2015/04/15
今回の小旅行には3つの目的がありました。フランシュ・コンテ地方で今の時期にしか食べられないカエルを食べること。お酒を買うこと。これは毎年のようにしていて、ブログにも書いていたのですが、もう1つ新しい目的を今年は加えました。
ブドウ畑に咲くチューリップを見ることです。
2年前に行った食品見本市に出店していたワイン農家の人が、そこのブドウ畑には野生のチューリップが咲くのだと話していたのです。ワインのボトルにも黄色いチューリップの花が描かれていました。

★ フランスに野生のチューリップが自生していた! 2013/05/13
花が咲くのはカエルを食べられる時期と重なっているようなので、行ってみたいと思っていたのです。
農薬を使わない昔には、その地方のブドウ畑にはたくさん咲いていたというチューリップ。花が咲いているところを見れるのだろうか?...
◆ ブドウ畑に咲くチューリップを探す
チューリップが咲くワイン農家が主催する「ブドウ畑のチューリップ祭り」というイベントが近づいていたので、農家に続く道にはイベントの飾りができていました。

剪定したブドウの枝に、紙で作った黄色い花がついています。
ワイン農家に近づくと、会場整備を手伝っているらしい女性がいました。車を運転していた友人が車をとめて声をかけました。
イベントには行かないということにしていたのに、イベントに参加したいから教えて欲しいというような口ぶりで話しかけています。マダムは、イベントの食事に出る料理を1つ1つ紹介してくれました。それから、生バンドも入って、テレビにも出演したことがある歌手が2人もいるのですって。
見ると、ステージもしつらえてありました。農家のお得意さんが中心になった内々のイベントなのだろうと思っていたのですが、かなり大規模にしているようです。
でも、友達も、私と同様に、そういうディスコ音楽は好きじゃないはずなのだけど...。でも、興味をひかれているみたいに返事している。イベントに参加するためには、あと2泊する必要がある。近くにある、安くてこぎれいなホテルまで紹介されていました。「ホテルにはマダム○○から紹介されたと言ってくださいね」なんて言ってる。
ようやく、チューリップが咲くブドウ畑の話しになりました。仮設トイレの先にある左に側の道を登ったところにあるブドウ畑に咲いているのだそう。
そこに向かう途中、私は不機嫌そうに「あと2泊するつもりなの?」と友達に聞きました。「ああいう風に話さないと、チューリップが咲いている畑のことが聞けないから」との返事。なるほど...。フランス人は、みんな役者だ!
出会ったマダムと話していたとき、車を止めた道端にもチューリップが咲いていると示されたので、咲いている時期に当たったと知って私は喜んでいました。ブドウ畑には、どういう風に咲いているのだろう? 期待が高まります。
◆ 黄色いチューリップが咲いていた~!
道路で車を降りて、ブドウ畑の丘陵に登りました。
わぁ、本当だ。本当にチューリップが咲いている! しかも、たくさん咲いている♪

農薬をまいていないことは一目瞭然。無農薬のブドウ畑というよりは、半ば放置されたブドウ畑に見えました。でも、黄色いチューリップがいっぱい咲いている。
美味しいワインができるブドウ畑なのかどうかは分からないけど、みごとに花畑になっているブドウ畑を見たのは初めてなので感激しました。

普通のチューリップの特徴は幅広い葉ですが、細い葉でした。花が咲いていなかったら、チューリップだとは分からないですね。野生のスイセンや、野生のスノーフレークの葉とそっくりに見えます。
近くのブドウ畑を見渡すと、チューリップなんかは全く咲いていません。咲いているブドウ畑にとどまって、写真を撮りまくりました。

花屋さんで売っている花々花は、これを品種改良したのだろうと思わせる野生の花が私は好きです。花束にしやすいように大きくしたものよりも遥かに繊細で、美しいと思う。人工的に花を植えてパッチワークのようにした風景なんて、少しも美しいとは思わない。
黄色い野生のチューリップは、想像していたより大きなものでした。背丈は20センチくらいはありましたので。情報によれば、50センチくらいにまで成長することもあるようです。

鼻を近づけて匂いを嗅いでみました。野生のスズランのように強くはありませんが、かなり心地よい香りがありました。
蕾の状態だと、花は質素でしたが、これも可愛い。

それにしても、今の時期って、どうして黄色い花が多いのだろう? まだ貴重な太陽の光を精一杯もらうため?... あるいは、まだ数が少ない昆虫を惹きつけるため?...
◆ 学名はTulipa sylvestris
チューリップが咲くブドウ畑を持っているワイン農家は、このチューリップのことを「Tulipe de vigne(ブドウ畑のチューリップ」と呼んでいました。
でも、ブドウ畑だけを好んで生えるはずはないので調べてみました。
フランスには野生のチューリップが16種類はあって、その中でも最も有名なのが、この黄色いチューリップなのだそうです。
黄色い野生のチューリップの学名はTulipa sylvestris。通称としては、Tulipe sauvage(野生のチューリップ)、Tulipe des bois(森のチューリップ)とありました。3月か4月に開花するために、Avant-Pâques(復活祭前)という呼び名もあるのだそう。
英語でもWild Tulipと呼ばれていました。
フランスに限らず、ヨーロッパでは自生しているようですが、この学名で検索しても日本にあるという情報は出てきませんでした。
この黄色いチューリップは、古代ペルシャからヨーロッパに渡ったチューリップが、1650年頃に南ヨーロッパの牧場やブドウ畑や土手などに野生化したもののようです。
フランスではかなり広い地域で見られるとのこと。ブドウ畑でもよく咲いていた地域があったのですが、1970年代に農業の方法が変わってから激減し、今では絶滅の危機にある植物として保護植物に指定されているそうです。
情報を調べてみると、フランスのあちこちで野生のチューリップを復活しようという運動の紹介が出ていました。
下は、花の生産地としても知られるナント市で野生のチューリップを復活させようというプロジェクトの報告書に入っていた地図です。地図はこのPDFの6ページ目に入っています。

色が濃いほど、野生のチューリップが多く確認された地域を示しています。私が行った地域はジュラ県(県コード番号 39)で、最も多く見られる地域の1つになっていました。
ブドウ畑のチューリップをインターネットで検索したら、アルザス地方のワイン農家のサイトも幾つかでてきたのですが、この地図でもアルザス2県は多い地域であることが示されていました。
むかし、プロヴァンス地方に少し住んでいたとき、山の中を散策していたときに、野生のチューリップではないかと思う花を見ていました。あってもおかしくない地域でしたね。でも、これほど鮮やかな黄色ではなくて、縁が赤っぽかい花で、背が低かったように記憶しています。
同じ野生種でも、地中海沿岸地方にj見られるTulipe méridionale(学名 Tulipa sylvestris subsp. australis)だったのかも知れません。

ブドウ畑で見たチューリップに似てはいますが、少し違いますね。私が南仏で見たのも、こんな風に乾燥しているような場所でした。
バラの木をブドウ畑の入り口のところに植えるという伝統はフランスにあり、今でもしているところがあります。害虫は先にバラにつくので、ブドウの木の危険信号として役立つのだそうです。
昔のブドウ畑に桃の木が植えられていた、という組み合わせもあります。
野生のチューリップは11月から冬の間に葉が伸びて、3月から4月に開花し、5月末になると葉は消えてしまうようです。とすると、ブドウが実をつけないで眠っているような状態の時期に、畑の土を守るのに適しているということになるでしょうか? 土地を肥やす効果があるのかどうかは分かりませんでした。
ともかく、今の時代だと、ここは有機農業をやっているブドウ畑だ、という目安にはなりますね。
野生のチューリップを見に行くというハイキングコースに(こちら)、ブドウ畑にチューリップが咲いている写真が入っているのですが、こういう派手なチューリップは本当に野生なのかな?...
野生でもTulipe d'Agen (Tulipa agenensis) と呼ばれる真っ赤なチューリップがあるそうですが(右の写真)、少し違うように見えます。
野生だと書いてあるので、疑ってはいけないのだけれど...。
◆ 私の庭にも咲いている花では?
実は、ブドウ畑のチューリップを見に行くことにしたとき、庭にポツンと咲いている黄色い花が気になっていました。
もう満開は過ぎていますが、ブログを書きながら写真を撮ったので入れみます。

チューリップを見に行く前に、ひょっとして、これはブドウ畑に咲くというのと同じなのではないかと思っていました。としてら、こういう品種のチューリップは市販されているということ。としてら、ワイン農家では、それを植えているだけではないか、と疑ったわけです。
旅行から帰って改めて眺めてみると、同じ品種に見えます。チューリップにしては葉が細いところも同じです。
それにしても奇妙...。
庭に咲いたのは、写真をとったチューリップ1本だけなのですが、もしも園芸店で珍しいチューリップの球根を買ったとしたら、1個だけ買うはずがないのです。それで考えてみると、これはイベントで買った球根ではないかと思いました。
そのときのことを書いたブログ:
★ 子どもたちを自然に親しませるシャンティイ城のイベント 2011/11/17
子どもたちが城の広大な庭園の1画に植物を植えるというイベントで、そのときに使っていた球根をセットにしたものを売っていたので、2セット買ったのでした。
写真アルバムを開くと、球根を植える子供たちに、どんな花が咲くのかをしめしたものの写真を撮っていました。
ある、ある! 3番目に「Tulipe sauvage(野生のチューリップ)」として、球根と黄色い花の写真が入っていました。

なあんだ、気をつけていなかっただけなのだ...。
◆ 野生のチューリップだらけの空き地があった
チューリップが咲くブドウ畑は、あぜ道に少し咲いているくらいなら、農家の人が球根を植えたのだろうと思うところでした。でも、自然に咲いているように見えたので、ワインを売るためのでっちあげではないのだろうと思います。
さらに、確信できるものと偶然に出会いました。
チューリップを見た後に町を離れようとしたら道に迷ったのですが、そこに黄色い花が咲いている空地があったのです。

通りかかった車窓から見えただけなのですから、普通だったら、タンポポでも咲いているのだろうと思ったはず。でも、ひょっとしたら野生のチューリップではないかと思って、車を降りてみました。
ひゃ~、すごい。地面を埋め尽くしてしまうほど咲くものですか?! チューリップだらけなのです!

ここは昔はブドウ畑だった土地なのかもしれません。売地の看板が傾いて立っていました。
町はずれの高級住宅地という感じの界隈でした。隣のお家はお金持ちなのでしょうから。こんな貴重なチューリップが咲いている土地を買ってお庭にしたら良いのに...。

この空地が売れてしまったら、家を建てるために造成してチューリップ畑は消えてしまうのでしょうね。そうなる前に見ておいて良かった...。


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ブドウ畑に咲くチューリップを見ることです。
シリーズ記事目次 【フランシュ・コンテへの小旅行(2015年4月)】
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その4
2年前に行った食品見本市に出店していたワイン農家の人が、そこのブドウ畑には野生のチューリップが咲くのだと話していたのです。ワインのボトルにも黄色いチューリップの花が描かれていました。

★ フランスに野生のチューリップが自生していた! 2013/05/13
花が咲くのはカエルを食べられる時期と重なっているようなので、行ってみたいと思っていたのです。
農薬を使わない昔には、その地方のブドウ畑にはたくさん咲いていたというチューリップ。花が咲いているところを見れるのだろうか?...
◆ ブドウ畑に咲くチューリップを探す
チューリップが咲くワイン農家が主催する「ブドウ畑のチューリップ祭り」というイベントが近づいていたので、農家に続く道にはイベントの飾りができていました。

剪定したブドウの枝に、紙で作った黄色い花がついています。
ワイン農家に近づくと、会場整備を手伝っているらしい女性がいました。車を運転していた友人が車をとめて声をかけました。
イベントには行かないということにしていたのに、イベントに参加したいから教えて欲しいというような口ぶりで話しかけています。マダムは、イベントの食事に出る料理を1つ1つ紹介してくれました。それから、生バンドも入って、テレビにも出演したことがある歌手が2人もいるのですって。
見ると、ステージもしつらえてありました。農家のお得意さんが中心になった内々のイベントなのだろうと思っていたのですが、かなり大規模にしているようです。
でも、友達も、私と同様に、そういうディスコ音楽は好きじゃないはずなのだけど...。でも、興味をひかれているみたいに返事している。イベントに参加するためには、あと2泊する必要がある。近くにある、安くてこぎれいなホテルまで紹介されていました。「ホテルにはマダム○○から紹介されたと言ってくださいね」なんて言ってる。
ようやく、チューリップが咲くブドウ畑の話しになりました。仮設トイレの先にある左に側の道を登ったところにあるブドウ畑に咲いているのだそう。
そこに向かう途中、私は不機嫌そうに「あと2泊するつもりなの?」と友達に聞きました。「ああいう風に話さないと、チューリップが咲いている畑のことが聞けないから」との返事。なるほど...。フランス人は、みんな役者だ!
出会ったマダムと話していたとき、車を止めた道端にもチューリップが咲いていると示されたので、咲いている時期に当たったと知って私は喜んでいました。ブドウ畑には、どういう風に咲いているのだろう? 期待が高まります。
◆ 黄色いチューリップが咲いていた~!
道路で車を降りて、ブドウ畑の丘陵に登りました。
わぁ、本当だ。本当にチューリップが咲いている! しかも、たくさん咲いている♪

農薬をまいていないことは一目瞭然。無農薬のブドウ畑というよりは、半ば放置されたブドウ畑に見えました。でも、黄色いチューリップがいっぱい咲いている。
美味しいワインができるブドウ畑なのかどうかは分からないけど、みごとに花畑になっているブドウ畑を見たのは初めてなので感激しました。

普通のチューリップの特徴は幅広い葉ですが、細い葉でした。花が咲いていなかったら、チューリップだとは分からないですね。野生のスイセンや、野生のスノーフレークの葉とそっくりに見えます。
近くのブドウ畑を見渡すと、チューリップなんかは全く咲いていません。咲いているブドウ畑にとどまって、写真を撮りまくりました。

花屋さんで売っている花々花は、これを品種改良したのだろうと思わせる野生の花が私は好きです。花束にしやすいように大きくしたものよりも遥かに繊細で、美しいと思う。人工的に花を植えてパッチワークのようにした風景なんて、少しも美しいとは思わない。
黄色い野生のチューリップは、想像していたより大きなものでした。背丈は20センチくらいはありましたので。情報によれば、50センチくらいにまで成長することもあるようです。

鼻を近づけて匂いを嗅いでみました。野生のスズランのように強くはありませんが、かなり心地よい香りがありました。
蕾の状態だと、花は質素でしたが、これも可愛い。

それにしても、今の時期って、どうして黄色い花が多いのだろう? まだ貴重な太陽の光を精一杯もらうため?... あるいは、まだ数が少ない昆虫を惹きつけるため?...
◆ 学名はTulipa sylvestris
チューリップが咲くブドウ畑を持っているワイン農家は、このチューリップのことを「Tulipe de vigne(ブドウ畑のチューリップ」と呼んでいました。
でも、ブドウ畑だけを好んで生えるはずはないので調べてみました。
黄色い野生のチューリップの学名はTulipa sylvestris。通称としては、Tulipe sauvage(野生のチューリップ)、Tulipe des bois(森のチューリップ)とありました。3月か4月に開花するために、Avant-Pâques(復活祭前)という呼び名もあるのだそう。
英語でもWild Tulipと呼ばれていました。
フランスに限らず、ヨーロッパでは自生しているようですが、この学名で検索しても日本にあるという情報は出てきませんでした。
この黄色いチューリップは、古代ペルシャからヨーロッパに渡ったチューリップが、1650年頃に南ヨーロッパの牧場やブドウ畑や土手などに野生化したもののようです。
フランスではかなり広い地域で見られるとのこと。ブドウ畑でもよく咲いていた地域があったのですが、1970年代に農業の方法が変わってから激減し、今では絶滅の危機にある植物として保護植物に指定されているそうです。
情報を調べてみると、フランスのあちこちで野生のチューリップを復活しようという運動の紹介が出ていました。
下は、花の生産地としても知られるナント市で野生のチューリップを復活させようというプロジェクトの報告書に入っていた地図です。地図はこのPDFの6ページ目に入っています。
色が濃いほど、野生のチューリップが多く確認された地域を示しています。私が行った地域はジュラ県(県コード番号 39)で、最も多く見られる地域の1つになっていました。
ブドウ畑のチューリップをインターネットで検索したら、アルザス地方のワイン農家のサイトも幾つかでてきたのですが、この地図でもアルザス2県は多い地域であることが示されていました。
むかし、プロヴァンス地方に少し住んでいたとき、山の中を散策していたときに、野生のチューリップではないかと思う花を見ていました。あってもおかしくない地域でしたね。でも、これほど鮮やかな黄色ではなくて、縁が赤っぽかい花で、背が低かったように記憶しています。
同じ野生種でも、地中海沿岸地方にj見られるTulipe méridionale(学名 Tulipa sylvestris subsp. australis)だったのかも知れません。

ブドウ畑で見たチューリップに似てはいますが、少し違いますね。私が南仏で見たのも、こんな風に乾燥しているような場所でした。
バラの木をブドウ畑の入り口のところに植えるという伝統はフランスにあり、今でもしているところがあります。害虫は先にバラにつくので、ブドウの木の危険信号として役立つのだそうです。
昔のブドウ畑に桃の木が植えられていた、という組み合わせもあります。
野生のチューリップは11月から冬の間に葉が伸びて、3月から4月に開花し、5月末になると葉は消えてしまうようです。とすると、ブドウが実をつけないで眠っているような状態の時期に、畑の土を守るのに適しているということになるでしょうか? 土地を肥やす効果があるのかどうかは分かりませんでした。
ともかく、今の時代だと、ここは有機農業をやっているブドウ畑だ、という目安にはなりますね。
野生のチューリップを見に行くというハイキングコースに(こちら)、ブドウ畑にチューリップが咲いている写真が入っているのですが、こういう派手なチューリップは本当に野生なのかな?...
野生だと書いてあるので、疑ってはいけないのだけれど...。
◆ 私の庭にも咲いている花では?
実は、ブドウ畑のチューリップを見に行くことにしたとき、庭にポツンと咲いている黄色い花が気になっていました。
もう満開は過ぎていますが、ブログを書きながら写真を撮ったので入れみます。

チューリップを見に行く前に、ひょっとして、これはブドウ畑に咲くというのと同じなのではないかと思っていました。としてら、こういう品種のチューリップは市販されているということ。としてら、ワイン農家では、それを植えているだけではないか、と疑ったわけです。
旅行から帰って改めて眺めてみると、同じ品種に見えます。チューリップにしては葉が細いところも同じです。
それにしても奇妙...。
庭に咲いたのは、写真をとったチューリップ1本だけなのですが、もしも園芸店で珍しいチューリップの球根を買ったとしたら、1個だけ買うはずがないのです。それで考えてみると、これはイベントで買った球根ではないかと思いました。
そのときのことを書いたブログ:
★ 子どもたちを自然に親しませるシャンティイ城のイベント 2011/11/17
子どもたちが城の広大な庭園の1画に植物を植えるというイベントで、そのときに使っていた球根をセットにしたものを売っていたので、2セット買ったのでした。
写真アルバムを開くと、球根を植える子供たちに、どんな花が咲くのかをしめしたものの写真を撮っていました。
ある、ある! 3番目に「Tulipe sauvage(野生のチューリップ)」として、球根と黄色い花の写真が入っていました。

なあんだ、気をつけていなかっただけなのだ...。
◆ 野生のチューリップだらけの空き地があった
チューリップが咲くブドウ畑は、あぜ道に少し咲いているくらいなら、農家の人が球根を植えたのだろうと思うところでした。でも、自然に咲いているように見えたので、ワインを売るためのでっちあげではないのだろうと思います。
さらに、確信できるものと偶然に出会いました。
チューリップを見た後に町を離れようとしたら道に迷ったのですが、そこに黄色い花が咲いている空地があったのです。

通りかかった車窓から見えただけなのですから、普通だったら、タンポポでも咲いているのだろうと思ったはず。でも、ひょっとしたら野生のチューリップではないかと思って、車を降りてみました。
ひゃ~、すごい。地面を埋め尽くしてしまうほど咲くものですか?! チューリップだらけなのです!

ここは昔はブドウ畑だった土地なのかもしれません。売地の看板が傾いて立っていました。
町はずれの高級住宅地という感じの界隈でした。隣のお家はお金持ちなのでしょうから。こんな貴重なチューリップが咲いている土地を買ってお庭にしたら良いのに...。

この空地が売れてしまったら、家を建てるために造成してチューリップ畑は消えてしまうのでしょうね。そうなる前に見ておいて良かった...。
外部リンク:
☆ Tulipa sylvestris, Tulipe des bois, Tulipe sauvage.
☆ Projet de réintroduction d'une espèce végétale protégée, la tulipe sauvage
☆ Wikipédia: Tulipa sylvestris
☆ La tulipe sauvage en France
☆ La Tulipe de vigne
☆ 原種系チューリップ
☆ Histoire de la tulipe
ブログ内リンク:
★ 初めて出会った野生のスノーフレーク 2014/03/17
★ 目次: 森や野原に咲く春を告げる花々
★ フランシュ・コンテ地方を旅行して、貴重なカエルを食べる 2012/03/30
★ 目次: ワインなどアルコール飲料に関するテーマ
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この記事へのコメント
原種のチューリップ、わたしも大好きです(*^^)v
お写真の黄色いチューリップも本当にきれい。
原種にしかない凛とした気品を感じます。
もともと中近東に自生していたものを十字軍が持ち帰り、ヨーロッパに広まったと聞いていますが、それが帰化したということになるのかしら。
http://folli-2.at.webry.info/201105/article_3.html
帰化植物というのは、往々にして厄介者扱いにされることが多いようですが、こんな可憐な花だったら大歓迎ですよね。
ブドウ畑といえば石灰質の石がごろごろしているというイメージですが、下草に交じって咲く様子はいかにも長閑です。
そうそう、カエルは召し上がりましたか?
以前私が食べたのは中華料理としての蛙でしたが、淡白でチキンのような味わいでした。
フランスではどんな風に料理されるのかしら。
お写真の黄色いチューリップも本当にきれい。
原種にしかない凛とした気品を感じます。
もともと中近東に自生していたものを十字軍が持ち帰り、ヨーロッパに広まったと聞いていますが、それが帰化したということになるのかしら。
http://folli-2.at.webry.info/201105/article_3.html
帰化植物というのは、往々にして厄介者扱いにされることが多いようですが、こんな可憐な花だったら大歓迎ですよね。
ブドウ畑といえば石灰質の石がごろごろしているというイメージですが、下草に交じって咲く様子はいかにも長閑です。
そうそう、カエルは召し上がりましたか?
以前私が食べたのは中華料理としての蛙でしたが、淡白でチキンのような味わいでした。
フランスではどんな風に料理されるのかしら。
2015/04/16 | URL | aosta [ 編集 ]
aostaさんへ
最近のオーガニックブームで、雑草が生い茂っているブドウ畑を見るのには慣れましたが、こんな風に見事な花が咲いている畑は圧巻でした。
チューリップの歴史について省略していたので、ほんの少し書き足しました。野生のチューリップも、中近東から入ったチューリップが野生化したものだそうです。
>帰化植物というのは、往々にして厄介者扱いにされることが多いようですが、こんな可憐な花だったら大歓迎ですよね。
⇒ 本当ですね。同じように今の時期に地面を埋める日本に入った西洋タンポポは目の敵にされているので可愛そう。畑を耕すと、タンポポの方は根が分かれてどんどん増えて行くのに対して、野生のチューリップの方は保護してあげなければいけない繊細さがあるのも大切にしてもらえる理由かもしれませんね。もっとも、野生化したチューリップが畑に生えて耕されると、球根が色々な場所に移動し、土の中に深く埋まるので増えた、という19世紀の記述もありました。
>カエルは召し上がりましたか?
⇒ 今回の旅行の最優先課題だったので、ここが一番良いというレストランで食べました。本当は、旅行中にほかにも1回か2回は食べたいと思ったのですが、この天然蛙を扱うレストランは少ないので今回旅行した地域では行き当たることができませんでした。
カエルのお話しは別の日記にコメントを入れてくださったので、そちらでお返事しますね。
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