【閲覧注意】2023/10/05のホムスの陸軍学校へのドローン攻撃
西洋では殆ど報道されていないが、2023/10/05にシリアのホムスで起こったドローン攻撃については、ジャーナリストのヴァネッサ・ビーリィ氏が攻撃後の現場の映像を紹介してくれている。
Distressing Scenes From Homs, Syria. Terrorist drone warfare
UK Column News - 9th October 2023
標的とされたのはホムスの陸軍学校で、この日は卒業式だったので、士官候補生やその家族等が何千人も集まってお祝いをしていた。
攻撃に使用されたドローンは、NATOメンバーからアル=カイダに提供されたもので、ビーリィ氏に拠ればここ2週間でトルコ、フランス、英国、米国から来た専門家達がイドリブで彼等に協力していた。
01:15から攻撃後の現地の映像が流れるが、非常にストレスフルな光景なので、閲覧する場合は要注意だ。
攻撃によって多くの女性や子供を含む80人以上が死亡し、240人以上が負傷した。全員が死亡した一家も有る。
負傷者達は当然病院に運ばれたが、12年に及ぶ過酷な戦争と残忍な経済封鎖によって病院はまともに機能していないので、大量の負傷者の流入に対応することが出来ず、当然ながら死者の数は増加した。
ドローン攻撃はホムスの北のイドリブから行われたが、恐らくレーダーに察知されない低空を飛行したものと思われる。映像中に流れた銃声は、兵士達が別の接近するドローンを撃ち落とそうとして撃った音だ。
同日夜に、今度は負傷者達が運ばれた軍病院がドローン攻撃を受けたが、これは幸いにも撃墜された。その後西アレッポにも複数のドローン攻撃が行われたがこれらも撃墜された。ドローン攻撃はエスカレートしている。
これだけでも十分酷いが、話はこれで終わらない。シリアの反政府勢力イスラム過激派(通称「穏健な反乱軍 moderate rebels」)を支援している国のひとつである英国のメディア、ITVは、このドローン攻撃が行われたのと正に同じ10/05、病院の医師達が反政権派と疑われる人々を拷問していると云う恐怖物語を垂れ流した。
これは明らかに、この13年近くの戦争の中でも最も悍ましい虐殺のひとつに数えられる攻撃の犠牲者であるシリア人の人間性を抹殺する為の、極めて悪質なプロパガンダだ。
ビーリィ氏はこの記事で扱われているダマスカス公害のティシュリーン病院を何度も訪れたことが有るが、この記事に書かれている様なものは何ひとつ目撃しなかったと証言している(因みにこの記事の情報源は、フランクフルト在住の匿名の活動家だ)。
ITVの記事は次の様に書かれた「極秘」の内部命令文書を、この軍病院が実際には「屠殺場」である証拠だと主張している。
「身元が特定されていないテロリストの死者については………遺体がティシュリーン軍病院に到着し、番号が割り当てられるまで続行するように。」
シリア政府は兵士/民間人/テロリストに関わらず死傷した者については記録文書を作成し、特に身元が特定されていない死者については、後に身元を確認する為に必ず記録文書を作成しておくようにとの指示を出している。遺体に番号を振るのは身元確認に必要だからだ。極く当たり前の措置だ。これが何故「屠殺場」の証拠になるのだろうか?
つまりこの恐怖物語は恐らく偽情報の流布を得意とする英国諜報部が作り出したフェイクニュースだ。そしてその目的は虐殺されたシリア人達の生命と尊厳を読者達に軽視させることだ。恐ろしいのはシリアの医師達ではない、人々の感情を操って非道な虐殺を正当化しようとする帝国主義者共だ。
Distressing Scenes From Homs, Syria. Terrorist drone warfare
UK Column News - 9th October 2023
標的とされたのはホムスの陸軍学校で、この日は卒業式だったので、士官候補生やその家族等が何千人も集まってお祝いをしていた。
攻撃に使用されたドローンは、NATOメンバーからアル=カイダに提供されたもので、ビーリィ氏に拠ればここ2週間でトルコ、フランス、英国、米国から来た専門家達がイドリブで彼等に協力していた。
01:15から攻撃後の現地の映像が流れるが、非常にストレスフルな光景なので、閲覧する場合は要注意だ。
攻撃によって多くの女性や子供を含む80人以上が死亡し、240人以上が負傷した。全員が死亡した一家も有る。
負傷者達は当然病院に運ばれたが、12年に及ぶ過酷な戦争と残忍な経済封鎖によって病院はまともに機能していないので、大量の負傷者の流入に対応することが出来ず、当然ながら死者の数は増加した。
ドローン攻撃はホムスの北のイドリブから行われたが、恐らくレーダーに察知されない低空を飛行したものと思われる。映像中に流れた銃声は、兵士達が別の接近するドローンを撃ち落とそうとして撃った音だ。
同日夜に、今度は負傷者達が運ばれた軍病院がドローン攻撃を受けたが、これは幸いにも撃墜された。その後西アレッポにも複数のドローン攻撃が行われたがこれらも撃墜された。ドローン攻撃はエスカレートしている。
これだけでも十分酷いが、話はこれで終わらない。シリアの反政府勢力イスラム過激派(通称「穏健な反乱軍 moderate rebels」)を支援している国のひとつである英国のメディア、ITVは、このドローン攻撃が行われたのと正に同じ10/05、病院の医師達が反政権派と疑われる人々を拷問していると云う恐怖物語を垂れ流した。
これは明らかに、この13年近くの戦争の中でも最も悍ましい虐殺のひとつに数えられる攻撃の犠牲者であるシリア人の人間性を抹殺する為の、極めて悪質なプロパガンダだ。
ビーリィ氏はこの記事で扱われているダマスカス公害のティシュリーン病院を何度も訪れたことが有るが、この記事に書かれている様なものは何ひとつ目撃しなかったと証言している(因みにこの記事の情報源は、フランクフルト在住の匿名の活動家だ)。
ITVの記事は次の様に書かれた「極秘」の内部命令文書を、この軍病院が実際には「屠殺場」である証拠だと主張している。
「身元が特定されていないテロリストの死者については………遺体がティシュリーン軍病院に到着し、番号が割り当てられるまで続行するように。」
シリア政府は兵士/民間人/テロリストに関わらず死傷した者については記録文書を作成し、特に身元が特定されていない死者については、後に身元を確認する為に必ず記録文書を作成しておくようにとの指示を出している。遺体に番号を振るのは身元確認に必要だからだ。極く当たり前の措置だ。これが何故「屠殺場」の証拠になるのだろうか?
つまりこの恐怖物語は恐らく偽情報の流布を得意とする英国諜報部が作り出したフェイクニュースだ。そしてその目的は虐殺されたシリア人達の生命と尊厳を読者達に軽視させることだ。恐ろしいのはシリアの医師達ではない、人々の感情を操って非道な虐殺を正当化しようとする帝国主義者共だ。
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