12/12のニュースで、フランスの公営放送のジャーナリストがはじめてイドリブに入って撮影した町の様子を目にした。
イドリブはシリアとトルコの国教の町で、今回アサド政権を倒した反政府軍の中心であるHTCの本拠地だった場所だ。
HTCは、ダマスカスで教会が閉まっていないことを強調し、独裁者から解放したシリアのすべての市民を守り、共存する、と言っているし、国際情勢からみてもそれが一番有効な姿勢だと判断したのではないか、と思いたい。
でも、イドリブでレポーターが見た町では、女性の多くはイスラム・スカーフどころか、かろうじて目だけが見える黒いニカーブをつけている。
それはシャリア法を守るためですか、と質問された女性は、「神が望んでいるのです」と答えていた。
通りで売られている野菜を購入すると、通貨はトルコ紙幣だった。
「教会」の建物があったが扉は閉まっている。
中に入ってみると、完全にがらがらの廃墟だった。キリスト教徒はみな逃げたのだろう。
タリバン政権とどこが違うのか分からない。
トルコの配下にあるのも不気味だ。
もともとトルコはアタチュルク以来、建前としては中東で唯一「完全な政教分離」を建前としていた国だ。エルドアン夫人は、国外訪問ではイスラムスカーフをつけているが国内ではつけていなかった。
エルドアンが独裁化していくにつれて、国はイスラム化して、夫人もヒジャーブをつけるようになったのだ。
一方で、サウジアラビアでは「自由化」路線が進行していて、今ではアバヤなしで出かける女性もいるという。
トルコがNATOに加盟していることも含めて、背後で一体何がどのように動き、これからどうなっていくのか不安だ。日本の雑誌をネットで見ていると「親日国トルコ」を訪問している秋篠宮夫妻の写真がたくさん出てきた。複雑な気分。