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秦正樹
【視点】私も陰謀論を研究する身として,非常に勉強になりました.また烏谷先生のご指摘は,私の考え方(拙著『陰謀論:民主主義を揺るがすメカニズム』(中公新書))とほとんど一致しており,その点でも個人的に「安心」しました(笑)
烏谷先生のコメントと共通しますが,私も2022年に出版された拙稿において「日本では陰謀論による大きな政治的・社会的影響は見られない」と書きました.しかし,たった3年でこの記述は削除せざるを得ない状況になったことは残念なことです.
この間,日本でも(政治的な)陰謀論が蔓延してしまった大きな理由の一つとして,政治供給側(政治家や政党など)が陰謀論を積極的に発信するようになったことがあげられると考えています.烏谷先生のインタビューでは特に参政党があげられていますが,それ以外にも,たとえば自民党の西田昌司参院議員は,自身のYouTube番組で,財務省はディープステートの手先だと主張してます.いや「ディープステート」は単なる比喩だと反論するかもしれませんが,それでも「ディープステート」などという陰謀論者しか使わない言葉で説明すること自体が陰謀論と捉えられる可能性を考慮できていないという点で問題含みです.あるいは,先日の総選挙で中道に合流せず「減税日本・ゆうこく連合」を立ち上げた(ただし敗北した)原口一博前衆院議員も,陰謀論を主張する政治家として有名でした(今も有名ですが).
彼らは,自民・立憲(当時)という与党や野党第一党に属する議員であり,参政党のようなアウトサイダーというわけではありません.自らが「既得権益」の側にいる政治家ですら(ごく少数とはいえ)陰謀論を主張するわけですから,今後,与野党にかかわらずもっと広まってもおかしくないと考えられます.
また私が行った世論調査では,参政党・日本保守党・れいわ新選組の支持者は特に陰謀論を信奉している傾向がみられました(すでにいくつか論文を書いていますが,一般向けにはhttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD120R00S5A810C2000000/).ただ先日の総選挙では,参政党や日本保守党の支持者が自民党に流入する傾向が見られており,こうした「危なっかしい支持者」へのサービス精神で既成政党(特に自民党)の政治家の間でも陰謀論が広まる可能性を危惧・警戒しています.
陰謀論はバカげている。そう笑っていられた時代は終わった。 米国では「不正選挙」という虚構が群衆を議事堂襲撃へと向かわせ、民主政治を内側から掘り崩しつつある。日本は...
コメントプラス 注目コメント試し読み commentatorHeader 太田啓子 (弁護士) 2026年4月8日9時40分 投稿 【視点】困難な状況の解像度があがるインタビューだった。陰謀論に対して特効薬のよ...
commentatorHeader 倉田徹 (立教大学教授=中国・香港政治) 2026年4月8日10時11分 投稿 【視点】烏谷先生の解説により、陰謀論が生じる背景、それへの対処の難しさなどが総合的に議論されて...
commentatorHeader 秦正樹 (大阪経済大学准教授=政治心理学) 2026年4月8日10時13分 投稿 【視点】私も陰謀論を研究する身として,非常に勉強になりました.また烏谷先生のご指摘は,私の考...