ここからは帰りの機内で観た5本。
まず『法定遊戯』。
法科大学院での学生による「無辜ゲーム」が最初にあるのだが、一人だけ、すでに司法試験に受かりながら研究を続けている学生がいて、実は父親の復讐を試みている。父親は置換の冤罪で人生を狂わされて自死した。
その学生仲間の男女が、共に同じ養護施設の出身で弁護士志望というのは少し無理のある設定だと思ったけれど、無罪と冤罪、罪と罰、同害報復、救済と復讐などを考えさせられる複雑な構成でできている。
冤罪の「再審」請求が検察官か家族にしかできないというシステムもネックになっている。
3人の学生が、それぞれ、弁護士、被告人、死者となるという設定もユニークだ。
回想シーンも多く謎が錯綜しているが、全体としては分かりやすくできている。
意外性もあるし、3人それぞれの個性がはっきりしていて分かりやすかった。
学生時代に平野龍一さんの刑法のゼミに出て唯一の合宿体験もしたくらいに「刑法」には関心があったし法廷もの小説も好きだった。この映画のストーリーはなかなかユニークで、録画や録音が簡単にできる時代を反映しているのも新鮮だった。
「冤罪」というのはあたかも「原罪」のように、全ての人について回る可能性だと思うとぞっとする。