老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

ウクライナを想う

2023-02-06 10:22:29 | ウクライナ侵攻
今冬、私の街は例年よりも寒さが厳しく、日中でも石油ファンヒーターを使わないと過ごせない日が多い。近隣を走る灯油販売車がアナウンスする18ℓポリタンクの灯油価格に驚き、電気料金・ガス料金の請求書を見て、ため息が出る。しかし・・・

ウクライナの市井の人々は、もっと寒くて空腹の中にいる。

ロシアがウクライナへ侵攻したのちに攻防は長引き、厳冬の時季になってしまった。防戦一方のウクライナに対し、非道なロシアは民間ライフラインへのミサイル攻撃を続け、ウクライナ国民の戦意喪失を狙っている。反対にウクライナがロシア国内への攻撃に転じた場合、ロシアは自己の正義を振りかざして「戦略核兵器」「限定核兵器」を使う魂胆が透けて見える。

そして、ロシアの非情さは自国民にも向けられている。プーチンが限定的な軍事作戦を国民総動員の「戦争」にすり替えたことで、否応なしに一般人が「にわか兵士」に仕立てられ、杜撰な武器・装備・作戦で次々と最前線へ送り込まれている。彼らは自分が置かれた状況を把握する間もなく爆撃や銃弾に晒され、絶命する。その死体から武器・装備を奪い、仲間を踏み越えて兵士は進む。そして、死体になる。耐えかねてその場から離れようとすれば、後方の友軍から撃ち殺される。その非人道的な人海戦術でウクライナ軍を押し込みつつ、安全な場所で自分の理想と正当性を喚き散らすプーチンは政治家ではなく、悪魔にしか見えない。

以上はインターネット上で得られた戦況レポートや戦場のリアル描写であり、情報戦やフェイクニュースが含まれるかもしれない。しかし、多面的・多国的な情報を整理すれば大きく違ってはいないだろう。

これが、戦争のリアル。国同士の「どちらかが勝つまで」続く対立により、戦場ではお互いに恨みもない近しい民族同士が殺し合いを続ける。兵士が一対一で殺し合えば、数の多い方の国が生き残るという、破滅的で歪んだ軍事作戦。自分が殺した兵士は家族の遠い親戚かもしれない。旅行中に親しくなった人かもしれない。何かの折に世話になった人かもしれない・・・そんな事はお構いなしに殺し合いが続く。殺さなければ、殺される。「もう、やめよう」と立ちはだかれば、戦車にひき殺される。それが今、リアルに起きている戦争である。

これらの惨状をみて、私は太平洋戦争以前を思い浮かべた。ゲルニカの都市無差別爆撃、そして日本軍の「二〇三高地」。
産経ニュース(web)「壮絶!二〇三高地争奪戦 山頂は両軍将兵の鮮血で染まった」
https://www.sankei.com/article/20180707-BJNN3HVPKZNVFPZUINTOXIN2BU/
一方的な空襲で焼き殺される市民、無策で突撃を強いられ殺されるだけの兵士・・・屍累々の戦場。何の教訓も迷いもなく70年以上前の惨状が今、ウクライナで繰り返されている。

さて、我が国の対応といえば・・・同盟国に同調してロシアを非難しつつ、外交的努力を尽くさずに国民の不安を煽り、戦略的運用の熟慮もなしに「トマホーク600発」の爆買いを決定する。日本はいったい、1945年に何を学んだのか。その後の東西冷戦、キューバ危機、米ソのSALT(戦略兵器制限交渉)を経た世界の動向を学び、なぜ外交戦略に活かさないのか。

NHKを支配しようとした官房長官が首相になり、第一次安倍政権が生まれた。そこから真摯に反省しない、丁寧に説明しない、責任を取らない、同調しなければ敵とみなす政治家が安倍晋三を筆頭に次々と生まれ、不祥事と辞任を繰り返してきた。岸田首相も国会ムラの中だけで政治を進め、同じ流れの中に浸っている。

ロシアを擁護するバカな元首相や北の選挙区議員が跋扈する、国会ムラ。売名行為と言われようが、ウクライナの地を踏んでアピールするデビ夫人のほうが、よほど政治家らしい。日本はウクライナ戦争の平和的解決を模索・提案し、国際法違反の民間人への攻撃を批判し続け、ウクライナ国民への人道的支援を行うべきではないのか。ウクライナ戦争を恐れて軍備で身を固めるだけの、他国の戦争を利用するだけの政治家は退場させよう!

「護憲+コラム」より
猫家五六助
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「米国外交の光と影」(流水さんのコラム)の感想

2022-10-30 21:35:11 | ウクライナ侵攻

流水さんのコラム「米国外交の光と影」について。

1,「ウクライナ戦争の分かりにくさ」という見出しで、流水さんが、『日本のニュース(これは米国経由だろう)では、「もうすぐロシアが敗北し、プーチンが失脚するようだ。」という見方になっているが、これは疑問であり、戦前日本の「大本営発表」に見える』と指摘している。

この指摘はなるほどと思うし、大筋では同意である。だが、しかし、日本の見方も一理あるのが、プーチンのロシア軍の劣勢を示すような、「国民動員」の動きであり、これにロシア国民は反発していることが、割と重要な事柄だと思えることだ。

コラムは、『それでは、侵攻されたウクライナに「戦争継続の力」はあるのか』と問い、『ウクライナ自体には、その力はないが、アメリカとNATOの援助で、この闘う力は確保できているし、実際には、ロシア対アメリカ・NATOの戦いになっている。つまり「代理戦争」の様相を呈している』と解明している。

この指摘は同感である。

2,流水さんのコラムでは、結論部分が、標題の「米国外交の光と影」の本論部分だと言える。

米国の元政府の重鎮二人が言うように、ソ連の崩壊後には、冷戦の終結を帰結したのであるから、アメリカとNATOの「東方進出」はタブーだったという批判的な見解である。

これが今回のロシアのウクライナ侵攻の真の原因でもあり、日本のメディアの「ロシアは、悪」で「ウクライナは,善」という教条主義を打ち砕く、根拠でもある。

明確に言えば、ウクライナは、NATOに加盟する正当な理由はなく、局外「中立」といううスタンスを政策として採るべきだったのだ。

そして、戦争が勃発してしまい、国民多数は戦場となったウクライナを脱出して、国外に逃れたのである。

そうしている間にも、「停戦交渉」は可能であったにもかかわらず、ゼレンスキーはNATO加盟の意思表示は絶対に譲らず、ロシア:プーチンもクリミヤ半島などや、親ロシア勢力圏のロシア統合を進めて、戦局は拡大したのである。

今回の「コラムの感想」では、米国の元政府高官であったケナンとブキャナンの批判的な「論説」には触れていないが、流水さんの分析にあるように、現在のアメリカでは、共和党(トランプ政権など)よりも、むしろ民主党(バイデン大統領)の方が「第三次世界大戦の危険性」は高まるという見方は、意外でもあるが、私は「この見方」を支持する。(その理由は、オリバーストーン監督などの著書で、書かれており、監督がプーチンへのロング・インタビューと取材の映画でも指摘していると思っている。)

そして、結論部分で、ウクライナ戦争は長期化するだろう、と予測しているが、これも共感する。この戦争は「代理戦争」の側面もあり、ベトナム戦争と類似してきているからである。

その根拠として、ゼレンスキーは、相手がプーチン政権ならば、絶対に「停戦合意」などはありえない、というタカ派的な言説を表明しているからである。

双方とも、「玉砕戦」を意識しているような不穏な情勢になっているのである。

「護憲+BBS」「コラムの感想」より
名無しの探偵

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