しっとう？岩田亜矢那

椿は冬の花で夏の浴衣の柄にするには季節感が無い。
また椿は、枯れたときに、花の首の部分が落ちてしまう。
枯れるときに花や首が落ちる花は「死」をイメージさせてしまい、病状回復を目指す患者には不向きと
お見舞いに持って行ってはいけない代表的な花とされるくらい、
余り験が良いとは言えない。
（但し、花言葉は「完全な愛」「完璧な魅力」「女性らしさ」「誇り」
「控えめなやさしさ」「美徳」「おしゃれ」「理想の恋」
「私は常にあなたを愛します」等々、悪くない）

このことから何者かがお向かいの子に呪いをかけた浴衣を渡したが、
皮肉にも別の子が着てしまう。
前述の通り、椿の花は首が落ちる事から、
被害者はワイヤーで首が切れて落ちた。

昨年、文化勲章を授与されてマスメディアの前に現れはった時、
いつまでも若々しくて「男」だった健さんも、さすがに「ええおじいちゃん」にならはったなー。
とちょっと複雑な気分でいた。
遺作となってしまった「あなたへ」の頃から、いつも精悍だった健さんが、
色白にならはって、なんかぷよっとしたみたいで、
今考えたら、「老い」では無く、病魔と戦ったはったんかなぁ。

この年齢の俳優さんの作品は、ある程度の覚悟をもって見せて貰うんだけど、
「健さんが死なはった」
って聞いたとき「えっ？」とびっくりした。
83歳だから、もうそういう事が訪れてもおかしくない年齢のなんだけど、
「健さんでも死なはるんや」
なんて不思議な感想をもった。

弔意を表す程、きっどさん自身まだピンと来てないから、止めておく。
健さんがあっちで、若かりし頃に戻って、
閻魔さん相手に唐獅子牡丹見せて啖呵切って大立ち回り、
こっち帰ってきゃはるかも知れんしな、
健さんやし。