長江川の一堰(いちのせき)で生き物調査をしました
8月18日、上横山のみどり保全会で生き物調査をしました。みどり保全会というのは要約すると地域の高齢化や後継者の減少で維持管理出来なくなった圃場や農道、水路を維持管理するために設けられた団体で、草刈りや水路の泥上げなどの他にこの生き物調査という活動もあるのです。
そしてこの生き物調査というのは、地域の子供たちと一緒に地域内の田んぼや水路などでどんな生き物が生息していることを調べることによって、自分たちが住んでいる地域がどんな環境になっているかを知るという目的で実践しているのですが、もちろん講師がいて上横山では生きものおじさんとして活動している小野さんという方です。
いつもは西野地区の圃場(田んぼ)を借りて生き物調査をしていたのですが、そこは日差しを遮る木陰がなく熱中症の心配があったことやたまには違う場所で調査してみたいという要望もあり、今回は吉井地区の圃場の水源となっている長江川の一堰(いちのせき)を選んだということです。
前置きはこの位にして、生き物調査のレポートに移りましょう。一旦上横山の集会所に保護者と一緒に集合した子供たちは近藤代表の挨拶と注意を聞いてから、保護者が運転する車に便乗して目的の一堰に向かいました。一堰では先にみどり保全会のスタッフが川に降りる斜面の草を刈ったり危なそうな場所を修復したりしていました。
調査隊(?)が一堰に到着すると、スタッフから「ここは長江川から吉井地区の田んぼに水を引く為のゲートがある一堰です。今から60年位前にはここに吉井村の発電所がありました。ということで今も昔も重要な場所で、おじさんも君たちの頃にはここでアユやイワナなどの小魚を捕ったりして遊んでいました。いまどんな生物がいるか一緒に調べてください」と簡単な説明を受けるとバケツや網を手にした子供は保護者と一緒に渓流に入って行きました。
子供たちが生き物調査をしている様子をゲートがあるコンクリートの橋の上から、流れの緩い川渕でアメンボやミズスマシが見つけられる位、たまにオニヤンマが通り過ぎる位だったので、もしかしたら今日は何も収穫がないかもしれないなあと思いながら眺めていました。実は講師の生きものおじさんも、もし何も獲れなかった時の為にヘラクレスオオカブトを持って来ていたのです。
ちなみにこのヘラクレスは成虫一匹1万5千円もするのだそう。生きものおじさんは成虫は買わずに一匹千円ちょっとの幼虫を5匹購入し一冬このヘラクレスのの幼虫だけの為に暖房設備を用意して育てたら一匹だけが蛹から脱皮してこの日持参したヘラクレスオオカブトになったのだそうです。生き物おじさんの話では「ヘラクレスオオカブトはアメリカとブラジルの間に点在する熱帯の島に生息しているカブトムシですが寒いのは勿論駄目ですが暑過ぎても上手く育たない」とのこと。
生きものおじさんのヘラクレスオオカブト
そんな私や生きものおじさんの心配をよそに、小一時間たっぷり生き物調査をした子供たちはそれぞれのバケツにトンボのヤゴやケラやイトミミズのような得体の知れない生き物を泳がせて上がって来ました。中には佐渡ではドベカチと呼ばれているハゼ科の小魚や沢蟹を捕獲した子供もいました。私もまさかドベカチが居るとは思わなかったので何十年振りの再会だよなあと当時のことを思い出しながら眺めていました。
捕獲した生き物を集会所に持ち帰り、生きものおじさんが用意した図鑑と見比べながら自分が捕えた生き物の名前を調べこの日の生き物調査は終了しました。生き物調査が終わると講師の小野さんは「皆さんが捕獲した生き物は私の方で元居た場所に返しに行きますので、その辺の川に放流しないで下さい」と言ってましたが、これも大事なことだなと思いました。