成年後見制度をめぐってのドタバタ劇。
伊勢志摩の真珠養殖業の夫婦がとてもいい。
主役の悪徳弁護士や東京から母の葬儀に戻ってくる末っ子などを演じる俳優たちは最近の人たちだから知らないし、なんだかみな似たように見えるので、他の映画で見ていたとしても覚えていない。「老夫婦」を演じる三浦友和や石野真子の方はなつかしい。三浦友和と言えば「伊豆の踊子」で山口百恵の相手役に抜擢された時代を覚えているから、こんなに味のあるいい俳優になったのだと感慨を覚えた。アイドルだった石野真子も、とてもしっとりとした感じのいい母親役だった。
親に成年後見人がついたせいでいろいろ面倒になった例を日本でもフランスでも知っている。どちらも唯一の相続人となる「一人っ子」なのに、親の世話をする金を動かせなかった。もう一例は、子供のいない未亡人で、認知力が落ちているのに、後見人をつけさせないために、周りがいろいろとカバーしていた。
なかなか難しい問題だ。弁護士と子供が共同後見人になる場合もあった。
都会でばりばり働く美人の妹と、地元に残る二人の異母姉たちの「田舎臭さ」の対比の強調などコミカルなシーンと、強欲な成り上がり弁護士の過去などの深刻な話などがいろいろ混ざっていてまあ飽きないし、子供の時から何度も訪れた伊勢志摩の自然もなつかしくて楽しく見ることができた。