クルマの“お尻”が変わりそうだ。ドイツAudi社が、小型スポーツカー「TT」の一部モデルに、有機ELを光源に用いたテールランプを採用したのである(図1)。日本では2017年3月末に受注を開始した。先行してドイツBMW社も、2016年に発売した限定車に搭載済み。テールランプに有機ELの明かりがともり始めた。
Audi社が量産車に有機ELのテールランプを採用するのは、今回が初めてとなる。TTの最上位モデルである「TT RS Coupe / TT RS Roadster」に搭載できるようにした(図2)。Audi社の日本法人によると、オプション価格は「約12万円」という。
ようやく量産車の水準に
有機ELはLEDのような点光源と違い、面で光るため均質性の良い光源となる。反射板や導光板のような光学部品を使わないのでランプが軽量化でき、ほとんど冷却する必要もない。デザインの自由度も高められる。基板がフレキシブルで、3次元構造のランプに仕上げることも可能だ。
Audi社は2010年ごろからテールランプの光源に有機ELを適用する開発を進めてきた(関連記事:Audi、有機ELの自動車用ライトを公開予定)。寿命や輝度に課題を抱えていたが、量産車に搭載できる水準まで到達したようだ。