当社では、材料の音響特性を評価するために必要な測定システムの開発・販売に加え、それらの測定システムを用いた受託試験サービスもご提供しております。音響材料特性評価のエキスパートが、試験の目的等をしっかりヒアリングさせていただき、お客様のニーズに合った試験サービスをご提案の上、最適なアウトプットをご提供いたします。
多孔質弾性体の音響特性を特徴付けるBiot(ビオ)モデルの材料パラメータのうち、迷路度(Tortuosity)、粘性特性長(Viscous Characteristic Length)、熱的特性長(Thermal Characteristic Length)を測定するシステムを提供します。これらのパラメータは音響特性予測ソフトウェアSTRATI-ARTZで利用可能である他、SEAやFEMで計算を行う各種CAEソフトウェアでも利用できます。
迷路度は、多孔質中を満たす流体(空気)に関わるパラメータの一つで、多孔質弾性体内の空隙の複雑さを表します。具体的には、多孔質弾性体内の空隙の平均的な長さと材料厚の比で表されます。内部構造が複雑になり、迷路度が高くなればなるほど、材料の厚みを増したのと同様の効果が期待できます。
迷路度の測定は、多孔質中を満たす流体(空気)の中を伝わる超音波の音速を測定することにより求めます。従って測定システムは、通常の音響計測システムとは異なり、超音波の送受信センサー、超音波用パワーアンプ、オシロスコープ等で構成されます。
特性長には2種類あり、それぞれ「粘性特性長」、「熱的特性長」と呼ばれ、いずれも多孔質材内の空隙の形状に関係します。いずれも多孔質材料中を満たす流体(空気)に関わる構造に関係するパラメータです。
粘性特性長は、Biot(ビオ)パラメータにおける多孔質材の実効密度に関連する量で、細くなった空隙部分で空気が激しく動くことによる粘性損失(減衰)を表すものと解釈できます。
熱的特性長は、実効体積弾性率に関連する量で、圧縮膨張する流体(空気)とフレーム(骨格構造)との熱交換による損失(減衰)を表します。
特性長の測定システムは、迷路度の測定システム、測定手法をそのまま流用できます。測定手順の上で迷路度と大きく異なる点は、多孔質材を空気中に設置した場合と他の媒質中に設置した場合との、2ケースの測定を行わなければならない点です。従って、計測サンプルを設置するホルダーは、内部を満たす媒質の入れ替えができる容器に設置されています。2ケースの計測結果から、Qδ法と呼ばれる手法で二つの特性長を算出します。
測定方法(迷路度) | 超音波を用いた材料中の音速の計測による算出 |
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測定方法(特性長) | 超音波を用いたQδ法 |
周波数範囲 | 100kHz~1000kHz |
PC | OS: Windows 10 |