老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

公金の研究(7―3)カーボンオフセットの理想理念とそれから見える公共建物の無思慮さを表す一つの例

2023-03-28 16:37:17 | 環境問題
公金の研究(7―3)カーボンオフセットの理想理念とそれから見える公共建物の無思慮さを表す一つの例: カーボンオフセットの理想理念を、無駄を省く手段として定着出来れば、別の取り組むべき施策への原資を生み出す有用な手段となる。
***

カーボンオフセット(Carbon Offset)とは、人の経済活動や生活などを通して「ある場所」で排出された、または内蔵された二酸化炭素CO2などの温室効果ガス(Greenhouse Gas:以下GHGと記す)を、植林や森林保護・クリーンエネルギー事業等のGHG削減活動に関与(投資)することで「他の場所」で直接的、間接的に吸収しようとする考え方や活動のことを示す言葉、とされている。

上の説明を、理想を加えて更に補足説明すると次のように纏める事が出来ると言われています。非常に興味深い考え方を内に秘めていると思うので、以下に紹介します。

1. 人の行うもろもろの経済活動には、CO2等のGHGの排出や内蔵が必然的に伴う。
2. 従って経済活動を計画する事業体は、その経済活動から排出され内蔵されると予測される「GHG量を最小化する削減努力」を計画時に合わせて取り込み行うことが第一に求められる。
3. 「削減努力を尽くした」後にどうしても残ってしまう排出量に対して、それを埋め合わせる目的で事業体は、公的機関から認証済みの活動(例えば植林や森林活動やクリーンエネルギー事業等)を行っている事業体の発行するクレジットを購入する等の行動を併せて行うことが、カーボンオフセットの理念とする行動である。

これら1から3の一連のながれの考え方には、人の活動というものはどうしてもある量の排出GHG・内蔵GHGが発生し、ある量のカーボンフットプリントが足跡として地上に刻まれ残らざるを得ない宿命にあるものだが、地球が無限大ではなく限りある存在だということが分かってしまった現在、当該事業からのカーボンフットプリントを最小化する努力がなければ温暖化等の気候危機を抑制することが出来ず、しかるが故に「最大限の削減努力」が求められ、それにもかかわらず残るカーボンフットプリントについてはGHG削減活動に投資することで、当該事業が及ぼす環境への負荷を更に極小化したい、という私達の願いが根底にあると思う。

そして有限な資源の無駄使いの無意味さ傲慢さに気付き、有限な資源(コモンズ)を他者へも最大限に残しておくことが大切な考え方だということだろう。

理想的な願望と指弾されるかもしれないが、なんとかこの理念を私達の政治経済活動に取り入れていけないものかを最近考えている。

しかし、いま我々の眼前に起こっている再開発事業の様々な様相は、カーボンオフセットの理念からかけ離れた状況で事態は推移しているのではないか、と思ってしまう。言い方を替えれば、私達の願いが叶っていると言える程には社会は成熟してはいないのではないだろうか。カーボンオフセットの理念が掛け値なしで実現される世の中作りの方向性は、しっかりと持ち続けておきたいと思う。

以前にも何回か紹介した、とある公共団体の建物を材料として公金の研究について更に考えを進めてみたい。

指摘する公共団体の建物は、昔は材木置き場で名高い地域の特許関係の外郭団体ビル。敷地は800坪程。そこに現在、都市部で多く見かける、ほぼ全面ガラス張り10階建てビルが立っている。1フロア500坪程と推測されることから、総床面積は500坪x3.3m²x10階=16500平米程となる。

問題として指摘したい点が、幾つかある。
1. 見る限り全面ガラス張りということから、ガラスとアルミとがふんだんに外壁に使用されている総ガラスファサードビル(all-glass Facade Building)ということになる。
2. 鉄筋コンクリート造りだろうからコンクリートと鉄筋もかなりの量を使用しているだろう。
3. 従って1と2の項目から類推できるこのビルに内蔵されているカーボンフットプリント量は、必要以上に大きなものに仕上がっているだろう。そして全面ガラス張りということから冷暖房に要するエネルギーも増大してしまう作りに仕上がっており、ビルの運転操業に関わる電気や燃料から由来するカーボンフットプリント量も必要以上に大きなものになっているのではないか。
4. そして、元材木置き場付近という都心を選んでそこに居を構える必要がそもそもあったのか?ということも問題としてある。

上に指摘した幾つかの疑問点に関連する情報を紹介することで、当該ビルの無思慮さ・それを許している社会の未熟さを浮き出させてみたい。

まずガラスとアルミやコンクリートと鉄筋とがふんだんに使用されているだろうことへの懸念である。これら素材のカーボンフットプリント量についての情報を紹介する。

PLITEQ社の情報記事(9Building materials and their shoking carbon footprints that will surprise you,2022年1月7日)に主要な建築材料のカーボンフットプリント値が紹介されている。カーボンフットプリント値の大きい順に記していく。

アルミ:強度対重量の観点からは高い性能を持っており、容易に利用でき輸送費も安く、劣化しにくく維持費も安いという特徴がある。しかしアルミ1m³(立方メートル)当たり平均して18,009kgの炭素を内蔵している。即ちアルミ製造に莫大なエネルギーが必要ということ。

鋼材:世界の鋼材需要の50%以上が建築業界向け。デザイン性・価格・強度において利用価値は高いが、鋼材1m³当たり平均して12,090kgの炭素を内蔵しており、持続可能な建築材料とは見なし得ないものと言える。

ガラス:建築物にはある割合で自然の光を取り入れることを要請する法律がある。従ってガラスは必須材料ではあるものの、残念ながらガラス1m³当たり平均して3,600kgの炭素が内蔵されている。従って環境に優しい材料とも言えない。

鉄筋コンクリート(Reinforced Concrete):1m³当たり平均して635kgの炭素をその製造工程ならびに輸送・施工工程の故に内蔵している。業界が常用し依存しているところから、もっとも有害な材料の一つといえる。

粘土レンガ:1m³当たり平均して345kgの炭素を内蔵している。

石:粘土レンガとともに人が最初に出会った建築材料。1m³当たり平均して237kgの炭素を内蔵している。

直交集成材(Cross Laminated Timber:CLTと略記される):各層が互いに直交するように積層し接着剤を用いて集成化したもの。今日、低カーボンフットプリント向け建築材料として最も利用されている。デザイン性が高く軽量で強度があり、設置が容易という性能から、大規模なビルに利用されている。音響性や耐火性能も良く建築現場でほとんどゴミを出さないという特徴も持っている。直交集成材は1m³当たり平均して219kgの炭素を内蔵している。日本は建築物規制上、本材料を使用できる場面が限られているのが実情であり、また森林計画経営や切り出しし輸送して、そして加工するという全ての場面において、システムは形の上では整っているものの、血が通っておらず本気度も何時ものことながらあると言えない状況が放置されていると思う。この点については次回取り上げてみたい。

軟木材(Soft Wood Timber:針葉樹軟材):軟材は仕上げ素材として良く利用されている。軟材は1m³当たり平均して110kgの炭素を内蔵している。

練り土:土、白墨、石灰や砂利等の自然素材のみを使用する古代からの建築材料。練り土1m³当たり平均して48kgという最少のカーボンフットプリントを持っている。この長所から現代建築に徐々に利用が広まっている面があるという。

当該ビルには、ガラスとアルミやコンクリートと鉄筋とがふんだんに使用されていると予想され、上記のカーボンフットプリント値からかなり余分なカーボンフットプリントが内蔵されていることになる。カーボンオフセットの理念が働いていたとは思えない所である。

次に当該ビルが総ガラスファサードビル(all-glass Facade Building)に仕上がっているということから、冷暖房に要するエネルギーも増大してしまい、ビルの運転操業に関わる電気や燃料から由来するカーボンフットプリント量も必要以上に大きなものになっているのではないか、という総ガラスファサードビルならではの情報を紹介したい。

総ガラスファサードビル(all-glass Facade Building)を紹介している情報には数多くのものがある。ここでは以下の3つを挙げ、特に3つ目のKuo氏がハーバード大にて先学期に行ったセミナー「より厚みを(Thicker)」についてカレン・シッフ氏が紹介している記事が良く纏まっているので、Kuo氏の思いを紹介しながら、それを中心に総ガラスファサードビルの問題点を考えてみたい。

1. Why glass skyscrapers are bad for the environment. Vontobel 2019年2月12日
2. Can an all-Glass Office Building really be considered Green? By L.Alter Treehugger 2020年5月27日 
3. Heat Magnets:Jeannette Kuo on Mitigating the Harmful Effects of Glass Building Façade Harvard university Graduate School of Design By Karen Schiff 2022 march1

1832年Goetheが死の床で「もっと光を」と言った当時の建物の外壁は、建物の重さを支える役割を持っていたことから「厚み」が必要であった。従って窓は小さなものにならざるを得なかった。その後の数十年間建築物の構造は進化していき、外壁が支える必要のある荷重は低下していき、設計士らは窓を広く取れるようになっていった。

その結果建物の採光性は高まっていった。そしてガラスという素材に注目が集まり、豪華さや贅沢さという性能を建築物に与えるものがガラスであるという認識のもと、ガラスの技術革新が目標の一つとなっていった。

20世紀に至り、透明感を拡大していく傾向を追求した結果、そしてビル外壁がビル荷重を支える必要性も最小化できる技術革新も相まって、外壁にはガラスのカーテンを吊るすがごとくのガラスカーテンウォール(glass curtain wall)・ガラスファサード(glass façade)が出現することとなった。

ガラスカーテンウォール・ガラスファサードはオフィスビルに特に採用され、グローバル資本主義のハイテク世界に参画している象徴と企業に捉えられるに至った。透明な外観は力を象徴する独特の雰囲気をも持っていた。そして社会に開かれた透明性の高い事業体というイメージをも打ち出せる効能も、全面ガラス壁高層ビルが至る所に増殖した要因と言える。

「もっと光を」から誘導されたカーテンウォール・ガラスファサードは、残念ながら「地球の死」に結び付くことになっていった。

日の光は熱気をもたらす。従って相応の冷房装置が必要であり、コスト面だけでなく冷房装置がエネルギーを消費することから更なる熱気を生みだすことになり、地球温暖化に拍車がかかることになる。またガラスは断熱性が劣っており、エネルギー損失を増大させる。

現在非常に多くの高層ビルが全面ガラス壁(all-glass curtain wall)を採用しており、環境への負荷の問題が拡大している。

2019年ニューヨーク市はグリーンニューディール政策に呼応して、今後のカーテンウォール利用ビルに対して厳しい規制を課している。そして総床面積25,000平方フィート(約2320m²)以上の既存ビルに対しては再設計または改築してエネルギー消費を削減するよう要請することになっている。

Kuo氏は「より厚みを(Thicker)」というセミナーで教鞭を取っている。Thickerというタイトルは、古くから使われていた厚みのある外壁物を研究することにより、現在の全面ガラスカーテンウォール(façade)に代わる外壁が創造される可能性があるという考えから付けられている。

Kuo氏の思想は、彼女が育った熱帯のインドネシアにおいて、植民地と化したような造形物としての全面ガラス高層ビルを見つめてきた経験に基づいている。Kuo氏は、西洋の経済発展のイメージに直結したものとして、グローバル企業が全面ガラス高層ビルを利用してきたのではないか、と考えている。しかも、デザイン選択の際には地域特性を考慮することが無くなっている。それ故に持続可能性が期待できない酷暑の地でも莫大なエネルギーを要求する構築物が作りだされることになっている。

Kuo氏は、進歩と力を象徴する別の形式が創造される時代がやって来るまでは、現在の全面ガラスカーテンウォール(façade)が優先的・自動的に選択される時代が継続されるだろうとの学説を立てている。

全面ガラスカーテンウォールの醸し出す進歩と力の象徴が重要な意味を持つという思いは、誰が持つのだろうか?

カーテンウォールというものは、ビルが自然環境と対峙し対決するものであり、自然はコントロール出来るものだとする20世紀の風変わりな傲慢さを内に秘めた思想からの産物なのだろう。西洋は日の光に価値を置く。一方西洋以外の文化の地域では日陰が癒しを与えるものという価値観が歴史的に存在している。日陰を優先する思想と力に関する新しい見方との関係が今後どうなっていくのだろうか。

PLITEQ社の情報記事に紹介された主要な建築材料のカーボンフットプリント値の情報とKuo氏のセミナー「より厚みを(Thicker)」を紹介するカレン・シッフ氏の記事から、全面ガラス高層ビルは、そのビル自体を構成している材料素材のガラス・アルミ・コンクリ・鉄筋を製造し、現場まで運び、そして組み立てる上で消費したエネルギー総体の持つ内蔵されたカーボンフットプリント量が意味無く高くなっている可能性が大きく、またビル完成後の操業運転時のランニングエネルギーも意味無く過大に消費される可能性が大きい、と言える。

これだけの無駄がかなりの確度で容易に指摘できる公金を使っての箱物が、社会の中に違和感なく存在しているということは、現在の私達の社会がまだまだ不合理であり未熟な部分をもっている、ということを指摘し続ける必要があると感じるところです。

かかる観点からも、最初に触れたカーボンフットオフセットの理想的な理念をなんとか私達の政治経済活動に取り入れていけないものかと願う所です。

具体的には行政に対して、無駄なカーボンフットプリント部分を充分に削ぎ落とす努力を組み込んだ計画案作りを義務付け、それでも残存するカーボンフットプリントについてはクレジット購入等の環境保全行動でオフセットする行動も義務付ける。こんなシステムで動く世の中に向かっていきたいものです。

最後に、最初に掲げた「元材木置き場付近という都心を選んでそこに居を構える必要がそもそもあったのか?」という疑問点も重要な視点を提供する疑問と考えます。この疑問は、「スクラップし、そして新たにビルドする」という現在の日本全体に良く見られる思想に繋がる問題です。

元材木置場の地、江東区に建っている10階建てビルに即して述べれば、その団体の本庁は霞が関にあり、情報の蓄積と処理等の職務は今の時代リモートで充分対応可能と思われる。公金が絡むことを真剣に思慮すれば、遠隔地の例えば今は使われていない廃校跡地等を利用する様な考えを持ち込んで無駄な公金の発生をいかに削減するか、という考えがどうして持てなかったのか?が訝れるところです。

廃校跡地等の古い構築物を補修補強等手直しして新たな利用を図るという、エコ活動本来の望ましい姿を無視する我が国の現在の建築思想に極めて大きな違和感を持っています。

そして廃校跡地等のコモンズの有効再利用をしないという不作為、および地球上に住む全員が平等に共同管理・利用してしかるべき、限りある大切な資源という名のコモンズを無駄に使っているという傲慢さは、忘れてはいけないことと思っています。

次回は、なおざりにされ、夢が持てない我が国の森林経営問題を、世界の潮流と対比することにより、公金問題を掘り下げてみたいと思います。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
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スポーツよりも政権から目が離せない

2023-03-27 16:37:06 | マスコミ報道
WBCの準決勝が終盤に差し掛かったその時、テレビのニュース速報と携帯電話のプッシュ通知の音が次々と聞こえた。
「まだ試合は続いているのに」

決勝進出を強く待ち望むあまり、報道関係者が先走ってしまったのかと勘違いをしていたが、通知の詳細を読んだところ「岸田首相、ウクライナを電撃訪問」というとんでもない内容であった。

野球の試合への関心が失せたと同時に、「もしやこのタイミングを狙っていたのではないか」と疑ってしまい、呆れと怒りの感情が一気に湧いてきたことをはっきりと覚えている。一般市民が国際的なスポーツイベントで勇気と感動を得て歓喜に包まれている、半ば酔っているような状態であれば、何をしても許されるかのごとく、国民を馬鹿にしているのではないか。

オリンピックをはじめとしたスポーツイベントの開催で不都合な真実を覆い隠し、なかったことにしようとする、スポーツウォッシングとはこういうものだと突然に実例を見せつけられ、現実はゲーム以上にハラハラするものだと痛感した。まさに目が離せない展開である。

岸田首相がウクライナを訪問した際に、「お土産」としてしゃもじを贈ったことが特に注目されているようだ。まさに命がけで戦っている人々に、選挙の必勝祈願でもするかのごとく地元の特産品をプレゼントすれば、激励の気持ちがあったにせよ、センスがないと評されても仕方がないだろう。

しかし、しゃもじや駄菓子といった贈り物の内容より、ウクライナを直接訪問したこと自体が問題になるのではないか。戦争関係にある複数の勢力のうち、ひとつの国だけに応援・支持を示す時点で、戦争自体を止めようとする意向は感じられなくなる。

「何事もそう簡単にはいかない」と即座に反論されるだろうが、関連領域の国際機関などとも連携し両国に対し停戦を要請したのであれば、試合のクライマックスに飛び込んできたニュースであっても、WBCの王座奪還以上に感動と勇気を与え、純粋に支持されるのではないか。

放送番組の政治的公平を定めた放送法4条の解釈をめぐっても、当時の総務大臣が議員辞職するかどうかに焦点が当てられているようだ。しかし、そもそもの問題として政府が報道に介入してはいけないということを定めた法律である。日本ペンクラブの声明にもあるように、「政治家や政府が放送の中身に口を出すこと自体、法解釈上間違っている」のだ。
https://japanpen.or.jp/

今回のスポーツウォッシングともいえる突然のウクライナ訪問、そしてその報道のタイミングは、報道の自由とは何かを考えさせられると同時に、現時点で自由なのかを疑わざるを得ないものである。

「護憲+コラム」より
見習い期間
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ヒトラーの手法を真似る、クズ政治家

2023-03-20 11:37:25 | 自民党政治
今、国会では高市早苗が崖っぷちに立たされている。「(件の行政文書が捏造でなかったら)大臣も議員も辞職する」と啖呵を切り、「やれるモンなら、やってみな!証拠はあるのか?」とばかり、国会を法廷と勘違いした態度を取り続けた。それで言い逃れができると踏んでいたようだが、彼女は上ったハシゴを外されていることに気づいていないようだ。

すでに安倍晋三は鬼籍に入り、国会は「息を吐くように嘘をつける」ような風向きではなくなっている。アメとムチで官僚人事を牛耳る首相補佐官、警察権力をちらつかせる中村格・北村滋のような輩もいなくなり、正義感のある官僚やスネに傷ある官僚が逆襲モードに入った感さえある。

高市早苗は安倍晋三と右翼的支持層の後ろ盾を得て、その地位を築いてきた。そして総務大臣の頃に安倍政権の命を受け、気に入らない報道番組を黙らせるために放送法の「政治的公平性」を捻じ曲げたと推察されている。

この問題だが、私は安倍晋三が元凶だと思う。それはこの流れが2001年に起きたNHKのETV特集『戦争をどう裁くか』の番組改変問題に端を発していると考えるからだ。
◆NHK番組改変問題
https://imidas.jp/genre/detail/F-106-0044.html

NHKにはこれ以前にも不可思議な報道姿勢はあったが、これを境に公共放送から国営放送に成り下がってしまった。そしてNHK党(政治家女子48党?)のような、国税を使って目立ちたいだけの集団を躍進させてしまった。安倍晋三の“お気に入り”で尻馬に乗ったNHK解説委員・岩田明子は民放へ天下りし、生き延びようとあがいている。

マスメディアの口をふさぎ、これを牛耳って反体制派を抑え、独裁的政治体制を築く・・・これはヒトラー率いるナチスが巧妙に行った謀略だが、「ナチスの手口に学べば」を公然と口にしたのが安倍晋三の盟友・麻生太郎である。
◆問題発言集「ナチスの手口に学べば」(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/d4?p=gaf928-jlp14955878&d=d4_int

2016年には、こんな記事があった。
◆安倍首相が目指す目標、ヒトラーのナチスドイツとこんなにも酷似していた!
(ビジネスジャーナル)
https://biz-journal.jp/2016/07/post_16032_2.html

短絡的思想・強気な発言・恫喝で政治の主導権を握り、道を誤り、その誤りを指摘されても強情を張って突き進む。無理に敵を作って煽る。異を唱える者を弾圧する。これが右翼的思想にかぶれた政治家の本質ではないのか。

情けないことに宗教的恨みで殺害された安倍晋三も然り。麻生太郎も、高市早苗も!ロシアの軍事侵攻に脅え、保守的支持基盤から突き上げられ、熟慮せずに巡航ミサイル400発の購入を決めた岸田首相は?

ガーシーも悪いヤツだが、こんな政治家こそ、日本の政治から追放しなければ。

「護憲+コラム」より
猫家五六助
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コラム「闇バイトの背景にあるもの」を読んで感じた事

2023-03-13 20:48:58 | 社会問題
笹井さんが書かれたコラム「闇バイトの背景にあるもの」に、深く共感し賛同いたします。

そして思い出したのが、年金生活者の方達が年金だけでは生活が苦しく、仕事を幾つか掛け持ちしている方がおられるというニュースでした。70歳過ぎても清掃や警備の仕事についておられる方は沢山いらっしゃいます。

近所のマンションの前を通ると、高齢の方が箒で掃いたりバケツとモップでエントランスや外周を拭いたりしている姿をみかけます。少しでも生活の足しになればと働いておられるのでしょう。

暫く前のNHKBSで、刑務所に入る事を企むおばあちゃんの話をドラマでやっていました。フィクションの世界だから極端かもしれませんが、私達と同じくらいの年齢の方が何十年も働き、年金も納め、それだけでは生活できない状況にあるのです。

ケースバイケースの事情や不運としか言えない人もいるでしょう。しかし、国はそう言った方達に手を差し伸べるどころか、消費税という名目で 物を買ったり何かを始めたりするだけで10%も取り、更に税率を上げようとしています。

福祉の財源にする筈が、ある野党政党の調査によれば社会福祉の財源に当てられているのは40%に過ぎないということです。後は何処に行ってしまったのでしょう。

それだけでなく、私達が納めている東日本大震災の復興支援税の残った分も防衛費に化けてしまったという情報もあります。更にインボイス制度を導入して1000万以下の中小零細企業、フリーランスで働く人達からも税金を搾り取ろうとしています。

私達は何故こんな酷い政党に長い間政権を預けてしまったのでしょう。

何を言っても届かない。 政治家は誰がなっても同じ。そんな言説に惑わされる事なく 、国会を軽視し国民を舐めきっている者達に思い知らせてやりましょう。

そのためには一人一人が繋がり、足を引っ張ることなく互いを尊重し、信じるべき所は信じ、出来る事はやっていきましょう。未だ間に合うと私は思いたいのです。

「護憲+コラム」より
パンドラ
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公金の研究(7-2)高さを競う都市部再開発は果たしてグリーンと言えるか?

2023-03-12 16:06:41 | 環境問題
先ず、現在進行中の東京駅前の八重洲地区並びにお江戸日本橋の界隈の公表されている再開発状況を見てみたい。

1. 日本橋1丁目中地区 総再開発面積3.9ha
C街区:地上52階地下5階、高さ284mの総延床面積374,003m2のビル
2. 日本橋室町1丁目地区
地上36階地下4階、高さ180mの総延床面積114,500m2のビル
3. 日本橋1丁目1、2番街区
A街区:地上27階地下3階、高さ140mの総延床面積84,000m2のビル
4. 日本橋1丁目東地区
A街区:地上40階地下4階、高さ240mの総延床面積274,000m2のビル
B街区:地上52階地下3階、高さ225mの総延床面積120,000m2のビル
5. 八重洲1丁目北地区
南街区:地上45階地下5階、高さ235mの総延床面積180,500m2のビル
6. 八重洲1丁目東地区
地上51階地下4階、高さ250mの総延床面積225,200m2のビル
7. 八重洲2丁目中地区
地上43階地下3階、高さ226mの総延床面積388,330m2のビル
8. 東京ミッドタウン八重洲
地上45階地下4階、高さ240mの総延床面積283,900m2のビル
9. 大手町2丁目常盤橋トーチタワー
地上61階地下5階、高さ390mの総延床面積544,000m2のビル

総床面積を合計するとほぼ260万平方m(付帯ビルを入れると300万平方mになろう)になり、中央区の面積1021万平方mの30%に相当し、中央区がこの6~7年で30%肥大化することに相当する。高さは大半が地上40階以上60階を超すものもある。

そして上記の巨大再開発以外にも中央区内には以前の家屋なりビルを取り壊して、小は20坪程から大は300坪程の敷地を更地にして新たなビル作りが至る所で進められている。10階以下のものは余りなく、皆12階から20階程の計画になっている。

区の都市計画担当者も議会関係者も入居を希望する企業も、そして区民も、火災が心配な古い木造家屋や使い勝手の悪い省エネとは言えない旧式ビルに替って、防災対策が万全で省エネ対応にもなり、最新の通信・環境設備を備えた新しいビルに替わることは望ましいことだと受け取っているのだろう。そしてこの考えは100%正しいことと受け取っているのだろう。

更に最近の人口推移をみると、2000年ころ7万人台だったのが今では新たに約10万人増え、現在は17万人を超し2~3年の内に20万人を超す勢いの中央区の状況がある。ビルの高層化や超高層化は限られた区のスペースを使って時代の要請に応えていくためには必要なことであり必然な方向であると、ここでも皆が同じ思いを抱いているのだろう。

しかし、ビルの超高層化は果たして、皆が当然であり自明のことと受け取っている環境にやさしいグリーンのイメージ通りの都市計画の目標であり必定の行為なのであろうか?

この点について、疑問を投げかけている研究があったので紹介してみたい。

出典はnpj Urban Sustainability, Article No.33(2021)F.Pomponi, R.Saint, and B.D’Amico(Decoupling density from tallness in analyzing the life cycle greenhouse gas emissions of cities)。

要約は以下の通り。

2050年には25億人の住民が新たに“都市部”に居住すると国連は予測している。従って世界の温室効果ガス(Greenhouse Gas:GHG)および世界のエネルギー需要が更に増大し、そして都市部に建設される新住民向けに増加する建物に起因する環境上の負荷も併せて拡大すると予測される。

それ故に都市空間の最適な利用策と建築物の効率性を最大化する方策を図ることが持続可能な都市計画を進める上で基本になる考え方となる。そのためには建物を高くすること、そして可能な限り密集して建てることが良いという信念が高まってきている。

しかしこのような流れの中において、都市計画が策定され進められていく過程において、建築物のライフサイクル全般に渡り全体を透視した形で温室効果ガス(GHG)排出量を算出し検討することの重要性に関しての視点が、都市計画検討時において、しばしば抜け落ちることがおこると指摘されている。

都市環境に及ぼす建物の密集度合いと建物の高さを切り離し、GHG排出性に及ぼす効果をそれぞれ別個に評価する研究法をここに提示したい。

この研究法を実際に存在する都市の例に適用したところ、建物の高さが高くなる程、建築物のライフサイクル全般に関わる温室効果ガス(GHG)排出量が1.54倍に高まることが判明したという。

そして都市の人口収容力を最大化する目的の下では、建物を高層化する方策を採用することは必要なく、建物の密集度合いを高める方策さえ採用すれば建築物のライフサイクル全般に関わる温室効果ガス(GHG)排出量を削減させることが達成され、しかも人口収容力を最大化することが可能であることが判明したという。

この報告書の内容は煩雑で難解なため、この報告書を紹介している解説書的なものが数多く発表されている。以下にそれらを紹介する形でこの報告書の内容を掘り起こしてみたい。

取り上げる一つ目は、Niall Patrick Walsh氏がArchinect Newsに発表の「Building tall isn’t necessarily better for the environment, according to new research (2021,Aug19)で、大略は以下のようになります。

新たな研究(npj Urban Sustainability)によると、高さを競う高層ビルの生活様式は、温室効果ガス(GHG)排出削減を目指す都市計画の方策としては最高に環境に優しい方策とは言いきれない可能性がある、と指摘している。

研究者らは、各都市に実際に存在している既存ビル5000例に及ぶビルの全ライフサイクルに亘るGHG排出量(ビル建築に必要なコンクリ・鉄筋・アルミ・ガラス・プラスチック等の建築部材を製造する上で投入されたエネルギーに対応するGHG排出量である出来上がったビルに“内蔵されているGHG排出量”だけでなく、それに加えて完成したビルを操業する上で必要となる冷暖房・照明・給排水その他各種装置の運転に要するエネルギーに対応するGHG排出量の両方を考慮の対象としている)のデータを計算式に投入・検討すると、6階建て~10階建てのビル群が密集して存在している地域が最も環境に優しい形態の都市であるとして、そのような地域における一人当たりのCO2排出量は、より高い高層ビルが密集する地域における一人当たりのCO2排出量と比べて365トン程少ないという結論を得ている。

研究者の一人であるエジンバラナピイエ大学のPomponi教授は、ビルをより高層にするにはビル部材をより重量化する必要があり、更にその基礎をより分厚いものにする必要があるとして、この違いを説明している。また超高層ビルを建てる場合、隣接する超高層ビルとの間の距離を、日照・換気通気性・プライバシーの観点からかなり離す必要のある点も指摘している。

研究者らは、ここで得られた知見は将来のアフリカ・アジア地域における都市開発計画に役立つだろうとしている。

次に紹介するのはLinda Poon氏のBloomberg.comの2021年8月26日の記事(The Best Cities for Low Carbon Emissions Aren’t the Tallest)で要旨は以下です。

世界の都市化の進行は継続し、都市には毎年新たな最高峰ビルの報告がなされている。中国南部のShenzhen市では2018年の1年だけでも14棟の新規超高層ビルが建てられた。この潮流の基底を成す考えは、都市の成長というものは郊外へと横に延伸するのではなく、高層化による縦への伸長が持続可能な成長に適ったやり方だという従来からの認識がある。

即ち高層ビル主体の都市構造は、原理的にはより少ないビルでより多くの人を居住させることが可能であることから、ビルに基づくカーボンフットプリントは小さいことになる。

ここでビルから発生されるGHG排出量は、都市部から排出される全GHG排出量の半分以上になっていることが一般的に知られている。

従って超高層ビル化の方向性はカーボンフットプリントを小さくする方向であり、ビルから発生されるGHG排出量が都市部からのGHG全排出量の半分以上になっていることを考え合わせると、超高層ビルを主体とする都市計画は、都市部から排出されるGHG排出量を低下させるのに有効な方策であると主張できることになるだろう。

しかし今回新たに出された研究(npj Urban Sustainability)によると、人口の集中と拡大が進む都市環境において、密集度合いを高めることは都市部から排出されるGHG排出量の低下に有効ではあるものの、高層ビルの更に上空への縦への伸長はGHG排出量の低下に有効ではないかもしれない、と主張された。

事実、10階建て以下のビルが密集するパリ中心部の都市構造がGHG排出量を最小化する最適なものだろうと指摘している。【カナダの研究者らは、目標・参考とすべき都市形態はパリ型であるべきであり、決してマンハッタンや香港型ではない、と良く主張している】

この、都市環境におけるビルの上空への縦への伸長はGHG排出量の低下に有効ではないかもしれない、という主張に、コロラド大学のArehart氏も同調して次のように言っている。

「最近5年程、未来の建築物の姿としてビルに樹木を茂らせたようなスカイスクレーパー(skyscraper:超高層ビル、Highriseとも良く言われる)に注目が集まっており、これらの超高層ビルは非常にグリーンな建築物と受け取られている。しかし実際にはこれらの超高層ビルはグリーンとは言えない。少なくとも全部が全部そうとは言えない。」

Arehart氏が、高層化による縦への上空への伸長が持続可能な成長に適った方向だという従来からの常識化した定説に疑義を持ちこむ必要性を感じた理由の一つに、都市部の建築物の全ライフサイクルから発生するGHG排出量を算出する時使用する計算式に修正を加える必要が出てきていることがあるという。

即ち建ち上がった完成ビルの運転操業時に必要な照明や冷暖房用の電力エネルギーから発生するGHG排出量だけではなく、それに加えてビル建築時に使用した建築部材(コンクリや鉄筋・アルミ・ガラスやプラスチック等)を生産する際に要した電力や化石燃料から発生するいわゆるビルに“内蔵されているGHG排出量”と、そしてビル解体時に要するエネルギーから発生するGHG排出量をも新たに明確に計算式に算入する必要性が出てきていることによる修正である。

そして、より高層のビルを建てるには防災性を高めるために”より大規模な頑丈な基礎やより太い鋼材”が必要となることから”より多くの建築部材“が必要となる。結果としてビルに“内蔵されているGHG排出量”は増大することになる。

また高層化が進む程、隣接する高層ビルとの間に必要な距離が長くなる。従って利用出来ない空間が発生することで土地の有効利用という視点からも単に高層化すれば良いという考えには疑義が生まれるとArehart氏は主張し、ニューヨークの超高層ビル街と19世紀欧州の各都市とを見比べてみる必要性を指摘している。

建物を高層化することが持続可能な成長に適った良い方策だとの確信のもと、中央区では再開発の槌音が区の中央で鳴り響いているわけだが、しかし、今回紹介した原典のnpj Urban Sustainability、そしてその原典を紹介する2つの文献(Niall Patrick Walsh氏とLinda Poon氏の記事)を読むと、ビルの超高層化を主体とする上空へ、上空へと伸長を目論む都市計画は、GHG排出量の低下には必ずしも結び付かない、有効とも言いきれない施策であろうと主張されており、この研究結果から判断すると、現在進行中の再開発事業には疑問点があることになる。少なくとも疑念がある限りは、行政およびチエック機関の議会関係者らは公金が絡むが故により慎重さが求められるだろうと考える。

また前回のJR東海のMaglevに関する議論の際にもあった様に、合理性のある充分に公正なカーボンフットプリント値を公表しなければならないという努力目標さえ企業には課されておらず、公正なカーボンフットプリント値が不足している社会を放置しているという宿題を我々は残しているということ、そして反対に事業者たちが極めて自分勝手にカーボンフットプリント値を取り扱い、誤解を招きかねない企業論理を公表することが許される社会が蔓延し、しかも放置されているということが今回の建設業界においてもみられることが明らかになったと思う。

合理性のある充分に公正なカーボンフットプリント値が公表されるのが当然なことであり、持続可能な成長に適った都市計画を進める上には、その情報が社会の健全な発展のためには必要だという社会作りを強調したいところである。

現在の恣意的なカーボンフットプリントの取り扱いを許している限り、今の建設業界を含む各事業体や各行政機関が進めるSDGs運動に絡めた事業計画は、アリバイ作りのためにSDGsの理念を不正に利用しているものであり、世の中全体のためを考えてのものとは言えないといわれても反論できないのではないか、と考える。

次は観念論になる恐れがあるものの、非常に興味深いカーボンオフセットの考えを紹介し、併せてグローバルノースとサウスとの関係において、グローバルノースとしての役割を我々は果たしているのか、という問題を扱ってみたい。

また色々な視点から、おかしな公金の使い方ではないかと思う事柄を紹介していきたい。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
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安全保障は軍事問題なのか

2023-03-11 14:33:32 | 安全・外交
1,前回のコラムで、「軍事問題の安全保障」という日本政府のスタンスへの疑問を提示したが、今回も、「経済安保」とりわけ「食の安全保障」という視点から、戦後の再検証を考えていきたい。

何故か。現代史家が隠蔽してきた、敗戦直後の食料管理法下で「食糧難」に直面した都市住民の置かれた状況は、現在においても再考するべきだと思うからである。

ロシアのウクライナ侵攻で、日本はアメリカに追随して、経済制裁やウクライナへの援助を大々的に行っているが、物価や光熱費の値上がりはとてつもない状況である。

これは、70年代から本格化した、世界経済のグローバリゼーションの帰結であり、日米が恣意的に宣伝する「共産主義圏は除外する」という虚構の言説とは異なり、グローバリゼーションはロシアや中国を素通りする、と言うプロパガンダ問題ではありえない。

2,時間軸を少し遡って、日本の「食料自給率40パーセント」(現在は37パーセント)という驚異的な数値に焦点を当てたい。私が危惧するのは、何故、日本は食料自給率を40パーセントにして、安心しているのか、ということだ。

結論から先に言うと、この自給率の低迷は、日本の戦後の「食糧難の時期」に遡る問題であり、おそらくこの時期に、アメリカの食料援助と同時に、小麦粉や大豆の輸出(日本なら輸入)が「戦略」として入って来たからに他ならない。

平賀緑さんの著書「食べものから学ぶ世界史」(岩波ジュニア新書)では、アメリカからの植物油と小麦粉の食事転換への誘導があった、という。この時代以降、日本人の食生活は和食中心から転換し、小麦粉の需要が多くなる。具体的には、インスタントラーメンなどの需要が普及した。

また、「和食」と言っても、その実体は輸入食品がほとんどであり、「和食」ということ自体がレッテル詐欺に近い。

3,食料自給率37パーセントの大きな問題点

最後に、何故食料自給率が低いと問題なのか。それは、最初に述べたように、敗戦直後の「食糧難」時代の再現になる可能性が高いからである。

何故か。一番の危機は、日米政府が躍起になっている、中国などへの敵視政策と軍事増強が、単なる防衛問題を越えて、東アジア有事へと一歩踏み出していると思えるからである。

特に、過去の中国の内戦期に、蒋介石が指導した国軍が台湾に移り、台湾政府を樹立して政治的に独立したが、現在、アメリカ政府は、中国が台湾に侵攻すると称して、再び「台湾有事」へと寝た子を起こす戦略を構想している。

これに日本が巻き込まれると、日本列島は隣国であるだけに戦場になる危険性は高い。そうなると、食料自給率の低い日本では、兵站が間に合わず、軍事的な武力の面でなく、食料難が押し寄せると予測できる。

これが、私の危惧する「敗戦直後の食糧難」の再現ということなのである。

次回は、この食糧自給率の低迷を脱却する処方箋の問題を解明する、というテーマに移行したい。

「護憲+コラム」より
名無しの探偵
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