2025-09-10

1年かけても婚約者と再構築できない話

2022年の冬から結婚を前提に同棲しているカップルの話。

◯ 私

22歳、医療従事

婚約者彼氏

24歳、専門職

ゲームで知り合い、好きになって付き合って、2022年から同棲を始めた。

彼氏の方は「私ちゃんが初めての彼女」らしく、傍から見てもベタ惚れデレデレで、私に対しても毎日かわいいだいすきみたいな愛情表現を常に欠かさなタイプ

対する私はそれなりに恋愛経験があり、彼氏のことは当初は別にきじゃなかったものの、猛アタックを受けるうちに興味を持って好きになって、結果的バカップルといわれるように。

私が当時住んでいた物件契約更新タイミングで、せっかくならと同棲を始めて、1年半くらいはしょうもない喧嘩こそすれ仲良くいちゃこら過ごしていた。

1Kの部屋に住んでいたので常に一緒にいた。

それがおかしくなったのは、彼氏仕事とかの都合で1LDKの物件引っ越し半年が経ったころだった。

彼氏は以前からヴァロラント(FPSゲーム)が好きで、ちょっと空き時間があればヴァロを開いて射撃訓練場にいる人だった。

私が仕事で遅くなるからごはんは先に食べてて、と連絡を入れても、ヴァロに夢中で連絡に気付かず、私が帰宅してそれを知って叱る(ごはんちゃんと食べてよ!という叱り)、というのはもはや日常茶飯事だった。

2023年の冬、何かのきっかけで彼氏ゲーム漬け生活拍車がかかり、仕事から帰ったらごはんをかき込むように爆速で食べて友達通話しながらヴァロ→平日でも3時頃までヴァロ→6時半に起きて仕事……という生活が続くようになった。

睡眠不足が祟ってか、コロナ感染して4日間も高熱に苦しんでいた。

さすがに体に悪いので、「せめてごはんちゃんと噛んで食べて、夜は1時には寝なさい」と言った。ゲーム中は構ってもらえなくてだいぶ寂しい思いをしたが、それよりも彼氏が体調を崩すことの方がよくないと思っていたし、まあそういう波なんだろう、いずれこっちを向いてくれるだろう、と思って、そのへんは何も言わなかった。

結局、その忠告をした当日は、彼氏は4時までゲームをしていた。

我が家は「寝るときは一緒に寝室に行く」「おやすみのチューをする」というルールを設けていた(照)ので、最初は私も必死に3時過ぎまで起きていたが、次第に彼氏を置いてひとりで寝室に行き眠るようになった。私にも仕事があるし、ずーっと背を向けられて、壁に向かって何時間もこっちを振り返ることもない姿を見続けるのが辛かった。

先に寝てしまうのでおやすみのチューなんてもちろんしなくなって、次第に普段の会話も業務連絡程度になっていった。

ハグキスもしない、時間さえあればゲームをしているのでセックスもしない。

彼氏は日曜が唯一の休日で、以前は買い物ついでにデートをしたり……なんてこともあったが、それも一切なくなった。

日曜日は朝7時に起きてひとりでゲーム、私が起きてきたら朝食を食べて昼までゲーム、昼食を食べて夕方までゲーム、買い物に行って夕食を食べたらまたゲーム。毎週その繰り返し。

次第に食事の内容も「ゲームをしながらつまめるもの」を求めるようになり、食卓ではスマホゲームの実況を見ているので、会話もしなくなった。

そのころになると私もいよいよ嫌になってきて、ゲーム辞めてよ、寂しい、なんて言うようになっていた。

でも、その瞬間ゲームの片手間にこっちを見るだけで、何も変わらなかった。私が生理痛で寝込んでいても、飲み物ひとつも持ってきてくれることはなかった。私よりゲームの方が好きみたいだった。

ゴールデンウィークに入り、カレンダー準拠私たちはお互いに長い連休を得た。

その頃にしては珍しく、彼氏が「せっかくだから5月3日は私ちゃんが好きな水族館デートをしよう」と言ってくれて、私は泣いて喜んだ。私のことまだ忘れてなかったんだ、みたいな安心感がすごくて、わんわん泣いて、当日は何を着ていこうかな、どのバッグで行こうかな、美容室いっちゃおうかな、って浮かれていた。

私が寝室のクローゼットで服を選んで、リビングにいる彼氏に「この服、デートにどうかな?」って持っていったら、彼氏は壁に向かってしゃべっていた。

寝室に戻って泣いた。

ゴールデンウィーク中の彼氏生活リズムくそもない生活をしていた。

朝9時に起きてゲーム、私が起きてきたら朝食を食べて昼までゲーム、昼食を食べて夕方までゲーム、買い物に行って夕食を食べたらまたゲーム、朝5時に寝て、朝9時にはまたゲーム、のループ。嘘みたいだよね。嘘だって思いたかった。

そんな生活最中だったか水族館デートの当日は揺すってもくすぐっても全然起きなくて、結局家を出たのはお昼をだいぶ過ぎたころ。

八景島に行ったんだけど、時間も遅いしそもそも混んでるしで閉館までに回り切れなくて、私が見たかったペンギンイベントにも間に合わなかった。

彼氏は一生けんめい話を振ってくれたり変なダジャレを言ったりして私を励ましてた?けど、正直私の中では、もう無理だという感情しか沸いてこなくなっていた。

ゲームのためなら7時に起きられるのに、私とのデートのためには午前中に起きることすらできないの?

そもそも次の日朝からデートなのに、朝までゲームしてるって何?

この人と結婚なんかしたら、この先何年もこうやって放置されるの?

いろんな不満と悲しさがうわーっと押し寄せてきて、家に帰って早々、私は別れ話を切り出した。

私は上に書いたような不満を吐き出して、彼氏言い訳もしないでただ「ごめん…」だけを言い続けて、別れ話は2時間くらい続いた。

で、結局別れなかった。

彼氏は「「私ちゃん人生のすべて。私ちゃんより大切なものはないかゲーム時間を減らす」と約束してくれて、寂しさから別れ話を切り出していた私はそれを信じて、再構築することを誓って別れ話を終えた。私はギャン泣きして彼氏に抱きついた。何か月ぶりかのハグだった。

その日、彼氏は3時までゲームをしていた。

私の中でなにかが消えた。

もうなんか、すべてがどうでもよくなってしまった。

あんなに熱い話し合いをした直後、普通ゲームしなくない?

もちろんそのとき直接抗議したよ。今日くらいは一緒に寝ようよ、さっき別れ話を乗り越えたばっかりなんだよ、って。

そしたらお姫様抱っこで私を寝室に運んで、ほっぺにチューをして、「すぐにやめてこっちに来るからちょっと待ってて」って言った。

私は信じて待ってたけど、1時間経っても2時間経っても、彼氏は寝室に来なかった。ちらっとリビングを覗きに行ったら、まだ壁に向かって話しながらゲームをしてた。

私の中に残っていた寂しさとか好きって気持ちとかが今度こそさっぱりなくなった。

寝室に戻って、眠くなるアレルギーの薬を飲んで強引に寝た。

次の朝、8時に起きたら、彼氏はもう起きてリビングにいて、ゲームをしていた。

そんな状態のままゴールデンウィークが終わり、私はといえば、完全に冷め切っていた。

家に帰っても彼氏ゲーム、私はネットサーフィン時間になったら勝手に寝る。

完全に家庭内別居状態になっていて、当然会話をしてもぼんやり空気が悪いので、私はだんだん家に帰らなくなった。

高校の先輩と飲みに行ったり、友達の家に泊めてもらったり、男女関係なく毎晩飲み歩いた。

そしてついに男を作った。

これに関しては理由は何であれ私の非だと思う。

とりあえず、私は家に帰らず男とごはんやらホテルやらに通うようになって、いよいよ彼氏とは疎遠になっていった。

8月に入ったころ、彼氏に「最近家にいないけど、浮気でもしてるの?」と詰められた。

曰く、私が家にほぼいない状態が続いてしばらく経った頃、さすがに放置しすぎたかなと思って焦ってゲームをやめ、ごはんを作って私の帰りを待つようになったのに、私は帰ってこない。

身寄りがなく、職場が家の目と鼻の先である私が家出したとは考えられなかった彼氏は、私のSNSを追いかけて、男と仲良くしているのを見つけたらしかった。

私は咄嗟に謝ったけど、心の奥底では、なんで私だけが謝らなきゃいけないの?とも思っていた。

浮気はもちろん最悪の行為。だけど、何ヶ月も私を放置した向こうには一切の非もないの?って。

私は何回も話し合おうって言ったし、意見も言ったし、向こうから同意も得たはずなのに、その日のうちに裏切られた。何回もそんなことがあったから愛想が尽きたのに、これって私だけが悪いのか?って。

そこから家の中は以前にも増して冷戦状態になり、私はますます彼氏のことが嫌になった。

彼氏は今度こそ本当にゲーム時間を減らしたみたいで、毎日仕事の合間にも夜にも朝にもLINEを送ってくるようになったけど、私は「そうなんだ」「ふーん」「がんばれー」みたいな返信しかしなくなっていた。

「私ちゃんとの時間がほしいか今日は早く帰ってきてね」という連絡を無視して、男と吞んだくれた。

さらなんだよもう遅いよって思って、ホテルトイレでひとり泣いた。

9月、私の誕生日があった。

さすがに今日くらいは家にいるべきか?と悩んでいたら、珍しく彼氏が「新宿に買い物に行きたい」と言いだした。

その日は平日だったのと、彼氏普段都心は人が多くて嫌い」と言って都心でのデートや買い物を断固拒否していた人だったので、ほえー珍しい、と思って、何の気なしに適当についていくことにした。

彼氏新宿について入ったのは南口サマンサで、買い物というのは私の誕生日プレゼントだった。私が好きそうな淡いピンクのバッグを選んで買って、家に帰って、手紙と一緒に渡された。

このときまでは、今さらなんなんだよと思っていた。

半年近く私を放ってゲーム三昧だったくせに、バッグくれたくらいで気持ちなんか戻んないよ、って思った。

とりあえずありがとうと言って受け取って、時間時間からシャワーに行った。

上がってリビングに戻ってきたら、彼氏ソファーで寝ていた。

今日は早寝なんですねwと思ってベッドで寝るように促そうとしたら、彼氏の頭の近くに、画面つけっぱなしの彼氏スマホが転がっていた。

そうやってつけっぱで寝るから充電なくて仕事中困るんだろ、とイラっとしてスマホを手に取ると、LINE keepのトーク画面。

「やっぱり僕は私ちゃんのことが好きなんだよね」

「早く会いたい」

誕生日デートしたい」

とかなんだかんだ書いてあって、私はその瞬間ぶわっと泣き出した。

そういうのは直接言えよとめちゃめちゃイライラした。と同時に、なんでこんなことになっちゃったんだろう、って思ってどうしようもなくなった。

何回も話し合って、私は男と縁を切って、彼氏ゲームを辞めることを約束して、再構築を決めた。

しばらくはぎこちない感じだったけど、だんだん私も好きって気持ちが戻ってきて、前みたいにおやすみのチューもするようになった。

そんなこんなで1年近く経って、先日、また私の誕生日が来た。

今年もバッグをもらって(※彼氏が、私のお気に入りのショルダーバッグを破壊してしまったため)、手紙もついてきた。

そこには、「この1年は、お互いに言いたいことを言い合って、良い関係を築けたと思います。ずっと一緒にいようね」と書いてあった。

その場は嬉しくてまた泣いたんだけど、ひとりになって手紙を読み返していたとき自分の心の中にもやもやした影がいることに気が付いた。

再構築を約束してから、私は飲み歩くのをやめて家にいるようになって、男とも縁を切った。

浮気したことを心から謝り反省して、男友達との交流もつときは逐一連絡したり、紹介したり、私なりに少しでも信頼を得られるように動いてきたつもり。

では、彼氏は?

結論から言うと、彼氏はまだヴァロラントをやっている。まあ、2時には寝るようになったけど。

ただ、あんまりゲームが好きそうなんで、取り上げるのは悪いなと思い、一緒にできるオンラインゲームを見つけてきて彼氏を誘ったら、見事にはまってくれた。

最初のうちは一緒にやっていたけど、次第に、私が寝た後にひとりでやり続けるようになってきた。

日曜日、朝目が覚めたら、「洗濯がてらリビングゲームしてるね。私ちゃんは疲れてるだろうから寝てていいからね」って、優しい顔。

私はもう浮気するつもりも、あのときみたいに話し合いを諦めることもしたくないと思っている。

本当に彼氏のことが好きで、本気で再構築したいから。「私ちゃんは寂しいと浮気ちゃうもんね」ってイジられても、毎回心から謝罪して、頭を下げている。

でも、本当にこれでいいのかな。

本当に私たち、再構築に成功したのかな。

未だに彼氏がヴァロラントをしている背中を見ると、吐き気パニック発作を起こしてしまう。

朝方目が覚めて隣に彼氏がいないと、あのときのことを思い出してリビングに走って向かってしまう(大体、トイレ行ってるだけなんだけど)。

彼氏は、再構築どころか、「雨降って地固まるって僕たちのことだね」なんて呑気に言う。

私だけが、1年前に取り残されている。

  • 本当は速攻で別れるべきだけど、なかなか難しいよね

  • 不思議でしゃーないんやけど、そんなに彼女を放置してゲームに夢中になるって、実はそれほど彼女のことが好きじゃないんじゃないのか?と思ってしまった

    • ほんそれ

      • だよなあ そもそもゲームで出会っててゲーム好きなのはわかるんやけど、それにしても放置しすぎやろというか… なんかそのうちまた彼氏がゲームに夢中になって別れそ

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