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2023年12月の「SEMICON Japan 2023」は約8万5000人が来場した(出所:SEMIジャパン)
2023年12月の「SEMICON Japan 2023」は約8万5000人が来場した(出所:SEMIジャパン)
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 半導体製造装置・材料の展示会「SEMICON Japan(セミコンジャパン)2024」が2024年12月11日、東京ビッグサイト(東京・江東)で開幕する。Rapidus(ラピダス)の設立や台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出を受け、国内半導体の復権への機運が高まる中での開催となる。国内外の半導体企業の経営トップが登壇するほか、微細化や実装、設計などに関する多数の展示やセミナーが予定されている。

半導体の製造から設計までを幅広くカバーする
半導体の製造から設計までを幅広くカバーする
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 初日のオープニングセッションには前衆院議員で自民党半導体戦略推進議員連盟・名誉会長の甘利明氏、理化学研究所理事長の五神真氏らが登壇する。続くセッション「AIが切り開く新しい半導体市場」はラピダス・プロジェクトがテーマ。経済産業相の武藤容治氏、ラピダス社長の小池淳義氏、ラピダスと連携する米IBMの研究開発を指揮するDario Gil(ダリオ・ギル)氏などが講演する。ラピダスは2nm世代半導体のパイロット生産(試作)開始を2025年4月に控える。

 最終日の12月13日にはキオクシアホールディングス社長の早坂伸夫氏、東京エレクトロン社長の河合利樹氏、TSMC製造子会社のJapan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM、熊本県菊陽町)社長の堀田祐一氏らが講演する。キオクシアは12月18日に東証プライム市場に上場し、JASMは2024年末までに熊本第1工場で量産出荷を始める。

 展示会場では半導体の進化を支える装置・材料技術を各社が競う。キヤノンはナノインプリントリソグラフィー装置や後工程向け露光装置を紹介し、開発中のArF(フッ化アルゴン)ドライ露光装置も参考出展する。ArF波長の半導体露光装置を手掛けるのはオランダASMLとニコンのみで、キヤノンの参入の有無が注目される。

 大日本印刷はEUV(極端紫外線)露光用フォトマスクや光電融合向けのパッケージ基板を出展する。光電融合は電子回路と光伝送回路を融合する技術で、データセンターの省電力化につながると注目され関連展示が多い。TOPPANホールディングス傘下のTOPPANは通信用半導体向けで強みを持つ半導体パッケージ基板などを出展する。半導体チップの大型化や複数チップの集積に対応する約10cm角という業界最大級の半導体パッケージ基板を披露する。