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水野敬也さん著 「夢をかなえるゾウ」

水野敬也さん著 「夢をかなえるゾウ」のご紹介。

出版当時、ベストセラーとしてかなり話題になりましたので、読まれた方も多いのではないでしょうか。その出版から既に5年も経つのに、相変わらず売れているようですね。

夢をかなえるゾウダメダメなサラリーマンの前に突然現れた関西弁を喋るゾウの姿をした神様“ガネーシャ”が、成功するために毎日課題を出してという、いわゆる成功本です。

出される課題は、「靴をみがく」とか、「トイレ掃除をする」とか、「運が良いと口に出して言う」といった、まあこの手の本としては見慣れた内容ばかりでしょうか。

著者自身、本書の最後の方で、「ワシが教えてきたこと、実は、自分の本棚に入ってる本に書いてあることなんや。ワシの教えてきたことには何の目新しさもないんやで」って言っています。

その後に、著者はなんて言っているでしょうか? 
それは、最後にお伝えしましょう。

さて、一つづつ“目新しくもない”課題を羅列していっても仕方がありません。ここでは、課題というよりも、課題の奥底(?)に流れている“考え方”をいくつか紹介したいと思います。

人間は意識を変えることはできない?!

この手の本を読む人たちは、自分を変えたいって思っている人たちではないでしょうか。自分が変わって、そして成功したいって。

でも、「変わる」って難しいですよね。多分、これまでにも何度も挑戦して跳ね返されてきた人が多いのではないでしょうか。

著者(ガネーシャ)は、人間が変わろうと思っても変われない最も大きな原因は、「人間は意識を変えることはできない」ということを理解していないから、と言います。

みんな今日から頑張って変わろうって思います。でも、どれだけ意識を変えようと思っても、変えられません。それは、人間の意志なんて本当に弱いものだからです。

本気で変わろうって思ったら、“意識”を変えようとするのではなく、「具体的な何か」を変えなければいけません。

例えば、「テレビを見ないようにする」とします。この場合、「よし、もうテレビは見ない」って意識を持つだけではなく、具体的な何か・・・・・例えば、テレビのコンセントを抜くとか、もっと言えばテレビを捨ててしまう・・・・・をすることで、テレビを見なくなる可能性を高める必要があるとのことです。

別の言い方をすると“環境”を作る。自分がこうすると決めたことを実行し続けるためには、そうせざるを得ないような環境を作らなければならないということです。

“意志”は弱いけど、“欲望”は強いですよー

このブログに何度も引用させて頂いている、アチーブメント株式会社の青木先生のセミナーを初めて受けたとき、一つの言葉に衝撃を受けた記憶があります。

それは、

「意志は弱い、欲望は強い」

というものでした。

それまで、それこそ自分を変えようとか、朝早く起きようとか、いろんなことを決めたのに、その多くを実現出来ずにいた私は、「自分は意志の弱い人間だなー」って思っていました。

でも、この青木先生の言葉を聞いて、そうか私に限らず「意志は弱い」のかって安心したんです。

青木先生の言いたいのは、「“目的の無い”意志は弱い」ってことだと思います。

例えば毎朝1時間早く起きて英語の勉強をしようと思います。でも、その英語の勉強は何のためにやりたいのでしょうか? なんとなく英語が出来ると将来役に立ちそうだから? この程度だと、毎朝毎朝1時間早く起きてということを続けていくのは難しいかもしれません。

でもそれが、会社が1年後に海外支社を開設する予定があり、自分はそこで働いて活躍したいという具体的な“欲望”があって、そのために英語の資格を取ろうということであれば、少なくとも“勉強のための勉強”よりは100倍も早起きを継続する可能性は高くなるでしょう。

その“欲望”がフェラーリを買いたいでもいいんですよ。例えばフェラーリ F430 が欲しくて、欲しくて、夢にまで見るようになって、仕事をしていてもそればかり考えていて、みたいな状態になった時、それを手に入れるためにやれることがあるのなら、それはやるでしょう。

例えば、それが毎朝1時間の早起きだとしたら(ちょっと無理があるけどね)、きっとその“意思”を押し通すことはそう難しいことではないと思いませんか。

その意味では、本書の例にある「テレビを見ない」という決意も、ただ単に「テレビを見ないようにして将来役に立ちそうな本を読もう」程度の“意志”では、それを続けることは難しいかもしれません。

でも、テレビを見ないようにして、その結果として“欲しい”あるいは“手に入れる”ことのできる具体的な何かが明確だとしたら、状況はかなり変わってくるのではって思います。

思い描くのが楽しくなければ、それは夢じゃない

ある日、ガネーシャから一本のメールが送られてきます。そこには、「宝くじ当りました。二億です」とあります。

“僕”は急いで家に帰って宝くじの番号を確認してみると、たしかに二億円当っていました。

飛び上がって喜ぶ“僕”の隣で、ガネーシャが聞きます。「二億や。さて、何に使う?」って。

“僕”の胸はワクワクし、これからの楽しい生活を思い浮かべます。いや、思い浮かべたのではなく、楽しい空想は次から次へと頭に勝手にやってきて、幸せな気分を運んできてくれたんです。

そうだ。ハワイだ。ハワイに行こう!その後は、30階建てくらいのハイタワーマンションに引っ越して、外車を買って・・・・・夢のような未来の想像を膨らませて、気が付いたら一時間以上も経っていました。

ここでガネーシャが言います。「よく、『夢は思い描けば実現する』って言うやん?まあ確かにそれは正しいんやけど、中には『夢は思い描かないといけない』って考えだすやつがおんねん。それって、親や周囲の期待に応えようとして無理やり考えてるのと似てるわな」

本来、“夢”ってそういうもんじゃないよねってことです。誰に言われるでもなく、勝手に想像してワクワクしてしまうようなのが“夢”なのです。考え始めたら楽しくて止まらなくなるようなのが“夢”なんです。

ちょうど「二億円の宝くじが当たった時」のようにね。

これも“欲望”ですよね。あれが欲しい、あそこに行きたい、これが食べたいって。無理やり欲しくなろうなんて欲望はあり得ませんよね。

「まあ、なんとなくフェラーリが欲しいかな。やっぱ有名だし、目立つし」。そんな風に「夢を思い描けば」いいのかなって思っても、多分そこには何の執着もないし、だからそのために頑張れるわけもないんです。

やっぱり“夢”も“欲望”もワクワクしなくちゃ意味が無いんです。

思わず長くなってしまいました。水野敬也さん著 「夢をかなえるゾウ」の紹介、次回に続きます。



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