和木の家
和木の家が半壊しているという情報が入ったので行ってみた。年末年始と降り続いた雪の重みで痛んでいる部分が耐えきれなくなったのだ。半壊したといっても玄関のある下屋の部分だけだが、母屋も時間の問題だろう。ついこの間までこの家に住んでいた従弟の話では、危険家屋ということで佐渡市から解体して貰うことになっているとのことだ。
何年も前からこの日が来ることは分かっていたが、実際に目の前にすると居たたまれない気分になる。和木の家は母の実家で盆と正月には泊まりに来て、親戚の子供たちと前の浜で海水浴を楽しんだり裏の酒蔵で探検ごっこ等をして遊んだものだ。
和木の家に来たついでに裏の酒蔵を覗いてみた。倉庫も以前訪問した時より更に痛みが進んでいた。朽ち果てた外壁や割れたガラス窓から容赦なく吹き込んでくる風雨のため川上家の貴重な書物や家族間で交わされた書簡なども黴が生えたり文字が消えてしまっているものもあった。
建物はここまでくればどうすることも出来ないが、せめて喚濤翁の追年碑と煉瓦煙突はこのまま遺してもらいたいものだと思いながら和木の家をあとにした。
今日の写真は生々し過ぎるので水彩画風にレタッチしてあります。