2021/09/07
臭いが強いことで有名なマロワルという北仏で生産されるチーズについて書いたのですが(臭いがきついことで知られるマロワル・チーズ、他にも臭いが強いチーズがフランスにはあるので探してみました。
フランス人でもチーズは苦手という人もいる
チーズを好きになって食べ比べるようになると、個性が強いものが好きになるように思います。
フランスの子どもたちはチーズが余り好きではないのではないかと感じています。それが大人になるとチーズ好きになるのですが、それでもチーズは好きではないという人がいます。特に臭いがきついチーズを出されると顔をしかめてしまうのは何度も目撃しています。
チーズは食べないという人でも、これだけは食べるというチーズがあります。
コンテ・チーズは例外らしい。臭いや癖が少ないチーズかもしれない。特に熟成が短いものはさっぱりしています。
コンテチーズは私も大好き。飛行機での移動でも品質が悪くならないので、日本に帰るときには必ずコンテチーズを持っていきます。ソーセージなどを持つのは禁止なのですが、チーズは大丈夫なのです。しかも、日本ではチーズが目茶目茶に高いので持って行く価値はある!
コンテチーズは臭いチーズの中には数えられないと思う。では、臭いと言われるチーズには何がある?
最も臭いと言われるフランスのチーズは?
北フランスにあるチーズ屋さんが、お客さんに臭いのきついチーズを試食させている動画「臭いチーズ」があったので挿入してみます。
注:エポワスといえば圧倒的にベルトー社が有名だが、こちらは未だに熱殺菌しない生乳を使ってエポワスを作っている希少価値がある会社。
LES FROMAGES QUI PUENT
北フランスの臭いがきついチーズに加えて、ブルゴーニュ地方のエポワス・チーズにスポットライトを当てて紹介していますね。やはり、フランス人にとっての臭いチーズはマロワルとエポワスに代表されていると感じます。
チーズ屋さんは、どんなチーズでも臭いのだと言っていますね。確かにそう...。そういう個性がなかったら、チーズとは名ばかりのものになってしまうと思います。
具体的にどのチーズが「臭い」と言われているのか? ランキングがあるので、そこで取り上げられているチーズを並べて眺めてみました。
私の個人的な結論:
では、臭いとされていた主なチーズを一覧表にしたので入れます。
説明:
* 産地: 緯度で大まかに3分割した区分(北部、中部、南部)
** 順位: チーズの臭い評価ランキング
数字: イギリスの学者が電子鼻を用いてランク付けしたトップ10
★: フランスのサイトで挙げられたトップ10(出所によって色分け)
上の動画(臭いチーズ)で触れられていたチーズ
最も臭いチーズはフロマージュ・フォール?
上に入れた動画「臭いチーズ」では、フランス北部にあるチーズ屋さんが最後に瓶に入れた「Fort de Béthune(フォール・ド・ベテュンヌ)」を試食させています。トップレベルで臭いチーズとして登場させているわけです。
これはマロワルとヴュー・リールのチーズを合わせ、それにネズの実、エストラゴン、パセリ、胡椒、アルコール飲料を入れて3週間発酵させて作るのだと言っています。使っているアルコール飲料はビール? 北フランスではワイン代わりに飲む人もいるので。チーズ情報を見ると、白ワインとブランデーを入れるとありましたた。
これは古くなったチーズ(従って臭いも強くなる)を使って作るフロマージュ・フォール(fromage fort)。英語で言えば「ストロング・チーズ」というところ。名前の通り香りも味もきついのです。普通の臭いチーズは臭いがきつくても口に入れればどうということはないのですが、フロマージュ・フォール・ド・ベテュンヌは口にいれても強い味があるそうで、試食した人たちも顔をしかめていました。パンに付けずに食べたらたまらないだろうと思いましたが。
ブルゴーニュでも、特に南部ではフロマージュ・フォールを作る伝統があるので、ブログに書いていました(レシピ: 古くなった山羊チーズで作るフロマージュ・フォール)。
フォール・ド・ベテュンヌを売っている所は数少ないと言っていますが、ブルゴーニュの山羊乳のフロマージュ・フォールも滅多に売っていませんね。ブルゴーニュ南部で山羊チーズを作って売っている農家やチーズ屋さん程度です。
フロマージュ・フォールがチーズの中で最も臭いとしても、地元の人くらいにしか知られていなかったらランキングには登場しないわけですね。
フランス人でもチーズは苦手という人もいるチーズを好きになって食べ比べるようになると、個性が強いものが好きになるように思います。
フランスの子どもたちはチーズが余り好きではないのではないかと感じています。それが大人になるとチーズ好きになるのですが、それでもチーズは好きではないという人がいます。特に臭いがきついチーズを出されると顔をしかめてしまうのは何度も目撃しています。
チーズは食べないという人でも、これだけは食べるというチーズがあります。
コンテ・チーズは例外らしい。臭いや癖が少ないチーズかもしれない。特に熟成が短いものはさっぱりしています。
コンテチーズは私も大好き。飛行機での移動でも品質が悪くならないので、日本に帰るときには必ずコンテチーズを持っていきます。ソーセージなどを持つのは禁止なのですが、チーズは大丈夫なのです。しかも、日本ではチーズが目茶目茶に高いので持って行く価値はある!
コンテチーズは臭いチーズの中には数えられないと思う。では、臭いと言われるチーズには何がある?
最も臭いと言われるフランスのチーズは?北フランスにあるチーズ屋さんが、お客さんに臭いのきついチーズを試食させている動画「臭いチーズ」があったので挿入してみます。
| ~ 1:49: | 北フランスのチーズ屋での試食会 | |
| 1:50 ~: | ブルゴーニュ地方のエポワスの紹介 | |
| ~ 3:10: | エポワスのチーズ製造所 Fromagerie Gaugry社(注) | |
| 3:11 ~ 4:56: | エポワス村にあるレストランでエポワスを使った料理の紹介 | |
| 4:57 ~: | 試食会の最後にFort de Béthune というチーズを出す | |
注:エポワスといえば圧倒的にベルトー社が有名だが、こちらは未だに熱殺菌しない生乳を使ってエポワスを作っている希少価値がある会社。
LES FROMAGES QUI PUENT
北フランスの臭いがきついチーズに加えて、ブルゴーニュ地方のエポワス・チーズにスポットライトを当てて紹介していますね。やはり、フランス人にとっての臭いチーズはマロワルとエポワスに代表されていると感じます。
チーズ屋さんは、どんなチーズでも臭いのだと言っていますね。確かにそう...。そういう個性がなかったら、チーズとは名ばかりのものになってしまうと思います。
具体的にどのチーズが「臭い」と言われているのか? ランキングがあるので、そこで取り上げられているチーズを並べて眺めてみました。
私の個人的な結論:
- 臭いチーズの代表格は、エポワスとマロワル(および類似製法のチーズ)のようだ。その他、リヴァロ、カマンベール・ド・ノルマンディー、ポン・レヴェックも挙げられる。いずれも品質保証AOC/AOPを獲得している。
現在のフランスで作られているチーズは1,000種類くらいあるが、農業製品に与えられるAOC/AOPの品質保証を持つチーズ(46ある)は厳しい規制のもとに伝統的な製法がされるためか、臭いチーズとしてリストアップされているものが多い。
- 外皮を塩水や酒で洗いながら熟成させたウオッシュタイプのチーズは臭いがきついものが多い。
- チーズの産地を緯度でざっくりと3つに分けてみた。チーズは土地の風土に合ったものが作られているので、臭いチーズが好んで作られる地方があるかと思ったのだが、そうでもないようだ。
- 南部で生産される臭いチーズは、なぜか牛乳ではなく、ヤギやヒツジの乳で作られたものが並んだ。
- あちこちで臭いが強いとされていたチーズを21リストアップしたのだが、私の記憶に残っているものは11だけ。不快に思うほど強い臭いがあると感じたチーズは1つもなかった。エポワスは、買ってから日が立ちすぎると確かに臭いは強すぎると感じるが。
では、臭いとされていた主なチーズを一覧表にしたので入れます。
説明:
* 産地: 緯度で大まかに3分割した区分(北部、中部、南部)
** 順位: チーズの臭い評価ランキング
数字: イギリスの学者が電子鼻を用いてランク付けしたトップ10
★: フランスのサイトで挙げられたトップ10(出所によって色分け)
上の動画(臭いチーズ)で触れられていたチーズ| チーズ名(品質保証、画像) | 産地 * | 原料乳 | 注 | 順位 ** | ||
Maroilles (Marolles) AOC/AOP | 北部 | 牛 | ウオッシュタイプ 熟成期間: 21~35日以上 リネンス菌(bacterium linens / ferment du rouge)を使用。 | ★★ | ||
| Vieux-Lille (Gris de Lille) ヴュー・リール | 北部 | 牛 | ウオッシュタイプ マロワルの熟成を長くしたもの。5~6カ月で粘りがあり臭いがきつい灰色のチーズになる。 あだ名: Puant macéré(漬け込んだ悪臭) | ★★ | ||
| Boulette d'Avesnes ブーレット・ダヴェーヌ | 北部 | 牛 | ウオッシュタイプ 熟成期間: 最低2カ月。 外皮をビールで洗い、天然色素ないしパプリカで着色する。 | ★★★ | ||
| Vieux Boulogne ビュー・ブローニュ | 北部 | 牛 | ウオッシュタイプ 熟成期間: 7~9週間 | 1 ★★★ | ||
ポン・レヴェック | 北部 | 牛 | ウオッシュタイプ 熟成期間: 6週間 | 2 ★★★ ★ | ||
| Camembert de Normandie AOC/AOP カマンベール・ド・ノルマンディ | 北部 | 牛 | 白かびタイプ 原産地統制呼称(AOC)を取得しているカマンベール・チーズ。 熟成期間: 21日以上 | 3 ★★★ ★ | ||
| Munster AOC/AOP マンステール | ![]() | 北部 | 牛 | ウオッシュタイプ 熟成期間: 3週間 リネンス菌(bacterium linens / ferment du rouge)を使用。 | 4 ★★★ | |
| Livarot AOC/AOP リヴァロ | 北部 | 牛 | ウオッシュタイプ 熟成期間: 90日 | 8 ★★★ ★ | ||
| Bergues ベルグ | 北部 | 牛 | ウオッシュタイプ 熟成期間: 4週間 | |||
| Epoisses AOC/AOP エポワス・ド・ブルゴーニュ | ![]() | 中部 | 牛 | ウオッシュタイプ ブドウの搾りかすから作ったマール酒で洗いながら熟成させる。 熟成期間: 4~6週間 | 10 ★★★ ★★ | |
| Le Trou du Cru トゥルー・デュ・クリュ | 中部 | 牛 | ウオッシュタイプ エポワスと同じ製法の小型チーズ。 | ★ | ||
| Reblochon AOC/AOP ルブロッション | 中部 | 牛 | セミハードタイプ 熟成期間: 18日~40日 | 7 ★★★ | ||
| Brie de Meaux AOC/AOP ブリー・ド・モー | 中部 | 牛 | 白かびタイプ 熟成期間: 4~8週間 | 5 ★ | ||
| Langres AOC/AOP ラングル | 中部 | 牛 | ウオッシュタイプ 熟成期間: 15~21日(サイズによる) | |||
| Ramequin ラムカン | 中部 | 牛 | ハードタイプ | |||
| Crottin de Chavignol AOC/AOP クロタン・ド・シャピニオル | 中部 | 山羊 | セミハードタイプ 熟成期間: 10日以上 | |||
| Roquefort AOC/AOP | 南部 | 羊 | 青かびタイプ 熟成期間: 3カ月 | 6 ★★★ | ||
| Banon AOC/AOP バノン | 南部 | 山羊 | 白かびタイプ(?) 熟成期間: 2~8週間 | 9 ★ | ||
| Ossau Iraty AOC/AOP | 南部 | 羊 | セミハードタイプ 熟成期間: 3カ月 | |||
| Fium'orbu | ![]() | 南部 | 羊 山羊 | ウオッシュタイプ コルシカ島のチーズ | ★ | |
| A Casinca | 南部 | 山羊 | ウオッシュタイプ コルシカ島のチーズ 熟成期間: 1~3カ月 | ★ | ||
順位として選んだ情報:
数字: Top 10 des fromages qui puent le plus, le classement qui daube sec
★TOP 10 des fromages les plus puants
★Top des fromages qui puent: on vout dit tout !
★Les fromages qui puent !
★Le tour de France des fromages qui puent !
★La liste des fromages qui sentent le plus fort !
数字: Top 10 des fromages qui puent le plus, le classement qui daube sec
★TOP 10 des fromages les plus puants
★Top des fromages qui puent: on vout dit tout !
★Les fromages qui puent !
★Le tour de France des fromages qui puent !
★La liste des fromages qui sentent le plus fort !
最も臭いチーズはフロマージュ・フォール?上に入れた動画「臭いチーズ」では、フランス北部にあるチーズ屋さんが最後に瓶に入れた「Fort de Béthune(フォール・ド・ベテュンヌ)」を試食させています。トップレベルで臭いチーズとして登場させているわけです。
これはマロワルとヴュー・リールのチーズを合わせ、それにネズの実、エストラゴン、パセリ、胡椒、アルコール飲料を入れて3週間発酵させて作るのだと言っています。使っているアルコール飲料はビール? 北フランスではワイン代わりに飲む人もいるので。チーズ情報を見ると、白ワインとブランデーを入れるとありましたた。
これは古くなったチーズ(従って臭いも強くなる)を使って作るフロマージュ・フォール(fromage fort)。英語で言えば「ストロング・チーズ」というところ。名前の通り香りも味もきついのです。普通の臭いチーズは臭いがきつくても口に入れればどうということはないのですが、フロマージュ・フォール・ド・ベテュンヌは口にいれても強い味があるそうで、試食した人たちも顔をしかめていました。パンに付けずに食べたらたまらないだろうと思いましたが。
ブルゴーニュでも、特に南部ではフロマージュ・フォールを作る伝統があるので、ブログに書いていました(レシピ: 古くなった山羊チーズで作るフロマージュ・フォール)。
フォール・ド・ベテュンヌを売っている所は数少ないと言っていますが、ブルゴーニュの山羊乳のフロマージュ・フォールも滅多に売っていませんね。ブルゴーニュ南部で山羊チーズを作って売っている農家やチーズ屋さん程度です。
フロマージュ・フォールがチーズの中で最も臭いとしても、地元の人くらいにしか知られていなかったらランキングには登場しないわけですね。
内部リンク:
★臭いがきついことで知られるマロワル・チーズ 2021/09/05
★AOC/AOPエポワスは不思議なチーズ 2015/07/14
★レシピ: 古くなった山羊チーズで作るフロマージュ・フォール 2017/01/22
★目次: 乳製品(チーズ、バター、生クリーム)に関して書いた記事
⇒ ブルゴーニュ地方のチーズ
★カテゴリ: 食材: チーズ・乳製品
情報:
☆Comment expliquer l'odeur des fromages
☆Pourquoi aimons-nous le fromage « qui pue » ?
☆匂いがきついチーズについて
☆Wikipedia: Fromage » チーズ
☆Wikipedia: Liste de fromages français
☆AOPチーズのリーフレット日本語版(PDF)
☆Les fromages AOP, le savoir-faire des terroirs français
☆Tout savoir sur l'AOP » Les AOP laitières françaises
☆Wikipedia: AOCチーズの一覧 » Liste des AOC et AOP laitières françaises
☆Wikipedia: Types de pâtes de fromage
☆Wikipedia: ウォッシュチーズ » Fromage à pâte molle à croûte lavée
☆ウォッシュチーズをおいしく食べたい方必見!種類についても解説します♪
☆Wikipedia: Fromage à pâte molle à croûte fleurie
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