19世紀から20世紀始めにかけて、アメリカでは、病気を治すための薬として、今の常識では考えられない薬物が街のドラッグストアで販売されており、病院にいかずに治療したい人はそれらの薬を買い求めていた。
そこには、クロロホルム、コカイン、ヘロイン、メタンフェタミンまでが、咽喉炎や歯痛、咳、不眠、うつなどあらゆる病気の治療薬として提供されていたのだ。
これらの薬物は、依存症になったり、時に死に至る危険なものばかりである。現在では、そのほとんどが厳しく制限されているものの、そうなったのはそれほど遠い昔のことではない。
10. 歯痛止めドロップ(コカイン)
今日では、歯痛を抑えるために小さな子供にコカインを与えるなど、とんでもないことだが、1880年代から20世紀初頭まで、庶民が普通の店で買うことができる薬として売られていた。
ジークムント・フロイトは、うつやインポテンツ治療に効果があるとしてコカインの効力を絶賛した。コカコーラが最初に人気が出たのは、成分にコカインが入っていたせいもあったかもしれない。
当初、多くの薬効のある飲料などにはコカインが含まれていた。長く常用していると、食事や睡眠のパターンが乱れ、妄想や幻覚、深刻なうつやひきこもりになる可能性がある。コカインはアメリカで1920年に禁止されたが、そのときはすでに市場に定着していた。
9.バイエル塩酸ヘロイン(ヘロイン)
製薬会社バイエルはヘロイン(ジアセチルモルフィン)を開発して、1898年から販売し始めた。
今ではヘロインを過剰摂取すると死に至ることがわかっているが、当時は咳止め、モルフィネやコデインのよりずっと良質で安全な鎮痛剤として奨励されていた。ヘロインは効果的な治療薬として広く受け入れられていたのだ。
当時は、肺炎、結核、ただの風邪ですら、たたりのせいだと思われていて、たくさんの医者に無料のサンプルが渡されていた。
しかしすぐに翌年には薬が効かない人々が現れるようになり、それから数年で依存症が報告されるようになった。バイエル社は1913年にヘロインの製造をやめ、アメリカでは1924年に禁止された。
8.キンボール・ホワイト・パイン・アンド・タールの咳止めシロップ(クロロホルム)
これにはごく少量のクロロホルムが含まれており、風邪や気管支炎の治療薬として販売されていた。1847年始めには、クロロホルムは喘息を緩和する薬、普通の麻酔薬として使われていた。
エーテルの良質な代替品として絶賛されていたが、心臓や呼吸器官に致命的な影響を引き起こすことがわかった。
吸い込んだ後で多くの患者が死亡したため、医者たちはエーテルの使用を復活した。それでもまだ、クロロホルムはうがい薬や軟膏に使われていた。ついに1976年、動物実験で発ガン性があることがわかり、FDA(食品医療品局)が人体に使うのを禁止した。
7.ミセス・ウィンズローの精神安定シロップ(モルヒネ)
1849年、ミセス・シャーロット・N・ウィンズローは、メイン州であるシロップを販売し始めた。これは炭酸ナトリウムとアンモニア水のような比較的害のない成分を含むシロップだったが、1液量オンスにつき65mgのモルヒネが入っていた。
乳歯が生える時期の子供がおとなしくなるというふれこみで宣伝され、ある母親はニューヨークタイムズに、その効果はまるで魔法の薬のようだと投書した。息子に与えると、痛がることもむずかることもなく、すぐに寝入ってしまったというのだ。
しかし、モルヒネの過剰摂取で、子供たちが永遠の眠りにつく危険性があった。1911年、米国医師会はこのシロップを乳児キラーとして告発したが、イギリスでは1930年まで市場に出回っていた。
6.エルゴアピオール(麦角とアピオール)
麦などに寄生してできた菌核である麦角と、セロリやパセリなどに含まれる有機化合物であるアピオールでつくられた薬。
1900年代始めに生理不順の治療薬として販売されていた。中世の時代から分娩後の出血を抑制したり、時に中絶にも使われていた。
かなりの毒性があり、血行不良を引き起こして壊疽を生じさせることもある。麦角は幻覚を起こすこともあり、アピオールは大量に摂取すると、肝臓や腎臓にダメージを与えることがある。
5.ネンブタール(バルビツール酸塩)
ペントバルビタールとして知られるバルビツール酸塩は、1928年に開発され、1930年にドクター・ジョン・S・ランディによって初めて、ネンブタールの商標名で使用された。不安や恐怖、胸騒ぎなどを和らげる効果があるとされた。
ペントバルビタールは、FDAに認可された鎮静剤で、発作や不眠治療に使われているが、神経症の子供に座薬として投与する場合は危険なことがある。
思考を妨げ、反応が鈍くなるだけでなく、依存症になって過剰摂取すると死を招くことがある。
4.クワルード300(クワルード)
メタクアロンの商標名で、1962年にアメリカで初めて特許を与えられた、鎮痛剤、筋弛緩剤、不眠治療薬。非バルビツール酸系だが、バルビツールと同じ効果がある。
中枢神経系の活動を低下させ、心拍や呼吸数を減らし、手足が麻痺する。常用者は効果がなくなるため、摂取量が増えて死に至る場合がある。
60年代後半~70年代にかけて、気晴らしで使用する人が増え、1982年以降、アメリカでは販売されなくなった。
3.シガーズ・デ・ジョイ(タバコ)
19世紀半ば、ふたりの著名な医師が、喘息治療のための喫煙を勧め始めた。そのうちのひとり、イギリス人のヘンリー・ハイド・ソルター医師は、喘息は神経症や興奮状態が原因で、気管支の筋肉が痙攣して起こると信じていた。
ソルターは肺から病気の原因を引っ張り出す治療と称して、刺激物をはじめ、クロロホルムやチョウセンアサガオなどの鎮痛剤や、タバコまでさまざまな治療法を行った。今日では喫煙は喘息を悪化させ、発作の引き金となり、まったく逆効果なのはわかっている。
2.アヘンチンキ(アヘン)
10%前後のアヘン散を含むアルコール抽出物で、強烈な麻薬作用があり、痛みを消滅させる効果があるとうたわれて販売されていた薬だ。
1676年初頭から、さまざまな不調の治療に用いられ、1800年代には、髄膜炎から生理痛、黄熱病まで、あらゆる治療に使われた。
乳歯が生えるときのむずかりやお腹の不調、腸の張り、ひきつけなど、幼児にも与えられた。しかし、依存性についての注意点はなく、便秘、かゆみ、呼吸窮迫や瞳孔収縮などが引き起こされる可能性がある。まだ入手可能だが、限定されている。
1.ノロディン(メタンフェタミン)
うつによく効くメタンフェタミンの商標名で、もっとも恐ろしい薬である。長期に常用すると自殺に結びつく。
うつ状態の心の闇をはらい、副作用も比較的少ないとうたっているが、食欲不振、歯軋り、不整脈、不眠、異常血圧、心臓麻痺、卒中などの生理学的な影響についてはなにも注意していない。依存性も強く、もっとも克服しにくい。
今日でもADHD(注意欠陥過活動性障害)や肥満の治療に使われることがある。
鬱の薬で自殺したくなるって意味ないじゃん…
メタンフェタミンは現代の日本でも処方されることがある。
大日本住友製薬ヒロポン295.2円/錠。
ttp://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00006946
19世紀のイギリスでは、子供たちを大人しくさせておくためにアヘン剤が大流行。
まさにアヘン戦争の時代。
モルヒネを売ってた製薬会社の名前はバイエル(アスピリンで有名な会社)だよ、パルモさん!
昔のとんでも医療って面白いよね
薬じゃないけど、てんかんの治療で脳梁切断したりとか
インプラントとかレーシックも未来の人はびっくりするんだろうな
1.とか5.の公告が怖すぎる・・・
最後の薬、名前に覚えが…と思ったらやっぱり今でもあるんだねえ
こういうの言われたら鬱ってる人が自分で薬止めちゃうのも分かるわ
病院では副作用といつどうなったら治療が終わるかというのをきちんと説明してほしい
メタンフェタミンなら
日本でもヒロポンって名前で売ってたね
溢れ出るfallout臭
最近だけど、ケタミンは無いのね、、、
危険じゃない薬なんてないと思う
当時からお札無限に刷ってる支配者達が争う愚民化するよう
ばら撒いておったワニよ、現在は直ちに影響ない合法的”なもんに摩り替えてるワニ
カフェイン、人口甘味料、コンビニ、ファ~スト
長く摂取する事で糖尿、癌、ボケ、精神など発症するしくみワニ
ベルベット・アンダーグラウンドやドアーズといった受け皿もない時代に
いきなりこんなものでチューンされた子供はどうなってしまうんだろう…
パッケージに時代を感じる。
ていうかいくつか意味わからんパッケージがある。
昔の欧米児童書なんかでナース(乳母・家庭教師)が寝る前の薬として飲ませてるのはコレらのことだったんかな
ピーターパンでも犬のナナが子供たちに一匙ずつ出してたけど
麦角アルカロイドのエルゴメトリンは今でもよく使うよ。
分娩後に血が止まらないとかのときはかならず使う。
日本でもヒロポンとか
怖えー
今の薬や食品も十年後に禁止されるものとか有ったりするのかな
アルコールが規制される日も遠くないかもしれない
バイエルン社じゃなくてバイエル社ですよー
実際の効果を知った上で薬の広告を見ると
下手なホラー映画の広告よりも怖い
違法薬物は危険性を根拠にすることが多いけど、これ人生観とか世界観とか親子関係さらには国民経済や国防の問題。
親、学校、警察、しきたりなどを目の敵にしている人にとって違法薬物はとても魅力的に見える。
頭の固い彼らには思いつかないが、学校が気に入らなければ自分で勉強すればいいし、上司が気に入らなければ起業すればいいように実は法律を冒さずとも案外自由はたくさんある。
その努力を放棄して快楽を得るという楽な道が薬物。
もし有害性のない麻薬が完成した時に予想されるのは、何かを成し遂げようという意欲が失われ国家が衰退しすること(意欲の減退は大国ソビエトの崩壊をもたらした)。
実際アヘン戦争の時、アヘンが蔓延した清は戦争に負けた。
もしアメリカに敵対するテロリストなら、テロを起こすより麻薬を広めるほうが効果的だろう・・・実際テロリストが麻薬密造・密輸にかかわっている。
メタンフェタミンを作ったのは日本人だったりするよ
商品名はヒロポンな
たぶん今だって似たようなもんなんだろうな。
タバコだって規制されかねない勢いだし、怪しいクスリはゴマンとあるし……
知らなかったけど、正露丸が実は危ない、って最近言われてるのね。
昔から家に有って当たり前の常備薬だったけど、知らなかったよ
こういうのを見ると、薬と毒は紙一重ってのがわかるねぇ。
もしかしたら、今常用している薬の中にも、未来じゃ「毒物」として認定されているのもあるかもしれないってことだね。
薬に頼らずに生きられるのが一番さね。
>乳歯が生える時期の子供がおとなしくなる
乳歯が生える時期の子供がおとなしくなる…。
漢方なんかの考え方もそうだけど、食物でも摂取し過ぎれば毒になるし、必要な時には薬にもなる。
因みに、大麻は鎮痛作用・食欲増進など有用な薬理作用が多く、かつ依存症などの有害作用が弱い(タバコやアルコールよりよほどマシらしい)とのことで先進各国で合法化の動きがある(ただし、酒類と同じく治安悪化の可能性を取沙汰されるなど反対の声もある)
麦角って、薬として使用された時代もあるとは聞いていたけど、もっと昔のアンダーグラウンドな使い方だと思っていたよ…
誰かが言ってるけど、欧米の児童文学によく出てきた子ども向けのシロップって、かなり恐いものだったんだな
本当に半世紀後、今出回ってる薬はとんでもない有害な薬となってんのかも
麦角ってあの魔女裁判のもとになったやつ?
当時は信じて疑わなかった。
本質が見えてくると、事の重大さがわかってくる。
当たり前とか普通とか、時とともに変わってしまうものなのよね。
“みんなが~だから”とか“あの人が~だから”っていう行為規範が、いかに脆弱で危険なものであるかということの説得力を強く与える記事ですね。
麦角はLSDの原料にもなっている。幻覚作用がでるのは、当然と言えば当然。
飲用ラジウムは正規の薬じゃなかったのか
抗うつ薬は基本的に、今でも自殺率を高めるものだけどね。
高めないという研究結果もあるけど少数派意見。
家族がうつの診断受けても、慌てて薬飲ませないようにしたい。
今もあるんじゃないか?トンデモ薬?
日本もその昔、 ヒロポンと言う薬品が普通の薬局で買えた。
夢の国に行ける魔法のシロップを、眠る前に一口…
みたいな欧米の童話にありがちなシチュって実は怖い話だったんだな…
>36
アメリカで販売されていたとんでもない薬っていったら、当然その辺が入ってくると俺も思った。
「なんだかよくわからんけど体に良さそうだ!」と、放射性物質をドリンクしていた昔のアメリカ人はワンパクすぎる。
「暗闇で光るこいつを体に塗ればきっと凄いパワーが得られるに違いない」と思い込んでセシウムを体に塗りたくった人たちもいたよね。
ありゃブラジル人だか。
ポップな広告が逆に怖く感じるな
Fallout 3を感じた。
メタンフェタミン→リタリンの使用が制限されたために
最近では兵士(特に飛行機乗り)へモディオダールを投与している
今の薬も何十年か後には毒と言われてるかもしれない・・・
試行錯誤をしてどんどんいい薬ができてくんだな
超危険薬物だの放射能物質だのと
昔は考えられんほどの危険なモンがいっぱいだったんだな
この時代に生まれなくてよかったわ
今日では喫煙は喘息を悪化させ、発作の引き金となり、まったく逆効果なのはわかっている。
え?誰がいつ解明したの?これって初めて聞いたんだけど・・・
ヒロポンは俺の小学生の時のあだ名だったわw
今の薬が未来の毒というか、薬はみんな毒だよ
だから用法容量を守らなくてはいけないわけで
塩ですらどんぶり一杯飲んだら死ぬんだから過剰反応しすぎです。
今の薬だって医学が進めばトンデモ薬の可能性を秘めている訳だね。
アメリカでもあったんやねそういうの
日本だとヒロポンだね
日本も調べれば他にもいっぱい出てきそう
某酒に混ぜるセックスドラッグが出てないじゃん
一時のアレの猛威はすごかっただろ
昔 咳止め液「ブロン」にメト アンフェタミンが使われていて
薬物乱用問題に発展した記憶があるのは俺だけか?
まぁ、ドーパミン分泌誘導体だから確かに危険だわな。
過剰分泌で脳が\(^O^)/オワタ状態・・・
メタンフェタミンの悪名は有名すぎるほど有名だね
体に塗りたくった奴は、ナニカの手違いで放射能を帯びた廃棄するべき部品が市場に出回りスクラップ業者が粉末状に。光るもんで子供が喜んで塗りたくって遊んで白血病だかで死亡したって話があったな。
今だからこそこえーとか言えるけど、当時は安全だと信じるしかない。
それは今でも同じ。
現に今でも、子宮頸がんワクチンの副作用問題とかがあるよね。(薬じゃなくてワクチンだけど)
むしろ先人達が過ちを犯してきたからこそ、今の安全な薬があると言うべきかもしれない。
アメリカでは80%が分娩時に麻酔を使用している。
そして先進国の中でずば抜けて乳児死亡率が高い。(メキシコより高い率)
だから分娩時の麻酔と乳児の突然死に関連があるんじゃないかって言われてて、自然分娩をしようって動きが始まっている。
なのに今、日本ではアメリカの後追いで無痛分娩を流行らせようとしている。
ただでさえ少子化なのに、乳児死亡率まで上がったら…と怖いんだが…
無痛分娩もいつか「ありえない」って思われる日が来るんだろうか?
ADHDは、注意欠陥多動性障害 ですよ。
Wikipediaにも書いてあります。
ラドン温泉って大丈夫なのかなー
現代のクスリも後世になったらあんな危険な成分が入ってるクスリつかうとかマジ中世笑みたいにいわれるんだろうな
うちの薬大好き爺さんは、正露丸が大好きなんだが。。94歳ピンピン。心配したが大丈夫だな
ドラマGleeで使われてたコフ・シロップって歌。
追い詰められた子が自殺未遂おこすときのポップなんだけどすごく物悲しい歌で、「なんで咳止め?」って思ったけど…
ラリっちゃうお薬なのね…
抗うつ剤パキシルも発売当初は副作用のない夢のクスリ
だったけど今や自殺犯罪誘発ドラッグだもんな
ひどい目にあいましたええ
箱のデザインはすごくいい。アールデコ調のいわさきちひろのイラストみたいなのが好き
モルヒネって末期がん患者が痛み止めに使う奴だろ
ち、ちがう
これ(ら)はただのビタミン剤じゃ……。
エナジードリンクとか将来的に規制されそうな成分入ってそう
ぜんそくたばこ一箱ください
昇天します。