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10の魅力的な科学効果と心理効果

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 効果とは、なにか別の結果を引き起こす現象がはっきり目に見えることをいうが、どうしてそうなるのか、完全に理解されているわけではない。どうしてチェリオスはミルクを入れたボウルの縁に集まるのか、なぜブラジルナッツは入れ物の上部にかたよるのか、どうして人はいつもすべてにおいて自分が正しいと信じるのか、なぜシャワーカーテンが体に張りつくのか、それらを科学的、心理学的に見ていくことにしよう。

10.チェリオス効果

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 小さなものは水に浮かべると群がって、容器の端に向かう傾向がある。朝食のシリアル、チェリオスにちなんで、これをチェリオス効果という。これは表面張力で説明できる。液体の表面はシールドのような役目を果たしていて、浮かんでいるものが液体の中に沈み込んでいくのに抵抗している。

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 チェリオスのようにミルクよりも密度が低いものは、表面張力のせいでミルクの表面に浮く。しかし、チェリオスのせいでミルクの水面がわずかに下がって、近くのチェリオスのまわりも同じ状態となる。最初のひと粒のチェリオスによってわずかな沈みが引き起こされていく。体よりも密度が低いものは、表面張力があってもなくても浮くため、より高い場所を探して容器の端に向かうというのがこの現象の説明だ。

9.ブラジルナッツ効果 

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 グラノーラ伝達、またはミューズリー(シリアル)効果としても知られる。大きさの異なる粒タイプのものを振ると、一番大きなものが上に浮き上がってくる現象のこと。ミックスナッツを振ると、粒が大きいブラジルナッツが、他の小さなナッツよりも上のほうに出てくる傾向があることから、この名前がつけられた。大きく重いものは下へ、小さくて軽いものが上に出てきそうだが、そうではない。

 初めてこの現象が研究されたのは1930年代で、よく知られているわりには、謎が残っている。ここではいくつかの別の力が働いている。大きな粒の間にできた比較的大きなスペースから、小さな粒が下に落ちる濾過現象と、大きな粒を上に送る(それ以上行きようがないので、容器の出口にたまる)伝達現象だ。しかし、温度に関連する圧縮を含む別のメカニズムも関わっているかもしれず、上記の現象とは矛盾する逆ブラジルナッツ現象というものも知られている。密度と圧力の役割についてはまだ研究中である。

8.合意性の過大評価 

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 まわりが自分の意見に賛成してくれるはずだと過大評価する偏った認識をもちやすい友人が少なからずいるものだ。一般的に人は自分が信じているもの(行動、思考、会話など)は常識的で正しいと思う傾向にある。心理学で知られる利用可能なヒューリスティックというものが原因のようだ。これは、とっさに心に浮かんできたものをベースにした、物事を判断するときのプロセスのこと。

 友人や家族など、意見や信念を分かち合うことのできる人と一緒にいると、こうした閉鎖的なグループそのものが、合意の過大評価につながる可能性がある。自分がおかれている立場に自信があり、比較的重要なことを話しあっているとき、合意の行動が増幅され、この過大評価の影響は増すようだ。

7.ホットチョコレート効果 

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 マグにミルクか水を入れ、金属のスプーンでマグの脇や底をたたいて、音を聴く。それからホットチョコレートミックスひと袋をそのマグに注ぎ、またたたいてみると、その音はさっきより低くなる。粉が溶けると、また音は高くなる。

 これはホットチョコレート効果と呼ばれ、1982年に物理学者のフランク・クロフォードによって初めて研究された。マグの中に新しいものが入れられて、内容物が変わると、音のスピードが変わる現象のこと。特にパウダーが液体に当ってできる泡の濃さによって、聞こえる音に変化が生じるのだ。

6.レイク・ウービゴーン効果 

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 優越性の錯覚として知られる、偏った認識のひとつである。自分が特別な能力、技能、知性を持っていて、他人より優れていると思うこと。ガリソン・ケイラーの小説に出てくる町レイク・ウービゴーンの子供たちが並外れていたことから、この名前がつけられた。ドライバーによく見られる傾向。1981年、アメリカ人、スウェーデン人のドライバーを対象に研究した結果、93%のアメリカ人、69%のスウェーデン人が、自分は普通の人より運転がうまいと自己評価していることがわかった。

 この現象はいたるところで見られる。学校で子供たちは自分が人気者であることをひけらかすし、自分は人よりいい恋愛関係をしている、レベルの高い人たちとつきあっていると考えたがるものだ。

5.名前の文字効果 

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 人は自分の名前についている文字(アルファベット)、特にイニシャルを好む傾向がある。頻繁に書き、目にする文字だから驚くことではないが、とんでもない場所で無意識のうちにこの現象が現れるのがおもしろい。自分の名前のアルファベットと、日常生活の中での判断や、成功や失敗といった体験は、密接に結びついているという。

 たとえば、一連の研究によると、人は自分の名前に似た都市や州に住みたがり、言語的に自分の名前に似た職業に就く傾向にあるという。友人を見つける基準もおそらく同じだろうという。

 これはネガティブな影響が現れる可能性もある。サンディエゴ大学とエール大学のふたり教授がある実験を行った。苗字や名前がK(三振のシンボル)で始まる野球選手は、ほかの選手より三振する確立が高いという。自分の名前のイニシャルが、低いパフォーマンスを表す言葉の頭文字と一致すると、成功を妨げられる傾向にあるということになる。しかし、これらの研究の正当性は疑わしいし、この結果は単なる統計の産物によるだけなのかもしれない。

4.自動運動効果 

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 夜の森のように真っ暗闇の中にいて、小さな光の点が見えたとする。それを凝視していると、実はまったく動いていないのに光が移動しているように見えるという現象。まわりはまったくの闇で、目が基準にするものが何もない場合に起こりやすい視覚の現象で、空間の中で光の位置を定めようとする脳の能力が混乱している状態。目の筋肉がわずかに動くため、網膜で光のイメージが動き、実際に光も動いたように感じるのだ。

 特に害はないように思えるが、この現象は夜間飛行する航空機のパイロットにとっては危険な場合がある。誘導灯にしたがって着陸するときのパイロットの目に錯覚を起こす可能性があるのだ。また編隊飛行したり、空中で燃料を補給したりするときなどにも影響が出るおそれがある。自動運動効果が、多くのUFO目撃の説明として引きあいに出されるのもうなずける。

3.シャワーカーテン効果 

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 あなたは鼻歌を歌いながら、温かいシャワーの湯をを浴びている。窓は閉められていて換気はない。すると突然、シャワーカーテンがあなたにからみついてきて、じっとりと体に巻きついてくる。あなたは必死でカーテンから逃れようとするが、はがれない。いったいなにが起こったのだろう? これはシャワーカーテン効果と呼ばれるもので、研究されているがよくわかっていない。下記のようなさまざまな説がある。

(1)浮力:
温かいシャワーによって空気が上昇し、冷えた空気と入れ替わると、浴室の気圧が不均衡になり、シャワーカーテンがバスタブの内側に動く。この説の問題点は、冷たい水のシャワーでも同じような現象が起こることの説明がつかないことだ。

(2)ベルヌーイ効果:
シャワーヘッドから出る湯のスピードが速いと、その圧力は減少する。流速と空気の圧力とがせめぎあって、気圧が変化するため、カーテンが動く。飛行機が浮き上がって飛び立てるのは、この原理で翼がつくられているからだ。

(3)水平渦巻き運動:
水のしぶきから生じた水平の渦によって、気圧のバランスが崩れるため。

2.シルヴィア・プラス効果 

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 より創造性に優れた者は、鬱状態や精神の病に陥りやすいという説で、精神の病に苦しんだ女流詩人からその名をとられた。創造性と精神の病のつながりは、長いこと研究されてきた。アリストテレスも優れた創造性をもつ作者は、鬱病に引きつけられやすい傾向があるというようなことを言っている。

 アメリカの心理学者ジェームズ・C・カウフマンは、創造性が精神疾患に与える影響についての調査を行い、2001年にシルヴィア・プラス効果という言葉を生み出した。精神疾患がひきおこされる原因、創造性との不明瞭な因果関係など、多くの学術的な研究がなされてきたが、いまだに精神疾患と創造性の関係ははっきりとはわからない。しかし、創造性と精神疾患は確かにつながりがあり、より創造力の優れた人、男性より女性のほうが影響を受けやすいことは確かなようだ。

1.ワゴンホイール効果

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via:listverse 原文翻訳:konohazuku

 スポークのついた車輪が、乗り物が進んでいる方向とは違う回転に見える視覚の錯覚。車輪の動きよりゆっくりだったり、止まっているように見えることもある。なぜそう見えるかは完全には解明されていない。

 車が出てくる映画を見ると、これは説明できる。それはストロボスコープという映画の性質と関係している。映画は静止画を一秒間に24コマという高速で連続して動かしたものをとらえたものだ。視覚的には情報を見落としているが、脳には論理的にその見落とした情報が書き入れられている。車が高速で走っていると、車輪はひとコマの中で一周しているかもしれないが、見る者の目には逆回転しているように見える。

 ただし、これが現実の生活の中で起こることに、明快な説明はつかない。私たちの脳は視覚の情報を、映画のように静止画の連続としてとらえているからという説もあれば、私たちの脳内で、ふたつの視覚の解釈がせめぎあっていて混乱しているからだという説もある。

追記(2023/02/08)本文中の誤字を訂正して再送します。

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この記事へのコメント、19件

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  1. 俺はしょっちゅうカラパイアで読んだことを知ったかぶりして
    友人、知人に話したりネット上でひけらかすんだ。
    特に「なんとか効果」とか「なんとか現象」とかは、
    まるで自分が発見したような顔で他人に話してしまう…
    だから、こんなページはブックマークしておくんだ。
    そうしないと「フニクリフクラ現象」とかアホな言い間違いしてしまうからね。

    1. 今読んでいる文章に口調が似てしまう現象を「※1現象」と言うんだ。
      普通自分で気付いて直すものだけど分からない人もいる。

  2. 風下にいるもんだから煤が自分の方に流れてるじゃないか。
    それに、これじゃあ煙突内側面の煤は取れていない。
    こんなので飯食えるの??
    ロシアはぬるいねえ。

  3. ブラジルナッツ効果、日本だとお茶漬け海苔効果だよね。黄色いのが上に集まってくる。

  4. 太宰さんとかの自殺しちゃった作家・アーティストは、「シルヴィア・プラス効果」というものが関係してるんかね?
    圧倒的な創造性を発揮するためには、ある意味で、常人とはかけ離れた精神状態でなければならないと考えれば、必然なのかもねえ

  5. きっと脳が疲弊してしまうから鬱になる。長い脳作業の後、脳が極端に充血し疲労感に襲われる。経験者でなければ理解出来ない現象だろう。

  6. カレー効果
    晩御飯がカレーの時、ソレを事前に認識していなくても「ちょうどカレーが食べたかった気分」になっている現象
    その現象の理由は 俺は毎日カレーが食べたいと思ってるから

  7. コンビニでバラバラに入店した客が一斉にレジに並ぶ現象。
    タバコを吸うと煙は吸わない人に向かっていく現象。

  8. 自分の置かれている状況が不本意な場合、隣のいる人の言葉に「失礼」「無礼」「無神経」「悪意がない分タチが悪い」とかみついてくる現象『八つ当たり噛みつき現象』
    今現在、友人が失恋をし被害にあってる自分の状況を客観的に見て。

  9. >シルヴィア・プラス効果
    創造性が高い≒独創性が高い=その考えを理解してくれる人が少ない=精神的孤独→鬱
    みたいな感じかなのかな~、と妄想。

    1. ※14
      中には有名な作品を残して人から認められた人も居るから、それは少し違うんじゃないかな
      創造的活動をすると現実的な行動から離れていくからね
      肉体的な世界から長く離れると鬱になりやすい、って感じの様な気がする
      故に創造的というよりかは空想的って言葉の方がしっくりくるな
      必ずしも創造的な事をしているとは限らないと思う
      しかし鬱の男女比に関しては、どの国でも男性の方が自殺率が高い事を考えると、男性は病院に行く前にさっさと死ぬだけで、実際の鬱の割合はそこまで差は無いんじゃないかなって思うよ

  10. 9.ブラジルナッツ効果
    これは振動を加える事により
    ナッツを流動層にして比重分離をしているんじゃなかろうか?
    粉体の浮沈分離の一つにあった気がする。

    1. ※16
      んーさっさと自殺というより柔軟性が低いからってイメージはあるが・・・
      自分はちょっとそっちの世界関わってたけど
      女性は案外早く(重くなる前に)さっさと行動して直してるって感はあったよ
      男性は重くなっても、そうではないと認めないから重度になって自殺する
      って悪循環になってると思う。なんて表現していいかわからんが
      男性は自分より下になるのが嫌だという意識が女性より高いと思うんだよね。
      まあ、女性は女性で男性とは違ってお花畑な頭してるのが比較的多いみたいだから
      女性が精神の安定性では上とも言えんけど・・・

  11. シャワーカーテンがはりついてくるのは静電気のせいだと勝手に思ってたけどそうじゃないのか。

  12. 誤字指摘
    (問い合わせフォームからのほうが助かるというのでさっきからやってたけど、めんどくなったのでこっちで)

    10.チェリオス効果
    の説明文

     チェリオスのようにミルクよりも密度が濃いものは、
    →チェリオスのようにミルクよりも密度が低いものは、

     しかし、チェリオスのせいでミルクの水面がわずかに水面が下がって、
    →しかし、チェリオスのせいでミルクの水面がわずかに下がって、

     液体よりも密度が薄いものは、
    →液体よりも密度が低いものは、

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