老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

文明論的結集(日本未来の党結成)

2012-11-28 15:19:19 | 政治
昨日、【日本未来の党】が結成された。嘉田滋賀県知事が代表となり、【卒原発】を合言葉に、全国の脱原発勢力の結集を目指したものだ。これに呼応して、【国民の生活が第一】【脱原発】【みどりの風】などの党が合流や協力を決めた。

この党の旗上げに関しては、早速さまざまなネガテイブキャンペーンがなされている。いわく、後ろに小沢一郎がいる。いわく、小沢隠しだ。いわく、ワンイッシュウで選挙を戦っていいのか。あらゆる誹謗中傷が飛び交うのが選挙なので、この程度の誹謗中傷は当然なのだが、各メディアのあわてぶりがおかしい。

まあ、この旗上げが小沢一郎の選挙戦略の核をなしているのは、間違いない。個人の選挙なら、橋下流のパフォーマンスがものを言うが、団体の選挙というものは、全体を覆う空気をどう変えるか、という事が物を言う。団体スポーツでいえば、【流れ】をどう変えるか、という事になる。

今回の選挙戦、国民の多くが、マスメディアの第三極報道狂騒曲に何となく違和感を抱き、うんざりし、忸怩たる思いを抱いていたに違いない。その理由は簡単。メディア報道は、今回の選挙の重要性(※わたしは、戦後最も重要な選挙であり、この選挙結果によっては、日本の沈没は決定的になると考えている)や本当の争点をどうやって国民の目から隠すかという事に腐心しており、その真実を覆い隠すための第三極狂騒曲と小沢隠しだからである。

【未来の党】結成は、この国民の間に蔓延しているよどんだ白濁した空気を吹き散らす可能性がある。経済だとか景気だとか、愚にもつかない政局話を得々として語るしたり顔の政治家・経済人・コメンテーター連中にうんざりしていた国民に、【命】や【生活】の重要性を真正面から語る政党が現れたのである。その意味で【日本未来の党】結成は、絶妙のタイミングだったと言ってよい。団体スポーツでいえば、形勢逆転のきっかけをつかんだと言える。問題は、これをどう広げ、この流れを確かなものにするか、という事だろう。

3・11の大惨事は、日本人に自分たちは実にもろいものの上に立っていて、人間の営みなんて、大自然の力の前には、ひとたまりもない、という事を教えた。そのような圧倒的な力の前には、人間一人の力など弱いものだという事を教えた。同時に、原子力というものは、人間が統御できない【プロメテウスの火】だという事も教えた。

以前にも書いたが、日本人全体が、戦後初めて、【存在論的不安】の前に立たされた。つまり、日本人一人一人が深刻な【パラダイム転換】を迫られたのである。今回の選挙戦報道が、多くの国民に何となく違和感を覚えさせているのは、自公民も維新もどの報道機関もこの【存在論的不安】に答えておらず、国民の心の底に起きている深刻な【パラダイム転換】に錘を下していないからである。

その意味で、今回の【日本未来の党】結成は、国民の【存在論的不安】=【パラダイム転換】に応える政党の結集軸になる可能性がある。

今日、NHKプレミアムで、五木寛之の【21世紀仏教の旅③】の再放送が放映された。今日は、世界一「幸せの国」として有名になったブータンの旅だった。その中でブータンの仏教が一番大切にしている考え方が紹介されていた。【無我】と【縁起】である。【無我】とは、文字通り【我】を無にする。捨て去る、という事。【縁起】とは、生きとし生けるもの全てが、関係があり、その関係性の中に人は生きている、という考え方である。

西洋流近代的物質文明とは、【我】を追及し、【我】を無限大に膨らませる事によって肥大化してきた。その究極的理念が、【新自由主義】と言ってもよい。同時に、人間の理屈【効率化】を最優先し、環境を壊し、人間の本来的営みすら壊してきた。その結果、本当に人間は幸せになったのだろうか。

この問いは、深刻である。いわば【存在論的不安】が21世紀文明への根本的問いかけになっている。文字通り【文明論的問いかけ】になっているのである。日本だけでなく、世界各国でこの問いが真剣に問いかけられている。日本では、この問いの象徴が、【原発問題】である。

今回の【日本未来の党】結成と反原発・脱原発各党の結集は、国民の心に広がっている漠とした不安(存在論的不安)への一つの政治の答えになる可能性がある。願わくば、リベラルな各党各派が、この旗の下に結集し、世界各国に共通な【文明論的不安=存在論的不安】の解消に向けての一つの方向性を示してほしい。

「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
流水
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改革という時、根源、過去、現在への因果にも、心をいたそう

2012-11-28 11:44:48 | 選挙
目先に囚われず、過去と現在の中にこそ、その解はあるのではないか? 他人の言説、アジ演説・煽りに囚われないためにも、過去が必要で、目指すべき将来はその先にある。また、根源に遡ることも有意義なことである。例えば、孫崎享「今だからみえる原発と日米の関係」等の言説。根源に遡った論だからこその強み、説得力が、そこにはある。

普段、我々はそうした思考を省いて、或いは既成事実を無意識乃至意識して受け入れたり、日頃から尊敬する?有識者やコメンテーター、メディア、マスゴミに頼ったりしている。そこに、今では、かつてなかったツイッターなどのコミュニケーション手段が登場してきた。大きな役割を果たすようになってきた。

憲法(第 21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。)の保障する、知る権利に奉仕するものとして、報道の自由も語られていたが、今では、マスゴミのニュース(ニュアンス、取り上げ方)含め、各社の利益代弁機関ではないかの、疑念も容易に否定できない…惨状!?一体、誰に役立とうとしているのかと。或いは、立身出世のためなのかと。

これが、報道、ニュースの垣根を超えると、益々顕在化する。主張する者によって、結論が異なるからである。無論、読者、視聴者としては、日頃から慣れ親しんだ、信頼のおける者、或いは、機関、メディアに信を置くこともできよう。さしたる問題(状況)に直面しなければ。或いは、場合によっては、誰に依拠することも出来ない状況を迎えることになるかもしれない。そうした時に、誰もが根源に戻ったり、過去に遡ったりする。しないで済めば、幸い?か。

この度、予期せず、年内解散・総選挙の運びとなった。新党を考えていた人々にとっても想定外だったかもしれない。そして、第三極争い、勃興を齎した。野田首相には、当たりの右往左往、してやったりだったのやも知れぬ。但し、嘉田新党「日本未来の党」が、想定内だったかは知らない。

ともあれ、民主党政権に愛想をつかして、解散・総選挙、選挙運動、投票行動を待ち焦がれていた向きもあったろう。さてそこで、その選択の話。どうしますか?

 http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/6624d861bd5a4c5549ff996e3ef6b634?fm=entry_awc
 ブログ「Everyone says I love you !」
 『衆議院総選挙の争点1 「脱原発」 安倍自民党はなおも原発を推進する』より
> いよいよ解散総選挙になりましたが、争点は以下の通り。
 1 脱原発か原発推進か
 2 税と社会保障改革(1) 消費税増税か格差是正か
 3 TPP参加か否か
 4 沖縄差別の解消 基地問題とオスプレイ
 5 税と社会保障改革(2) 生活保護基準切り下げかセーフティネットの再構築か
 6 戦争か平和か 憲法改悪か護憲か

こういう問題意識、争点自体主観的なものであり、人によって取り取りであって良い。勿論のことである。明確で、意識的であれば、猶更。消費税増税、財政再建にしてからが、次のように相反する論がある。今は、各位のご健闘、ご検討、良き選択、投票行動を祈ろう。

〔資料〕 

 http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/docs/19520228.T1J.html
 データベース『世界と日本』
 「日米行政協定(日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定)」
     1952年2月28日作成,1952年4月28日発効
 http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/03aa8cdbb1a0c68e82821d99fdcd47e0
 ブログ「Everyone says I love you !」
 『衆議院総選挙の争点2 「税と社会保障改革(1) 消費税増税か格差是正か」 安倍自民党は1%の金持ち政党』

「護憲+コラム」より
蔵龍隠士 
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平成の北条執権政治なるか

2012-11-28 11:21:08 | 政治
やり場のなかった原発発反対の国民の声をうまく受け止めてくれた嘉田知事の「未来の党」立ち上げの記者発表をみて思ったのは、北条鎌倉幕府のドラマで、小沢氏をしたたかな北条時政とすれば、嘉田知事はさしずめ女だてらに度胸満点の北条政子(時政の長女)の役である。

そして北条義時(時政の二男)討伐の後鳥羽上皇の院宣に対して、北条政子が亡夫源頼朝恩雇の御家人に「院宣に対して決起せよ=この指とまれ」と呼びかけた、世にいう承久の乱前夜の口上の場面が思い浮かんだ。この戦に勝利して北条鎌倉幕府が確立したといわれる。

何れにしろ、原発と消費税増税反対党を無視したかった(原発と消費税増税に賛成の)メディアには大誤算であっただろう。これから未来の党へどのような応援団が参集するか見物であり楽しみでもある。日本維新の会の石原・橋下氏を凌駕する各界で原発反対の著名人が支持者として集まればおもしろいのだが。

「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
厚顔の美少年
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「国民の生活が第一」は民主党時代の失敗を総括できているか

2012-11-26 10:43:18 | 民主党政権
「国民の生活が第一」は民主党が公約を破って消費税増税と社会保障の一体改革法案を成立させたことに反対して、小沢氏を中心に民主党の同志が立ち上げた党であるが、その義士的行動は国民との公約を守ろうとする尊いもので高く評価できる。

しかしその義士(国民の生活が第一の議員)にも、民主党時代があり、民主党が掲げていた公約や09マニフェストが実現できなかった責任の一端は免れない。また離党を免罪符にしてその反省を棚上げしていては、同じ過ちを繰り返すことになる。むしろ前向きに反省することが、今度の選挙で、「国民の生活が第一」への国民のより一層の信頼と安心感と支持に繋がるのではなかろうか。

ここでは民主党が国民の信頼を失うことになった大きな2つの問題を取り上げ、「国民の生活が第一」にも反省を求めたい。

1つは09総選挙キャンペーンで鳩山代表が普天間米軍基地の移転先を、「辺野古ではなく、最低でも県外」と沖縄県民に公約し、後日その発言を撤回せざるを得なかった問題である。当初県外発言は鳩山氏の個人的なものだったとしても、総選挙で民主党が第一党になり県外発言をした鳩山首相が誕生した時点で、その発言は現実の政治課題となり、辺野古移転反対派、賛成派(米国を含む)双方から賛否両論が噴き出し、鳩山首相は次第に窮地に追い込まれていった。

その頃民主党の幹事長は小沢氏であり、党改革の一環として党は内閣(行政)の仕事には口を出さないということを決め、民主党は国会での代表質問をやめ、予算委員会での質問もしなかったと記憶している。このような極端な党と内閣の役割分担が鳩山首相(行政)と小沢幹事長(民主党)間での協議をできなくし、結果、辺野古問題で内閣と党で「最低でも県外」との統一見解を示せなくなった。そして訪米した鳩山首相はオバマ大統領に不用意に「Trust me」と発言し、次第に孤立して、「最低でも県外」を撤回せざるを得くなったのではないかと思われる。

2つ目の問題は、16.8兆円の財源を事業仕分けで捻出できなかったことである。民主党の事業仕分け(行政刷新会議)は公開でなされ脚光を浴びたが、捻出総額は約3.4兆円と言われ、国民には期待はずれであった。

当初民主党は一般会計と特別会計をあわせれば約210兆円の財源があると言っていた。それに対して各省庁や独立行政法人の予算に聖域を設けず8%をカットすれば16.8兆円の捻出は机上で計算できる。民間会社であれば8%の経費削減はいとも簡単な数値であるが、それを民主党と民主党政権にはできなかったのである。

国民から見て残念なのは、内閣と党が一体となって政治主導のもと一律8%を削減すれば16.8兆円は捻出できたのではないかと言うことである。公開された事業仕分けでは、民主党の大臣が省庁の立場に立って予算削減に反論している姿も頻繁に見受けられたが、官僚に抱き込まれた象徴的な姿だったと言えよう。これでは16.8兆を捻出できるはずがなく、要ははじめに一人一人の民主党議員から大臣に至るまで16.8兆円の捻出が党の至上命題として共有されていなかったのであろう。

公開での事業仕分けは国民の目には新鮮で喝采と注目を浴びたが、これは毎年財務省が予算編成で各省庁と予算折衝している非公開の情景を公開しただけのことである。そして事業仕分けでは財務省の主計官の役割を民主党の事業仕分け議員が担わされたのである。

その象徴的光景が、蓮舫議員の「コンピューターで世界一になるための予算が必要ですか、二位では駄目なのですか」式の事業仕分けの失敗である。運営側の議員が省庁や独立行政法人の個別事業の適不適、要不要に言及する必要は無く、ただ一途に予算の8%を削減して持ってこいでよかったのである。

それに応じられなければ衆議院300議席を背景にして党と内閣で16.8兆円の削減を財務省に指示し、政治主導の在り方を示せばよかったはずである。しかし予算の編成に疎い事業仕分けの民主党議員は、従来型の財務省の省庁別の予算折衝方法とシナリオにまんまと載せられたのである。これが16.8兆円(総国家予算の僅か8%)を捻出できなかった最大の要因であり、「国民の生活が第一」の議員も反省すべきで、二度と同じ轍を踏まないようにして欲しいものである。

「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
厚顔の美少年
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豊川信金たてこもり事件の背景

2012-11-24 10:31:35 | 社会問題
愛知県の豊川信金で従業員や信金の顧客を人質にして犯人が立てこもった事件も早朝に警察が建物に突入して人質を救出し、犯人を逮捕して無事終了したようだ。その後逮捕された犯人は犯行理由を「野田首相を辞めさせたかった」と述べていると報じられている(産経ニュース)。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121123/crm12112311330007-n1.htm

しかし犯行動機が事実だとしても、このような反社会的な行動によるデモは許されない。

一方読売ニュースは解散後前民主党議員の街頭演説では「嘘つき」の罵声が浴びせられていると報じている。これは騙された国民のうっ憤による抗議で合法的であろう。

http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2012/news1/20121123-OYT1T00255.htm?from=main4

もし今回の事件の背景にこのような国民の民主党への不満が渦巻いているとすれば由々しきことである。民主党の首相経験者は鳩山元首相が今回政界を引退した時の「弁」を真摯に受け止め、共同責任をとり、それに殉じてもよいぐらいである。それほど政治家の国民への「公約」は重いものである。「信なくば立たず」であり、まず「隗より始めよ」ではあるまいか。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
厚顔の美少年
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「全てが余りに遅すぎた」とならないために

2012-11-24 10:21:43 | 民主主義・人権
****

権力者がネットや漫画での有害な物を取り締まり、販売した者、購入した者は死刑に処すという法律が出来た。
私は不安に感じたが、当事者ではないので何の行動もおこさなかった。

その次、権力者は、スキャンダルが発覚したり、組合に加入している公務員を逮捕するという法律をつくったが、
私は組合員でもないし、スキャンダルもないので何の抗議もしなかった。

それから、権力者はデモをする人達、集会に参加した人達を次々と弾圧し、人々は権力者の批判もできなくなり私の不安は増大したが、
私はデモにも集会にも参加する人ではなかったので何の行動もおこさなかった。

ある時、権力者は学校まで弾圧してきた。
私は教師だったので抗議しようとしたが、その時は全てが余りに遅すぎた。

****

これはあの有名なマルティン・ニーメラー氏の言葉「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき」を変えて引用してみました。

ファシストが国民を弾圧する時、先ず、青少年に有害な物とか道徳に反する物とかを取り締まるそうです。公務員を仮想敵にして叩くのも誰かの常套手段ですね。イレズミもスキャンダルの内に入るのでしょうね。

デモに参加する事も、群衆が集まると事故が起きたり危険だから止めなさい、なんて法律が出来るかも知れませんね。

その前に「私はデモに何か参加する変わった人じゃないから関係ない」なんて思っている貴方、そんな呑気にかまえてると、恐ろしい事になりますよ。(本当は恐い家庭の医学~引用)

なんて…威かしちゃいけないわね。威かして不安を煽るのはファシストの常套手段ですものね。

私達は今はデモもできるし(最近少し怪しくなってきましたが)、イヤになるほど有害な物も街にあふれているけれど、いつの間にかデモの声も聞こえなくなって、あのポルノまがいな物も街から一掃されて、公務員の方達もお給料減らされても黙々と働くようになって…そんな社会って、恐くて不気味だと思いませんか。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
パンドラ
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シャボン玉飛んだ!

2012-11-22 15:31:36 | 民主党政権
シャボン玉(野口雨情作詞・中山晋平作曲の日本の童謡。)

シャボン玉飛んだ
屋根まで飛んだ
屋根まで飛んで
こわれて消えた

シャボン玉消えた
飛ばずに消えた
産まれてすぐに
こわれて消えた

風、風、吹くな
シャボン玉飛ばそ


鳩山由紀夫元首相が引退した。彼の引退会見を見ていて、政治の非情さを感じた。彼は、政治の汚濁の中で生きるには、純情すぎたのであろう。育ちの良さ、座りの良さなどを勘案すれば、彼は担がれる神輿としては最適だったが、修羅場に飛び込む戦闘隊長としては、不向きだった。彼は、“友愛”を政治信条としていたが、人間は“脅しと金と自分の利益”でしか動かないと割り切っている鉄面皮の集団である政治屋どもの中では、泥沼に咲く蓮にもなれなかった。

私は、鳩山由紀夫の引退会見を聞きながら、上の童謡【シャボン玉】を思い出す。1923年に書かれたこの童謡は、直接的には、野口雨情が一人目の子どもを生まれて8日目で亡くし、そして次の子どもも3才で亡くしてしまう、という胸をかきむしられるような悲しい体験が背景にある。同時に、歌というものは、作者の想いを超えて様々な人々の想いと重なり合う宿命を持つ。すぐれた歌であればあるほど多くの人の想いと重なり合うものである。これが歌の【普遍性】というものだろう。

「シャボン玉」は、アナーキストの挫折の歌だという説がある。幸徳秋水が関与したとされる【大逆事件】は1910年。1923年当時は、アナーキスト(無政府主義者)にとっては、まさに冬の時代だった。同年に起きた関東大震災では、大杉栄が虐殺されている。
http://www.youtube.com/watch?v=s46RFPNBG1s

鳩山由紀夫にとっては、「シャボン玉飛んだ/屋根まで飛んだ/屋根まで飛んで/こわれて消えた」という歌詞は、まさに自分自身と重なり合うだろう。

政治家にとって【理念】とか【哲学】というものは、無くてはならないものであり、政治家としてのレーゾンデートルそのものであろう。同時に、政治家は、夢想家であり過ぎても駄目で、それこそ人々の一挙手一投足にも神経を払う「現実主義者」でなければ大成しない。豊臣秀吉を持ち出すまでもなく、田中角栄も「人たらしの名人」と呼ばれて権力を握った。このバランスがとれて初めて政治家となれるのであって、どちらが勝ち過ぎても成功しない。

鳩山由紀夫は、どちらかと言えば、【夢想家】に近い政治家だった。絵描きがカンバスに絵を描くように、政治のカンバスに「友愛」という絵を描きたかったに違いない。彼の優柔不断さは、自らの理念に反対する政治家(政治屋)どもの首をはねる事のできなかった弱さにある。彼の人間観(友愛)がそうさせたと言ってよい。

わたしは彼の弱さは嫌いではない。「裏切るより裏切られる方がまだまし」という鳩山由紀夫の歩み方を見れば、この人は本当に良い人なんだなあと思う。

政権交代を果たした選挙の時、わたしの選挙区に鳩山由紀夫が来た事がある。その時、「たばこ税増税」の話をした。演説が終わって帰る時、わたしが「他の話は納得できたが、タバコ税増税はいただけないですね」と話しかけたら、彼は首をすくめて困った顔をしていました。「ああ、この人は、政治家らしくない良い人だなあ」と感じた。これが、今回彼が引退に追い込まれた最大の要因だと思う。

わたしは、この選挙で、小沢一郎とともに鳩山由紀夫に最後のシャボン玉を飛ばしてほしかったと思う。
「風、風吹くな シャボン玉/ 飛ばそ」

「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
流水
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安倍暴論+石原暴言の行く末は

2012-11-22 07:16:23 | 選挙
安倍自民党総裁は、今回の総選挙で自民党が政権についたならば、「日銀に建設国債を直接全部買ってもらう、そのために日銀にはお札を印刷してもらう」という趣旨のことを述べた。

時を同じくして、石原日本維新の会代表は日本外国特派員協会の講演で、『「軍事的な抑止力を強く持たない限り外交の発言力はない」と指摘した。その上で「核兵器に関するシミュレーションぐらいはやったらいい。防衛費は増やさないといけない。防衛産業は裾野が広いので、日本の産業も、中小企業も助かる」と述べた』と産経ニュースは報じている。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121120/stt12112020160015-n1.htm

仮にこの二人の国粋政治家が総選挙後連立政権をつくれば、今回の二人の発言から、核兵器開発のために日銀に、(その気になれば日銀はいくらでも造幣可能)核開発国債を買わせようとの悪夢のような連立方程式も成り立ち、そのような意味からも今回の二人の発言は要注意である。

安倍氏は各界から非常識との非難を受け、その後意味不な釈明会見で訂正し、一方石原氏も個人的な見解と付言はしていたが、二人とも心根は変わっていないのであり、いずれ焼けボッ杭は再燃すると思われる。警戒が必要である。

「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
厚顔の美少年
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衆院選の仮差止め請求訴訟却下判決

2012-11-22 07:12:45 | 民主主義・人権
東京地裁の却下理由は理解に苦しむ。

最高裁が一票の格差は違憲状態であると判断しているのに(違憲立法審査権の数少ない判決)、「差止めを認める規定がない」という理由は、法律解釈という法的手続きが理解できていない不適切なもので、この判決理由は初歩的な誤りとも思える。

もしこのような却下理由が許されるならば、およそ法の解釈は不要になるのではないか。理解に苦しむ説明である。

「護憲+BBS」「裁判、司法行政ウォッチング」より
名無しの探偵
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絶望

2012-11-21 17:33:21 | 民主主義・人権
歩んできた道のりと、これから先に残されている道のりとを較べれば、これからの道のりに思いを馳せる年頃に差し掛かった人の多くにとってのそれは、圧倒的に後者が短く、ふとそれに気付くひと時は、茫然自失するような己への無力感の中に身を置きつつ、かつ、「こんなものさ」と「何たることよ」の二極相克に苛まれ居る時間とでも言うのであろうか。

行きがかりであったとしても、「近いうちに」などの、政治の場に身を置く者にとっての「禁句」を軽々に発しての自縄自縛。自縛ならぬ「自爆解散」に打って出てのこの混乱。この国で「政治家を気取る」連中のスバラシさを、惜しげもなくひけらかして恥も知らぬ。

政権党からの離党者続出も拍車をかけて、党首の座布団は14~5枚にも増え、それぞれの言い立てることの結び目は四方八方に飛び散り、進み行く道筋も、漠として見えぬ。

第一党の党首は、「俺の決めたことに従わぬは仲間にあらず」と声高・居丈高。待ってくれよ、「仲間」を「国民」と読み替える下敷きを用意してのそれかと思えば、背筋が凍る。
 
次の総理候補ダントツの第二党の党首は、「中央銀行の輪転機をじゃんじゃん回してお札を刷れ。言うことを聞かないなら法律を変える」のはしゃぎぶり。落ち着く先は「お札に聞いてくれ」の天真爛漫。
 
お天道様は我が道だけを照らすとばかりの野心ダントツの暴走ならぬ妄想老人にいたっては、「核兵器を持たぬは国家にあらず」の学習能力ゼロの時代錯誤。人の上に人(我)あり・人(我)の下に人(テメエら)ありの傲慢さに唖然。

枚挙に尽きぬこれらが漂いうごめく「永田町界隈」。だが、これらの根源は、遡れば、この界隈に限らず、全ては「教育の在りよう」に行き着くのではないのか。そしてそれは、教育制度などの狭義のものではなく、広く社会・家庭も含む個々人に影響を与える全てのものと捉えるべきなのであろう。

「人を育てる」。人といえども、生まれたときは他の野生動物と何ら変わらぬ。育てられて初めて「人」になる。育ち行くその過程で受ける、様々な影響。それのありように、あまりにも無頓着にして過ごし来たこの数十年だったのではないのか。この間、もう、何代に亘る不毛の繰り返し・積み上げが続いて来たことか。

「悪貨は良貨を」の言葉も、「安きに就くは」の言葉も、共に忘れ去られての今日なのではないのだろうか。日の当たっている場所にも当たっていない場所にも、目を覆いたくなるような事柄は、溢れ返っている。

民主主義を標榜して来てなお、死語になるべき「統治」なる言葉が横行する。統治する者とされる者。「共生」を掲げる社会に似つかわしくもないこの意識。

この意識が消え去る日は絶えて来ないと言い聞かせるべきなのか。この上ない悲しみの言葉「絶望」が、そこには横たわっている。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
百山 
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