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2020/01/07
フランスにいるときは日本料理を食べたくないし、日本にいるときはフランス料理は食べたくない、と私は思っております。

日本に帰ると、いつも友人たちに会うためのレストランを選んでもらっているのですが、なぜかフランス料理のレストランに行こうということになることが多いです。私がフランス料理を食べたがっていると思うからなのか、この機会にフレンチを食べたいと友人たちが思うのか、選んだレストランの料理が美味しいと私に言ってもらいたいからなのか?...

日本で本格的なフランス料理を食べたのは、仕事関係で行ったときだけです。つまり、自分で支払うことはない食事。フランスで食べるのと差はないな、と感じました。

友人たちがフレンチを食べる集まりをするときには、高い料金を払うレストランは選ばないでくれています。それでもフランスで食べるよりは高いし、ボリュームもないし、驚くほど美味しい料理でもないので、良いレストランで食事できたと喜んでみせるのは礼儀上だけの理由。

これは洋食とか西洋料理とか言うべき料理だ、と思うことが多いのです。

最近、日本でお手頃価格で食べられるフランス料理店が何を出すのかが気になってしまっています。なぜか、スパゲッティを出す店が多いようなのが気になるのです。リーズナブルプライスの料理を出す場合、パスタはお腹を満たすので、そうなっているのかなと思います。私にとって、パスタはイタリア料理なのですけれど...。

少し前、お気に入りのシェフのフランス料理店で食事したランチが美味しかったと言う日本の友人がいました。前菜がミネストローネ(これはイタリア料理ですよね?)で、メインはバーガーだったのだそう。

イメージ写真 ↓


最近のフランスでは、バーガーを出すビストロタイプのレストランが増えているようです。この秋に行ったビストロ(こちら)でも何種類かのバーガーがメニューに入っていたので、まだブームは続いているのだと思いました。

フランス風バーガーが美味しいのかどうか? まず、フランス人が美味しいアングロサクソン風のパンを焼けるのか疑問に思ってしまう。私はフランスでバーガーを注文したことがないので分かりません。日本でも、学生時代にはファーストフード店でハンバーガーを食べたことがあったはずですが、気に入っていたかどうかさえ思い出せません。

友人が行った店のシェフは、フランスで3年間の料理修行をしていました。フランスでバーガーが流行っているということをキャッチしてのメニューだったのでしょうが、バーガーをフランス料理として出すという感覚が私には理解できない...。

このシェフの店では何回か食事したことがあるのですが、このメニューだったら誘われても行かないぞ、と思いました。ミネストローネもバーガーも好きではないので。



イタリア料理とフランス料理のフルコースの比較

両者を比較してみると、一般的なフルコースはこうなるようです。


イタリア料理フランス料理
アンティパスト前菜
プリモ・ピアット(主にパスタ)
セコンド・ピアット(魚か肉)
※ 付け合わせの野菜は別に注文する
魚料理
お口直しとして、
アルコール入りシャーベット
肉料理
チーズ
デザートデザート


イタリアを旅行した時にフルコースを食べたことがないので、どのくらいのボリュームで出てくるのか分かりません。フランスの場合だと、前菜の前に小さなお通しが幾つか、デザートの後にもお菓子が出てくることは多いです。

日本のフランス料理店ではメイン料理の前にスープを出すことが多いようです。日本人は汁物ないと食事にならないという配慮なのか、イギリス経由で入ったフランス料理だからなのか、理由は見つけていません。

逆に、チーズは日本のフランス料理店も無いことが多いですね。

イタリアではチーズは料理に使って、フランスのようにチーズをデザートの前に食べる習慣はないのだろうと感じていますが、イタリアでもチーズを注文できるレストランがあるかもしれません。でも、フランスのようにチーズが食べ放題で出てくることはないだろうと思います。





イタリア料理とフランス料理の違いは?

日本でリーズナブルプライスで食べられるフランス料理店の情報を眺めていたら、パスタが多いことに気が付きました。安い材料費でお腹にたまるものとしたらスパゲッティを出すに限るかな? 何万円も払うようなフランス料理店では、さすがに気取ってパスタなんかは出さないのではないかと思うのですが。

日本ではイタリア料理とフランス料理の違いをどう把握しているのかと思って、情報を探してみました。フランス料理とイタリア料理の違いを日本ではどう捉えているのか調べてみたら、面白かったのでメモしておきます。

日本人には違いを曖昧に受け取られているらしくて、説明しているサイトがたくさんありました。でも、納得できない点も多かったりして面白かったのでメモしておきます。


イタリア料理ではオリーブオイルを使い、フランス料理ではバターを使う

VS


これが定番の定義のようでしたが、一概には言えないと思うのです。フランスでは南北で半分に切って、北部ではバターや生クリームをたくさん使うけれど、イタリアに近い南部ではバターの代わりにオリーブオイルを使うと言われています。

暑い時にはオリーブオイルの方があっさりした料理になるので、南フランスではオリーブオイルをベースにした料理にしているのは当然だろうなと思います。

イタリア料理ではハーブをたくさん使うとも書かれていました。でも、これも南フランスには言える。ブルゴーニュの郷土料理では、圧倒的にパセリばかりを使います。

フレンチではソースが命、とも言われていました。全体的に見ればそう言えるだろうと思います。庶民的なレストランで食べる魚料理などは、加熱し過ぎて魚の味はなくなっており、ソースを味わう楽しみになっていることが多いので。



日本で主食にあたる米は、イタリアンではパスタ、フランスではパン

 VS 

そんな風に言えてしまえるものですか?

イタリアンでパスタだけ食べるならパスタが主食と言えるかもしれませんが、パンの代わりとは言えないです。いくらイタリア人でも、パスタをメイン料理と一緒に食べるはずはないですから。

イタリアのレストランでもパンは出ます。パン代を「coperto(コペルト)」と呼んで、席料としてチャージにしているくらいですから。

このパン代を取るというのをフランス人は大いに嫌います。レストランが料理の料金を決めるときには席料も加味して定めているはずなので、別にチャージされたって同じだ、と私は言いたくなりますけれど。

思い出せば、フランス人が日本のフランス料理店で食事したとき、定食のお品書きに「パン」と入っているのを面白がっていました。ライスかパンかのチョイスがあったりすると、パンが付いてくると書いてあることを馬鹿にするな、と言えましたけれど。

イタリアのフルコースでは、パスタはプリモ・ピアットとして料理の1つとして出すそうです。パスタはお腹にたまりますから、フランス人でも、メイン料理にパスタを選ぶ人が多いだろうと思います。私もイタリアで本格的なフルコースを食べたことはありません。

イタリア人が本当にパスタを前菜のように食べるのかと疑問に思っていたのですが、一度だけイタリアのレストランでフルコースを食べている人を目撃しました。夜に1人で食事していた男性。本当なんだと驚きました。



イタリアンには地方色豊かな料理が多く、フレンチには地方色が見えにくい

これは嘘~ と言いたい。
フランスだって地方色が強いです。昔は別々の国だった地方もあるくらいなので当然だと思います。

全国的に食べられるようになった郷土料理がたくさんありますが、その他に特定の地域でないと出てこない料理もあります。少なくとも、フランスの郷土料理では、何処がルーツなのかは知られています。

フランス人は郷土料理が多いことをを誇りにしているらしくて、「日本には郷土料理があるの?」などと聞かれたことさえありました。

フランス料理は、フランスの宮廷料理が発展して洗練され、それが大衆に広がったものです、という記述もありましたが、宮廷料理なんて言えない郷土料理もフランスにはたくさんあります。



食べにくい料理を手で食べるのは、
 イタリアンではOKだが、フランスではNG


そうなのですか? フランス料理では手づかみで食べなければならない料理があります。カエルの脛足とか、アーティチョーク。

ただし、イタリア人は大らかなので、この料理は手づかみでないと食べられないというのではなく、手づかみで食べた方が良いと判断するにするかもしれないという気はします。

イタリアを旅行したときにレストランのテラス席で食事していたら、フランス人がスパゲッティを食べると汁を飛ばしてしまって、シャツの胸に染みを作ってしまうと言って、ナプキンを赤ん坊のように胸当てしました。すると、隣の席にいたイタリア人男性が、そんなのでは効果はないと言って、傍で空席になったテーブルからテーブルクロスを取り上げて、それを胸当てにしたのでした。



イタリア料理はマンマ(お母さん)が作る家庭料理で、
 フランス料理はプロのシェフが作るプロの味


これは、そうなのだろうと思っています。

ヴェネチアに長く滞在したときには、安くて美味しい料理が食べられるレストランが気に入って通っていたのですが、1度くらいは高級レストランで食事しようということになったことがありました。

店は、いつも私たちが食事して居酒屋風とは違って高級レストラン風。クラシックも流れていて良い雰囲気。お給仕をしていた若者に料理が美味しいと言ったら、「マンマが作っているから♪」と誇らしげな返事。

一緒にいたフランス人は「ママが作る料理をレストランで出すなんて」と面白がっていたので、フランス人にとってのレストランはプロが作るものだという認識があるのだろうな、と思いました。

美味しかったけれど、私たちが行きつけにしていたレストランの料理より優れているとは思わない。何が違うかと言ったら、お勘定が倍くらいしたこと。

それ以来、イタリアに行ったときに庶民的なレストランに行くことにしました。手作りパスタなどは、気取って作らなくても美味しいですから。



フレンチのルーツはイタリアにある

現代の料理を食べると感じないことですが、歴史的に見たら本当だと思います。

フランス料理と言われるエスカルゴは、日本の友人から「戦時中の食糧難の時に食べるようになったの?」と聞かれたことがありましたが、古代ローマ人は好物にしていて、エスカルゴの養殖もしていたのだろうです。

フランス料理の価値を築いたということについては、フランス王室に嫁いできたカトリーヌ・ド・メディシス(1519~89年)の存在なしには語れないだろうと思います。



スパゲッティに関して

フランスでは、スパゲッティとソースを別々に出すとして、写真まで入れているサイトがありましたが、そんな凝ったことをするレストランにフランスで出会ったことはないので、本当に存在するのか知りません。

気取ったレストランの例を出したのでしょうが、フランスでミシュランの星を持つようなレストランで、庶民的なスパゲッティなどは出さないのではないかな?...

イタリア人はフォークに巻きつけて食べるが、フランス人は切って食べる、とも書いてありました。スパゲッティを切って食べているフランス人は一度も見たことがないので、本当なのかと疑ってしまいます。


フランスでは、ゆで上がったパスタを茹でたら熱湯で洗う、というのもありました。

もしかしたら、これは本当なのかも知れないとも思いますが、なんのためにそうするのか分からない。日本では、蕎麦を茹でたら冷水にさらすので、フランスでは熱湯でさらすという発想を持ったのかもしれないと言う気がします。固い麺が嫌だったら、長く煮れば良いわけなので。

グジャグジャになるほど煮たスパゲッティを出してきた友人に、そういう風にするものなのかと聞いてみたいと思いました。イタリアから移民してきた両親の子どもとして生まれたのですが、イタリアに行ったのは高齢になってから1回だけという女性です。

息子の友達が彼女のスパゲッティをいたく気に入ったのだ、と自慢していました。「いつでも食べにいらっしゃい」と言ったのだそう。彼女のところで食事する時間がなかった時は、持ち帰って息子さんの家で食べて、美味しかったと語っていたのだそう。スパゲッティは茹でたてが美味しいのですから、信じられない思いがしました。

イタリアで食べるスパゲッティが熱々なので、どうしたらそうなるのか聞いてみたことがありました。煮上がってスパゲッティを取り出した煮汁を、スパゲッティを入れる皿にかけて温めるとの返事でした。

それと、イタリアでは茹であげたスパゲッティにオリーブオイルを振りかけるというのも効果がありそう。真似しています。

パリでイタリアンをしているシェフはバターも少し入れると味が引き立つと言っていたので、私はそれも採用しています。本当のイタリアンではなくなるわけですが、上質バターを少し入れると美味しくなるのです。

スパゲッティと言えば、イタリアの少し気取ったレストランで、パルメザンチーズがないので頼んだことがありました。

フランス語を流暢に話すお給仕の人は、「私たちは魚介類のパスタにはパルメザンチーズは振りかけない伝統なのですけれど」と言いながらもチーズを持ってきてくれました。

そういうものだとは知らなかった。確かに、アサリのスパゲッティなどにパルメザンチーズをふると、貝の殻にチーズが張り付いてしまうので、もったいないとは思っていましたけれど。



サラダなどの生野菜は、
 フランスでは切らずにナイフとフォークを使って折りたたんで食べる


日本情報では、イタリアとフランスのマナーの違いに関する記述が目立ちました。こういうのが日本人は好きなのですよね。食べ終わったときにフォークとナイフをどう置くかという違いがイタリアとフランスにはある、なんてのもありました。

フランス人でもマナーを気にする人たちはいるでしょうが、成金的に上流社会に入った庶民階層の人たちが多いだろうと思っています。由緒ある家系の人たちは気取ったり、マナーを知らない庶民を馬鹿にしたりはしません。日本でも同じではないでしょうか? フランスとの違いは、背伸びする人たちが多いのかもしれない。

フランス人がサラダをどう食べているかを観察したことがありません。レストランでも家庭でも、切らなくても良いような大きさにされて出てきますので。

フランスの日常生活で食べる、なんでもないサラダ ↓

カミカゼ・サラダ
「カミカゼ」という名前がついたレタス 2009/09/07

イタリアでは、食べやすいサイズに切らないでサラダを出すのが普通なのでしょうか? 食べやすいサイズにしないで出してきたサラダは、ナイフで切って食べて何が悪いと言いたくなりますけれど...。


ブログ内リンク:
スープの季節 (1) 日本の西洋料理を見て不思議に思ったこと 2007/12/12
フランスで、バーガーがブームなのですって 2014/02/18
★ シリーズ記事目次: フランスの食事の歴史 2017年
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理

外部リンク:
☆ Wikipedia: イタリア料理 » Cuisine italienne
☆ Wikipedia: フランス料理 » Cuisine française
イタリア料理の一般的なフルコースメニューの順番と意味。
知ってるようで実は良く分からない 「イタリアン」と「フレンチ」の違いって何?
フランス料理とイタリア料理は密接な関係があった?その華麗な関係に迫る!
聞かれると、意外と分からない!?イタリア料理とフランス料理の違いとは?
フランス料理のスパゲッティってどんなの?
イタリアンとフレンチの料理やマナーの違い!フランス料理にパスタはあるの?
イタリアのレストランで出てくるパンは無料?有料?食べ方マナーは?



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