので。
お開きいただければ質問は30秒で終わります。
星北斗座長:なんの丸2ですか?
記者:え??丸2です、丸2
星北斗座長:丸2ってどの資料ですか!
記者:丸2って、下にページが書いてあるでしょ。
星北斗座長:だから資料の番号を言ってもらわないとわからない!
記者:
資料2ですよ、丸2は。
丸1は資料1ですよ。
そういうふうにお作りになっているんでしょ?
私が作ったんじゃないんですよ。
よろしいでしょうか?
丸2の6のグラフとと丸1の8のグラフは、両方とも横軸、X軸が線量ですよね。
必ずしも②−6は比例になっていませんけれども。
それで私の質問は、線量が①−8の分布であれば、放射線と全く縁のない甲状腺癌であれば、②−6も同じような形になる。
1mSv未満が突出して出るはずだと思うんです、ね。
ですからこれは②−6は、線量の高い方にシフトしているように見えるんです。
その点についての御見解を。
①と②は担当者が違いますから、座長の星先生に伺うしかないと思います。
②−6 (左) ①−8(右)↓どちらもクリックすると大きく見ることができます。
星北斗座長:
はい、ありがとうございます。
これは今日議論をしておりませんが、私が見る限り、まだ詳細に検討する必要はあるかもしれませんけれども、これは全体の被曝線量のものですね、 ①−8は。
②−6 はある年度のある対象地域で、それも現時点でわかっているものということですので、その対象地域が変わっていれば被曝線量の、
記者:対象地域は関係ないでしょ?全体でしょ?
星北斗座長:なんでですか?
記者:全体の39人の分布じゃないんですか?
星北斗座長:
39人というのは26年度、27年度対象地域ですよね。
ですからその辺については、今分かっているのは、順番にやっているわけですから、
そのわかっている順番にわかっている地域が。
それが、放射線量の高かったと思われる地域から始めているはずですので、その影響があるように私には思えます。
ただ、詳細にはこの全てが出揃わないとわからない、
記者:
いえいえ、地域差はないんじゃないですか?
地域差はないとおっしゃったですよ。
あの、じゃ、よくご検討ください。宜しくお願いします。
司会:はい、じゃ最後になります。
https://youtu.be/gFeIdWvv38E?t=45m27s
朝日新聞社:
中間とりまとめの中で、あ、稲葉先生に…
疫学調査、星先生が「他地域、県外に大規模なコントロール群を置いて疫学調査をするほどの範囲ではない。レベルではない」とおっしゃったのは、つまり、チェルノブイリと比べて線量が少ししか、内部被曝はわかっていないもののオーダーが違うから、チェルノブイリほど大勢出ないから、そこまでしてやる必要はないという意味でおっしゃったのかな、と思ったんですが、
星北斗座長:
そういう短絡的というか、そういう単純なことだけじゃなくてですね、そういう企画をして実際にやるということになれば、被曝を受けていない人たちに対する大変大きな影響を与える可能性があるんです。
ですからそういうものと比較をして、そういう事が本当に必要だというほどのそういう背景があるのならば私は押してでもやるべきだと思いますけどそういうものを押してまでやるほどの、状況証拠が私は揃っていないと思うので「現時点ではやる必要はない」というふうに判断をしてみなさんもそれに合意をしてくれたというふうに理解をしております。
したがって、そのあの線量が低いから出る可能性がないからやる必要はないというのは、むしろ、むしろ逆でね。
線量が低いからこそもっと線量が低いところと比べなければならないという議論もあると思うんですよ。
ただ、同じようなあの、同じようなスタンスで同じような人数に同じような検査をもしするとなれば、それは多くの人たちの理解が得られないだろうというふうに私たちは思うし、それを押し通してまでするような状況にないという判断で、私は委員会で合意したというふうに理解してます。
司会:以上をもちまして記者会見を終わりにします。
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第21回県民健康管理調査検討委員会 記者会見
岡山大学津田教授へ福島県立医大の反論
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/gFeIdWvv38E?t=30m4s
OPTV 白石:
今日一番最後に掲載していただいている、県民健康調査関係の論文一覧の中で、先日10月に受理された岡山大学の津田教授の甲状腺の多発に関する論文に関して、福島県立医大から反論のレターが提出されているというふうに、わたしも事前の説明を受けたんですけれども、その概要といいますか。
受理されたとは聞いているんですけれども、このあと掲載までに時間がかかると思いますので。
今回、過剰診断、ないし放射線影響という二つの選択肢の中で、シリアセラーということで反論されていることですが、
福島県立医大は過剰診断という反論をされたのかどうか?そこらへんについて、おそらく安村誠司さんかどなたか、共同執筆されている方から教えていただければと思います。
星北斗座長:
あの基本的にはその議論はしていませんので、あのここでは、え、え、ご、ご回答を得られるかどうかわかりませんが、その反論のレターを出したというのは私は知りませんし、ここで議論してませんので、どうなんでしょう?
えっといまご質問があったようにですね、反論のレターというのは医大から提出されまして、受理されました。
しかしながらまだ、掲載にはなっていませんので、当然内容をここで事前に公表するというのは不適切だと思いますが、いまのご質問の「過剰診断か放射線の影響か」というよりは、私たちは津田先生の、ま、今回書かれた内容の前提というか方法論が不適切なところがあるんだろうと、あるのではないかという視点で、えーっとレターを出しましたので、そのように、ま、ご理解いただきたいなと。
「方法論が妥当ではないのではないか」ということで回答したということです。
司会:はい、続いて。
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/gFeIdWvv38E?t=32m25s
フリーランス木野:
二つ確認できればと思うんですが。
まず1点は今回の細胞診の結果以降のものに関しては、もともと県民健康管理調査の中に含まれていなくて、後から付け加えたというか、ある意味任意提出みたいなものだと思うんですけど、そうすると、細胞診の結果と、および手術の結果、悪性かどうかというのも含めて手術した結果が、福島県立医大に全部が集まっているのか?
県立医大以外でやったものに関しては任意提出だと思うんですけど、その辺の状況が集まっている数、集まっていない数というのがもしわかれば確認ができないかな、と思います。
それからもう1点は、ちょっと個人的なものというか、今の座長の星先生が県立医大の公衆衛生学講座に籍を置いてらっしゃると思うんですが。
これは、もともと県立医大が実施している調査を確認するための検討委員会として、以前にも議論があったと思うんですけれども、医大の関係者の方がこの座長を務められているということに問題はないのか?という2点、確認できればと思います。
星北斗座長:
はい。えーっと、1点目の話はどうでしょう?
答えられる方どうぞ。
大津留晶(福島県立医科大教授);
まず2次検査で他の病院にお願いするということはございますけれども、それのお返事をいただいて結果報告をしているということですが、むしろお返事をいただいてない、あのーー、ケースがこの中に入っているかどうかは、100%わかりませんけれども、えーーー、ま、ぼくの、ところはちゃんといただいているというふうに認識しております。
木野:
2次検査およびその後の状況についてどこまで把握できているのか?というのがわかっているのかわかっていないのか、ということが確認できないかと思ったのですが。
もし、その数がきちんとわかっていないとすると、今出ている数字というのは最低限の数字であって、プラスαのことが必ず出てくるので、その辺の把握の状況を教えてください。
大津留晶:
2次検査の、あの、最終の確定診断が、この表にもあるように100%では、ないところもありますけれども、
えーーー、ま、とくにその、保険診療に移ったということはわかりますけれども、その後診断が変わったかどうかというのはわからない点もあるかもしれません。
ちょっといま、それが細かいところで何%か?というのはわからないです。
木野:
数は、これは把握できるものなんですか?
今後、きちんと数は把握できるものなんでしょうか?
大津留晶:
保険診療になった分がですか?
保険診療になって、例えば5年10年と経った方がどうなったかは、この検診ではもちろん把握はできませんけど、
その方が次に検診を受けられたら、ま、その時点でわかるということですね。
木野:
いや、というかですね、県立医大以外でやっているものに関してきちんと数が把握できるのか?という意味で。
大津留晶:
それは重要な点ですけれども、いま現在の、あのー、あのー、ま、紹介状の返事で把握しているということです。
星北斗座長:
わたくしはおっしゃるとおりですね。
いま、大学院の博士課程、4年目だと思います、学生です。
関係者といわれれば関係者かもしれませんが、勉強させていただいています。
私が勉強するということと、今回の話が、
特別私のテーマはこの研究ではありませんし、全くそういう意味では、担当の先生からはご指導は受けていますけれども、実際には勉強しているだけですので、それについて。
まさに私はアカデミックな興味で勉強させていただく分野があって、たまたま近くにある、もともと私は公衆衛生が専門ですので、そういうことで勉強させていただいているということが、私自身は問題になるとは思っていませんし、何か特別なことを頼まれたり頼んだりしたこともございません。
木野:県の見解もお聞きできますか?
県:いまの件に関しては県としても問題ないと思っております。
続きを読む
八幡浜の住民投票 署名1万1175人分提出
2015年12月08日(火) 愛媛新聞
【写真】市選挙管理委員会の担当者(左)に署名簿を提出する「住民投票を実現する八幡浜市民の会」メンバー=7日午前、八幡浜市役所
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働の是非を問う住民投票を求める署名活動を行っていた市民グループ「住民投票を実現する八幡浜市民の会」は7日、市民1万1175人分の署名簿を市選挙管理委員会に提出した。市内有権者の36.3%に当たる。
市民の会は11月3日から12月2日までの1カ月間、署名活動を実施した。市役所で記者会見した市議の石崎久次共同代表は「最低でも超えなければならないと考えていた1万筆は上回れた」と活動を総括。遠藤綾共同代表は「議会や市長には(有権者の)3分の1が住民投票を求めているという結果を受け止めてほしい」と述べた。
福島第1核燃料容器が強度不足か 規制委が調査
2015年12月4日 18時57分 東京新聞
東京電力福島第1原発で保管している使用済み核燃料の金属容器が強度不足の可能性があることが4日、分かった。原子力規制委員会は、容器の使用を続けても問題がないか、調査に乗り出した。同日の規制委の会合で議題になった。
規制委によると、容器を製造したのは神戸製鋼所。日本原子力発電東海第2原発(茨城県)でも同様の容器を使っている可能性があり、規制委が調査する。
強度不足の可能性があるのは、使用済み燃料を収容する容器内の格子状の金属プレート。容器は日本機械学会の規格に基づいて製造されたが、規格通りでも十分な強度が確保されない可能性があることが判明したという。
廃炉「ふげん」で水漏れ=発電機、放射能漏れなし-原子力機構
2015年12月4日 時事ドットコム
日本原子力研究開発機構は4日、廃炉作業中の新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市)のタービン建屋で、非常用ディーゼル発電機から約800リットルの水が漏れたと発表した。放射性物質は含まれていないという。
原子力機構によると、巡回中の当直員が1日午後10時半ごろ、発電機のエンジンと冷却水を排水する銅管の接合部で水漏れを見つけた。
当直員が接合部のボルトを締め直すと、ボルトが折れて床に約800リットル(ドラム缶4本分)の水が漏れた。水漏れは翌2日午前4時半ごろ止まったという。
発電機は1975年に設置された。原子力機構は水漏れやボルトが折れた原因を調べている。(2015/12/04-19:05)
原発解体(内容全て文字起こし)
2009年10月放送
福井県敦賀市にある原子力発電所「ふげん」
去年から解体が行なわれています。
原発は内部が汚染されているため、放置すると安全上問題があり、
管理コストがかかるとして国はすべて解体する方針です。
解体は放射線物質を絶対に外に漏らさずにすすめるとしています。
本当に周囲に影響を与えず安全に解体できるのか。
私たちは取材を始めました。
「もんじゅと敦賀原発」小出裕章ジャーナル6/9ラジオフォーラム(内容書き出し)
もともとは科学技術庁傘下でしたし、今は文部科学省の傘下にあるのですが、
言ってみれば国営のものです。
で、その動力炉核燃料開発事業団が手がけたいわゆる発電用の原子炉というのは、
"ふげん"という原子炉と"もんじゅ"という原子炉の二つなのですが、
"ふげん"はもう、とうの昔に「こんなものは役に立たない」と言って廃炉になって無くしてしまいましたし、
"もんじゅ"はつくってはみたけれども、
未だに1kwhの発電も出来ないまま1兆円を超えるお金を捨ててしまったという、
本当にどうしようもないものなのです。
高速実験炉「常陽」、審査申請へ
16年度、もんじゅの前段階施設
2015年12月1日 18時07分 共同通信
日本原子力研究開発機構は1日、高速実験炉「常陽」(茨城県)の再稼働に向け、2016年度に原子力規制委員会に審査を申請する方針を明らかにした。07年に原子炉内でトラブルが発生し長期停止していたが、今年6月までに復旧作業が完了した。
常陽は、発電しながら消費した以上のプルトニウムを生み出す高速増殖炉の開発で、原型炉もんじゅの前段階に位置付けられた施設。プルトニウムを増やす「増殖」の研究は既に終了し、今後は放射性廃棄物の減量化などの研究を行う予定だ。
2012年
たねまきJ「使用済み核燃料の処理・再処理&そのまま埋める」小出裕章氏(内容書き出し・参考あり)5/10
水野:「全ての使用済み核燃料は再処理するんだ」というのが国策だったんですよね。
小出:そうです。
水野:で、実際できたんですか?
小出:実際は何にも出来ていない
水野:何にも出来てない。
小出:
はい、高速増殖炉の実験炉「常陽」も潰れてしまいましたし、
原型炉として造った「もんじゅ」も1kW/hの発電もできないまま潰れてしまっているのです。
再処理工場自身も、作ってはみたものの、トラブル続きで、結局動くこともできないということになってしまっていて、
これまで原子力を進めてきた人達が描いた夢が全く実現ができないまま巨額の国費を捨ててしまったのです。
「忘れてた!!9680件の点検手続き…もんじゅの安全性」堤未果 x 武田邦彦 11/28(内容書き出し)
武田邦彦:
そうですね、もんじゅは非常に隠蔽体質が、非常に強いんですね。
もともとフランスに同じタイプの炉が、フェニックスというのがあってですね、
それを少し大きくしてすスーパーフェニックスとしたんですね。
ちょうどいまの日本の原発よりも少し大きい奴をつくろうとして、
建設を全部してから止めたんですよ。
それは何故か?といいますと、
もんじゅはまだ技術が完成していないので、少しごまかさないとダメなんですよ。
堤未果:ごまかす!
武田邦彦:
そう、誤魔化さないとできない状態にあるんですよ。
そうすると、その誤魔化しと現実との間を背負う人たちが自殺しちゃうという、
ずーっとね、もんじゅの常陽というのがあったんですけどね、
その時代から常陽をもんじゅを通じて、そういう事が続いていたんですね。
えっと、普通の軽水炉と違う方法で電力をつくるんですけれども、
そういうもので電力をつくってもいいか?とか、
核燃料サイクルが成立するか?という問題とですね、
もうひとつは今あなたが指摘したような9600個の手続き間違いがあると。
そういったものよりか、もっと本質的な問題が、いっぱいあったと。
これに対して一回組織も考え方もやりなおさないとですね、
この問題をまともに原子力として適切かどうか?という議論のテーブルにのらないものなんですよ、まだ。
2015年11月30日
第21回県民健康管理調査検討委員会 記者会見
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/gFeIdWvv38E?t=23m8s
Japan Perspective News:
星先生にお伺いしたいんですけれども、
いま清水先生がおかえりになっちゃったんですが、「多発だ」ということをおっしゃられておりましたけど、
「多発だ」ということについて、この検討会の中でどのような議論がなされていて、またどういうものをもとにしてそういうふうな話をされているのか?
もしそうであれば、一刻も早く福島県民の方々にそれをおしらせして、そして対策を早急にとるべきであろうと思われますけれども、そういったことについて検討委員会の方でどのようなアドバイザリーボードというのかしら、議論されているか。
それと星先生のお話で「放射線の影響はない」とおっしゃられたんですけれども、中間とりまとめの、検討中ですが訂正枠の3ページの3番4行目ですけれども、
「今後、仮に被ばくの影響で甲状腺がんが発生するとして、どういうデータ(分析)によって、どの程度の大きさの影響を確認できるのか、その点の「考え方」を現時点で予め示しておくべきである」と文言として、文章として述べられておりますけれども、これはどういう流れでこれが出ているんでしょうか?
星北斗座長:
多発というのはこれまで知られている有症症状で見つかって実際にがんと診断されたというですね、自然にわかった癌を、おー、と比べると、「確かに調べたらいっぱい出てきましたよ」ということであります。
Japan Perspective News:有症症状って有病率のことですか?
星北斗座長:違います。
有病率というのは実際に病気であるかどうかというのを、あのわかることですけど、そうじゃなくて、症状があって、普通にスクリーニングなどではなくて見つかるという、自然の中で見つかるというものを言いますよね。
で、ま、そういうものに比べると、実際には今回、あの、捉えられている
記者:書いてありましたよ。
星北斗座長:っていうかごめんなさい。
要は、私が言っているのは「有症状で見つかっている」ということです。
ですから、
Japan Perspective News:あの、スクリーニングで、無症状の段階からスクリーニングをするわけですよね。
星北斗座長:
いや、スクリーニング、ごめんなさい。
スクリーニングの話じゃなくて、ここで先ほども話が出ましたがこれがスクリーニングバイアスによるものなのか、あるいはその中に一部分え、あのー、放射線の影響があるものなのか、まだ、あ、峻別するもの鑑別つくものじゃありませんねという話を一雄先生(清水一雄)もされましたし、私もそう認識していますが、現時点で知られている範囲ではこうですよ、ということを言っているだけです。
ですから、「スクリーニングバイアスだ」と言い切ってしまうことも私はしていませんし、一方で「放射線の影響だ」ということも言ってません。
おっしゃるようにそれができるだけ早くわかれば形で究明していくということは必要なんだとは思いますけれども。「多発だ」ということが、あの、すなわちなにかその、なにか、え、「影響があってということには繋がらないよね」ということを申し上げているだけで、そそういう意味合いで書かれている。
Japan Perspective News:そうすると「多発」ということは一応認められるということなんですか?
星北斗座長:
ですから、今まで知られているものと比べてみると、あの、おお、「多い」というのはその通りだと思いますよ、見つけたんだから!
スクリーニングをして見つけたという意味においては、「当然増えるよね」ということです。
Japan Perspective News:清水先生とのご意見に齟齬はない、ということでよろしいですか。
星北斗座長:ないです。
Japan Perspective News:
ありがとうございます。
あっ!あとその「仮に被ばくの影響で甲状腺がんが発生するとして…」中間とりまとめの訂正枠の、こういうふうな議論が中でなされているのであれば、いま「放射線の影響はない」と断定するよりかは「議論はしているけれどもそこまで至っていない」というふうな解釈もできちゃうんですけど、これはどうなんですか?
星北斗座長:
あのー、現時点で検出する方法というのは、ま、ないわけですね。
先ほど申し上げたように、疫学というものに頼ってしまえば稲葉俊哉先生がおっしゃったように、同様の調査を別のところでやってそして比較しなければいけない、厳密に言えばですよ。
厳密に言えばそういうことで比較しなければいけない、しかしそういうことに言及すべきようなもの、そういうことを実際にやるべき範囲ではないよねという話は皆さんの合意だったと思います。
ただ、何度も質問されているし我々もその認識をしてますけれども、だからと言って「その影響が全くないんだ」という、あの、ですから「いいんだ」というようなことを申し上げるんではないんです。ということを申し上げているだけの話です。
ですから、今後、あの、丁寧に調べて行く必要があれば、そういうこともちゃんと検証して、そういうことが本当に明らかになれば明確にするよね。
その時にあらかじめこのぐらいのことがあればこのぐらいのことがわかるよねっていうことを明らかにしておかないと、あとからデータが出てきた時に、えーその外挿してどうなのこうなのっていうことはなかなか言いにくいねってことを申し上げてるんで先ほどあのーー、議論の中であったことと同じことです!
(※一言:とても大切な人々の健康についての質問内容に対して、全く誠実さが感じられない星座長の態度。)
Japan Perspective News:
そうしますと、放射線の仮に被曝の影響があるかもしれないという可能性も星座長は考慮に入れられて、中間とりまとめの中にそれを盛り込む可能性もあるから、これを残している、というふうに。
あの、これ書面で出てるとどうしても
星北斗座長:
(遮って)あのですね、これはあのー、あくまで、え、えぇーっと、部会の方から本会議の方に出されたものです。
それはあの、専門家から専門家に出されたというふうに、あの、一方で認識されてしまうところがあるし、ま、書いたほん、ほ、本人(清水一雄先生)の中にはそういった意識もあったのかもしれません、ただし県民にきちんと説明していくという意味では、今度我々がこれを発表するということ、この中間とりまとめの中に取り入れて発表することになれば、県民向けにもっとわかりやすい表現はないか?ということで先ほど議論させていただきましたので、現実にこの、この表現はあの「私の意に沿わないからカットする」とかそんな話ではありません。
あくまで専門家の意見を聞いてまとめてもらったものですから、その真意を確認しながらきちんと県民にもわかるような形に変えていくということを言っています。
Japan Perspective News:
あと、お答えいただいていない県民への、
多発ということに対する県民へのサポートというか、防護の関係について、そのなんか
星北斗座長:
(遮って)ですから今の多発というのは、何度も、何度もお答えしています。
「多発」というのは今まで知られているそのぉー、方法論でしかわからないので、いまやっている方法論で見つかったものというのは、「数として多いのは事実です」ということだけを言っているので、だから防護がどうしたとか放射線がどうしたということとは直接いま繋がる要素は無いということに、しかしそれはゼロでは無いということを申し上げています。
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2015年11月30日
第21回県民健康管理調査検討委員会
iwj 福島
41:45位から
次に白血球と血小板ですが、これについては変化は認められませんでした。
小児の白血球分画、赤血球も変がないということです。
記者会見
OurPlanetTV ch1 記者会見
https://youtu.be/gFeIdWvv38E?t=16m43s
おしどり:
中間とりまとめ案と、そして健康診査に関わることなのですが、
健康診査の結果の中で、白血球の分画の評価として、「平成23、24、25、26年度を通じて大きな変化はなかった」と。
これがとりまとめ案の方にも反映されているのですが、過去度々私は質問してきていまして、
これは白血球数減少、好中球数減少とリンパ球数減少という報告が23年度の結果として出られ、
報告が出るたびに「子供の好中球低下は引き続いて低下傾向」など。
今日発表されました値を見ましても、ネルソンなどの教科書や国立成育医療研究センターなどのデータと比較しましても、
「変化がない」というより、血液像の値に対して「低下傾向が続いている」という状況なのですが、この健康診査の対象者は避難区域、そして行動記録から外部被曝線量が高かった方々。
福島県民の方々の中で、比較的被曝線量が高かった方々が、原発事故後継続して好中球、リンパ球、白血球数などが減少が続いているということは、これは本当位問題はないんでしょうか?
星北斗座長:はい、どこのこと言ってるんでしょうか。
マコ:とりまとめ案の4ページ、もしくは健康診査の3−66です。
星北斗座長:これについて、ちょっと医大の方で何かコメントがあればどうぞ。
https://youtu.be/gFeIdWvv38E?t=18m32s
橋本重厚(福島医科大学 教授):
これは最近川崎先生が論文にまとめている通り、継時的に検査をしていまして「変化はない」という事実でございます。
で、正常値というか、基準値について、あのー、年齢によってそれぞれ変わってしまうので、
マコ:存じております。
橋本重厚:あの、ネルソンも、
マコ:ネルソンも。
橋本重厚:
ネルソンも知ってらっしゃるのでよくご存知だと思います。
で、これが、実際に今御指摘の放射線の影響かどうかということを確かめるのは、その前の段階のデータから継続的に追わないと、実際には評価できないと考えられますので、今後も希望者の方々の検査ではありますけれども、継続していく必要はあるとは思っております。
マコ:
度々これは以前から質問しているんですが、
星先生は忘れかもしれませんが、以前の記者会見で、「白血球の分画は避難区域外でも11自治体で検査をしていた」と。
福島県の県医師会の副会長木田(光一)先生が報告されていまして。
そちらとの比較はされないのか?ということに関して、星先生が「それも検討する」と。
そして、甲状腺癌と違いまして、白血球の分画は人間ドックなどでもみますので、日本の他の地域のデータ、そして福島県の他の地域のデータと比較することができるのですが、なぜ避難区域内の血液像の値が減少傾向で継続しているにもかかわらず、他の地域との相関はされないんでしょうか?
比較はされないんでしょうか?
以前そ「れを検討する」と、「そういうデータがあるなら調べる」とおっしゃっていただいたのですが。
星北斗座長:
あのー、ま、いま、あの、医大の方から説明がありましたけれども、この正常値あるいは施設によりいろんな違いなどもあるんだろうと思いますし様々なことがあるんだろうと思います ですからその辺のところは専門家の意見を聞きながら議論していくことになると思いますが、えー、その、低下傾向にあってずっとその云々という話ではなくて いまの、えー、少なくとも我々が報告を受けている範囲でいうと、えーーー、ま、「大きな変化がない」と、こう言われているんですね。
ただそれがある、ある基準と比べると下がって見えるということですので、その辺の原因がどこにあるのかというようなことは冷静に考えていく必要はあるんだと思いますが具体的に、もう一つやるとすれば、あのー、継続的に検査を受けられてる方、のデータをま よこえと潰していくと ま今データベースの話がありますからそういうものの中でどういう差異があるのかということを見ていくのも一つの方法だと思います その辺は医大の方とも相談をして可能なら、あの〜フォローしていく必要があると思います。
マコ:
以前は県立医大の坂井晃先生がこの評価をしていたとお答えをいただいたのですが、川崎先生ですか?
坂井晃先生ではなく?
橋本重厚:小児の論文を書かれたのは川崎先生です。
マコ:川崎何先生ですか?
橋本重厚:川崎幸彦先生です。
マコ:
これは日本語ですか?
データベースの表が今日ありましたけれど、この坂井晃先生
司会:すみません!
マコ:
あの、一緒なんで。
県立医大の先生が、
司会:要望も後でお願いしていいですか?
マコ:関連です。
記者:
説明が納得いかないから聞いているんです。
ジャーナリストとして当たり前の仕事しているんですから妨害しちゃいけませんよ。
記者:そうだ
記者:
説明責任があるんだから、どうしてそう妨害ばかりするんですか?態度改めてください。一方的に決めないでください。
司会:関連以内でお願いします。
マコ:関連です。
県立医大の坂井晃先生が血液の評価を以前論文にされたということで、しかしその論文はBMC Public Health という、海外の学会に英語で投稿されたのみで、日本語にはなっておりませんでした。
しかも有料で、なかなか個人では読みにくいもので。
この健康調査、健康管理調査の目的、そして県民に結果を返すもの。
そして県立医科大の方々が論文を書くのも、ひいては「福島県民の方々のためだ」とおっしゃるなら、
この評価に関して海外の学会で英文の論文のみの評価という形は、できればやめていただきたいです。
少なくとも日本語で抄訳なりどういう結果だったかを、この根拠、「問題ない」とする根拠が何だったのか?ということを丁寧にお示ししていただきたいと思います。
要望です、よろしくお願いします。
司会:はい。
ーーー
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/142144.pdf
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第21回県民健康管理調査検討委員会 記者会見
秘密の会合
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/gFeIdWvv38E?t=11m20s
東京新聞:
いま星先生から「約束したこと」というお話がありましたけど、前回の僕の質問で約束していただいたこと覚えていますか?
当てた人、答えた人に「どなたに言っていただくか決めていただく」って約束していただいて、今日、誰がしゃべったのか?全然わからなかったんですけど、
星北斗座長:あ、そうですか。
東京新聞:
「そうですか」じゃないですよ。
それが全部出されていなかったときに、どうしたらいいんですか?
記者席の方から「名前言ってないぞ」って言ったらいいんですか?
星北斗座長:
はい。
率直にごめんなさい。
申し訳なかったです。
東京新聞:
次回はしてください。
で、先ほどから、朝日新聞の記者の質問もそうですけど、
傍聴している人間が、ここで何をしゃべっているのかが聞き取れないから、質問をさせていただく。
で、それに貴重な質問の時間が割かれてしまうというのは、すごく残念なことなので、
傍聴している人たち、我々も含めてですけど、何を議論しているのかがわかるようにできるだけしてください。
その上で質問をさせてください。
議論の中ではなくて、今日配られたペーパーの中身で文言を確認させていただきたいものが2点あります。
1点目は中間とりまとめ案の1ページの22行目のところ。
「被ばくの線量の評価を行い、ひいてはそれによる健康影響の有無の考察検証を行うこと」と書いていますけれども、単純にこれだけを読むと、「線量評価を行う」って、線量評価で健康の有無の考察を行うというふうに読めてしまうんですけど、そういうことなのか?
それとも他に発症のデータとかも踏まえて考察するということなのか?確認させてください。
もう一点はこれに付随するみなさんのコメントリストが今日載っていたかとおもうんですけれども、コメントリストの14ページ目。
今日ちょっと議論にはならなかったんですけれども、赤石先生のご指摘のところで。
3行目のところ「「非公開で準備会合を開くなどの運営を行っていた」のでしょうか」という、事実関係に対する疑義がなされていますけれど、これについて実際、星先生はどういう誤認識なのか?という点をお伺いできますか。
星北斗座長:
えっとですね、1個目の質問ですけれども、「事故による被曝線量の評価を行う」ということと、「それに基づいて健康影響の有無の考察を行う」というのは文字通りだと、私は、これは清水先生のもともとアイデアですけれど。
ただ一方で健康診査その他いろんな様々な影響調査もしているわけですから、その単純に被曝線量を見つけてですね、「被曝線量がいくらより低いから健康影響もありません」というふうなことを導くための調査とは認識していませんので、様々なデータと組み合わせて、当然検証していくということを含んでいると私は理解しています。
2個目の話ですけど、これは赤石先生は当時の、ま、当時居たのかな…、居たのかもしれませんが、えーっと認識がちょっと違いますねという話でここに書かれたんだと思います。
私も何度かインタビューを受けましたし、ま、県からの調査も受けました。
そのときに、これは次回議論することになるかもしれませんけれども、「準備会合」ということがあたかも不適切だというふうに取られたという事実については残念に思うけれども、何か発言の抑制をされたりとか、発言を何か依頼されたというような内容ではなくて、あくまで普通に行われている事前の説明というふうに私は理解していると答えましたし、私個人はそのように理解をしています。
従いまして、その運営そのものが適切だったか否かということについて言えばそれは、その論評は外部からされるべきことかもしれませんが、内部からするとすれば、私はそのように認識していると、少なくとも当時の委員として答えているということだけ申し上げます。
東京新聞:
準備会合の是非というよりも、非公開で準備会合を開いていたという事実関係は、それはあるのかないのか?
どっちなんでしょうか?
星北斗座長:
非公開で準備のための、準備のためというんでしょうか、
あの、えっっっと、集まってるんですね。
集められて、えーっと、事前のブリーフィングが行われたということは事実です、それはそれも認めています。
司会:はい続いて。
県が主導「原発事故とがん発生の因果関係を否定する秘密会議」毎日新聞スクープ記事
福島県の「秘密会議」と出席した人たちの犯罪性10/3武田邦彦氏(音声書き出し)
甲状腺検査めぐる不満も… 福島健康調査で「秘密の会合」10/3報道ステーション(内容書き出し)
モーニングバード&ワイドスクランブル10/4福島県民健康調査「秘密会議」時間の経過で新しく出てきた情報(番組内容書き出し)
県が認めました→福島県民健康管理調査「発言内容誘導の進行表作成して口止めした」
県民健康管理”秘密会議”での尿検査のやりとり~消えた議事録~「福島老朽原発を考える会」会見10/18(内容書き出し)
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2015年11月30日
第21回県民健康管理調査検討委員会 記者会見
内部被曝の重要性
文字起こし部分のYoutube→https://youtu.be/gFeIdWvv38E?t=6m55s
テレビ朝日 報道ステーション:
今清水先生がおっしゃったように、「多発の事実はあるけれども結論はまだ出していない」過剰診断か過剰発生か。
この段階で、この検討委員会の過去の議論とかも、ずっと内部被曝について調べてるのか調べないのか、調べているのかどうなのか?と、ずっと議論をされてきた。で、今日もされていますね。
それなのにそれは一切外部被曝だけで。
それは別個の話だと。
内部被曝は別個に書こうと。
「外部被曝は少ないとみられる」と、一部の調査をもとに「被曝の影響は考えにくい」と最初に書く。
ということは、ちょっと科学的におかしいんじゃないか?というような気がするんですね。
それは春日先生も前回の時におっしゃっていて、「『考えにくい』という表現はどうなのか?」と。
「『可能性は低いが否定できない』というふうな表現はどうか?」とおっしゃって、
星先生は「『考えにくい』というのは自分の考えを書いたまでで、表現は今後考えていく」とおっしゃっている。
でも今日は「考えにくい」としか書いてない。
その議論も今日はされていなかった。
「考えにくい」の議論はされていなかった。
内部被曝を、床次(とこなめ)眞司先生もずっとおっしゃっているんですけれども。
私も取材している過程で、食品では内部被曝をしていなかった可能性はあるけれども、
「私の子供はずーっと外にいたのよ」と。
「呼気で被曝している可能性があるじゃないか」というような現場の声があるんです。
そういった内部被曝の重要性をよく検討しなければいけないんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか?
星北斗座長:
はい、ありがとうございます。
まさにその議論を私は今日したつもりでありまして、
えー、内部被曝の話が関係ないからよそに書けといったんじゃなくて、
基本調査のところは外部被曝の調査なんだから外部被曝という整理をしましょうと。
で、甲状腺のところでは内部被曝の話はやっぱり、非常にそのー、入り口は狭いけれどもきちんとしなければいけないよね。
一般論として知られているごく限られた人たちの集団と比べてみると、チェルノブイリと比べると非常に少ないので、まぁ「少ない」という表現をとったけれど、実際のところは、そう、そ、それで全てが終わっている話じゃないよね。
おっしゃる通りですよ!
ですから我々は、今外部被曝だけでな、なんとかしようという話をしているわけじゃなくて、できる限り内部被曝についても詳細に調べようと思っていますが、なにせ当時の内部被曝の線量をしっかりと、その把握した、あの、データというのは非常に限られているので、なかなかこの人が何mSv内部被曝を受けたのかということを、えーその、ひひひ、一つ一つの例について、え、同定することは非常に困難という中でやれることはやりましょう、ですからそういう議論をしたつもりだし、私はそう、そう認識していますよ。
テレビ朝日報道ステーション:
あのすみません、そうするとおかしいのは、今日の冒頭の質問でも、今日の数字についての把握について星先生は「被曝線量がチェルノブイリより低い」「5歳以下はウクライナの方が高い」そういった理由で「考えにくい」とおっしゃいましたけれども、そういったご回答じゃない、ない方が、
星北斗座長:
じゃあ、この質問だけお答えしますけれども、
私は今、その表現の変更についての具体的な議論を今回していませんのでこの具体表現についての変更の議論については、もちろん先ほど言ったように、あの、提案が提示されています。
でもその提案されていて議論して、しっかりとした議論にはまだ結びついていないのはおっしゃる通りです。
でもしていかなければいけないことでそのことはこの間記者会見で約束した話ですので、何もそれをうやむやにしようとものを書き込もうとは思っていませんので、そこは今日議論しなかったじゃないか今日言って変更がなかったじゃないかだってどういう変更しますかって議論してないでしょ?それな、そのその変更の議論なしに今私が勝手に何かを変更することにはなりませんのでみなさんの意見を知った上で私は代表としてお話をするということまでは私が考えた表現を使わせていただいているだけです。
(早口で一気にしゃべるので句読点をあえて入れませんでした)
テレビ朝日報道ステーション:
議論中だったらその回答も変わるんじゃないですか?
まだ結論は出ていないと、議論でも。
星北斗座長:無視 司会に目で合図(先の質問へ、行け!)
司会:はい。続いて
ーー11月30日放送 報道ステーション(内容書き出し)ーー
甲状腺がん または疑い
2回目検査で39人 事故の影響は
小川:
こちら、ある検査会場なんですけれども、のぼりには「あなたの健康見守ります」とあります。
原発事故の影響はあるのか、ないのか?子供の甲状腺癌が増えたということがわかりました。
ナレーション:
甲状腺癌の”多発”は原発事故の影響ではないのか?
各分野の専門家を集めて開かれた福島県の県民健康調査検討委員会。
子供達の甲状腺癌について新たな数字が公表された。
原発事故のおよそ半年後に事故当時18歳以下の子供を対象に始まった甲状腺検査。
1回目の検査はおよそ3年半かけて既に終了し、同じ子供達に対して2回目の検査が行われている。
その2回目の検査で新たにがんまたはがんの疑いとされた人数が39人(男16人 女23人)となった。
原発事故前は甲状腺癌は100万人に一人か二人と言っていたことを考えるとはるかに高い割合なのだが。
(2回目の検査 約18万人中39人)
福島県県民健康調査検討委員会 星北斗座長(福島県医師会 副会長):
我々が現在知り得ている情報の範囲において、えーー、これが直接放射線の影響で発生した癌だというという表現は、具体的に今日のところはまだ変更がございません。
検討委員会の星座長は甲状腺癌の増加について「放射線の影響は考えにくい」と説明した。
福島県県民健康調査検討委員会 星北斗座長:
えー、被爆している線量が、ま、一般論としてっていいますか、知られている範囲で比べますと、チェルノブイリと比べて極めて低いという話と、当時の非常に感受性の強い子供達、小さな子供達からの発生が今のところ見られないという2点においてえ−、そう(放射線の影響)とは考えにくいというふうに判断しています。
星座長は、チェルノブイリ原発事故後に起きた甲状腺癌の急増と比較。
福島の子供達の被爆線量が少ないことと。チェルノブイリで多発した事故当時5歳以下の甲状腺癌が福島の調査では見つかっていないことをあげた。
福島では既に1回目の検査で114人が「甲状腺がんまたはその疑い」と認定された。
この1回目の検査について、実際に患者を診察する医師の間では次のような意見が多い。
これまでは自覚症状が出るまで見つからなかった甲状腺がんについて福島県内の子供全員を調べることで、異変のある子供を掘り起こす形となり「数が多く見えるだけだ」というものだ。
検討委員会の委員で甲状腺の専門家清水一雄医師もその一人だ。
福島県「県民健康調査」検討委 清水一雄委員(日本甲状腺外科学会 前理事長):
多いのは、38万人も一生懸命検査をしたわけで、いい機械を使って専門家が、一生懸命調べて見つかったので、多く出るのはある程度当然かなと僕らは思っていますね。
これだけの人数の患者さんといいますか、対象者がいますと、見つかってもそんなに不思議ではないかなと思いますけどね。
その清水医師も2回目の検査でかなりの数の甲状腺がんが見つかっていること。
特に、そのほとんどが1回目の検査では全く異常が認められなかった人たちだということに首をかしげる。
(「がんまたはがんの疑い」…39人→うち37人が1回目の検査で”異常なし”)
福島県「県民健康調査」検討委 清水一雄委員(日本甲状腺外科学会 前理事長):
その点に関しては、あのー、ちょっと僕も気になるなというところはあります。
1回目になんでもなかった方が2巡目で見つかったということに、その間3年か4年ですよね、長くてもね。
ですから、ちょっときになるなというところはありますね。
星座長も甲状腺がんが多発していることを今回初めて認めた。
福島県県民健康調査検討委員会 星北斗座長:
今まで知られているものに比べると、「多い」というのはその通りだと思いますよ。
多発だということが、あな、すなわちなにかそのぉ〜、え、(放射線の)影響があってということには繋がらないよね、ということを申し上げているだけで。
しかしそれがゼロではないということを申し上げています。
果たして原発事故の影響はあるのか?
検討委員会の委員で被ばく医療の専門家、弘前大学の床次眞司教授によれば、その影響を確認するには甲状腺に害を及ぼす放射線ヨウ素に事故直後、子供達がどのくらい内部被曝したかを検証する必要がある。
だが、検討委員会で内部被曝について全く議論が行われていないのは問題だと指摘する。
福島県「県民健康調査」検討委 床次眞司委員:
こういう患者さんが、どれくらいの線量を内部被ばくして受けたのか、甲状腺がどれぐらい受けたのか?っていうのはわからないわけですから、そこはもう現状では、答えが出ないですよね。
Q:内部被曝の検討が今、できていないんですかね、検討委員会の中で。
福島県「県民健康調査」検討委 床次眞司委員:
検討委員会の中では議論されていないですよね。
福島市 午後4時過ぎ
Q:内部被曝の重要性をよく検討しなければいけないと思うんですけれども、いかがですか?
福島県県民健康調査検討委員会 星北斗座長(福島県医師会 副会長):
できる限り内部被曝についても詳細に調べようと思っていますがなにせ当時の内部被曝の線量をしっかりと、その把握したデータというのは非常に限られているので、なかなかこの人が何mSvの内部被曝を受けたのかということを、えーその、一つ一つの例について同定することは非常に困難だという中でやれることはやりましょうと、そういう議論をしたつもりですし私はそう、そう認識していますよ。
異常とも思える数字が出ていながら、その原因がいつまでも検証されない現実。
甲状腺検査に訪れた6歳の男の子の保護者:
影響は少ないと思うんですが、ま、それについて不安はありますけどね、はい。
甲状腺検査に訪れた事故当時18歳だった男性:
体に害がないって聞くんですけど、実際どのぐらいのレベルで害がないのか、本当にないのかわからないので、ちょっと怖いっていうのはあります。
古舘:
当然、福島の方々といっても意見はいろいろです。それはわかってます。
一生懸命ギリギリのところで前を向いて生きているのに、いろんなことを仮定で言うなというご意見が多くあることも承知しています。
しかしながら、不完全だったチェルノブイリの検査だけを、チェルノブイリの結果データだけを前提にしているかのように受け取られるというこのプロセスはなんなのかおかしいじゃないか。
他県でもあえて徹底的に調べて福島県と比較するっていうことができないのか、もっともっと詳しくという意味で。
木村さんはどうお考えですか?
木村草太(首都大学東京准教授):
亜張りかけがいのない子供の健康のことですから、親御さんも心配だろうと思いますし、この問題を離れて例えば乳がん検診なんかを見ても検診有効性や治療方針についての議論を見ていると、がんという病気は本当に原因や治療法について専門家の間でも意見が分かれる難しい病気だと思いますね。
今回の事故については当時のはっきりした手掛かりのない中で、命に関わったり生活に関わる重大な決断をしなければならず、その心理的な負担はとても大きいと思いますし、
自分が癌になる確率が上がっているかもしれないというふうに考える、そう思うこと自体、心配すること自体が大きな負担になっていると思います。
で、その負担を和らげるためにやはり政府はきちんとした信頼ができる調査データを示すということが必要になってくると思いますし、事故の影響を受けていない他の地域との比較をすればわかることも多いかと思いますし、また、そのデータや政府の説明が、あるいは検討委員会の説明が信頼できるようなものになっていく、市民に信頼されるということが非常に重要だと思いますので、市民の疑問に丁寧に答えるプロセス、そしてそこにコストをきちんとかけていくということが重要だと思いますね。
古舘:
莫大な費用がかかるというふうに言う人もいるんですけれど、そういう問題じゃないですよね、これは。
木村草太(首都大学東京准教授):
そうですね、やはり原発を維持するというのであれば、このコストを十分に把握しておかなければいけないですし、また今回の調査というのはやはり原発という政策を取ってきたこと、その帰結としてどうしても支払わなければいけないコストであるというふうに認識をしなければいけないと思いますし、政府は責任を持ってまた信頼の確保ができるデータを出して欲しいと思いますね。
古舘:
「放射線とこの甲状腺がんの因果関係はわからない」んじゃなくて、「ない」と言うなら、
いったいなんのために1巡目2巡目と検査をやり続けているんですか?と。
なんのために。
子供や若者の命、このために、健康のためにと言うんだったら、
いろんな角度から「答えはまだ保留だ」なんとも言えない」というようなニュートラルなところから始めるべきではないですかね。
ーーー
甲状腺癌の多発について、きちんとした取材と報道をありがとうございます。
報道ステーションのスタッフに感謝します。
恵村さんがコメンテーターだったら、なんと言っただろうか?と考えながら木村草太さんの言葉を文字起こししていた。
甲状腺癌の多発が「どうしても支払わなければならないコスト」
現実にありえない数の甲状腺がんの子供が居るのに、「信頼のできるデータ」じゃないだろ、と私は思った。
久しぶりに報道ステーション文字起こししたけど、木村草太氏のコメント書き出していて、なんかイヤーな感じがした。
とにかく話している間じゅう下を向いていて、目が合わない姿勢も人間的にあれ?と思うけど、そもそもコメントの内容がが御用学者のように的がずれてて変な感じがした。(←個人の感想)
やっぱりなんか、4月以降コメンテーターの質がガタ落ちしたことが残念でなりません。
しかし
この日、NHKは全国放送で福島県県民健康調査検討委員会の新たな甲状腺がんについての報道はありませんでした。
NHK福島で現地での報道のみだったことをここにもう一度記しておきます。
<福島県民健康調査>悪性ないし悪性疑い 152人に!!「放射線の影響とは考えにくい」
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第21回県民健康管理調査検討委員会 記者会見
放射線の影響は?
2:37:57
福島テレビ:
今回も若干人数が、癌が発見された方が9名、で、疑いの方が5名になりますが、これについて放射線の影響についての見解を改めて伺いたいと思います。
星北斗座長(一般社団法人福島県医師会 副会長 ):
ありがとうございます。
今日特段に取り上げなかったことを持って答えなんですけど、もう一度ということであれば。
我々が現在知り得ている情報をまとめて、これが直接放射線の影響で発生した癌だと考えにくいという表現は、今日のところはまだ具体的に変更はございませんので
そういう変更は無しで、そういう影響を考えないという表現で理解をしています。
福島レテビ:
そのように判断された根拠。
いろいろ書いてありましたけれども、今のところ判断している理由をお聞かせください。
星北斗座長:
中間報告の、中間報告のまとめに記載したように、被爆している線量が、今のところ、今の所というか、知られている範囲で言いますと、チェルノブイリと比べますと低いと。
ま、当時の非常に感受性の強い子供達、小さな子供たちから発生変動が見られないということでそう判断しているというふうに判断しています。
臨床症状はあったのか?
朝日新聞:
今日の検討委員会のやり取りで聞き取りにくかった事実関係について2点。
それから星団長のご見解を聞いて全部で3点お願いしますが、最初に2点は本当に事実関係の確認だけですので、星団長でなくても直接関係者の方にお答えいただいて結構です。
まず、どなたかの委員が悪性ないし悪性疑い39人について「臨床症状が出た人はいないのか?」ということについて医大の方が「調べていないが無いとしている」というふうに私には聞こえたんですが、それでいいかどうか。
それから調べていないのになぜそれがわかるのか?
事実関係の確認もう一点だけします。
司会:それは次の順番で。
朝日新聞:
いやいやそうじゃなくて、事実関係の確認なんですけど、39人の悪性ないし悪性疑いについてですけど、これは清水一雄先生からの質問だっんですが、「A1の19人については新しくこの2巡目で出たんではないか」とご説明があったように聞いて、Bの二人については最初に見つかったところの近くから出たんじゃないか?ということをおっしゃったように。
ただ、大津留晶先生と清水一雄先生のやりとりが非常に後ろの方で聞き取りにくかったんですけど、とくに大津留先生のご回答の言葉が。
A1の19人についてはどうだったのか?前回の先行検査では
星北斗座長:(質問を遮る)わかりました、はいどうも!
朝日新聞:それで
星北斗座長:
答えてください、大津留先生。さっきと同じことを言っていただければ結構です!
あ、いないの?あ、いたいた。
2:41:13
大津留晶(福島医科大学教授):
前回の検査と比較して、一つ言われたのは
「前回から同じような病変があったんじゃないですか」という意味かもしれませんが、それはありません。
A1の方は結節性病変、今回の本格検査で指摘された同じようなものがあったわけではないということです。
で、Bの方とか、A2の一部の方に結節性病変のある方がいらっじゃいますが、ま、それはそこから、えーーー、ま、同じような場所にあるということで、それが少し大きくなったというような可能性があるということです。
よろしいですか。
朝日新聞:
前回は13人のうち二人は結節で後は全部のう胞だったということですが、本来は結節とのう胞の割合はどうなんですか?
大津留晶:結節が5でのう胞だけが13ということですね。
朝日新聞:わかりましたそれから
司会:質問は一つ
朝日新聞:
いやいやまだ終わってないでしょ。
臨床症状についてはどうだったんですか?
司会:一人一問になっていますんで。
朝日新聞:
そうじゃなくて、質問をしているんですから今。回答が出てない。
臨床症状についてはどうだったんですか?
臨床症状はあったんですか?
臨床症状については調査されたんですか?
それは質問してますよ。
選択的な回答しかしていない。
司会:あのね、じゃ、その後の質問は無しですよ!39例の症例について云々ということだけすみません、答えてあげてください。
大津留晶:
この調査では症状が検査の時あるなしというのは、とってませんけれども、当然検診を受けられる方ですからその情報は入ってきて、あのー、「症状があるから受けに来たということはない」
朝日新聞;報告がない?
大津留晶:報告がないということです。
司会:はい、次の方!
2:43:15
小児甲状腺癌の多発
満田:
今の症例については是非、県立医大のペーパーを公開していただけますようお願いします。
私の質問はですね、中間とりまとめ、
司会:所属と名前お願いします。
満田:
ごめんなさい、失礼いたしました。FFTVの満田と申します。
私の質問は、5月18日に甲状腺部会の中間とりまとめが出されましたが、その際に検査結果に対しては「我が国の地域がん登録で把握されている甲状腺癌の罹患合計などから推定される有病数にたいして数10倍のオーダーで多い」というとりまとめが盛り込まれました。
その理由として放射線量、放射線被曝によるものか、または過剰診断によるものか、というような続きがあるんですが、今回の甲状腺評価部会の中間とりまとめの中で、ここが私は一番注目すべき点じゃないか思っていたんですが、今回の中間とりまとめの中では
https://youtu.be/gFeIdWvv38E?t=4m20s〜
今回の中間とりまとめの中ではですね、ここの部分。
つまり現在生じている甲状腺癌の数が有病数と比べて多発であるということについては取り立てて書かれていなかったと思います。
それについてはなぜその辺を避けてしまわれたのか?ということについてお伺いしたいと思います。
星北斗座長:
あのー、…なんか違う話を比べている気がして。
その、部会長がいる間に部会長にご説明頂いた方がいいと思うんですけど、我々が認識しているのはその、その、あ、紙が手元にないのでなんとも言えないですけど、そのゆぅ、一般的な統計として今まで知られているものに比べれば多いということは事実だということを言っているだけであって、それがその放射線の影響云々ということについては言及していなかったと思います、清水先生そこのところ覚えていたら(途中から凄い早口になる)
清水一雄(日本甲状腺外科学会前理事長):
星先生のおっしゃった通りで、あの、サイ、私も覚えていますが、最終的に提出した中間とりまとめにはその数字だけだったと思います。
で、あのーー、別にそれは何も細工したわけじゃなくて、今日(突然小さな声)見たら出てなかったなということだけなんですが。
あの何れにしても、えーっと、予想を超えるような、超えるといいますか。「多発」が起こっていることは事実であって、それはですね、あの〜、被曝の影響なのか、それともスクリーニングバイアスといいますか、一生懸命いい機械を使って調べたからこれだけの人数が、専門家が調べたので、出てきたのか。
それは実はいま、出せません。
こんな検査をやったことは今まで無いわけですから。
これからそれを評価していかなければいけない。
それからもうひとつ、先ほどの質問で、「症状があったのかどうか?」ということがありましたけれども、
あれに関しましては、毎回申し上げているように、甲状腺の手術で、あるいは症状で、症状が出てからでは遅い。
何を言って症状と言っているのか?
喀血なのか、痛みなのか、声なのか、あるいは苦しいのか、しこりがあるから症状があるのか、しこり、今回報告されている大きさとかそういうのを見ますと、私の経験で臨床症状があったとはとても思えないです。
あ、みたわけじゃないですけれども。
ーーつづくーー
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資料3−2
平成 23~26 年度 県民健康調査「健康診査」
健診項目別受診実績基礎統計表
P65まとめ
(4)高血圧者(収縮期血圧 140mmHg 以上、拡張期血圧 90mmHg 以上)の割合は 40
歳以上で男女ともに平成 23 年度に比べ、平成 24、25、26 年度と経年的に減少した。
39 歳以下では男女ともに高血圧者の割合は低いが、平成 23 年度に比べ、平成 24〜
26 年度はより低かった。あらゆる年齢層で女性に比べ男性の高血圧者の割合は多かっ
た。
(8)65 歳以上の男性で腎機能低下を示す血清クレアチニン 1.15mg/dL 以上の割合が平
成 23 年度 7.6%であったのに対し、平成 24、25、26 年度にはそれぞれ 8.3%、9.0%、
9.9%と経年的な増加傾向を認めた。
(9)腎機能低下を示す eGFR60ml/min/1.73m2未満の割合では 40 歳以上の男女とも
に、平成 23 年度と比べ、平成 24、25、26 年度と経年的な増加傾向を認めた。
福島医科大学 橋本重厚教授:
高血圧は23年度に比べて26年度は減少。
一方でクレアチニン、あるいは●たい率、計算上のもの、ではありますけれども、
これはクレアチニンが増加、eGFRが低下、でありまして、
慢性腎臓病の増加が推測されます。
血清クレアチニン
P23〜(↓表はクリックすると大きく見ることができます)
eGFR
P25〜(↓表はクリックすると大きく見ることができます)
検討委員会の表を見てもどのように何が増加しているのかよくわからないのでグラフにしてみました
クレアチニンが増加
血清クレアチニン
40〜64歳
男性1.15mg/dL以上
女性0.95mg/dL以上 %
男性1.35㎎/dL以上
女性1.15㎎/dL以上 %
65歳〜
男性1.15mg/dL以上
女性0.95mg/dL以上 %
男性1.35㎎/dL以上
女性1.15㎎/dL以上 %
血清クレアチニンが増加
男性1.15mg/dL以上
男性1.35㎎/dL以上
女性0.95mg/dL以上
女性1.15㎎/dL以上
クレアチニン
腎機能の指標
筋肉の中にはクレアチンリン酸と呼ばれるエネルギーを貯めた窒素化合物が含まれています。これが酵素の働きによってクレアチンに分解されるときエネルギーを放出し、そのエネルギーを使って筋肉は動きます。クレアチンは役割を終えると、クレアチニンという物質に変えられます。
体内の窒素は腎からしか排泄されませんので、クレアチニンも血液を介してすべて腎臓より尿中に排泄されます。このためクレアチニンの血中濃度は腎機能(ろ過能)の指標として用いられています。
腎疾患の進行とともに、腎機能が正常の半分以下に低下すると血清クレアチニン濃度は上昇し始めます。この時期では蛋白質の摂取を制限するとクレアチニンの上昇は押さえられます。しかし、腎機能が正常の20%~30%以下になると腎不全の病態となり、食事制限や生活指導を行っても血清クレアチニンは正常化せず常に軽度上昇しています。正常の5%~10%以下になると血清クレアチニンは高値となり、尿毒症の症状を呈して腎透析の準備が必要となります。
基準値
成人男性0.66-1.13 mg/dl
成人女性0.48-0.85 mg/dl
+アルファの豆知識
その1,
血清クレアチニン値は筋肉の量により決まるので、男女によって差があります。また、筋肉量の少ない小児や高齢者では、成人に比べ低値となります。
その2,
腎臓は肋骨のすぐ下に背骨の両側に一つずつあるそら豆のようなかたちをした握りこぶし大の臓器です。腎臓は1分間に約1リットルもの血液をろ過し、体内の老廃物がたまって中毒しないように老廃物を濃縮して尿として体外に排泄する役割を果たしています。また、身体に必要な水分や塩分を調節、保持している重要な臓器です。
eGFRが低下
40〜64歳
50 ml/min./1.73㎡未満 %
60 ml/min./1.73㎡未満 %
65歳〜
50 ml/min./1.73㎡未満 %
60 ml/min./1.73㎡未満 %
eGFRが低下
50 ml/min./1.73㎡未満
60 ml/min./1.73㎡未満
慢性腎臓病
慢性腎臓病の早期発見・早期治療
世の中には自覚症状がない病気が沢山あります。
その中でも慢性腎臓病(腎機能障害)は末期腎不全になるまで自覚症状の出ない病気として有名です。
血液検査の中でクレアチニン値というのが、腎機能障害の指標になるのですが、クレアチニン値と年齢と性別から計算された「eGFR」という検査結果項目に注目してください。20歳の時の腎機能を100%とすると70歳以上では、特に持病が無くても腎機能が70%程度まで低下すると云われています。さらに糖尿病、高血圧等を患われていると腎機能が悪化するスピードが早くなるのです。
現在末期腎不全で血液透析をされている患者さんは、全人口の0.2%、つまりは約500人に1人です。これは0歳から100歳まですべての年代含めての数値ですので、70歳以上に限定すると約200人に1人が透析患者さんとなる計算になります。
血液検査にて「eGFR」が60未満であった場合、または尿たんぱくが陽性である場合は、慢性腎臓病に詳しいお近くの医療機関に相談してください。この段階から治療開始された場合は、将来末期腎不全になる確率はかなり低くなります。
慢性腎臓病とは?症状は?
慢性腎臓病は、慢性的に腎機能が低下している状態をさす新しい概念で、“人工透析予備軍”とも呼べる新たな国民病で、最近注目されているメタボリック症候群と共に注意が必要な二大疾患。具体的には下記のように定義されている。
尿タンパクが陽性である(腎臓に形態的変化がある場合も)
腎機能の低下を示すGFR(糸球体濾過値)が60ml/min以下である
上記のいずれかの状態が3カ月以上持続していること
血清クレアチニンが男性で1.2以上、女性で0.9以上になったら要注意である。腎臓専門医を受診したがよい。
腎機能障害の怖いところは、例え、腎機能障害が軽度でも、突然死の原因となる心筋梗塞・脳梗塞の発症リスクが飛躍的に増えることで、GFRが 60ml/分未満で心筋梗塞・脳梗塞の発症率は1.7倍に、30-44ml/分では5.4倍に、30ml/分では10倍以上に増加すると言われている。
腎臓機能が低下すると高血圧が進行し、動脈硬化が悪化し、4人に1人は心筋梗塞や脳梗塞で死亡すると言われている。逆に言えば、腎臓病を予防すれば突然死のリスクを大幅に回避できると言うことになる。
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