日本を発つ前日、今回初めて、自分だけのための行動をした。
歩いて数分で行ける太田記念美術館の「広重の青」展を観に行ったのだ。
仲間のHはすでに観ていて、「広重のプルシアン・ブルーの秘密がすべてわかった」と興奮したように言っていた。
ぎりぎりに足を運んだ展示会だが、刺激的だった。(同じく徒歩圏内の根津美術館は今や入館に予約が必要なのだそうだ。)
この日は土曜日。相変わらずどこもすごい人出だが、比較的空いているレストランで食事した。今回は焼き肉を食べる機会がなかったから。穴場というのはあるものだ。そういえば、このブログには載せなかったけれど、春にオープンした「ハラカド」のフードコートの台湾料理は二度食べた。仲間たちとは上の階で飲み物を飲んでテラスにも出てみた。23時までやっているので便利だ。下はテラスから撮った夜景。これから先、もし彼らが観光で日本に来る時があるなら途中で合流することはあるかもしれないけれど、もう今回のような旅は共有しないだろう。Mがクレタ島に持っているアパルトマンにはHもバカンスで滞在しているし、ふたりはドイツ旅行もしているけれど、「旅のための旅」をこれから先彼らと体験するとは思えない。ともあれ、2003年以来、彼らと5回も日本に来ることになった。私たちの友情を音楽の形で日本の同胞に伝えることが出来たのは奇跡のような幸運だった。 (11/15、日本から戻った後はじめての練習をした。2月のコンサートに入れるラモーを4曲くらいさらった。ラモーは本当に、異次元から語りかけてくるようなアクロバティックな繊細さを繰り出してくる。異世界の得体のしれない生き物のように形を変えながら蠢いているのが同時に緻密で完全に整合性のある動きだというのが驚きだ。私たちの旅と冒険は続く。)