見栄と虚言とに彩られし世界、嘘松の花は咲けども、ひとときの春の色にすぎず。
そも、いづれの世にか男も女も、ネットの海に旗を立て、剣を抜きて、
「表現の自由」だの、「男性性と戦ふ聖女」だのと叫びしは、何の益かありけん。
皆、老の坂をくだりて才は錆び、二周おくれのITの弓も折れはてぬ。
神の恩寵、ただ彼らが陣にくだりけり。
あはれ、われらが軍、幾度となくマウントの矢を射かけ、スレッドの刀を交へしも、
何ひとつ得るところなかりけり。
むしろその毒にあたりて、心、病におかされ、統失の如く荒れ狂ふばかりなり。
ボーイミーツガールの戦さ、もはや起こらず、
男女とて才は蘇らず、人生の花は再び咲かず、
ただ無常の風に散りぬるのみ。
されば申す、剣を収め、旗を巻き、
十歩のうちなる現実にぞ立ち帰るべき。
和歌にいはく、
「露と落ち 露と消えにし 我がネット 夢の跡こそ 哀れなりけれ」
(露と消えたる我がネットの夢の跡は、ただ哀れなりけり)
われらがQOL、爆上がりすべし」と。
かくのごとく語り伝へて、涙を落としけり。
盛者必衰の理をあらはすは、SNSのきらびやかなる画面なりけり。
驕れる者も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
強き者もつひにほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
旗を巻け、剣を収めよ、兜を脱ぎて、
秋葉原の歩行天に魂を残し、
あはれ、まだ迷ひの雲に籠り、
Xの陣にて囀る「かなしき方々」ありと聞く。
そは昔、二千年代の戦さにて、
「ブログ」という盾を構へ、
「2ちゃんねる」の城に籠りて、
されど今、技術の誉れも消え、
戦場は荒れ果て、
ただ炎上の煙のみ空にたなびきて、
いづちの方にか「レムたん」「エミリア」「ウマ娘」「Vの姫君」らが、
「すごいです増田くん!結婚を前提にお付き合いください♡」と、
麗しき言の葉をささやくべしと、
今も夢見るか、かなしきことかな。
なろうの奇跡を信じて、
「俺またなんかやっちゃいました?」と呟き、
会社にて称へられんと望むか。
愚かなること、いとど哀れなり。
お気持ち表明を法螺貝とし、
絶えず戦へども、勝鬨の声、
ただの一度も上がらざりけり。
あなかしこ、
ボーイミーツガールの戦さ、もはや起こらず、
現実を見よ、君たちは敗れたり。
初めより勝敗は決していたのだ。
奇跡は、ただ若き血潮、
いでや、今こそ敗軍の将となれ。
秋葉原のかつての歩行天に赴き、
夢の亡骸を葬るごとく首を垂れ、
敗北の美を引き受けよ。
人の世に、英雄の役のみ尊きにはあらず、
敗者の道もまた、人の宿命なり。
和歌に曰く、
「散る花は もとの木の枝に かへらねど 春の名残を 誰か止めけん」
(散りし花は戻らぬ、されど春の名残をとどめんと、誰が抗ひ得ん)
さらに曰く、
「露と消え 夢とや散りし 秋葉原 その歩行天に 涙ぞ落つる」
かく語り伝へて、涙を落としけり。
祇園精舎の鐘の声、ネットの栄華もまた夢のごとし。 盛者必衰の理をあらはすは、SNSのきらびやかなる画面なり。 驕れる者も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。 強き者もつひにほ...