「昭和の佐渡綴り」清水薫写真展
清水薫写真展(未編集) ※クリックで再生
10月19日から新穂資料館で「昭和の佐渡綴り」清水薫写真展を開催しているので取材してきました。この写真展は2011年に発行した清水薫の著書「昭和の佐渡綴り」から佐渡に纏わる写真をピックアップして展示したものです。この日は写真展の初日ということで佐渡テレビの「佐渡よもやま話」や島内外各地で公演活動などで活躍しているダン渡辺氏が、清水薫氏との思い出話や写真の風物、写真に登場する人物像を臨場感たっぷりに紹介していました。
「昭和の佐渡綴り」清水薫著
悪戦苦闘のバス路線
昭和30年代の稲鯨集落を走行する定期観光バス。道路が狭いうえ民家が密集し小屋根が付き出している中を佐渡おけさを歌いながらハンドルを操作していたという。当時運転手志望者は佐渡おけさが上手に歌えれば一発合格だったそうです。
両津高校のおけさ指導
これは両津高校の校舎前でのおけさ指導風景。当時の生活指導の某教師が島外に旅立つ生徒に「佐渡おけさと算盤を身に付けておけば就職に有利になる」と熱心に佐渡おけさを指導していたとのこと。渋沢栄一の著書に「論語と算盤」があるが両津高校の教育方針は「佐渡おけさと算盤」だったのかもしれませんね。
路線バスにもガイドが乗車
このバス停をよく見ると金北山線というのがありますが、「金北山線がどこまでつながっていたか?」と問われても答えられる人はいませんでした。
天才画家山下清画伯来島
ダンさんは山下清に纏わるエピソードもかなり調べており、その中のいくつかを紹介していました。幼少の頃や無名時代には相手すらされなかった山下が晩年に天才画家の称号が与えられると手のひらを返したように注目を浴び、ついには新穂の墓に葬られていた骨さえ本土に運び去られたというようなことも紹介していました。
佐渡で初の革新代議士誕生
45歳で衆議院選新潟1区で初当選し佐渡で初めての革新系代議士が誕生。清水さんは報道記者という職業柄かそれとも人柄からなのか右左の区別なく政治家との交友があったそうです。
ダンさんの解説を耳にしながら清水薫のモノクロの写真を眺めていたら、いつの間にかその時代にタイムスリップしていく自分がいました。昭和30年代の当時としては何の変哲もなかっただろう風物をモノクロームで切り取った写真たちが、半世紀の時を経て現在に蘇った写真展といっても過言ではないかと思います。